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【第六部:終わりと始まり】最終章
終わりと始まり③
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その日、水晶宮で多くの貴族が見守る中、戴冠式が行われた。
清白を表す白い絹の法衣に金襴のマントを羽織り、エルシャは壇上へ上がった。ひざまずきこうべを垂れるエルシャの頭上に、大神官が銀の聖杖を振りかざす。
「すべての聖なる誕生、すべての定められし運命、すべての正しき業の源泉である神のお導きにより、今ここに、新たなる国王が生まれる。願わくば、この者の慈悲深き心がすべての民に安息をもたらさんことを。正義の行いが悪しきを罰し、弱きを守らんことを。聡慧な裁きが国民に進むべき道を示さんことを」
黄金の宝剣が与えられ、エルシャの頭に金色に輝く王冠が載せられた。
「今、神の御前における戴冠の儀をもって、ここにエルシャ・ガルシア・ランス・ド=コレのアルマニア王国国王への即位を宣言する。アルマニア八世陛下万歳!」
水晶宮が大きな歓声と惜しみない喝采に包まれた。
その夜、大広間で久方ぶりの宴が開かれた。多くの貴族、そして使用人までもが、隠すことのない心からの笑顔でときを過ごした。
軽快な音楽が鳴り響き、広間の中央で紳士淑女が思い思いに踊る。その周りでは、踊り疲れた貴族たちが次から次へと給仕される晩餐やワインに舌鼓を打つ。
大広間の一角で、ナイシェがティーダとの再会を喜んでいた。
「ティーダ! すっかり見違えちゃって、はじめは誰かわからなかったわよ」
小躍りするナイシェの目の前にいる少年は、栗色の髪を短く刈り上げ、短い前髪の下には、くっきりした眉毛と小さくも丸く光る茶色の瞳が見える。色白の肌と頬のそばかすだけは、以前と変わらない。ティーダは照れたように笑った。
「えへへ、リューイにさ、こっちのほうが似合うっていわれて。ナイシェは相変わらず、最高の踊りだったよ。空気みたいに軽くて、きれいで、まるで天使だったよ」
「うれしいわ! ティーダこそ、びっくりしたわよ。あんなに手品がうまくなるなんて」
「そりゃあね、がんばらないと、舞台に立たせてもらえないからね。あれからだいぶ体も大きくなって、種も仕込みやすくなったんだ」
自慢げにいう。そこに、高く明るい少女の声が響いた。
「ティーダ! 見てたわよ、あなた、才能あるのね!」
えんじのドレスに身を包み、髪を白いレースのリボンで結い上げたラミの姿を見て、ティーダが思わず後ずさる。
「あっ、ラミ、み、見ていてくれたんだね。ありがとう……」
頬を赤く染めてしどろもどろになっている。そんなことはおかまいなしに、ラミはティーダの手を取った。
「ねえ、いろんな町を回っているんでしょ? いつかはイルマにも来るのかしら。田舎だから無理かしら……」
顔を近づけてしきりに話しかけている。どんどんのけぞるティーダを見て、ナイシェも笑いを堪えきれない。
「かわいいものですね」
いつの間にかフェランがいた。戴冠式のときと同じ、長い髪をひとつにまとめ、ビロードのコートを着たいでたちだ。そこに、肉を頬張りながらディオネもやってくる。
「あたし、ずっと思ってたんだけどさ。あのとき、ティーダが戦うことにしたのって、実はラミを気に入ったからなんじゃないの?」
「そんな理由で?」
「いや、勝手な想像だけどさ。にしてもこの肉、おいしいねえ。こんな機会滅多にないんだから、たらふく食べておかないと。ほら、あっちの魚もおいしそう――」
隣のテーブルの料理へ吸い寄せられ、うっかりドレスの裾を踏む。
「姉さん!」
助ける間もなく顔面から着地しそうになったディオネを抱きとめたのは、テュリスだった。
「相変わらずドレスの足さばきも覚えられないのか、おまえは」
ディオネの上半身を片腕で軽々と支えたまま、冷たくいい放つ。ディオネは真っ赤になって立ち上がった。
「う、うるさいわね、まだ足が治ってないのよ!」
苦し紛れにいい訳をするディオネを、テュリスが鼻でせせら笑う。
「ほう、それが助けてやった者に対する態度か」
言葉に詰まる。負けず嫌い根性が頭をもたげ、ディオネはふてくされながら小声でいった。
「あ……ありがとう」
「頬に肉がついてるぞ」
「え!?」
「嘘だ」
「え……えぇ!?」
慌てふためくディオネに、テュリスは声をあげて笑いながら去っていった。
「は!? ちょっと待ちなさいよ、あんた!」
ディオネがあとを追いかける。ナイシェはフェランにそっと耳打ちをした。
「私ね、ときどき、あの二人ってすごく気が合うんじゃないかって思うの」
フェランもくすくすと笑っている。
「随分と楽しそうだね」
背後から声がかかり振り向いたフェランは、思わず直立してしまった。
「マ、マニュエル公爵……!」
マニュエルは柔和な笑みを浮かべた。
「りりしくなったものだね、フェラン。そうかしこまらなくていいよ、君はもう宮廷の使用人ではないのだから」
フェランは落ち着きなく首を振った。
「いえ、とんでもごさいません。本来でしたらこのような場にいる人間ではありませんので」
マニュエルと話すのは、相変わらず苦手だった。しつこく求愛されていたころはあんなに迷惑だと感じていたのに、自分が男だと知られてからは、会うたびに妙な罪悪感と羞恥が付きまとう。すでにマニュエルの心は自分から離れていることはわかっていても、この生理的な反応はどうしようもなかった。
「何を謙遜しているんだい。そんな可愛い女性まで連れて」
そういわれ、慌ててナイシェを紹介する。マニュエルも、隣にいるエルミーヌを示していった。
「お互い、人生の伴侶を手に入れたということだ。祝杯ものだね」
いたずらっぽく笑うマニュエルに、フェランは気まずさを隠しきれずエルミーヌを見る。エルミーヌは笑顔で応えた。
「大丈夫よ、フェラン。この件はお互い様、もうエドールとの間で水に流したから」
それでフェランは思い出した。エルミーヌの昔の想い人は、ジュノレだったのだ。愛のない政略結婚がこんな結末になるとは、当時誰も予想していなかった。
「ママ! ママ、かえるー」
エルミーヌのドレスの後ろから、小さな女の子が姿を現した。黄色いドレスを着て、しきりに裾を引っ張っている。片言の話し方からは、二歳ほどだろうか。
「あらあら、もう飽きちゃったのね」
エルミーヌがやさしい笑顔で少女の頭を撫でる。三人が去ると、再びナイシェが耳打ちした。
「今の方が、昔フェランにいい寄っていたっていう公爵様ね」
フェランが頬を赤らめる。楽しそうに笑うナイシェに向かって、今度は前のほうから声がかかった。
「ナイシェ! また君に会えるかと思うと、昨夜は興奮して眠れなかったよ!」
人ごみの中から声の主を見つけた途端、ナイシェに満面の笑みが広がる。
「カイル伯爵!」
カイルはナイシェを抱きしめていった。
「元気そうだね! 君の踊りはやっぱり最高だ、あれを見られただけで、この宴に来た甲斐があったというものだ。断言しよう、この宮殿で一番君の踊りを愛しているのは、この僕だよ」
「ありがとうございます、伯爵」
ナイシェも嬉しそうに微笑む。カイルは身を離すと、隣にいるフェランに目をやった。
「ああ、君は確か、国王陛下のところの……」
フェランは頭を下げた。
「フェランと申します。今は宮殿を離れ、ナイシェと娘の三人でイルマに居を構えております」
カイルは驚いた素振りを見せた。
「そうなのか……あのときの君が、ナイシェと……。そうか、いや、あのときはザイクが失礼をしたね」
軽い調子で謝るカイルから、フェランはうつむくように視線を逸らした。返事をしないフェランに驚いて、ナイシェが顔を覗き込む。確かにカイルは、ナイシェの踊りに惚れ込んで彼女を金で買おうとした。挙句に誘拐軟禁までしたが、ナイシェ自身そのことはもう許しているのだ。だが、フェランはいまだに気に入らないようだった。
「そうだ、ナイシェ! ぜひ僕と、踊ってくれないか? こんな機会は二度とないかもしれない。二人の再会の記念に」
カイルが右手を差し出す。ナイシェは笑顔でその手を取ろうとし、ふとフェランを見上げた。
「少し踊ってきていいかしら?」
「もちろん……いってらっしゃい」
フェランの不自然な笑みに気づかぬ様子で、ナイシェはカイルとともに広間の中央へと消えていった。
軽い自己嫌悪にため息をつきながら、フェランはその場を離れた。途中で普段は飲まない白ワインを手にして、夜風にあたりにバルコニーへ向かう。
賑やかな歓談や音楽の波から遠ざかり、開け放たれたバルコニーへと足を踏み入れたところで、先客がいたことに気づく。その姿を見て、自然と顔がほころんだ。
清白を表す白い絹の法衣に金襴のマントを羽織り、エルシャは壇上へ上がった。ひざまずきこうべを垂れるエルシャの頭上に、大神官が銀の聖杖を振りかざす。
「すべての聖なる誕生、すべての定められし運命、すべての正しき業の源泉である神のお導きにより、今ここに、新たなる国王が生まれる。願わくば、この者の慈悲深き心がすべての民に安息をもたらさんことを。正義の行いが悪しきを罰し、弱きを守らんことを。聡慧な裁きが国民に進むべき道を示さんことを」
黄金の宝剣が与えられ、エルシャの頭に金色に輝く王冠が載せられた。
「今、神の御前における戴冠の儀をもって、ここにエルシャ・ガルシア・ランス・ド=コレのアルマニア王国国王への即位を宣言する。アルマニア八世陛下万歳!」
水晶宮が大きな歓声と惜しみない喝采に包まれた。
その夜、大広間で久方ぶりの宴が開かれた。多くの貴族、そして使用人までもが、隠すことのない心からの笑顔でときを過ごした。
軽快な音楽が鳴り響き、広間の中央で紳士淑女が思い思いに踊る。その周りでは、踊り疲れた貴族たちが次から次へと給仕される晩餐やワインに舌鼓を打つ。
大広間の一角で、ナイシェがティーダとの再会を喜んでいた。
「ティーダ! すっかり見違えちゃって、はじめは誰かわからなかったわよ」
小躍りするナイシェの目の前にいる少年は、栗色の髪を短く刈り上げ、短い前髪の下には、くっきりした眉毛と小さくも丸く光る茶色の瞳が見える。色白の肌と頬のそばかすだけは、以前と変わらない。ティーダは照れたように笑った。
「えへへ、リューイにさ、こっちのほうが似合うっていわれて。ナイシェは相変わらず、最高の踊りだったよ。空気みたいに軽くて、きれいで、まるで天使だったよ」
「うれしいわ! ティーダこそ、びっくりしたわよ。あんなに手品がうまくなるなんて」
「そりゃあね、がんばらないと、舞台に立たせてもらえないからね。あれからだいぶ体も大きくなって、種も仕込みやすくなったんだ」
自慢げにいう。そこに、高く明るい少女の声が響いた。
「ティーダ! 見てたわよ、あなた、才能あるのね!」
えんじのドレスに身を包み、髪を白いレースのリボンで結い上げたラミの姿を見て、ティーダが思わず後ずさる。
「あっ、ラミ、み、見ていてくれたんだね。ありがとう……」
頬を赤く染めてしどろもどろになっている。そんなことはおかまいなしに、ラミはティーダの手を取った。
「ねえ、いろんな町を回っているんでしょ? いつかはイルマにも来るのかしら。田舎だから無理かしら……」
顔を近づけてしきりに話しかけている。どんどんのけぞるティーダを見て、ナイシェも笑いを堪えきれない。
「かわいいものですね」
いつの間にかフェランがいた。戴冠式のときと同じ、長い髪をひとつにまとめ、ビロードのコートを着たいでたちだ。そこに、肉を頬張りながらディオネもやってくる。
「あたし、ずっと思ってたんだけどさ。あのとき、ティーダが戦うことにしたのって、実はラミを気に入ったからなんじゃないの?」
「そんな理由で?」
「いや、勝手な想像だけどさ。にしてもこの肉、おいしいねえ。こんな機会滅多にないんだから、たらふく食べておかないと。ほら、あっちの魚もおいしそう――」
隣のテーブルの料理へ吸い寄せられ、うっかりドレスの裾を踏む。
「姉さん!」
助ける間もなく顔面から着地しそうになったディオネを抱きとめたのは、テュリスだった。
「相変わらずドレスの足さばきも覚えられないのか、おまえは」
ディオネの上半身を片腕で軽々と支えたまま、冷たくいい放つ。ディオネは真っ赤になって立ち上がった。
「う、うるさいわね、まだ足が治ってないのよ!」
苦し紛れにいい訳をするディオネを、テュリスが鼻でせせら笑う。
「ほう、それが助けてやった者に対する態度か」
言葉に詰まる。負けず嫌い根性が頭をもたげ、ディオネはふてくされながら小声でいった。
「あ……ありがとう」
「頬に肉がついてるぞ」
「え!?」
「嘘だ」
「え……えぇ!?」
慌てふためくディオネに、テュリスは声をあげて笑いながら去っていった。
「は!? ちょっと待ちなさいよ、あんた!」
ディオネがあとを追いかける。ナイシェはフェランにそっと耳打ちをした。
「私ね、ときどき、あの二人ってすごく気が合うんじゃないかって思うの」
フェランもくすくすと笑っている。
「随分と楽しそうだね」
背後から声がかかり振り向いたフェランは、思わず直立してしまった。
「マ、マニュエル公爵……!」
マニュエルは柔和な笑みを浮かべた。
「りりしくなったものだね、フェラン。そうかしこまらなくていいよ、君はもう宮廷の使用人ではないのだから」
フェランは落ち着きなく首を振った。
「いえ、とんでもごさいません。本来でしたらこのような場にいる人間ではありませんので」
マニュエルと話すのは、相変わらず苦手だった。しつこく求愛されていたころはあんなに迷惑だと感じていたのに、自分が男だと知られてからは、会うたびに妙な罪悪感と羞恥が付きまとう。すでにマニュエルの心は自分から離れていることはわかっていても、この生理的な反応はどうしようもなかった。
「何を謙遜しているんだい。そんな可愛い女性まで連れて」
そういわれ、慌ててナイシェを紹介する。マニュエルも、隣にいるエルミーヌを示していった。
「お互い、人生の伴侶を手に入れたということだ。祝杯ものだね」
いたずらっぽく笑うマニュエルに、フェランは気まずさを隠しきれずエルミーヌを見る。エルミーヌは笑顔で応えた。
「大丈夫よ、フェラン。この件はお互い様、もうエドールとの間で水に流したから」
それでフェランは思い出した。エルミーヌの昔の想い人は、ジュノレだったのだ。愛のない政略結婚がこんな結末になるとは、当時誰も予想していなかった。
「ママ! ママ、かえるー」
エルミーヌのドレスの後ろから、小さな女の子が姿を現した。黄色いドレスを着て、しきりに裾を引っ張っている。片言の話し方からは、二歳ほどだろうか。
「あらあら、もう飽きちゃったのね」
エルミーヌがやさしい笑顔で少女の頭を撫でる。三人が去ると、再びナイシェが耳打ちした。
「今の方が、昔フェランにいい寄っていたっていう公爵様ね」
フェランが頬を赤らめる。楽しそうに笑うナイシェに向かって、今度は前のほうから声がかかった。
「ナイシェ! また君に会えるかと思うと、昨夜は興奮して眠れなかったよ!」
人ごみの中から声の主を見つけた途端、ナイシェに満面の笑みが広がる。
「カイル伯爵!」
カイルはナイシェを抱きしめていった。
「元気そうだね! 君の踊りはやっぱり最高だ、あれを見られただけで、この宴に来た甲斐があったというものだ。断言しよう、この宮殿で一番君の踊りを愛しているのは、この僕だよ」
「ありがとうございます、伯爵」
ナイシェも嬉しそうに微笑む。カイルは身を離すと、隣にいるフェランに目をやった。
「ああ、君は確か、国王陛下のところの……」
フェランは頭を下げた。
「フェランと申します。今は宮殿を離れ、ナイシェと娘の三人でイルマに居を構えております」
カイルは驚いた素振りを見せた。
「そうなのか……あのときの君が、ナイシェと……。そうか、いや、あのときはザイクが失礼をしたね」
軽い調子で謝るカイルから、フェランはうつむくように視線を逸らした。返事をしないフェランに驚いて、ナイシェが顔を覗き込む。確かにカイルは、ナイシェの踊りに惚れ込んで彼女を金で買おうとした。挙句に誘拐軟禁までしたが、ナイシェ自身そのことはもう許しているのだ。だが、フェランはいまだに気に入らないようだった。
「そうだ、ナイシェ! ぜひ僕と、踊ってくれないか? こんな機会は二度とないかもしれない。二人の再会の記念に」
カイルが右手を差し出す。ナイシェは笑顔でその手を取ろうとし、ふとフェランを見上げた。
「少し踊ってきていいかしら?」
「もちろん……いってらっしゃい」
フェランの不自然な笑みに気づかぬ様子で、ナイシェはカイルとともに広間の中央へと消えていった。
軽い自己嫌悪にため息をつきながら、フェランはその場を離れた。途中で普段は飲まない白ワインを手にして、夜風にあたりにバルコニーへ向かう。
賑やかな歓談や音楽の波から遠ざかり、開け放たれたバルコニーへと足を踏み入れたところで、先客がいたことに気づく。その姿を見て、自然と顔がほころんだ。
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