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第四章:たった一人の護衛騎士
25.失言は取り繕って然るべし
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「セヴィーナに護衛騎士をつけようと思っているんだが」
「護衛騎士?」
アルドのベッドに寝転がりながらノルマとして渡された『やさしい初めてのマナー本』という本をパラパラと捲っていると、執務を終えてベッドまでやってきたアルドにそんなことを言われてきょとんとした。
“でも、護衛騎士って”
「アルドにも護衛騎士はいないわよね? というか、モニカ以外護衛騎士をつけてる人って見たことないのだけれど」
リヒテンベルンでは王族には皆専属の護衛騎士が何人かついていたが、ここグランジュでは専属護衛騎士という仕事をしている人を見たことがない。
“だからそういうものなんだと思っていたんだけど”
「王宮第一騎士団が近くにいるからあえて誰かを城内で連れ歩く必要がない。それに王城内には第二、第三騎士団もそれぞれ場所を変えて駐在しているし、どこかへ出る時は必ず騎士団員が護衛につくから問題はない、が……」
「が?」
少し勿体ぶったようなアルドの様子に、思わずごくりと息を呑む。
「……先日、その完璧な警護を越えて賊が出た」
「な、なんですって!?」
「しかも王女を拐った」
「そんな! モニカは無事なの!? すぐに行かなきゃ!」
「待て待て待て、お前だお前」
「は? ……あっ」
“先日って、この間のことなの”
呆れたような顔のアルドにそう言われハッとする。
確かにあの時の私は最善だけを見て行動をし、そしてその最善を手に入れた。
何かを得るにはリスクも負わなければならず、だがリスクを怖がっていては何も得られない。
だからからこそ――、ずっとそうやってしか生きるしかなかったからこその判断だったが、かなり危険な行為であったことも自覚していた。
“あの時のことは後悔はしていないけれど”
でも、今の私はリヒテンベルンにいた頃とは違いアルドがいる。ミィナだっていてくれていたのに、それを相談もせず危険な賭けに出たことを今はちゃんと申し訳なく思っていたので、私はその反省の意も込めて口をつぐみ大人しく続きを聞く。
「表向きは賊だ、次同じことが起きないようセヴィーナに見張り……じゃなくて、護衛をつける」
「今見張りって言ったわよね!?」
「護衛」
「見張り」
「見張りも出来る護衛だ」
「やっぱり見張りじゃない!」
大人しく聞いていた私は彼のその言い分にムスッとするが、だがあの時のことがどれほど危険で、そして彼に沢山の心配をかけたこともわかっていたのでここは受け入れるしかないだろう。
“まぁ、それにいつでも手合わせが出来ると思えば悪くないかも”
「本当はジークくらい強い人がいいけど……そんな人は滅多にいないし。最低限私より強い人にしてね?」
護衛が護衛対象より弱いということはあり得ないので、私の希望は当然なのだが、何故かパチパチと目を瞬かせるアルド。
「? 私、可笑しなことを言ったかしら?」
「え? あ、いや……その、ジーク、とは?」
「へ?」
そして彼の言葉に今度は私も思わず目を瞬かせる。
「言ったことなかったかしら? リヒテンベルンにいた頃の私の護衛騎士よ」
「祖国の、か」
「輿入れの時も唯一私をグランジュまで送ってくれたし、それに一番側にいていつも守ってくれたわ」
「そう、なのか」
「私はほら、気付いてるとは思うんだけどリヒテンベルンでは浮いていたから」
“本当は無視され冷遇されてたんだけど”
きっとアルドはその事に怒ってくれるだろう。
そしてそれと同時に悲しんでもくれる、そんな気がした私はハッキリ言葉にすることを避けた。
アルドを悲しませたくないと思ったから。
“彼は本当に変わったけど、同じくらい私も変わったわね”
そんなことを内心思い、くすりと笑みが溢れる。
「……そんな顔をして笑うくらい、特別な人だったのか? そのジークとやらは」
「へ? うーん、まぁ私に剣と、あと生きる意思を教えてくれたって意味では特別かも? それにジークは私が直接選んだ唯一の人だからね」
「唯一自分から選んだ、か」
声が小さくてあまり聞こえなかったが、ぽつりと何かを呟いたアルドに思わず首を傾げる。
「ちょっと、なんだか表情が暗くないかしら」
「そんなことは……」
「絶対顔色悪いわよ! こんな時間に仕事ばっかりしてるからじゃない!?」
なんだかいつもとは違う様子の彼に心配になり、慌ててベッドから降りて彼の側に駆け寄った私は、そのまま彼の手を引き無理やりベッドへと連れ込んだ。
「ほら、頭撫でていてあげるからさっさと寝なさいよ」
むぎゅっと彼の頭を胸に抱き込むようにし、そっと撫でる。
お風呂上がりだからか、アルドの赤褐色の髪が少ししっとりとして気持ちがいい。
まるでいくらでも撫でていられそう――……
「これ顔に胸が、いやその逆に気が散るというか」
「……」
「セヴィーナ? って、お前が先に寝るのかよ……」
「まだ寝て、な……」
「いやいい。ほら、もう寝ろ、俺も寝るから」
人肌とは何故こんなにも温かく安らぐのか。
彼の声がじわりと染み込み、心地よい温度ですぐにうとうととしてしまった私は、彼を寝かしつけるつもりだったのにあっさりとその意識を手放してしまったのだった。
◇◇◇
「でも、やっぱり絶対顔色が悪かったと思うのよ」
朝の支度を手伝ってくれているミィナにそう言うと、淡々と準備をしてくれていた彼女が少し手を止めた。
「そうですね、現在両陛下が貴賓としてメイベルク王国へと出向かれておりますのでかなりお忙しいかとは思います」
「そうよねぇ」
王太子が元々こなす仕事の他、現在はこのグランジュの代表としての仕事も代理でこなしているアルドはあまり内情に詳しくない私から見ても毎日かなり忙しいのは間違いない。
「メイベルク王国かぁ」
メイベルク王国は、この大陸の山脈側に位置しているグランジュとは違い、海側に面している国でありここグランジュ、そして私の祖国であるリヒテンベルンとも友好国であった。
“祖国でもたまにメイベルク王国の使節団が来ていたもの”
また、グランジュと同じくらいの領土を持ちリヒテンベルンとは比べ物にならないくらいの大国で、姉様たちはメイベルク王室へと嫁ぐのを競っていたようにも思う。
思う、というのは単純に私がその話し合いには呼ばれもしなかったからなのだが、どこからか情報を聞いてきてくれたジークに教えられたから覚えていた。
“グランジュだって同じくらい大きな国なのに、人気はなかったわね”
もちろん人質としての輿入れだったのだから人気がなくて当然と言われれば当然なのだが、そのグランジュへ嫁ぐ話し合いにだけ呼ばれたことを考えると、もしかしたら最初から私を人質として出すつもりだったのかもしれないとそう思った。
「まぁ、私は今の方が幸せだって断言できるしいいんだけどね」
「私は自分の仕事がおかしいということを断言しますけど」
「え、そうかしら?」
「そうですよ!! 私は王太子妃殿下の専属侍女になったんです」
「そうね」
「それなのになんで! 私は! 騎士の訓練着ばかり着せてるんですか!!」
慣れた手付きで着替えを手伝い、慣れた手付きで大判のハンカチを何枚か用意してくれたミィナがわざとらしいくらい大袈裟に嘆く。
「あ、じゃあこれからは私一人で着ようか?」
「そういうことを言ってるんじゃないんですよ! ドレスは!? 優雅なティータイムは!?」
「この服が私の戦闘衣装よ」
「可愛くないです!!」
“そ、そこまで!?”
確かに髪を華やかに結ったり、ドレスに合わせた宝飾品を選んだりということはまだ一度も頼んだことがない。
『着飾る楽しさ』というのは専属侍女の特権であり、また着飾った主人の美しさも一種のステータスらしいので、彼女の嘆きたくなる気持ちもわからなくはないが――
「仕方ないわよ、今から訓練なんだから」
「だからどうしてッ! 王太子妃がッ! 訓練を日課にしてるんですかぁッ!」
「それにほら、第一騎士団はエリートよ? 鍛えているから体躯もいいし、結婚相手には最適だわ」
「……確かに……」
私の苦し紛れの説得に少し心が揺れたらしく、考え込むミィナを見て、私はここだと畳み掛けるように言葉を重ねる。
「第一騎士団は男性騎士ばかりだし、私にはもちろんアルドがいるわ。つまりミィナが紅一点よ」
「た、確かに……?」
「団長であるベルモント卿も独身らしいじゃない! 見た目も38歳には全然見えなくて若々しいし、何より団長職で安泰よ」
「確かに……!」
そんな私の説得が効いたのか、ミィナの機嫌が良くなったことに安堵しつつ私は今日の訓練へと向かったのだった。
「護衛騎士?」
アルドのベッドに寝転がりながらノルマとして渡された『やさしい初めてのマナー本』という本をパラパラと捲っていると、執務を終えてベッドまでやってきたアルドにそんなことを言われてきょとんとした。
“でも、護衛騎士って”
「アルドにも護衛騎士はいないわよね? というか、モニカ以外護衛騎士をつけてる人って見たことないのだけれど」
リヒテンベルンでは王族には皆専属の護衛騎士が何人かついていたが、ここグランジュでは専属護衛騎士という仕事をしている人を見たことがない。
“だからそういうものなんだと思っていたんだけど”
「王宮第一騎士団が近くにいるからあえて誰かを城内で連れ歩く必要がない。それに王城内には第二、第三騎士団もそれぞれ場所を変えて駐在しているし、どこかへ出る時は必ず騎士団員が護衛につくから問題はない、が……」
「が?」
少し勿体ぶったようなアルドの様子に、思わずごくりと息を呑む。
「……先日、その完璧な警護を越えて賊が出た」
「な、なんですって!?」
「しかも王女を拐った」
「そんな! モニカは無事なの!? すぐに行かなきゃ!」
「待て待て待て、お前だお前」
「は? ……あっ」
“先日って、この間のことなの”
呆れたような顔のアルドにそう言われハッとする。
確かにあの時の私は最善だけを見て行動をし、そしてその最善を手に入れた。
何かを得るにはリスクも負わなければならず、だがリスクを怖がっていては何も得られない。
だからからこそ――、ずっとそうやってしか生きるしかなかったからこその判断だったが、かなり危険な行為であったことも自覚していた。
“あの時のことは後悔はしていないけれど”
でも、今の私はリヒテンベルンにいた頃とは違いアルドがいる。ミィナだっていてくれていたのに、それを相談もせず危険な賭けに出たことを今はちゃんと申し訳なく思っていたので、私はその反省の意も込めて口をつぐみ大人しく続きを聞く。
「表向きは賊だ、次同じことが起きないようセヴィーナに見張り……じゃなくて、護衛をつける」
「今見張りって言ったわよね!?」
「護衛」
「見張り」
「見張りも出来る護衛だ」
「やっぱり見張りじゃない!」
大人しく聞いていた私は彼のその言い分にムスッとするが、だがあの時のことがどれほど危険で、そして彼に沢山の心配をかけたこともわかっていたのでここは受け入れるしかないだろう。
“まぁ、それにいつでも手合わせが出来ると思えば悪くないかも”
「本当はジークくらい強い人がいいけど……そんな人は滅多にいないし。最低限私より強い人にしてね?」
護衛が護衛対象より弱いということはあり得ないので、私の希望は当然なのだが、何故かパチパチと目を瞬かせるアルド。
「? 私、可笑しなことを言ったかしら?」
「え? あ、いや……その、ジーク、とは?」
「へ?」
そして彼の言葉に今度は私も思わず目を瞬かせる。
「言ったことなかったかしら? リヒテンベルンにいた頃の私の護衛騎士よ」
「祖国の、か」
「輿入れの時も唯一私をグランジュまで送ってくれたし、それに一番側にいていつも守ってくれたわ」
「そう、なのか」
「私はほら、気付いてるとは思うんだけどリヒテンベルンでは浮いていたから」
“本当は無視され冷遇されてたんだけど”
きっとアルドはその事に怒ってくれるだろう。
そしてそれと同時に悲しんでもくれる、そんな気がした私はハッキリ言葉にすることを避けた。
アルドを悲しませたくないと思ったから。
“彼は本当に変わったけど、同じくらい私も変わったわね”
そんなことを内心思い、くすりと笑みが溢れる。
「……そんな顔をして笑うくらい、特別な人だったのか? そのジークとやらは」
「へ? うーん、まぁ私に剣と、あと生きる意思を教えてくれたって意味では特別かも? それにジークは私が直接選んだ唯一の人だからね」
「唯一自分から選んだ、か」
声が小さくてあまり聞こえなかったが、ぽつりと何かを呟いたアルドに思わず首を傾げる。
「ちょっと、なんだか表情が暗くないかしら」
「そんなことは……」
「絶対顔色悪いわよ! こんな時間に仕事ばっかりしてるからじゃない!?」
なんだかいつもとは違う様子の彼に心配になり、慌ててベッドから降りて彼の側に駆け寄った私は、そのまま彼の手を引き無理やりベッドへと連れ込んだ。
「ほら、頭撫でていてあげるからさっさと寝なさいよ」
むぎゅっと彼の頭を胸に抱き込むようにし、そっと撫でる。
お風呂上がりだからか、アルドの赤褐色の髪が少ししっとりとして気持ちがいい。
まるでいくらでも撫でていられそう――……
「これ顔に胸が、いやその逆に気が散るというか」
「……」
「セヴィーナ? って、お前が先に寝るのかよ……」
「まだ寝て、な……」
「いやいい。ほら、もう寝ろ、俺も寝るから」
人肌とは何故こんなにも温かく安らぐのか。
彼の声がじわりと染み込み、心地よい温度ですぐにうとうととしてしまった私は、彼を寝かしつけるつもりだったのにあっさりとその意識を手放してしまったのだった。
◇◇◇
「でも、やっぱり絶対顔色が悪かったと思うのよ」
朝の支度を手伝ってくれているミィナにそう言うと、淡々と準備をしてくれていた彼女が少し手を止めた。
「そうですね、現在両陛下が貴賓としてメイベルク王国へと出向かれておりますのでかなりお忙しいかとは思います」
「そうよねぇ」
王太子が元々こなす仕事の他、現在はこのグランジュの代表としての仕事も代理でこなしているアルドはあまり内情に詳しくない私から見ても毎日かなり忙しいのは間違いない。
「メイベルク王国かぁ」
メイベルク王国は、この大陸の山脈側に位置しているグランジュとは違い、海側に面している国でありここグランジュ、そして私の祖国であるリヒテンベルンとも友好国であった。
“祖国でもたまにメイベルク王国の使節団が来ていたもの”
また、グランジュと同じくらいの領土を持ちリヒテンベルンとは比べ物にならないくらいの大国で、姉様たちはメイベルク王室へと嫁ぐのを競っていたようにも思う。
思う、というのは単純に私がその話し合いには呼ばれもしなかったからなのだが、どこからか情報を聞いてきてくれたジークに教えられたから覚えていた。
“グランジュだって同じくらい大きな国なのに、人気はなかったわね”
もちろん人質としての輿入れだったのだから人気がなくて当然と言われれば当然なのだが、そのグランジュへ嫁ぐ話し合いにだけ呼ばれたことを考えると、もしかしたら最初から私を人質として出すつもりだったのかもしれないとそう思った。
「まぁ、私は今の方が幸せだって断言できるしいいんだけどね」
「私は自分の仕事がおかしいということを断言しますけど」
「え、そうかしら?」
「そうですよ!! 私は王太子妃殿下の専属侍女になったんです」
「そうね」
「それなのになんで! 私は! 騎士の訓練着ばかり着せてるんですか!!」
慣れた手付きで着替えを手伝い、慣れた手付きで大判のハンカチを何枚か用意してくれたミィナがわざとらしいくらい大袈裟に嘆く。
「あ、じゃあこれからは私一人で着ようか?」
「そういうことを言ってるんじゃないんですよ! ドレスは!? 優雅なティータイムは!?」
「この服が私の戦闘衣装よ」
「可愛くないです!!」
“そ、そこまで!?”
確かに髪を華やかに結ったり、ドレスに合わせた宝飾品を選んだりということはまだ一度も頼んだことがない。
『着飾る楽しさ』というのは専属侍女の特権であり、また着飾った主人の美しさも一種のステータスらしいので、彼女の嘆きたくなる気持ちもわからなくはないが――
「仕方ないわよ、今から訓練なんだから」
「だからどうしてッ! 王太子妃がッ! 訓練を日課にしてるんですかぁッ!」
「それにほら、第一騎士団はエリートよ? 鍛えているから体躯もいいし、結婚相手には最適だわ」
「……確かに……」
私の苦し紛れの説得に少し心が揺れたらしく、考え込むミィナを見て、私はここだと畳み掛けるように言葉を重ねる。
「第一騎士団は男性騎士ばかりだし、私にはもちろんアルドがいるわ。つまりミィナが紅一点よ」
「た、確かに……?」
「団長であるベルモント卿も独身らしいじゃない! 見た目も38歳には全然見えなくて若々しいし、何より団長職で安泰よ」
「確かに……!」
そんな私の説得が効いたのか、ミィナの機嫌が良くなったことに安堵しつつ私は今日の訓練へと向かったのだった。
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