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第三章 原初の破壊編
#127 マグマと太陽
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――崩壊。
メガ・レンズの使い方も分からず、ひとまず目に付く黒く大きな城を目指す事にしたテイテイは荒野を突き進んでいた。
「全く、シケた所だな」
辺りは時が止まった様なモノクロの世界。一面何もない荒野。
歩いても歩いても距離が縮まっていないのではないかと錯覚するくらい、ただただ無限に広いだけの虚無の空間。
テイテイが歩を進める度に、腕に巻かれた鎖の擦れる音だけが鳴り響いていた。
そうしてしばらく歩いた頃だった。
「――む」
テイテイはふと、空を見上げた。視線を感じた。何かに見られていると、そう思ったのだ。
しかし、そこに在った物は――、
「黒い、球体……?」
モノクロの世界。灰色だった空を覆う様に、一つの大きな球体が浮かんでいた。
その空間だけぽっかりと抉れた様に、黒く塗りつぶされていた。
そして、その球体の縁はゆらゆらと揺らめいて見えた。
「月……いや、黒い太陽、か」
熱を感じない。冷たいわけでも、熱いわけでもない。
しかし、その黒い球体を“太陽”だと思った。
それはその圧倒的存在感と、縁の揺らめきが炎の様だったからだ。
それは『破壊』の炎を束ねた灼熱の炎球だ。
その黒い太陽は、次第に大きくなっていく。――いや、違う。大きくなっているのではない。テイテイへと接近してきているのだ。
漆黒が、隕石となって降って来る。
「敵襲か」
テイテイは絆の三十字をガントレットに変化させ、それを装備した拳を構える。
心は落ち着いていた。ただ淡々と、もはやそれは呼吸と変わらなかった。
そして――、
「――ふんッ!!!」
テイテイは拳を地へと叩きつける。
地の底から、『マグマ』の火柱が沸き上がる。そして、その火柱に纏う様に幾数本もの『鎖』――。
その鎖は来人の契約の繋がりによって生み出された、王の波動が編みこまれた鎖。『破壊』に対しての特効だ。
二色の色を以って、テイテイは太陽を迎え撃つ。
漆黒色の破壊の『太陽』と、鎖という形で来人の王の波動を纏う『マグマ』の火柱が、ぶつかり合う――。
瞬間。崩界中を震撼させるほどの衝撃が走り、テイテイは爆風に巻き込まれる。
数度地面を転がった後、鎖を鞭の様にしならせ、三本目の腕の如く自在に操り、体勢を立て直す。
やがて爆風も収まり、硝煙も晴れる。
二色のぶつかり合った灼熱は互いを焼き合い、相殺された。
そして、漆黒の球体の代わりに、そこには一人の男が立っていた。
「お前は、何者だ」
テイテイは問う。
男はゆっくりと振り向き、テイテイを睨みつける。
頭部には毛髪の代わりに燃え盛る炎。
腰に布切れを巻いただけの、隆々に鍛え上げられた剥き出しの肉体。
胸の前で両の腕を組み、堂々たる仁王立ち。
「――我が名は、アポロン。十二波動神が一柱、アポロン也」
数秒の間、テイテイとアポロンは睨み合う。
沈黙を破ったのはアポロンだった。
「――どうした、来ないのか?」
腕を組んだ仁王立ちのまま、顎だけをくいと動かしてテイテイを挑発する。
「お前こそ、来いよ。そのダサい髪、焼き払ってやるよ」
「ふん。元々、燃えておるわ」
互いに見合う。それだけで、相手の技量を図ることが出来た。
それほどに、互いに卓越していた。
(――ただ仁王立ちをしている様に見えて、隙が無い。こいつ、“武の心得が有る”)
(――こやつ、ただの人間ではない。――“出来る”)
テイテイの技の神髄は、後の先。決して先に動くことは無い。
それはアポロンもこの短時間で悟る事が出来た。だから、動く気など無かった。
先に動けば負けると、そう思った。神でありながら人を恐れた。――恐れてしまった。
アポロンの眉が、ぴくりと動く。
それだけ。たったそれだけの“隙”が、達人同士の睨み合いに、賽を投げた。
テイテイは動く。
前方の地に『鎖』のアンカーを打ち付け、巻き取る勢いで加速。
鎖を纏った左拳を振りぬく。
勿論アポロンそれに応戦。灼熱を纏った右ストレートを放った。
しかし――、
「なぬッ!?」
確実にテイテイを狙ったはずだった。
しかし、その右拳は空を切った。
アポロンの拳が通ったのは、“丁度ぴったり、テイテイの左頬の隣だった”。
「――『カンガルースタイル』」
テイテイが身に着けた新たな技術。
あらゆるパターンを組み合わせた“足さばき”の究極。回避に特化した技術。
完全なる反射でアポロンの攻撃を読み切り、最適な回避パターンで足は動き、ギリギリの所で躱し切ったのだ。
テイテイは隙を突いて先に動いた――様に見せて、アポロンに先に打たせた。
そして、その前へと突き出された右拳は、より大きな隙となる。
テイテイの右拳が、アポロンの胴を打つ。
「ぐおおおッ!!!」
アポロンの身体は宙に投げ出された。そして、そこに更なる追い打ち。
テイテイは右拳を放つ勢いを乗せて、合わせて袖口に仕込んでいた“金色のリング”を射出していた。
カンガスの光輪だ。
そのリングはアポロンの周囲に散らばり、そして――、
「――『鎖の監獄』」
テイテイの一声と共に、輪の“隙間”から無数の鎖が放たれる。
それらはアポロンの身体を縛り付け、宙に張り付けた。
テイテイは地を蹴り更なる追撃を狙う。もはや勝利は見えたと、そう思った。
しかし――、
「笑止!」
アポロンは一喝し、漆黒の波動を放つ。
同時に、アポロンは自身を縛っている鎖を掴み、力ずくで引き千切る。鎖は脆くも崩れ去った。
絆の三十字を柱とする『鎖』の色は切断に対しては絶対の耐性を誇るも、『破壊』の波動とアポロンの腕力によって引き千切られれば、それも意味をなさなかった。
テイテイは足を止め、アポロンは地に降りる。
その腕は――組まれてはいなかった。
前方で拳を握り、構えている。
「良かろう。貴様を我が宿敵として認めよう」
「そりゃどうも。でも、俺は来人と秋斗――仲間と合流しなきゃならん。手早く済ませたいんでね」
そう口では言うテイテイだったが、対照的に口角は上がっていた。
――“戦いを楽しんでいる”。そして、それはアポロンも同じだった。
テイテイとアポロンは、同時にその拳に纏う鎖と灼熱を解く。
ただ純粋に、何の彩りもない素手の拳だけを構える。
「――十二波動神が一柱、アポロン」
「――ただの人間……いや、新たな王の右腕、テイテイだ」
ただ純粋な“武”。純粋な“力”。
鍛え上げられた肉体と、磨き上げた技術。
互いにそれらを用いて、ぶつけ合う。そこに波動や色は介在しない。
拳と拳、肉体と肉体、達人と達人、男と男。互いのプライドをぶつけ合う、一対一の格闘戦。
「フハハハハ!! ハハハハハ!!!」
「はっ……、ははっ……!! ふははっ、はははっ!!!!」
傷付き、血を流す。しかし、それも構いはしない。
立ち合いを楽しむ、達人同士の愉悦。
互いの拳の一撃、その一つ一つが必殺の重い一撃だ。それ故に、戦い自体は長続きしなかった。
それでも、両者にとっては無限にも等しい時間だっただろう。
先に膝を付いたのは――、
「――ハ、ハハ……。人もまた、良き物だな……」
アポロンだった。
テイテイはボロボロになりながらも、二本の足でしっかりと立っている。
「何故、お前のような奴が、悪に付いた」
「悪? いいや、アーク様の行いは理不尽で不条理に見えるだろう。しかし、そこには確かな芯が有る。故に、我はその肩を持った」
「理由が有る、と? 来人の妹を攫い、世界を破壊するに足りる理由が?」
「人には計れんよ。――いや、我ら神にも計り切れん。原初の神は真なる神。故に、その行いも考えのカタチも、全てのスケールが違うのだ。ただ小石が転がっただけで怒り、風が吹いただけで悲しもうと、それが真なる神の行いならば是となる」
そう言葉を紡いでいたアポロンだったが、咳き込み血反吐を吐く。
テイテイはゆっくりと歩み寄る。
「――俺の勝ちだ」
「ああ。我は人に負けた」
「こちらに付く気は無いか? お前には俺たちと戦う理由は無いだろう」
そう言えば、アポロンは痛みを抑える様に掠れながらの笑い声を上げ、
「情けをかけるな。我は負けた。敗北とは、死と同義である」
そして、アポロンの身体から漆黒の『破壊』の波動が滲み出る。
テイテイは驚き、足を止めた。
「お前……“再臨”を!?」
「まさか。どうせ、貴様は殺してはくれぬのだろう。故に、我は我を『破壊』するまで」
アポロンの身体は黒色に染まり、炭となってボロボロと崩れ落ちて行く。
「何故だ、死ぬ必要は――」
「――“在る”。それが“誇り”であり、我の“武”」
そして、最後のに一言だけ、
「テイテイ、貴様の拳は、神にも届く。誇って良い――」
そして、アポロンの身体は完全に消え去り、風に乗って塵だけが舞った。
「……」
テイテイは静かに、ふらつく身体を支えながら、背を向けて再び歩き出した。
目指すは漆黒の城。二人と合流する為に――。
メガ・レンズの使い方も分からず、ひとまず目に付く黒く大きな城を目指す事にしたテイテイは荒野を突き進んでいた。
「全く、シケた所だな」
辺りは時が止まった様なモノクロの世界。一面何もない荒野。
歩いても歩いても距離が縮まっていないのではないかと錯覚するくらい、ただただ無限に広いだけの虚無の空間。
テイテイが歩を進める度に、腕に巻かれた鎖の擦れる音だけが鳴り響いていた。
そうしてしばらく歩いた頃だった。
「――む」
テイテイはふと、空を見上げた。視線を感じた。何かに見られていると、そう思ったのだ。
しかし、そこに在った物は――、
「黒い、球体……?」
モノクロの世界。灰色だった空を覆う様に、一つの大きな球体が浮かんでいた。
その空間だけぽっかりと抉れた様に、黒く塗りつぶされていた。
そして、その球体の縁はゆらゆらと揺らめいて見えた。
「月……いや、黒い太陽、か」
熱を感じない。冷たいわけでも、熱いわけでもない。
しかし、その黒い球体を“太陽”だと思った。
それはその圧倒的存在感と、縁の揺らめきが炎の様だったからだ。
それは『破壊』の炎を束ねた灼熱の炎球だ。
その黒い太陽は、次第に大きくなっていく。――いや、違う。大きくなっているのではない。テイテイへと接近してきているのだ。
漆黒が、隕石となって降って来る。
「敵襲か」
テイテイは絆の三十字をガントレットに変化させ、それを装備した拳を構える。
心は落ち着いていた。ただ淡々と、もはやそれは呼吸と変わらなかった。
そして――、
「――ふんッ!!!」
テイテイは拳を地へと叩きつける。
地の底から、『マグマ』の火柱が沸き上がる。そして、その火柱に纏う様に幾数本もの『鎖』――。
その鎖は来人の契約の繋がりによって生み出された、王の波動が編みこまれた鎖。『破壊』に対しての特効だ。
二色の色を以って、テイテイは太陽を迎え撃つ。
漆黒色の破壊の『太陽』と、鎖という形で来人の王の波動を纏う『マグマ』の火柱が、ぶつかり合う――。
瞬間。崩界中を震撼させるほどの衝撃が走り、テイテイは爆風に巻き込まれる。
数度地面を転がった後、鎖を鞭の様にしならせ、三本目の腕の如く自在に操り、体勢を立て直す。
やがて爆風も収まり、硝煙も晴れる。
二色のぶつかり合った灼熱は互いを焼き合い、相殺された。
そして、漆黒の球体の代わりに、そこには一人の男が立っていた。
「お前は、何者だ」
テイテイは問う。
男はゆっくりと振り向き、テイテイを睨みつける。
頭部には毛髪の代わりに燃え盛る炎。
腰に布切れを巻いただけの、隆々に鍛え上げられた剥き出しの肉体。
胸の前で両の腕を組み、堂々たる仁王立ち。
「――我が名は、アポロン。十二波動神が一柱、アポロン也」
数秒の間、テイテイとアポロンは睨み合う。
沈黙を破ったのはアポロンだった。
「――どうした、来ないのか?」
腕を組んだ仁王立ちのまま、顎だけをくいと動かしてテイテイを挑発する。
「お前こそ、来いよ。そのダサい髪、焼き払ってやるよ」
「ふん。元々、燃えておるわ」
互いに見合う。それだけで、相手の技量を図ることが出来た。
それほどに、互いに卓越していた。
(――ただ仁王立ちをしている様に見えて、隙が無い。こいつ、“武の心得が有る”)
(――こやつ、ただの人間ではない。――“出来る”)
テイテイの技の神髄は、後の先。決して先に動くことは無い。
それはアポロンもこの短時間で悟る事が出来た。だから、動く気など無かった。
先に動けば負けると、そう思った。神でありながら人を恐れた。――恐れてしまった。
アポロンの眉が、ぴくりと動く。
それだけ。たったそれだけの“隙”が、達人同士の睨み合いに、賽を投げた。
テイテイは動く。
前方の地に『鎖』のアンカーを打ち付け、巻き取る勢いで加速。
鎖を纏った左拳を振りぬく。
勿論アポロンそれに応戦。灼熱を纏った右ストレートを放った。
しかし――、
「なぬッ!?」
確実にテイテイを狙ったはずだった。
しかし、その右拳は空を切った。
アポロンの拳が通ったのは、“丁度ぴったり、テイテイの左頬の隣だった”。
「――『カンガルースタイル』」
テイテイが身に着けた新たな技術。
あらゆるパターンを組み合わせた“足さばき”の究極。回避に特化した技術。
完全なる反射でアポロンの攻撃を読み切り、最適な回避パターンで足は動き、ギリギリの所で躱し切ったのだ。
テイテイは隙を突いて先に動いた――様に見せて、アポロンに先に打たせた。
そして、その前へと突き出された右拳は、より大きな隙となる。
テイテイの右拳が、アポロンの胴を打つ。
「ぐおおおッ!!!」
アポロンの身体は宙に投げ出された。そして、そこに更なる追い打ち。
テイテイは右拳を放つ勢いを乗せて、合わせて袖口に仕込んでいた“金色のリング”を射出していた。
カンガスの光輪だ。
そのリングはアポロンの周囲に散らばり、そして――、
「――『鎖の監獄』」
テイテイの一声と共に、輪の“隙間”から無数の鎖が放たれる。
それらはアポロンの身体を縛り付け、宙に張り付けた。
テイテイは地を蹴り更なる追撃を狙う。もはや勝利は見えたと、そう思った。
しかし――、
「笑止!」
アポロンは一喝し、漆黒の波動を放つ。
同時に、アポロンは自身を縛っている鎖を掴み、力ずくで引き千切る。鎖は脆くも崩れ去った。
絆の三十字を柱とする『鎖』の色は切断に対しては絶対の耐性を誇るも、『破壊』の波動とアポロンの腕力によって引き千切られれば、それも意味をなさなかった。
テイテイは足を止め、アポロンは地に降りる。
その腕は――組まれてはいなかった。
前方で拳を握り、構えている。
「良かろう。貴様を我が宿敵として認めよう」
「そりゃどうも。でも、俺は来人と秋斗――仲間と合流しなきゃならん。手早く済ませたいんでね」
そう口では言うテイテイだったが、対照的に口角は上がっていた。
――“戦いを楽しんでいる”。そして、それはアポロンも同じだった。
テイテイとアポロンは、同時にその拳に纏う鎖と灼熱を解く。
ただ純粋に、何の彩りもない素手の拳だけを構える。
「――十二波動神が一柱、アポロン」
「――ただの人間……いや、新たな王の右腕、テイテイだ」
ただ純粋な“武”。純粋な“力”。
鍛え上げられた肉体と、磨き上げた技術。
互いにそれらを用いて、ぶつけ合う。そこに波動や色は介在しない。
拳と拳、肉体と肉体、達人と達人、男と男。互いのプライドをぶつけ合う、一対一の格闘戦。
「フハハハハ!! ハハハハハ!!!」
「はっ……、ははっ……!! ふははっ、はははっ!!!!」
傷付き、血を流す。しかし、それも構いはしない。
立ち合いを楽しむ、達人同士の愉悦。
互いの拳の一撃、その一つ一つが必殺の重い一撃だ。それ故に、戦い自体は長続きしなかった。
それでも、両者にとっては無限にも等しい時間だっただろう。
先に膝を付いたのは――、
「――ハ、ハハ……。人もまた、良き物だな……」
アポロンだった。
テイテイはボロボロになりながらも、二本の足でしっかりと立っている。
「何故、お前のような奴が、悪に付いた」
「悪? いいや、アーク様の行いは理不尽で不条理に見えるだろう。しかし、そこには確かな芯が有る。故に、我はその肩を持った」
「理由が有る、と? 来人の妹を攫い、世界を破壊するに足りる理由が?」
「人には計れんよ。――いや、我ら神にも計り切れん。原初の神は真なる神。故に、その行いも考えのカタチも、全てのスケールが違うのだ。ただ小石が転がっただけで怒り、風が吹いただけで悲しもうと、それが真なる神の行いならば是となる」
そう言葉を紡いでいたアポロンだったが、咳き込み血反吐を吐く。
テイテイはゆっくりと歩み寄る。
「――俺の勝ちだ」
「ああ。我は人に負けた」
「こちらに付く気は無いか? お前には俺たちと戦う理由は無いだろう」
そう言えば、アポロンは痛みを抑える様に掠れながらの笑い声を上げ、
「情けをかけるな。我は負けた。敗北とは、死と同義である」
そして、アポロンの身体から漆黒の『破壊』の波動が滲み出る。
テイテイは驚き、足を止めた。
「お前……“再臨”を!?」
「まさか。どうせ、貴様は殺してはくれぬのだろう。故に、我は我を『破壊』するまで」
アポロンの身体は黒色に染まり、炭となってボロボロと崩れ落ちて行く。
「何故だ、死ぬ必要は――」
「――“在る”。それが“誇り”であり、我の“武”」
そして、最後のに一言だけ、
「テイテイ、貴様の拳は、神にも届く。誇って良い――」
そして、アポロンの身体は完全に消え去り、風に乗って塵だけが舞った。
「……」
テイテイは静かに、ふらつく身体を支えながら、背を向けて再び歩き出した。
目指すは漆黒の城。二人と合流する為に――。
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