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【第二部:天と地の狭間】

★★★★★これまでのあらすじ★★★★★

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【第一部:王位継承者】あらすじ

※※※※※ ネタバレ注意!!! ※※※※※

 話を忘れてしまった人、さらっと復習したい人用のあらすじです。完全にネタバレになっていますので、まだ第一部を読んでいなくてこれから読もうと思っている人は避けて通ってください!!!






 第三王位継承者であり、回復の白魔術を使える第一級神官、エルシャは、「サラマ・アンギュース(神の民)を探し出せ」という神託を受けた。神の民には6種族あり、それぞれが破壊・予見・創造・操作・記憶・封印の力を持つとされる。これらの神力は小さなかけらに凝縮されており、これを体内に埋めることで神力が発動できるという。どこに何人いるかもわからないサラマ・アンギュースを見つけ出すため、エルシャは、従者であり親友でもあるフェランとともに旅に出た。

 あてもなく旅を始めたエルシャとフェランは、芸能一座の少女ナイシェ、用心棒を生業とするゼムズ、ナイシェと十一年前に生き別れた姉ディオネと出会う。ゼムズは予見の民であり、自分たちがともに旅をする運命だと告げた。それを聞いたナイシェは、自分の夢の中に閉じ込められた不思議な少年の助言により、エルシャたちと旅に出ることを決意する。
 しかし、サラマ・アンギュース探しは簡単ではない。なぜなら、神の民は人々から忌み嫌われ、その正体を隠してひっそりと暮らしているからだ。かけらは家系の中で代々継承され、かけらを守るため、彼らはそれを自分の急所や体内の奥深くに埋める。埋めるときには神の力が働き傷は治癒するが、取り出すときにはそうではない。彼らは、かけらのために親を切り刻む残酷な人非人として、迫害されるのだ。

 そんな中、アルマニア宮殿では、息子を次期国王にと企む母サルジアの支配から逃れるため宮殿を飛び出した、エルシャの従兄である第二王位継承者ジュベールが、同じく王位を狙う従弟のテュリスに命を狙われていた。ヘルマークの町でジュベールを助け出したエルシャたち一行だったが、このとき、実はディオネが破壊の民、そしてナイシェが創造の民であることが判明する。さらには、フェランが予見の民であることもわかったが、フェランはエルシャと出会う5歳以前の記憶がなく、いつどのようにかけらを継承したのかは謎のままだった。

 王位継承問題から遠ざかりたいジュベールだったが、黒魔術を習得したサルジアに宮殿へ連れ戻されてしまう。サルジアの不思議な魔術によって精神を麻痺させられ、サルジアの操り人形と化してしまったジュベールを助けるため、エルシャたちは打倒サルジアのためテュリスと手を組むことにする。宮廷魔術師の力を借り、一行はサルジアの処刑に成功した。しかし、ジュベールにかけられた術は解けない。さらには、処刑直後に国王が急死する。国王の遺言により新国王はジュベールとなるはずだったが、サルジアの呪縛下にあるジュベールに務まるはずもなく、ジュベールの残した手紙により、新国王にはエルシャの腹違いの弟であるリキュスが即位することとなった。

 サルジアの「ジュベールを治せるのはサラマ・エステの頂上にある薬草だけ」という言葉を頼りに、エルシャたちは薬草を探す旅に出るのだった。
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