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第一章:選び、選ばれるように
5.一緒ならば公務ですから
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“流石にみんなの前で嫌味っぽすぎたかしら”
昨日が初夜なのは当然ここにいる誰もが知っている。
そして残念ながら殿下の訪問がなかったことも、すでに噂となって周知の事実となっているだろう。
「お前には慎みというものはないのか?」
「慎みで跡継ぎは生まれませんから」
「そもそも俺はそんなつもりはない」
「私はそのつもりです」
平行線の会話を繰り返し、唸るように睨み合う。
そんな私たちの間に入って来たのは、アルド殿下の側近だった。
「殿下、そろそろ明日の予定の確認をしないとスケジュールが押しますよ」
「あぁそうだな。すまなかったダレア」
“あの側近、ダレアって言うんだ”
思わずじっと見つめてしまっていたせいか、私の視線に気付いた側近の彼が私の方へ顔を向ける。
「昨日はご挨拶出来ず申し訳ありませんでした。アルド殿下の補佐をしております、ダレア・アークライトと申します」
プラチナブロンドの長い髪をひとつに結び右肩へ流している髪が、お辞儀と共にさらりと揺れる。
日の光に透けて輝き美しいが、同時に眼鏡も光を反射し表情がイマイチわからない。
「婚約者はおりませんが、主君の奥様に焦がれるほどの度胸はありませんので……ぶふっ」
わかるのは、彼が割と本気で失礼だということと笑い上戸ということだけである。
“昨日も肩を震わせて笑っていたしね”
はぁ、と思わず半眼になった私を尻目にアルド殿下へと向き直った彼は、手元の書類をパラリと捲りながら口を開いた。
「明日はイースでの視察が入っております。王城にも近く安定した地域ですので五人ほどの護衛で問題ないでしょう」
「そうだな。という訳でベルモント卿、第一騎士団から五人ほど騎士を借りれるだろうか?」
「もちろんでございます、殿下」
“イースでの視察……”
そんな彼らの会話を聞きながら内容をこっそり頭に入れる。
視察への同行は妃の勤めのひとつだが、現状私は相変わらず名ばかりの妃で人質なのだ。
“もし私がひとりで王城や王子妃宮から無断で出れば脱走になるわよね”
外出許可が貰えれば話は別だが、アルド殿下に視察の同行を頼んでも私との接触を拒んでいる彼が許可をくれるとは思えない。
でも。
“一緒だったら公務じゃない?”
「相手が認知してるかは別として、ね」
ふふ、と思わず笑いが込み上げる。
連れて行ってもらえないなら勝手について行ってしまえばいい。
どうせ今夜も彼は私の閨へは来ないだろう。
だが、それなら逆に準備をする時間もたっぷりあるということだ。
アルド殿下の明日の予定という思わぬ収穫を得た私は、この企みに気付かれないよう願いながら明日の護衛に選ばれなかった騎士たちに混ざり訓練場を走り始めたのだった。
◇◇◇
「なぁ、あいつはなんなんだ?」
「なんだ、とは?」
わかっているくせに全部言わせようとするのはダレアの昔からの癖である。
そんなある意味いつも通りの側近にため息を吐きながら、俺は更に口を開いた。
「……彼女のことだよ。何があんなに不満なんだ? というか何を考えてるんだか」
妻とは名ばかり、政略結婚といえばむしろまだ聞こえがいいと思うくらい完全なる人質としてやってきた隣国の王女。
実質は捕虜もいいところで、さぞかし怯えていることだろうと思っていた。
自分の境遇に絶望し命を絶たれでもしたら人質の意味はないし、むしろ死なれればこちらとしてもリヒテンベルンから糾弾されるだろう。
それを狙い、この国へ入ってすぐに自害するよう命を受けているかもしれないと警戒しわざわざ第一騎士団を迎えにやったり王女にとって都合のいい提案をしたりもした。
部屋だって、少しでも居心地がいいようにと俺なりに配慮したつもりである。
――にもかかわらず、だ。
『貴方を指名します、私と恋をしてください』
彼女の口から飛び出したのは全く想定していない言葉だったのだ。
“ダレアは笑いすぎて堪えきれていないし、俺としては精一杯の気遣いを無駄にされるしで散々だ”
しかも自分の境遇に悲観し委縮するどころかガンガン言い返してくる。
その威勢のよさに俺の方が戸惑っていると言っても過言ではない。
ましてや外が騒がしいと思ったらその騒ぎの中心が彼女だったのだ。
「こっちは自害しないかを心配してたってのに、騎士を倒してたんだぞ?」
「正攻法とは言えませんが、戦法としては間違ってませんしね。人質としてというより殿下の暗殺任務を受けて来たって言われた方が納得するレベルですよ」
「それだ……!」
「いや、違うでしょう」
ダレアの言葉に思わず納得したが、冗談だったのかあっさり否定され思わず唇を拗ねたように突き出した。
“まぁ、俺の暗殺を狙ってるならそもそも執務室の裏にある訓練場で暴れないか”
隙を突くのが最も手っ取り早いのに自分の実力を見せるのは得策ではない。
実力というよりじゃじゃ馬加減を見せつけられた気がしないでもないが、どっちにしろ合理的ではないだろう。
だからこそ彼女の目的がわからない。
「案外本当に殿下と恋がしたいのかもしれませんよ」
「は?」
「あのお転婆さなら、自国でも持て余されてそうですし」
「それは確かに……いや、だがわざわざ敵国の俺相手にか?」
「敵国だとしても人質だとしても関係ありませんよ。だって殿下は夫なんですから」
「夫ねぇ……」
確かにこの国で取り入るなら結婚相手の俺なのだろうが、それと同時に自分の命を握っているのも俺なのだ。
流石にリスクが高すぎる気がしなくもない、が――
“常に喧嘩腰でぶつかってくるんだよなぁ”
取り入るにしてもやり方が下手すぎると思った俺は正常だろう。
涙ながらに同情を誘う方が簡単なのだから。
「で、どうなんですか?」
「どうって?」
「約束してたじゃないですか、恋するって」
「俺と、とは約束してない」
「誰でもいいって言ってましたよ」
「…………」
サクッと指摘され黙り込む。
ほぼ勢いに任せた売り言葉に買い言葉だった。
もちろん彼女へ言った言葉は嘘ではなかったし、確かにダレアを選ばれでもしたら厄介だとは思ったが相手が誰にしろそれなりに応援するつもりでもいたのに。
“まさかの俺”
「俺だけはないよなぁ」
立場のこともあるし失礼なことを言った自覚もある。
態度をみるに彼女自身も俺に一目惚れしたというようなことはないのだろう。
彼女の方こそ売り言葉に買い言葉ってやつな気がする。
「今からでも誰かいい相手を見付けてくれたらいいんだが」
「いっそ殿下も好きになる努力をしてみたらいいんじゃないですか?」
さらりとされた提案に思わずぎょっとするが、確かにダレアの言っていることも一理ある。
彼女のことを思っての提案だったのだ、彼女さえ構わないなら実際の夫婦になるのも悪くはないかもしれない。
「お互いに好きになれるか次第か?」
「王族同士の結婚ですよ?」
「これが婚姻を結ぶことに意味のある政略結婚なら、だろ。俺たちの場合は彼女を人質としてこの国に連れてくるとこまでで当初の目的は達成しているんだ」
目的が達成されているなら、あとは自由にすればいい。
ダレアのいうように互いを好きになったのなら、本物の夫婦になるのも悪くないのかもしれないとそう思った。
本当に互いを好きになったのなら、だが。
昨日が初夜なのは当然ここにいる誰もが知っている。
そして残念ながら殿下の訪問がなかったことも、すでに噂となって周知の事実となっているだろう。
「お前には慎みというものはないのか?」
「慎みで跡継ぎは生まれませんから」
「そもそも俺はそんなつもりはない」
「私はそのつもりです」
平行線の会話を繰り返し、唸るように睨み合う。
そんな私たちの間に入って来たのは、アルド殿下の側近だった。
「殿下、そろそろ明日の予定の確認をしないとスケジュールが押しますよ」
「あぁそうだな。すまなかったダレア」
“あの側近、ダレアって言うんだ”
思わずじっと見つめてしまっていたせいか、私の視線に気付いた側近の彼が私の方へ顔を向ける。
「昨日はご挨拶出来ず申し訳ありませんでした。アルド殿下の補佐をしております、ダレア・アークライトと申します」
プラチナブロンドの長い髪をひとつに結び右肩へ流している髪が、お辞儀と共にさらりと揺れる。
日の光に透けて輝き美しいが、同時に眼鏡も光を反射し表情がイマイチわからない。
「婚約者はおりませんが、主君の奥様に焦がれるほどの度胸はありませんので……ぶふっ」
わかるのは、彼が割と本気で失礼だということと笑い上戸ということだけである。
“昨日も肩を震わせて笑っていたしね”
はぁ、と思わず半眼になった私を尻目にアルド殿下へと向き直った彼は、手元の書類をパラリと捲りながら口を開いた。
「明日はイースでの視察が入っております。王城にも近く安定した地域ですので五人ほどの護衛で問題ないでしょう」
「そうだな。という訳でベルモント卿、第一騎士団から五人ほど騎士を借りれるだろうか?」
「もちろんでございます、殿下」
“イースでの視察……”
そんな彼らの会話を聞きながら内容をこっそり頭に入れる。
視察への同行は妃の勤めのひとつだが、現状私は相変わらず名ばかりの妃で人質なのだ。
“もし私がひとりで王城や王子妃宮から無断で出れば脱走になるわよね”
外出許可が貰えれば話は別だが、アルド殿下に視察の同行を頼んでも私との接触を拒んでいる彼が許可をくれるとは思えない。
でも。
“一緒だったら公務じゃない?”
「相手が認知してるかは別として、ね」
ふふ、と思わず笑いが込み上げる。
連れて行ってもらえないなら勝手について行ってしまえばいい。
どうせ今夜も彼は私の閨へは来ないだろう。
だが、それなら逆に準備をする時間もたっぷりあるということだ。
アルド殿下の明日の予定という思わぬ収穫を得た私は、この企みに気付かれないよう願いながら明日の護衛に選ばれなかった騎士たちに混ざり訓練場を走り始めたのだった。
◇◇◇
「なぁ、あいつはなんなんだ?」
「なんだ、とは?」
わかっているくせに全部言わせようとするのはダレアの昔からの癖である。
そんなある意味いつも通りの側近にため息を吐きながら、俺は更に口を開いた。
「……彼女のことだよ。何があんなに不満なんだ? というか何を考えてるんだか」
妻とは名ばかり、政略結婚といえばむしろまだ聞こえがいいと思うくらい完全なる人質としてやってきた隣国の王女。
実質は捕虜もいいところで、さぞかし怯えていることだろうと思っていた。
自分の境遇に絶望し命を絶たれでもしたら人質の意味はないし、むしろ死なれればこちらとしてもリヒテンベルンから糾弾されるだろう。
それを狙い、この国へ入ってすぐに自害するよう命を受けているかもしれないと警戒しわざわざ第一騎士団を迎えにやったり王女にとって都合のいい提案をしたりもした。
部屋だって、少しでも居心地がいいようにと俺なりに配慮したつもりである。
――にもかかわらず、だ。
『貴方を指名します、私と恋をしてください』
彼女の口から飛び出したのは全く想定していない言葉だったのだ。
“ダレアは笑いすぎて堪えきれていないし、俺としては精一杯の気遣いを無駄にされるしで散々だ”
しかも自分の境遇に悲観し委縮するどころかガンガン言い返してくる。
その威勢のよさに俺の方が戸惑っていると言っても過言ではない。
ましてや外が騒がしいと思ったらその騒ぎの中心が彼女だったのだ。
「こっちは自害しないかを心配してたってのに、騎士を倒してたんだぞ?」
「正攻法とは言えませんが、戦法としては間違ってませんしね。人質としてというより殿下の暗殺任務を受けて来たって言われた方が納得するレベルですよ」
「それだ……!」
「いや、違うでしょう」
ダレアの言葉に思わず納得したが、冗談だったのかあっさり否定され思わず唇を拗ねたように突き出した。
“まぁ、俺の暗殺を狙ってるならそもそも執務室の裏にある訓練場で暴れないか”
隙を突くのが最も手っ取り早いのに自分の実力を見せるのは得策ではない。
実力というよりじゃじゃ馬加減を見せつけられた気がしないでもないが、どっちにしろ合理的ではないだろう。
だからこそ彼女の目的がわからない。
「案外本当に殿下と恋がしたいのかもしれませんよ」
「は?」
「あのお転婆さなら、自国でも持て余されてそうですし」
「それは確かに……いや、だがわざわざ敵国の俺相手にか?」
「敵国だとしても人質だとしても関係ありませんよ。だって殿下は夫なんですから」
「夫ねぇ……」
確かにこの国で取り入るなら結婚相手の俺なのだろうが、それと同時に自分の命を握っているのも俺なのだ。
流石にリスクが高すぎる気がしなくもない、が――
“常に喧嘩腰でぶつかってくるんだよなぁ”
取り入るにしてもやり方が下手すぎると思った俺は正常だろう。
涙ながらに同情を誘う方が簡単なのだから。
「で、どうなんですか?」
「どうって?」
「約束してたじゃないですか、恋するって」
「俺と、とは約束してない」
「誰でもいいって言ってましたよ」
「…………」
サクッと指摘され黙り込む。
ほぼ勢いに任せた売り言葉に買い言葉だった。
もちろん彼女へ言った言葉は嘘ではなかったし、確かにダレアを選ばれでもしたら厄介だとは思ったが相手が誰にしろそれなりに応援するつもりでもいたのに。
“まさかの俺”
「俺だけはないよなぁ」
立場のこともあるし失礼なことを言った自覚もある。
態度をみるに彼女自身も俺に一目惚れしたというようなことはないのだろう。
彼女の方こそ売り言葉に買い言葉ってやつな気がする。
「今からでも誰かいい相手を見付けてくれたらいいんだが」
「いっそ殿下も好きになる努力をしてみたらいいんじゃないですか?」
さらりとされた提案に思わずぎょっとするが、確かにダレアの言っていることも一理ある。
彼女のことを思っての提案だったのだ、彼女さえ構わないなら実際の夫婦になるのも悪くはないかもしれない。
「お互いに好きになれるか次第か?」
「王族同士の結婚ですよ?」
「これが婚姻を結ぶことに意味のある政略結婚なら、だろ。俺たちの場合は彼女を人質としてこの国に連れてくるとこまでで当初の目的は達成しているんだ」
目的が達成されているなら、あとは自由にすればいい。
ダレアのいうように互いを好きになったのなら、本物の夫婦になるのも悪くないのかもしれないとそう思った。
本当に互いを好きになったのなら、だが。
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