1 / 35
第一章・落ちこぼ令嬢、肉壁婚約者になる
1.私は、落ちこぼ令嬢です
しおりを挟む
――それは幼い頃の、儚い記憶。
私の目の前にいるのは、淡い光のような金色の髪と、太陽の光を反射して色んな色に見える美しい瞳。
その瞳が潤み、色がカラフルな宝石になって溢れそうだと思った私は、慌てて両手で掬おうとその男の子の頬に触れた。
「どうしてそんな顔をしているの?」
「だってみんな、本当の僕のことを見てくれないから。加護ばかりを見て、誰も僕のこと……っ」
こんなに美しい子を見ないなんてあり得ないと思ったけれど、その子が本当に悲しそうだったから私は思い切りその子を抱き締めた。
「なら、ルチアが見てる。何があってもずっとずっと、……えっと……」
「……ジラルド」
「ジルドル! うん、ジルドルのことルチアが誰よりも見てる!」
「いや、ジラルド……、まぁいいか。本当に僕だけを見ててくれるの?」
そっと私の腕の中で首を傾げるその男の子が可愛くて、私は大きく頷いた。
「約束だよ、ルチア。もし僕に加護がなくなって、ただのジラルドになっても僕だけを見てずっと側にいてね」
「うん、約束!」
あれから十四年。あの時五歳だった私は十九になり、あの時八歳だったジルドル……いや、ジラルド・カヴァリア王太子殿下は二十二の年になった。
全属性の加護を持ち、神の愛し子と呼ばれる彼は、微笑めば虹がかかり歩くだけで花が咲く。そして呼吸すれば花に誘われる昆虫のように動物から囲まれるという。
挙句の果てに仲睦まじい国王夫妻の子供が王太子殿下しか出来ないのも、彼が神から愛されすぎている故に他の子宝に恵まれなかったというとんでもない噂まで流れるほどだ。
そんなこの国唯一無二、いやこの世界に唯一無二とされる神の愛し子、ジラルド王太子殿下が、何故……
「何故しれっと一介の侯爵家の朝の食事に参加されてるんですかーッ!」
「おはようルチア。今日も元気で可愛いね」
私の叫びに平然としているどころかむしろにこにこと楽しそうに微笑んでいる殿下は、初めて会った時と変わらないプラチナブロンドが眩しく、全属性の加護が反映しているのかその瞳は角度によってエメラルドにもルビーにもサファイアにも見える。
「コンタリーニ家の食卓は王太子殿下に食べて貰えるほど豪華でしたか!?」
「気持ちはわかるがやめなさい、ルチア」
「まぁ、豪華かは別としても殿下は幼馴染だから食卓にいてもおかしくはないんじゃないか?」
その指摘に苦々しい顔をするお父様と、冷静に考察するお兄様。
そんな二人をギロリと睨み黙らせている間、殿下はふかしたジャガイモを頬張っていた。
“別に我が家は決して貧乏ではないけど、騎士の家系のせいか少しこう……武骨な料理というか”
素材そのものというか。
シンプルを極めたその料理は、華やかな王城で暮らす殿下とはかなりミスマッチに見えた。
「あ、僕のことはあの時みたいにジルドルと呼んでもいいからね。でもそれだとルチアが王族の名前を間違って覚えてるように聞こえるから、ジルって短く呼ぶのはどうかな」
「それ殿下の愛称ですよね!? 王妃殿下に呼ばれてるの聞いたことあるんですけどっ」
当の本人はしれっととんでもない提案をしてきて頭が痛い。
“確かに幼馴染みと言われればそうなんだけど”
我がコンタリーニ家は表では王家の盾、そして裏では王家の影として国を支えて来た。
今ここにお母様がいらっしゃらないのも、諜報を兼ねたお茶会の準備に忙しいからで、そして王太子殿下がいらっしゃるのに準備を優先させる不敬が許されているのは盾として長らく父がこの国の騎士団長を勤めていたからである。
全属性の加護持ちという貴重な存在であった殿下は自由に遊びに出ることが出来ず、唯一彼が安心して遊べる相手が騎士団長の子供たち、つまり私たち兄妹だけだったのだ。
だからこそ、力を付け自由を得た今でも気兼ねなく訪問ししれっと朝食に参加されているのかもしれないが――
にこやかに微笑む殿下へとチラリと視線を向け、ズキリと胸が痛む。
きっと今日彼がコンタリーニ家の朝食に参加したのは、私が先日受けた騎士団試験の結果を聞きに来たからだろう。
“兄のエミディオはトップ通過して今では第一騎士団に所属しているというのに”
私は。
「……あの時のお約束を守れそうにありません」
「ルチア?」
思わずぎゅうっと自身のドレスの裾を掴んでしまう。
だが王太子の彼には遅かれ早かれ知られてしまうから。
意を決した私がガバリと頭を下げると、三人ともがきょとんとした。
そんな彼らの反応には気付かないフリをして頭を下げたまま口を開く。
「騎士団試験に落ちてしまいました!」
自分で口にしたくせに、自分のその言葉に傷つき視界が滲む。
王家の盾として君臨するコンタリーニ家の娘が、まさか……まさか、十歳の子でも受かるという一次試験にすら通らなかっただなんて!!
“あまりにも恥!”
私のその発言を聞いた父と兄から、小さく「あぁ……」という呆れにも似た呟きが聞こえて更に胸がズキズキと痛む。
母も含めた三人には結果が届いた昨晩のうちに報告したのだが、きっと私がこの家の落ちこぼれだと普段の生活から知っていたからだろう、落ちたことに「だろうな」「知っていたわ」「運動神経ないもんな」とそれぞれ言われただけだった。
「騎士団員として、そして王家の盾として殿下をお守りすることが出来ません!」
私の悲痛な叫びを聞いた殿下が今どんな顔をしているのかを見るのが怖くて顔があげられない。
だが、私には言わなくてはいけないことがまだあった。
「それから! 盾になれなかったので影として訓練を積もうとしましたが、影にもなれませんでした!」
一次試験にすら通らないのに諜報とか出来る訳ないじゃなぁーい、なんて爆笑したお母様が、今日も一人で準備をしお茶会に一人で出ることが実質影としても役立たずなのだと告げている。
王家の盾、そして影であるコンタリーニ家とは思えないこの自分の落ちこぼれ具合に心臓が潰れそうだが――まだ、言わなくてはならないことが私には残っていた。
「……更にっ、加護属性の選定結果、私に……、加護はありませんでした……!」
一気に捲し立てるように話しきると、ハタハタと足元に水滴が落ちる。
堪えきれなかった涙が溢れてしまったのだ。
“情けない”
報告すら満足に出来ない自分が情けない。
盾にも影にもなれない自分が恥ずかしい。
そして貴族ならほぼ全員が何かしらの加護を持っているはずなのにその加護すらなかったのだ。
コンタリーニ家どころか貴族としても、私は落ちこぼれ。
そう、落ちこぼ令嬢だったのである。
“こんな私が神の愛し子である殿下のお側にいれるはずないわ……”
幼い頃の約束が守れないことも悲しかったが、殿下の側にいる資格がないということも悲しかった。
全属性の加護がある彼にはいまだに正式な婚約者がいない。
彼に釣り合うほど優秀な令嬢なんてなかなかいないからだ。
その神の愛し子の婚約者に自分がなれるだなんて、そんな大それたことは思ったことないけれど。
それでも。
“幼馴染みとして過ごしたこの十四年間で知った彼の優しさや温かさが大好きだった……”
からかわれているとわかっていても、甘い言葉を囁かれればドキドキとしたしお忍びの視察に誘われればデートなのかも、なんて浮かれもした。
もちろん彼には他意などないとわかっていたけれど、それでも私を誘ってくれることが嬉しかった。
だからこそ近くで彼の幸せを願い、側にいれるだけで良かったのに。それすらももう許されないのだと、その事実が悲しく胸が痛くて堪らない。
「何の役にも立たない私を側に置く必要は、ありません……。どうぞこれからは盾として視察には兄を、情報が欲しければ母を、剣術の指導は変わらず父をご用命ください」
私の目の前にいるのは、淡い光のような金色の髪と、太陽の光を反射して色んな色に見える美しい瞳。
その瞳が潤み、色がカラフルな宝石になって溢れそうだと思った私は、慌てて両手で掬おうとその男の子の頬に触れた。
「どうしてそんな顔をしているの?」
「だってみんな、本当の僕のことを見てくれないから。加護ばかりを見て、誰も僕のこと……っ」
こんなに美しい子を見ないなんてあり得ないと思ったけれど、その子が本当に悲しそうだったから私は思い切りその子を抱き締めた。
「なら、ルチアが見てる。何があってもずっとずっと、……えっと……」
「……ジラルド」
「ジルドル! うん、ジルドルのことルチアが誰よりも見てる!」
「いや、ジラルド……、まぁいいか。本当に僕だけを見ててくれるの?」
そっと私の腕の中で首を傾げるその男の子が可愛くて、私は大きく頷いた。
「約束だよ、ルチア。もし僕に加護がなくなって、ただのジラルドになっても僕だけを見てずっと側にいてね」
「うん、約束!」
あれから十四年。あの時五歳だった私は十九になり、あの時八歳だったジルドル……いや、ジラルド・カヴァリア王太子殿下は二十二の年になった。
全属性の加護を持ち、神の愛し子と呼ばれる彼は、微笑めば虹がかかり歩くだけで花が咲く。そして呼吸すれば花に誘われる昆虫のように動物から囲まれるという。
挙句の果てに仲睦まじい国王夫妻の子供が王太子殿下しか出来ないのも、彼が神から愛されすぎている故に他の子宝に恵まれなかったというとんでもない噂まで流れるほどだ。
そんなこの国唯一無二、いやこの世界に唯一無二とされる神の愛し子、ジラルド王太子殿下が、何故……
「何故しれっと一介の侯爵家の朝の食事に参加されてるんですかーッ!」
「おはようルチア。今日も元気で可愛いね」
私の叫びに平然としているどころかむしろにこにこと楽しそうに微笑んでいる殿下は、初めて会った時と変わらないプラチナブロンドが眩しく、全属性の加護が反映しているのかその瞳は角度によってエメラルドにもルビーにもサファイアにも見える。
「コンタリーニ家の食卓は王太子殿下に食べて貰えるほど豪華でしたか!?」
「気持ちはわかるがやめなさい、ルチア」
「まぁ、豪華かは別としても殿下は幼馴染だから食卓にいてもおかしくはないんじゃないか?」
その指摘に苦々しい顔をするお父様と、冷静に考察するお兄様。
そんな二人をギロリと睨み黙らせている間、殿下はふかしたジャガイモを頬張っていた。
“別に我が家は決して貧乏ではないけど、騎士の家系のせいか少しこう……武骨な料理というか”
素材そのものというか。
シンプルを極めたその料理は、華やかな王城で暮らす殿下とはかなりミスマッチに見えた。
「あ、僕のことはあの時みたいにジルドルと呼んでもいいからね。でもそれだとルチアが王族の名前を間違って覚えてるように聞こえるから、ジルって短く呼ぶのはどうかな」
「それ殿下の愛称ですよね!? 王妃殿下に呼ばれてるの聞いたことあるんですけどっ」
当の本人はしれっととんでもない提案をしてきて頭が痛い。
“確かに幼馴染みと言われればそうなんだけど”
我がコンタリーニ家は表では王家の盾、そして裏では王家の影として国を支えて来た。
今ここにお母様がいらっしゃらないのも、諜報を兼ねたお茶会の準備に忙しいからで、そして王太子殿下がいらっしゃるのに準備を優先させる不敬が許されているのは盾として長らく父がこの国の騎士団長を勤めていたからである。
全属性の加護持ちという貴重な存在であった殿下は自由に遊びに出ることが出来ず、唯一彼が安心して遊べる相手が騎士団長の子供たち、つまり私たち兄妹だけだったのだ。
だからこそ、力を付け自由を得た今でも気兼ねなく訪問ししれっと朝食に参加されているのかもしれないが――
にこやかに微笑む殿下へとチラリと視線を向け、ズキリと胸が痛む。
きっと今日彼がコンタリーニ家の朝食に参加したのは、私が先日受けた騎士団試験の結果を聞きに来たからだろう。
“兄のエミディオはトップ通過して今では第一騎士団に所属しているというのに”
私は。
「……あの時のお約束を守れそうにありません」
「ルチア?」
思わずぎゅうっと自身のドレスの裾を掴んでしまう。
だが王太子の彼には遅かれ早かれ知られてしまうから。
意を決した私がガバリと頭を下げると、三人ともがきょとんとした。
そんな彼らの反応には気付かないフリをして頭を下げたまま口を開く。
「騎士団試験に落ちてしまいました!」
自分で口にしたくせに、自分のその言葉に傷つき視界が滲む。
王家の盾として君臨するコンタリーニ家の娘が、まさか……まさか、十歳の子でも受かるという一次試験にすら通らなかっただなんて!!
“あまりにも恥!”
私のその発言を聞いた父と兄から、小さく「あぁ……」という呆れにも似た呟きが聞こえて更に胸がズキズキと痛む。
母も含めた三人には結果が届いた昨晩のうちに報告したのだが、きっと私がこの家の落ちこぼれだと普段の生活から知っていたからだろう、落ちたことに「だろうな」「知っていたわ」「運動神経ないもんな」とそれぞれ言われただけだった。
「騎士団員として、そして王家の盾として殿下をお守りすることが出来ません!」
私の悲痛な叫びを聞いた殿下が今どんな顔をしているのかを見るのが怖くて顔があげられない。
だが、私には言わなくてはいけないことがまだあった。
「それから! 盾になれなかったので影として訓練を積もうとしましたが、影にもなれませんでした!」
一次試験にすら通らないのに諜報とか出来る訳ないじゃなぁーい、なんて爆笑したお母様が、今日も一人で準備をしお茶会に一人で出ることが実質影としても役立たずなのだと告げている。
王家の盾、そして影であるコンタリーニ家とは思えないこの自分の落ちこぼれ具合に心臓が潰れそうだが――まだ、言わなくてはならないことが私には残っていた。
「……更にっ、加護属性の選定結果、私に……、加護はありませんでした……!」
一気に捲し立てるように話しきると、ハタハタと足元に水滴が落ちる。
堪えきれなかった涙が溢れてしまったのだ。
“情けない”
報告すら満足に出来ない自分が情けない。
盾にも影にもなれない自分が恥ずかしい。
そして貴族ならほぼ全員が何かしらの加護を持っているはずなのにその加護すらなかったのだ。
コンタリーニ家どころか貴族としても、私は落ちこぼれ。
そう、落ちこぼ令嬢だったのである。
“こんな私が神の愛し子である殿下のお側にいれるはずないわ……”
幼い頃の約束が守れないことも悲しかったが、殿下の側にいる資格がないということも悲しかった。
全属性の加護がある彼にはいまだに正式な婚約者がいない。
彼に釣り合うほど優秀な令嬢なんてなかなかいないからだ。
その神の愛し子の婚約者に自分がなれるだなんて、そんな大それたことは思ったことないけれど。
それでも。
“幼馴染みとして過ごしたこの十四年間で知った彼の優しさや温かさが大好きだった……”
からかわれているとわかっていても、甘い言葉を囁かれればドキドキとしたしお忍びの視察に誘われればデートなのかも、なんて浮かれもした。
もちろん彼には他意などないとわかっていたけれど、それでも私を誘ってくれることが嬉しかった。
だからこそ近くで彼の幸せを願い、側にいれるだけで良かったのに。それすらももう許されないのだと、その事実が悲しく胸が痛くて堪らない。
「何の役にも立たない私を側に置く必要は、ありません……。どうぞこれからは盾として視察には兄を、情報が欲しければ母を、剣術の指導は変わらず父をご用命ください」
79
お気に入りに追加
481
あなたにおすすめの小説
離縁を申し出たら溺愛されるようになりました!? ~将軍閣下は年下妻にご執心~
姫 沙羅(き さら)
恋愛
タイトル通りのお話です。
少しだけじれじれ・切ない系は入りますが、全11話ですのですぐに甘くなります。(+番外編)
えっち率は高め。
他サイト様にも公開しております。
【R18】聖女召喚に巻き込まれた地味子で社畜な私に、イケメンエリート魔導師の溺愛が降ってきました
弓はあと
恋愛
巻き込まれ召喚されて放っておかれそうになった私を救ってくれたのは、筆頭魔導師のルゼド・ベルダー様。
エリート魔導師でメガネも似合う超イケメン、聖女召喚に巻き込まれた地味子で社畜な私とは次元の違う別世界の人。
……だと思っていました。
※ヒロインは喪女のせいか鈍感です。
※予告無しでR18シーンが入ります(本編で挿入行為はありません、濃厚な愛撫のみ。余力があったら本番行為のおまけ話を投稿します)。短い話です、8話で完結予定。
※過去に前半部分が似た内容の現代物小説を投稿していますが、こちらは異世界ファンタジーならではの展開・結末となっております。
※2024年5月25日の近況ボードもご確認ください。
※まだはっきりと決まっていませんが後日こちらの話を削除し、全年齢版に改稿して別サイトで投稿するかもしれません。
※設定ゆるめ、ご都合主義です。
冷酷無比な国王陛下に愛されすぎっ! 絶倫すぎっ! ピンチかもしれませんっ!
仙崎ひとみ
恋愛
子爵家のひとり娘ソレイユは、三年前悪漢に襲われて以降、男性から劣情の目で見られないようにと、女らしいことを一切排除する生活を送ってきた。
18歳になったある日。デビュタントパーティに出るよう命じられる。
噂では、冷酷無悲な独裁王と称されるエルネスト国王が、結婚相手を探しているとか。
「はあ? 結婚相手? 冗談じゃない、お断り」
しかし両親に頼み込まれ、ソレイユはしぶしぶ出席する。
途中抜け出して城庭で休んでいると、酔った男に絡まれてしまった。
危機一髪のところを助けてくれたのが、何かと噂の国王エルネスト。
エルネストはソレイユを気に入り、なんとかベッドに引きずりこもうと企む。
そんなとき、三年前ソレイユを助けてくれた救世主に似た男性が現れる。
エルネストの弟、ジェレミーだ。
ジェレミーは思いやりがあり、とても優しくて、紳士の鏡みたいに高潔な男性。
心はジェレミーに引っ張られていくが、身体はエルネストが虎視眈々と狙っていて――――
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
【完結】王宮の飯炊き女ですが、強面の皇帝が私をオカズにしてるって本当ですか?
おのまとぺ
恋愛
オリヴィアはエーデルフィア帝国の王宮で料理人として勤務している。ある日、皇帝ネロが食堂に忘れていた指輪を部屋まで届けた際、オリヴィアは自分の名前を呼びながら自身を慰めるネロの姿を目にしてしまう。
オリヴィアに目撃されたことに気付いたネロは、彼のプライベートな時間を手伝ってほしいと申し出てきて…
◇飯炊き女が皇帝の夜をサポートする話
◇皇帝はちょっと(かなり)特殊な性癖を持ちます
◇IQを落として読むこと推奨
◇表紙はAI出力。他サイトにも掲載しています
【R18】副騎士団長のセフレは訳ありメイド~恋愛を諦めたら憧れの人に懇願されて絆されました~
とらやよい
恋愛
王宮メイドとして働くアルマは恋に仕事にと青春を謳歌し恋人の絶えない日々を送っていた…訳あって恋愛を諦めるまでは。
恋愛を諦めた彼女の唯一の喜びは、以前から憧れていた彼を見つめることだけだった。
名門侯爵家の次男で第一騎士団の副団長、エルガー・トルイユ。
見た目が理想そのものだった彼を眼福とばかりに密かに見つめるだけで十分幸せだったアルマだったが、ひょんなことから彼のピンチを救いアルマはチャンスを手にすることに。チャンスを掴むと彼女の生活は一変し、憧れの人と思わぬセフレ生活が始まった。
R18話には※をつけてあります。苦手な方はご注意ください。
箱入り令嬢と秘蜜の遊戯 -無垢な令嬢は王太子の溺愛で甘く蕩ける-
瀬月 ゆな
恋愛
「二人だけの秘密だよ」
伯爵家令嬢フィオレンツィアは、二歳年上の婚約者である王太子アドルフォードを子供の頃から「お兄様」と呼んで慕っている。
大人たちには秘密で口づけを交わし、素肌を曝し、まだ身体の交わりこそはないけれど身も心も離れられなくなって行く。
だけどせっかく社交界へのデビューを果たしたのに、アドルフォードはフィオレンツィアが夜会に出ることにあまり良い顔をしない。
そうして、従姉の振りをして一人こっそりと列席した夜会で、他の令嬢と親しそうに接するアドルフォードを見てしまい――。
「君の身体は誰のものなのか散々教え込んだつもりでいたけれど、まだ躾けが足りなかったかな」
第14回恋愛小説大賞にエントリーしています。
もしも気に入って下さったなら応援投票して下さると嬉しいです!
表紙には灰梅由雪様(https://twitter.com/haiumeyoshiyuki)が描いて下さったイラストを使用させていただいております。
☆エピソード完結型の連載として公開していた同タイトルの作品を元に、一つの話に再構築したものです。
完全に独立した全く別の話になっていますので、こちらだけでもお楽しみいただけると思います。
サブタイトルの後に「☆」マークがついている話にはR18描写が含まれますが、挿入シーン自体は最後の方にしかありません。
「★」マークがついている話はヒーロー視点です。
「ムーンライトノベルズ」様でも公開しています。
【R-18】記憶喪失な新妻は国王陛下の寵愛を乞う【挿絵付】
臣桜
恋愛
ウィドリントン王国の姫モニカは、隣国ヴィンセントの王子であり幼馴染みのクライヴに輿入れする途中、謎の刺客により襲われてしまった。一命は取り留めたものの、モニカはクライヴを愛した記憶のみ忘れてしまった。モニカと侍女はヴィンセントに無事受け入れられたが、クライヴの父の余命が心配なため急いで結婚式を挙げる事となる。記憶がないままモニカの新婚生活が始まり、彼女の不安を取り除こうとクライヴも優しく接する。だがある事がきっかけでモニカは頭痛を訴えるようになり、封じられていた記憶は襲撃者の正体を握っていた。
※全体的にふんわりしたお話です。
※ムーンライトノベルズさまにも投稿しています。
※表紙はニジジャーニーで生成しました
※挿絵は自作ですが、後日削除します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる