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【第五部:聖なる村】第四章
キーロイとジャン・ガール
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「いい度胸だな。おまえ、何者だ」
暗闇から男の声がする。雲の合間に見え隠れする月の明かりの力を借りると、その人影は三人ほどであろうか。
「おう、お出迎えとはありがたい。おまえさんたちのねぐらを探し歩いていたんだが、見つかりゃしねえ。さすがだな」
「何者かと聞いているんだ」
同じ男の声と、剣を鞘から抜く音がした。ゼムズは両手を挙げた。
「おまえさんたちとやり合う気はねえ。お仲間にしてほしくて来たんだからな」
相手の様子をうかがうが、変化はない。剣先はまだ上を向いているようだ。ゼムズは続けた。
「おまえさんたち、かの有名な盗人集団だろ? こっちの世界じゃ伝説になってるぜ。人は殺らない、ブツだけいただく。度重なる警吏部や公安の捜査も見事にかわし、その正体いまだに掴めず、ってね。まさに理想形だ」
ゼムズは自分の言葉に納得するかのようにうなずく。
「どうだ、この俺を混ぜてみねえか。損はさせないぜ」
男たちは何やら顔を寄せ合ってひそひそ話している。やがて、剣を持った男がゆっくりと近づいてきた。剣先はゼムズの喉元をぴたりと狙っている。その両脇から二人の男がにじり寄ってきた。ゼムズはあえて両腕を頭上に上げたままにしていた。剣を持った男がいった。
「……それを決めるのは、俺たちじゃない」
その直後、ゼムズはみぞおちに鈍い衝撃を感じた。
わかっていてやられるのは、なかなかしんどいな……。
そんなことを思いながら、ゼムズの意識は遠のいていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゼムズは無意識のうちにまた腹をさすっていた。先ほど受けた脇腹への攻撃より、受け身なしでまともに食らったみぞおちへの一発のほうが、まだ痛む。
「なんだ、がたいがいいわりに痛がりか?」
隣でやけに細い短剣のようなものを念入りに布で磨いている痩せた男が、皮肉交じりにいう。ゼムズの世話を任されたキーロイだ。ゼムズはキーロイの頭からつま先までまじまじと見てから鼻を鳴らした。
「あんたにいわれても、逆に笑えるね」
するとキーロイは、剣を磨く手を休めずにいった。
「その一発をお見舞いしたのが俺でもか?」
ゼムズは思わず男の顔を覗き込んだ。
「あれはあんただったのか。そんな拳で殴っても、指が折れちまうだろうよ」
するとキーロイは手を止めて顔をあげた。口元は笑っているが、痩せているせいだろうか、眼光がやたらと鋭く突き刺さる。
「意外と堪えただろ? 見かけで判断してもらっちゃ困るな」
そこでゼムズは気がついた。彼が先ほどから丁寧に磨いていたのは、短剣ではなく、紙切りナイフだった。よく見ると、柄にはきらびやかな装飾が施されている。刃にあたる部分は滑らかなカーブを描き、先端はやや丸みを帯びている。これで人を刺せば殺せるだろうが、実用的とはいえない。
彼の足元にある革袋の中身を覗き見て、ゼムズは納得した。キーロイは盗品の手入れをしていたのだ。
「で? 確かにおまえを用心棒で雇ったら命は保証されるだろうな。それだけの腕があって、どうしてここに?」
ゼムズは用意しておいた答えをいった。
「用心棒は儲からないからな。危ない橋を渡っても、その日の生活でぎりぎりよ。だったら、こっちのほうが稼げるからな」
それは本心だった。用心棒は割に合わない。道徳観というものがなければ、とっくの昔に窃盗団に入っていただろう。
「殺しがないのもいい。仕事とはいえ散々人を斬ってきたからな」
ゼムズは付け足した。潜入捜査だというのに人を殺してしまっては本末転倒だ。するとキーロイは喉を鳴らして笑った。
「殺しはしない。これは鉄則だがな、俺たちは一部の庶民が思っているような義賊とは違う。殺らないのは、公安の奴らに目をつけられないためだ。盗人と人殺しでは、奴らの目の色が変わるからな。金持ちを狙うのだって、そのほうが効率よく稼げるからだ。尻尾を掴まれずにうまいこと動くには、ちょうどいい按配ってのがあるんだよ」
ゼムズは感心してうなずいた。
「じゃあ、今までひとりも尻尾を掴まれずに来てるのか?」
思わず口をついて出た言葉に、ゼムズは少し後悔した。
話の核心に触れるにはまだ早すぎたか。どうもこういった駆け引きは得意ではない。
しかしキーロイは気に留めてはいないようだった。
「俺の知る限りじゃ、いないね。……あ、いや、ひとりいたか……」
そのまま独り言のように言葉を濁し黙ってしまったので、ゼムズは次第に落ち着かなくなっていった。
「おい、気になるじゃねえか。ひとり、いたのかよ」
彼は、磨いていた紙切りナイフを頭上にかざし、四方から丹念に眺めたあと、満足そうに足元の革袋へ戻した。
「ああ、まあな。でもあれは濡れ衣でとっ捕まったやつだからな、尻尾を掴まれたわけじゃねえ……」
革袋の中をまさぐり、今度は銀色に光る灰皿を取り出す。肺を落とす部分はとても小さく、縁がやたらと幅の広い代物だ。そこには美しい肉体を持つ半裸の女性や楽器を持つ赤子の彫刻が施されている。彼は縁の部分に息を吐きかけながら布で擦り始めた。
「あの件だけは納得いかねえ……。おまえ、聞いたことないか? 王族の紋章盗難事件」
そういって、キーロイは顔を上げた。唐突に目が合って、ゼムズはまた自分が不自然な表情をしていないか気になった。
「おう、知ってるぜ。宮殿のお宝が盗まれて、この町の盗人が犯人だったんだろ。宮殿側は見事お宝を取り返したが、犯人は護送中に仲間と思われる暴漢に襲われ、口封じに殺された……だったか」
キーロイはうなずいた。
「その犯人っていうのは、俺たちの仲間だったんだ。ジャン・ガールといってね、盗みの腕はぴか一だった」
それは、そいつが『神の民』だったからか?
喉元まで出かかった言葉を、ゼムズは慌てて飲み込んだ。キーロイは気づかずに続けた。
「俺たちは絶対単独では動かない。本人にも仲間にも、危険が及ぶからな。そんなことをしたら、デューカンが許さねえ」
ゼムズは無言でうなずいた。あの偉そうな棟梁はデューカンというらしい。
「この町で充分稼げているのに、縄張りを抜けてわざわざ王家のお宝に手を出すなんて、あり得ない話だ」
「でも、実際にそいつの持ち物から紋章が出てきたんだろう? 犯人の一味だったんじゃないのか」
キーロイは首を横に振った。
「あいつは嵌められたんだ。あいつがデューカン以外から仕事を受けるわけがねえ。そんな奴じゃない」
キーロイは確信しているようだったが、客観的な証拠はなさそうだ。
「でも、護送中に殺されたのは、口封じ以外には考えられないんじゃないのか?」
ゼムズの問いに、キーロイは声を荒げた。
「そんなことは知らねえよ! 殺った奴らに聞けよ」
ゼムズは口を閉ざした。ただの犯罪集団だと思っていたが、意外と仲間同士の繋がりは濃いようだ。あるいは、キーロイが特にジャン・ガールと親密だったのかもしれない。
また機会を見てそれとなく聞いてみよう。
ゼムズは無言で盗品磨きの手伝いを始めた。
暗闇から男の声がする。雲の合間に見え隠れする月の明かりの力を借りると、その人影は三人ほどであろうか。
「おう、お出迎えとはありがたい。おまえさんたちのねぐらを探し歩いていたんだが、見つかりゃしねえ。さすがだな」
「何者かと聞いているんだ」
同じ男の声と、剣を鞘から抜く音がした。ゼムズは両手を挙げた。
「おまえさんたちとやり合う気はねえ。お仲間にしてほしくて来たんだからな」
相手の様子をうかがうが、変化はない。剣先はまだ上を向いているようだ。ゼムズは続けた。
「おまえさんたち、かの有名な盗人集団だろ? こっちの世界じゃ伝説になってるぜ。人は殺らない、ブツだけいただく。度重なる警吏部や公安の捜査も見事にかわし、その正体いまだに掴めず、ってね。まさに理想形だ」
ゼムズは自分の言葉に納得するかのようにうなずく。
「どうだ、この俺を混ぜてみねえか。損はさせないぜ」
男たちは何やら顔を寄せ合ってひそひそ話している。やがて、剣を持った男がゆっくりと近づいてきた。剣先はゼムズの喉元をぴたりと狙っている。その両脇から二人の男がにじり寄ってきた。ゼムズはあえて両腕を頭上に上げたままにしていた。剣を持った男がいった。
「……それを決めるのは、俺たちじゃない」
その直後、ゼムズはみぞおちに鈍い衝撃を感じた。
わかっていてやられるのは、なかなかしんどいな……。
そんなことを思いながら、ゼムズの意識は遠のいていった。
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ゼムズは無意識のうちにまた腹をさすっていた。先ほど受けた脇腹への攻撃より、受け身なしでまともに食らったみぞおちへの一発のほうが、まだ痛む。
「なんだ、がたいがいいわりに痛がりか?」
隣でやけに細い短剣のようなものを念入りに布で磨いている痩せた男が、皮肉交じりにいう。ゼムズの世話を任されたキーロイだ。ゼムズはキーロイの頭からつま先までまじまじと見てから鼻を鳴らした。
「あんたにいわれても、逆に笑えるね」
するとキーロイは、剣を磨く手を休めずにいった。
「その一発をお見舞いしたのが俺でもか?」
ゼムズは思わず男の顔を覗き込んだ。
「あれはあんただったのか。そんな拳で殴っても、指が折れちまうだろうよ」
するとキーロイは手を止めて顔をあげた。口元は笑っているが、痩せているせいだろうか、眼光がやたらと鋭く突き刺さる。
「意外と堪えただろ? 見かけで判断してもらっちゃ困るな」
そこでゼムズは気がついた。彼が先ほどから丁寧に磨いていたのは、短剣ではなく、紙切りナイフだった。よく見ると、柄にはきらびやかな装飾が施されている。刃にあたる部分は滑らかなカーブを描き、先端はやや丸みを帯びている。これで人を刺せば殺せるだろうが、実用的とはいえない。
彼の足元にある革袋の中身を覗き見て、ゼムズは納得した。キーロイは盗品の手入れをしていたのだ。
「で? 確かにおまえを用心棒で雇ったら命は保証されるだろうな。それだけの腕があって、どうしてここに?」
ゼムズは用意しておいた答えをいった。
「用心棒は儲からないからな。危ない橋を渡っても、その日の生活でぎりぎりよ。だったら、こっちのほうが稼げるからな」
それは本心だった。用心棒は割に合わない。道徳観というものがなければ、とっくの昔に窃盗団に入っていただろう。
「殺しがないのもいい。仕事とはいえ散々人を斬ってきたからな」
ゼムズは付け足した。潜入捜査だというのに人を殺してしまっては本末転倒だ。するとキーロイは喉を鳴らして笑った。
「殺しはしない。これは鉄則だがな、俺たちは一部の庶民が思っているような義賊とは違う。殺らないのは、公安の奴らに目をつけられないためだ。盗人と人殺しでは、奴らの目の色が変わるからな。金持ちを狙うのだって、そのほうが効率よく稼げるからだ。尻尾を掴まれずにうまいこと動くには、ちょうどいい按配ってのがあるんだよ」
ゼムズは感心してうなずいた。
「じゃあ、今までひとりも尻尾を掴まれずに来てるのか?」
思わず口をついて出た言葉に、ゼムズは少し後悔した。
話の核心に触れるにはまだ早すぎたか。どうもこういった駆け引きは得意ではない。
しかしキーロイは気に留めてはいないようだった。
「俺の知る限りじゃ、いないね。……あ、いや、ひとりいたか……」
そのまま独り言のように言葉を濁し黙ってしまったので、ゼムズは次第に落ち着かなくなっていった。
「おい、気になるじゃねえか。ひとり、いたのかよ」
彼は、磨いていた紙切りナイフを頭上にかざし、四方から丹念に眺めたあと、満足そうに足元の革袋へ戻した。
「ああ、まあな。でもあれは濡れ衣でとっ捕まったやつだからな、尻尾を掴まれたわけじゃねえ……」
革袋の中をまさぐり、今度は銀色に光る灰皿を取り出す。肺を落とす部分はとても小さく、縁がやたらと幅の広い代物だ。そこには美しい肉体を持つ半裸の女性や楽器を持つ赤子の彫刻が施されている。彼は縁の部分に息を吐きかけながら布で擦り始めた。
「あの件だけは納得いかねえ……。おまえ、聞いたことないか? 王族の紋章盗難事件」
そういって、キーロイは顔を上げた。唐突に目が合って、ゼムズはまた自分が不自然な表情をしていないか気になった。
「おう、知ってるぜ。宮殿のお宝が盗まれて、この町の盗人が犯人だったんだろ。宮殿側は見事お宝を取り返したが、犯人は護送中に仲間と思われる暴漢に襲われ、口封じに殺された……だったか」
キーロイはうなずいた。
「その犯人っていうのは、俺たちの仲間だったんだ。ジャン・ガールといってね、盗みの腕はぴか一だった」
それは、そいつが『神の民』だったからか?
喉元まで出かかった言葉を、ゼムズは慌てて飲み込んだ。キーロイは気づかずに続けた。
「俺たちは絶対単独では動かない。本人にも仲間にも、危険が及ぶからな。そんなことをしたら、デューカンが許さねえ」
ゼムズは無言でうなずいた。あの偉そうな棟梁はデューカンというらしい。
「この町で充分稼げているのに、縄張りを抜けてわざわざ王家のお宝に手を出すなんて、あり得ない話だ」
「でも、実際にそいつの持ち物から紋章が出てきたんだろう? 犯人の一味だったんじゃないのか」
キーロイは首を横に振った。
「あいつは嵌められたんだ。あいつがデューカン以外から仕事を受けるわけがねえ。そんな奴じゃない」
キーロイは確信しているようだったが、客観的な証拠はなさそうだ。
「でも、護送中に殺されたのは、口封じ以外には考えられないんじゃないのか?」
ゼムズの問いに、キーロイは声を荒げた。
「そんなことは知らねえよ! 殺った奴らに聞けよ」
ゼムズは口を閉ざした。ただの犯罪集団だと思っていたが、意外と仲間同士の繋がりは濃いようだ。あるいは、キーロイが特にジャン・ガールと親密だったのかもしれない。
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