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【第六部:終わりと始まり】第八章
リキュスの告白
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心の準備も整わぬままその人物が姿を現し、エルシャは息が止まるかと思った。
リキュスが、立っていた。
「兄上。やはりここでしたか」
わずかに微笑みながら、穏やかな口調でいう。すぐに返答できないエルシャの様子を見て、リキュスが眉をひそめた。
「どこか、具合でも? 顔色が悪いですよ」
「あ……ああ、ちょっと調べものをしていたら、気分が悪くなってきてね……そろそろ戻ろうと思っていたところだ」
何とかそういった。今の自分は、相当不自然に違いない。しかしリキュスは、さして気にする素振りもなく近づいてきた。
「ワーグナに、兄上をこちらでお見かけしたと聞きましてね。ひょっとしたらと思い、来てみました」
徐々に鼓動が落ち着いてきた。汗も引いてくる。やっと平静を取り戻しつつあった。
「兄上とは、なかなかゆっくりお話しする時間がありませんからね。神託のおかげで、ほとんど宮殿にいらっしゃらない」
いつものリキュスなら、様子のおかしいエルシャをおもんばかって早々に切り上げるだろう。しかし、その日のリキュスは違った。それで、エルシャは気づいた。自分が神託を受け宮殿を離れてから、リキュスと二人で語らった時間はほとんどない。リキュスが国王に即位してからは尚更だ。一番近くで弟を支えるべき自分に代わって、ジュノレがリキュスの力になっている。ひたすら職務に邁進する弟の心と体を、自分は案じていたはずだった。
「――俺もおまえも多忙だからな。こうして二人きりで話をするのは、いつぶりだろうか……」
リキュスは微笑んだ。
「兄上と話すと、安心します。あなたは、私が国王になっても変わらず弟として接してくださる。ジュノレ殿やテュリス殿も同様です。不思議ですね……昔は、いとこたちと関わることが、正直面倒でした。でも今は……国王としての職務に追われる中で、昔と変わらずにいてくださる方というのは、安心します。自分を、見失わずにいられる」
ちくちくと胸が痛んだ。
おまえは、俺の弟なんかではない。
それを、自分だけが知っている。この事実をリキュス自身が知ったら、いったい彼はどう反応するのだろうか。
とても、伝える気にはなれなかった。第一、エルシャ自身、まだ受け止め切れていないのだ。そして、リキュスの言葉は、国王という重責が彼を少なからず追いつめていることを物語っていた。
「俺が――もっとおまえを、近くで支えてやらなければいけないのかもしれない……」
本心のはずなのに、雑念のせいで歯切れが悪くなる。しかしリキュスは、そんなことには気づいていないようだった。
「大丈夫ですよ。この歳になってまで兄上のお手を煩わせるわけにはいきません」
「だがおまえ……いろいろと、無理をしているだろう? 安心して話せる相手も、いないんじゃないか?」
リキュスは意味ありげに笑った。
「さては、ワーグナが何かいいましたか。いや、ジュノレ殿かな……」
エルシャはため息をついた。
「……両方だ」
リキュスもつられるように息を吐く。
「……仕方ないんですよ。私の性格ですから。人に悩みを話すなんて、それこそ落ち着かない」
「だが、そんなんではいつか限界が来るぞ」
「どうでしょう……。それまでには、自分で解決する術を身に着けているかもしれません」
突然、怒りにも似た苛立ちがエルシャの中に沸き上がった。
「おまえは、どうしてそう排他的なんだ! おまえを信頼している人間はたくさんいる。彼らは本気でおまえを案じている。なぜ彼らを頼ろうとしない!? それはおまえの――」
思わず息を荒げ、慌てて飲み込んだ。リキュスが少し驚いたように眉をあげる。やがて、しばしの沈黙のあと口を開いた。
「……兄上には、わからないかもしれませんね……。私は充分、頼らせてもらっています。私の分際で、これ以上頼ろうなど、それこそ身の程知らずというものでしょう」
やっと、少しだけリキュスの本心が見えた。やはり彼は、自分の出自を気にしているのだ。
「……本当に、それだけが理由なのか?」
エルシャが尋ねた。リキュスと二人きりになる機会など、もうないかもしれない。封印のかけらのことについて、今リキュスに問うべきだと思った。
「子供のころのおまえは、もっと心を開いていた。……ナキア殿が亡くなって、何か……変わったんじゃないのか」
リキュスは思案顔になった。
「……もちろん、母は私の支えでした。ですが、母が亡くなってからも、兄上やリニア様は変わらず接してくださった。私は本当に、恵まれていたと思いますよ」
「そうじゃない」
リキュスに何といえばいいのか、わからなかった。庶民の妾の息子だということを意識して距離を置こうとするリキュスに、ナキアの死に際について問うのは、勇気のいることだった。下手をすると、リキュスを精神的に追い込みかねない。ましてや、リキュス自身がサラマ・アンギュースであることを告げるなど、どう切り出せばいいのか。エルシャでさえ、その事実を知ったばかりでまだ咀嚼できていないのだ。
「ナキア殿が――ナキア殿が亡くなったときのことを、覚えているのか?」
慎重に、尋ねてみた。リキュスは表情を変えなかった。
「ええ……兄上たちと、かくれんぼをしていたときでした。懐かしいですね」
「あのあと、俺はしばらくおまえに会えなかった。……何か、あったんじゃないのか?」
注意深くリキュスを観察する。しかし、変化はないように見えた。
「……母上と、最期のお別れをしました。間に合ったんですよ、乳母のミニヤのおかげでね。いつもと同じやさしい笑顔が、母の最後の記憶になりました。あのあと、幼かった私の身を案じて、父上にしばらく療養するようにいわれたんですよ。母上の死が心に傷を残さないか、心配したのでしょうね。医師が診察に来たり、母上との最後の会話を訊かれたりしましたが……子供というのは、順応力が高いのでしょうね。御覧のとおり、心配には及びません」
リキュスの口から、当時の真実やかけらの話は出てこなかった。ひょっとしたら、リキュス自身でさえ、記憶の一部が欠落している自覚がないのかもしれない。
「とにかく私は、国王という地位に就き、改めて感謝しているのですよ――兄上と、リニア様に」
リキュスはそういって微笑んだ。
「ここまで、宮殿の貴族たちが私を受け入れてくれるとは思っていませんでした。母亡きあとも、兄上と、母君であられるリニア様が、私と変わらず接してくださったおかげです。庶民の母を持つこの私を認めて下さったから、今の私があるのです。……まだ、兄上に面と向かって伝えたことがありませんでしたからね……」
リキュスの真摯なまなざしが、ためらいなくエルシャに向けられた。
「おまえ……それをいいに、わざわざここまで来たのか?」
それには答えず、リキュスはいった。
「兄上のお気持ちと気遣い、理解しているつもりです。兄上――あなたが兄で、本当によかった」
エルシャの返事も待たず、リキュスは踵を返して階段を上っていった。
まだ訊きたいことを訊けていない。呼び止めるべきだと思ったが、できなかった。
最後のサラマ・アンギュース。かけらの所在。出自の秘密。確認すべきことが、ぐるぐると頭の中を巡っている。否が応でもそこにエルシャ自身の感情とリキュスの言葉が入り込み、完全な混沌となっていた。心の整理など、すぐにはつくはずもない。そして、独りでは手に負えない真実は、同時にやすやすと他人に漏らすこともできない秘密だった。
再び静寂の戻った図書室の書庫で、エルシャはしばらくの間立ち尽くしていた。
リキュスが、立っていた。
「兄上。やはりここでしたか」
わずかに微笑みながら、穏やかな口調でいう。すぐに返答できないエルシャの様子を見て、リキュスが眉をひそめた。
「どこか、具合でも? 顔色が悪いですよ」
「あ……ああ、ちょっと調べものをしていたら、気分が悪くなってきてね……そろそろ戻ろうと思っていたところだ」
何とかそういった。今の自分は、相当不自然に違いない。しかしリキュスは、さして気にする素振りもなく近づいてきた。
「ワーグナに、兄上をこちらでお見かけしたと聞きましてね。ひょっとしたらと思い、来てみました」
徐々に鼓動が落ち着いてきた。汗も引いてくる。やっと平静を取り戻しつつあった。
「兄上とは、なかなかゆっくりお話しする時間がありませんからね。神託のおかげで、ほとんど宮殿にいらっしゃらない」
いつものリキュスなら、様子のおかしいエルシャをおもんばかって早々に切り上げるだろう。しかし、その日のリキュスは違った。それで、エルシャは気づいた。自分が神託を受け宮殿を離れてから、リキュスと二人で語らった時間はほとんどない。リキュスが国王に即位してからは尚更だ。一番近くで弟を支えるべき自分に代わって、ジュノレがリキュスの力になっている。ひたすら職務に邁進する弟の心と体を、自分は案じていたはずだった。
「――俺もおまえも多忙だからな。こうして二人きりで話をするのは、いつぶりだろうか……」
リキュスは微笑んだ。
「兄上と話すと、安心します。あなたは、私が国王になっても変わらず弟として接してくださる。ジュノレ殿やテュリス殿も同様です。不思議ですね……昔は、いとこたちと関わることが、正直面倒でした。でも今は……国王としての職務に追われる中で、昔と変わらずにいてくださる方というのは、安心します。自分を、見失わずにいられる」
ちくちくと胸が痛んだ。
おまえは、俺の弟なんかではない。
それを、自分だけが知っている。この事実をリキュス自身が知ったら、いったい彼はどう反応するのだろうか。
とても、伝える気にはなれなかった。第一、エルシャ自身、まだ受け止め切れていないのだ。そして、リキュスの言葉は、国王という重責が彼を少なからず追いつめていることを物語っていた。
「俺が――もっとおまえを、近くで支えてやらなければいけないのかもしれない……」
本心のはずなのに、雑念のせいで歯切れが悪くなる。しかしリキュスは、そんなことには気づいていないようだった。
「大丈夫ですよ。この歳になってまで兄上のお手を煩わせるわけにはいきません」
「だがおまえ……いろいろと、無理をしているだろう? 安心して話せる相手も、いないんじゃないか?」
リキュスは意味ありげに笑った。
「さては、ワーグナが何かいいましたか。いや、ジュノレ殿かな……」
エルシャはため息をついた。
「……両方だ」
リキュスもつられるように息を吐く。
「……仕方ないんですよ。私の性格ですから。人に悩みを話すなんて、それこそ落ち着かない」
「だが、そんなんではいつか限界が来るぞ」
「どうでしょう……。それまでには、自分で解決する術を身に着けているかもしれません」
突然、怒りにも似た苛立ちがエルシャの中に沸き上がった。
「おまえは、どうしてそう排他的なんだ! おまえを信頼している人間はたくさんいる。彼らは本気でおまえを案じている。なぜ彼らを頼ろうとしない!? それはおまえの――」
思わず息を荒げ、慌てて飲み込んだ。リキュスが少し驚いたように眉をあげる。やがて、しばしの沈黙のあと口を開いた。
「……兄上には、わからないかもしれませんね……。私は充分、頼らせてもらっています。私の分際で、これ以上頼ろうなど、それこそ身の程知らずというものでしょう」
やっと、少しだけリキュスの本心が見えた。やはり彼は、自分の出自を気にしているのだ。
「……本当に、それだけが理由なのか?」
エルシャが尋ねた。リキュスと二人きりになる機会など、もうないかもしれない。封印のかけらのことについて、今リキュスに問うべきだと思った。
「子供のころのおまえは、もっと心を開いていた。……ナキア殿が亡くなって、何か……変わったんじゃないのか」
リキュスは思案顔になった。
「……もちろん、母は私の支えでした。ですが、母が亡くなってからも、兄上やリニア様は変わらず接してくださった。私は本当に、恵まれていたと思いますよ」
「そうじゃない」
リキュスに何といえばいいのか、わからなかった。庶民の妾の息子だということを意識して距離を置こうとするリキュスに、ナキアの死に際について問うのは、勇気のいることだった。下手をすると、リキュスを精神的に追い込みかねない。ましてや、リキュス自身がサラマ・アンギュースであることを告げるなど、どう切り出せばいいのか。エルシャでさえ、その事実を知ったばかりでまだ咀嚼できていないのだ。
「ナキア殿が――ナキア殿が亡くなったときのことを、覚えているのか?」
慎重に、尋ねてみた。リキュスは表情を変えなかった。
「ええ……兄上たちと、かくれんぼをしていたときでした。懐かしいですね」
「あのあと、俺はしばらくおまえに会えなかった。……何か、あったんじゃないのか?」
注意深くリキュスを観察する。しかし、変化はないように見えた。
「……母上と、最期のお別れをしました。間に合ったんですよ、乳母のミニヤのおかげでね。いつもと同じやさしい笑顔が、母の最後の記憶になりました。あのあと、幼かった私の身を案じて、父上にしばらく療養するようにいわれたんですよ。母上の死が心に傷を残さないか、心配したのでしょうね。医師が診察に来たり、母上との最後の会話を訊かれたりしましたが……子供というのは、順応力が高いのでしょうね。御覧のとおり、心配には及びません」
リキュスの口から、当時の真実やかけらの話は出てこなかった。ひょっとしたら、リキュス自身でさえ、記憶の一部が欠落している自覚がないのかもしれない。
「とにかく私は、国王という地位に就き、改めて感謝しているのですよ――兄上と、リニア様に」
リキュスはそういって微笑んだ。
「ここまで、宮殿の貴族たちが私を受け入れてくれるとは思っていませんでした。母亡きあとも、兄上と、母君であられるリニア様が、私と変わらず接してくださったおかげです。庶民の母を持つこの私を認めて下さったから、今の私があるのです。……まだ、兄上に面と向かって伝えたことがありませんでしたからね……」
リキュスの真摯なまなざしが、ためらいなくエルシャに向けられた。
「おまえ……それをいいに、わざわざここまで来たのか?」
それには答えず、リキュスはいった。
「兄上のお気持ちと気遣い、理解しているつもりです。兄上――あなたが兄で、本当によかった」
エルシャの返事も待たず、リキュスは踵を返して階段を上っていった。
まだ訊きたいことを訊けていない。呼び止めるべきだと思ったが、できなかった。
最後のサラマ・アンギュース。かけらの所在。出自の秘密。確認すべきことが、ぐるぐると頭の中を巡っている。否が応でもそこにエルシャ自身の感情とリキュスの言葉が入り込み、完全な混沌となっていた。心の整理など、すぐにはつくはずもない。そして、独りでは手に負えない真実は、同時にやすやすと他人に漏らすこともできない秘密だった。
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