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幹果と油脂
第152話 幹果
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会話が一段落し、自室に戻ってきた。リンネは少し女子同士の話があるようだ。最近になって、自室に居る時間が唯一、一人になる時間となった。寂しいというわけではない。近くにいることで、献身的にいろいろ手助けしてもらうことは非常に助かっていた。ただ、ゆっくりと考えを巡らす時間が自分には必要だった。冷静に自分を見つめなおすと言うべきか。先ほどの家族との会話を思い出す。予想外にもトリニタの話になったが、どうにか過去の商取引の話に落ち着かせた。こちらも聞きたかったので地図は収穫となった。加工は近々に試作が必要そうに感じた。母親の、女性としての勘と商人の嗅覚は鋭敏だった。
製薬スキルを使い、過去の記憶をたどる。Theobromaをキーワードにチェックを入れてみた。Theobromaはトリニタの古語に対応する。
#####
USP:Cocoa Butter is the fat obtained from the seed of Theobroma cacao L.
JP:本品はカカオTheobroma cacao L.の種子から得た脂肪である.
~(略)融点:31 ~ 35℃ ~(略)~
#####
残念ながら、スキルから得た書籍の情報は使えなかった。素材としてのカカオ脂が該当しただけだ。カカオ脂は座薬の基剤の他、ローション、軟膏への用途としても使われている。その他の情報としては、種皮を除いた種子を炒って圧搾または抽出して作るらしい。やはり試行錯誤は必要そうだ。
出てくる頁には製造方法はサラリと記載され、参考となった情報は製品の規格だった。唯一使えた数字の情報は融点の温度だろう。製造方法の確認は、方向性を変え、昔の経験を探ってみる。たしか旅行の時だったはずだ。スキルを使用し記憶を調べる。
#####
夏の北の大地。一面の畑の風景。その中に建てられた青と白の目立つ工場。併設された当時の見学の記憶に遡る。食べ歩き旅行の際に、レンタカーを借り郊外の工場に見学に行った時だ。工場には見学路が整備され、小さいテーマパークのようだ。駅も誘致し、人気観光地となっていた。見学路では、現地農場からの農産物の加工の再現も行っていた。カカオを栽培している環境。現地で実を取って乾燥したところの実物大の模型。中の実をとりだした場面。白いぬるぬるのパルプから豆を取り出す工程。模型が有り、実際にカカオポットの大きさを確認したのもここだ。黒い豆を発酵させる場面。白いパルプと共に寝かせるようだ。発酵した豆を乾燥し、船便により日本に輸入される豆。輸入するには十分に乾燥させることが大切らしい。ここまでが展示物での紹介。
後は、この工場で行っている作業だ。豆は130℃付近で加熱され、その後破砕される。外のシェルと呼ばれる種皮を取り、胚乳(カカオニブ)を得る。胚乳には固い胚芽も混入しているので除去が必要なのだという。念入りに磨砕され、カカオマスと呼ばれる茶色い状態となる。これを圧搾機に入れ、脂(カカオバター)と固形物とに分離させる。この分離方法を編み出したのが、かの有名なバンフォーテンと呼ばれた人物。カカオマスの状態だと水への溶けが悪く、使い勝手に欠けていた。彼は、カカオバターと分けた固形物を粉砕し、ココアパウダーと呼ばれるものにしたのだ。ココアパウダーを使用することで水への溶解が上がったようだ。
一方で、カカオマスとカカオバター、乳製品と砂糖を混ぜたものがチョコレートと呼ばれる。カカオマスが50%位はダークチョコレート。ミルクチョコレートだと20%位が目安。各種材料を練り上げる工程と、溶かす温度が滑らかな触感と口どけを生むために必要となる。滑らかな触感を生み出す技術はテンパリングと呼ばれる。
温度も非常に重要な要素となる。カカオバターの結晶多型を決め、常温で固形とする方法だ。50℃前後から25~26℃に冷却して、30℃程度に加熱する。後に20℃以下に冷却するという温度変化を行うと常温で固形の見慣れた形になるらしい・・・
######
分かりやすく丁寧に図と体験による展示物。さらに工場見学という形で紹介されていた。最後に物販店と併設された食堂まであった観光スポットだった。果実からチョコレートへ変わる過程。カカオ脂の製造工程の段取りも知ることができた。非常にわかりやすい説明だった。まさか実際に果実を扱い、加工を検討することになるとは思いもよらなかったが。
カカオ脂の結晶多型の話はたしか前に習ったことと記憶している。これは学生時代の話だ。カカオ脂を使った座薬の作成実習だった。
#####
大学の講義室。1学年全員が入る規模の講堂。一同を集め、実習前の解説を行っている光景だ。板書には座薬の製法。自分を含め学生たちはノートに書き写す。カカオ脂には結晶の構造が異なる、結晶多型が存在する。不安定なI型17℃、II型23℃、III型25℃、準安定なIV型28℃、V型33℃、最安定なVI型36℃と凝固(融解)温度が異なる。温度は33℃を保ち、主剤を溶解させる。温度計を用いて、36度以上に決して上げないこと。上げるとすべて結晶が溶解し、不安定な結晶構造になり固まらなくなる・・・"なんで俺の座薬が固まらない"午後の実習では話を聞かなかった数人が固まらない座薬を作成していた。友人の一人も、一昼夜放置したのにもかかわらず、ドロリと流れ、再実習に付き合わされた・・・
#####
カカオ脂は、溶解させる温度により結晶多型を変えることができる。カカオ脂の座薬はV型の結晶にする必要があった。保存の為常温で固体とし、人間の体温で容易に溶けるようにするためだ。売られていたカカオ脂は通常V型だ。温度を上げすぎなければ、作成実験は成功。話を聞かず、加熱しすぎると失敗となる。融点が下がり、常温でも固体とならないII型となるためだ。原因は結晶の種によるものらしい。加熱温度を36℃にすることで、カカオ脂の結晶すべてが溶けてしまう。一度に冷やすとII型結晶になってしまうと後日の講義で教えられた。
この結晶多型を操作する技術が重要で、食品にも、薬にも応用できる。この現象を操作するには、一旦結晶をすべて溶かせばよい。
一旦溶けたものは、結晶種を作り直す必要があるので、温度管理が重要となる。50℃から25℃に下げることでIV型が主に作られるらしい。さらに30度付近に上げることで、IV型を溶かし、Vの析出を促すそうだ。前はI,IIをα、III,IVをβ’、V,VIをβと習ったが、呼び名が変わったようだ。結晶多型の呼び名とテンパリングの温度に興味を覚え、工場見学を終えた後に調べなおしたのだった。後の要素は混ぜ方だったり、中に含まれるカカオマス、砂糖による影響もあるらしい。すべてが異なるここでは試行錯誤が必要だろう。
貰ってきたトリニタ豆を取り出し、さてどうしようかと思案していた。コンコンとドアが鳴る。
「兄様。良いかしら?」
「ああ、いいぞ」
よそよそしく入って来るマリンとリンネ。2人で入って来るあたり、話があるのか?
「兄様。今日はお願いがあってきました」
「何の話かな?」
「ほら、マリン。言わないと」
「兄様。この前、言っていたよね。魔術を教えてもらえるって。もうそろそろかなぁ、て」
急によそよそしくなった妹から相談を受ける。確かに言った。パラケル爺さんを説得して、教会で皆で魔術を教えると。後の妖精のローセアに『ロセアスティル』と銘を付けられたアクアヴィーテを取引材料にして。アレを提供した見返りに、パラケル爺さんに魔術を施してもらうと約束をさせたのだった。確か証人は父親のサルタンと、アゼル爺、サーカエ村長も同席していたはずだ。氾濫の前の話なのですっかり後回しとなっていたようだ。
「たしかに、約束したね。父さんに話してみよう。サーカエ村長も同席していたから」
居間に行くと、母さんと父さんで軽く飲みながら雑談をしていた。
「父さん。この前話していた、魔術の授業。準備はどれだけ進んでますか?」
「ん?ああ、氾濫前に相談を受けたあれか。サーカエ村長と教会のシュリッター司祭には声をかけている。後はレッドとパラケル爺との打ち合わせで終わるぞ」
「村のどのくらいの子供たちが受けそうですか?」
「全員だな」
「全員ですか!自分を入れて13人ですね・・・」
「週2回くらいの講義をお願いしたいと、司祭と村長で検討していたな・・・」
「毎日は無理でも、そのくらいなら負担は無いと思います。パラケル爺さん次第だけど」
「爺さんはどんな感じだ?」
「・・・(霊薬は)今日、明日である程度目途が付くと思いますが。3日後に司祭と相談させてください。それまでに内容を2人で考えてみます」
「よろしく頼むぞ」
「やった。楽しみ~。言ってよかった。ローズちゃんとフローラちゃんにも言っておかないと」
「よかったですね。マリン」
「あっ、そうか。リンネ。リンネはこちら側だからね。教師役を一緒にやろう」
「えっ?!私も参加ですか?教えるのは苦手かも・・・」
少し戸惑いを見せるリンネだった。
製薬スキルを使い、過去の記憶をたどる。Theobromaをキーワードにチェックを入れてみた。Theobromaはトリニタの古語に対応する。
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USP:Cocoa Butter is the fat obtained from the seed of Theobroma cacao L.
JP:本品はカカオTheobroma cacao L.の種子から得た脂肪である.
~(略)融点:31 ~ 35℃ ~(略)~
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残念ながら、スキルから得た書籍の情報は使えなかった。素材としてのカカオ脂が該当しただけだ。カカオ脂は座薬の基剤の他、ローション、軟膏への用途としても使われている。その他の情報としては、種皮を除いた種子を炒って圧搾または抽出して作るらしい。やはり試行錯誤は必要そうだ。
出てくる頁には製造方法はサラリと記載され、参考となった情報は製品の規格だった。唯一使えた数字の情報は融点の温度だろう。製造方法の確認は、方向性を変え、昔の経験を探ってみる。たしか旅行の時だったはずだ。スキルを使用し記憶を調べる。
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夏の北の大地。一面の畑の風景。その中に建てられた青と白の目立つ工場。併設された当時の見学の記憶に遡る。食べ歩き旅行の際に、レンタカーを借り郊外の工場に見学に行った時だ。工場には見学路が整備され、小さいテーマパークのようだ。駅も誘致し、人気観光地となっていた。見学路では、現地農場からの農産物の加工の再現も行っていた。カカオを栽培している環境。現地で実を取って乾燥したところの実物大の模型。中の実をとりだした場面。白いぬるぬるのパルプから豆を取り出す工程。模型が有り、実際にカカオポットの大きさを確認したのもここだ。黒い豆を発酵させる場面。白いパルプと共に寝かせるようだ。発酵した豆を乾燥し、船便により日本に輸入される豆。輸入するには十分に乾燥させることが大切らしい。ここまでが展示物での紹介。
後は、この工場で行っている作業だ。豆は130℃付近で加熱され、その後破砕される。外のシェルと呼ばれる種皮を取り、胚乳(カカオニブ)を得る。胚乳には固い胚芽も混入しているので除去が必要なのだという。念入りに磨砕され、カカオマスと呼ばれる茶色い状態となる。これを圧搾機に入れ、脂(カカオバター)と固形物とに分離させる。この分離方法を編み出したのが、かの有名なバンフォーテンと呼ばれた人物。カカオマスの状態だと水への溶けが悪く、使い勝手に欠けていた。彼は、カカオバターと分けた固形物を粉砕し、ココアパウダーと呼ばれるものにしたのだ。ココアパウダーを使用することで水への溶解が上がったようだ。
一方で、カカオマスとカカオバター、乳製品と砂糖を混ぜたものがチョコレートと呼ばれる。カカオマスが50%位はダークチョコレート。ミルクチョコレートだと20%位が目安。各種材料を練り上げる工程と、溶かす温度が滑らかな触感と口どけを生むために必要となる。滑らかな触感を生み出す技術はテンパリングと呼ばれる。
温度も非常に重要な要素となる。カカオバターの結晶多型を決め、常温で固形とする方法だ。50℃前後から25~26℃に冷却して、30℃程度に加熱する。後に20℃以下に冷却するという温度変化を行うと常温で固形の見慣れた形になるらしい・・・
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分かりやすく丁寧に図と体験による展示物。さらに工場見学という形で紹介されていた。最後に物販店と併設された食堂まであった観光スポットだった。果実からチョコレートへ変わる過程。カカオ脂の製造工程の段取りも知ることができた。非常にわかりやすい説明だった。まさか実際に果実を扱い、加工を検討することになるとは思いもよらなかったが。
カカオ脂の結晶多型の話はたしか前に習ったことと記憶している。これは学生時代の話だ。カカオ脂を使った座薬の作成実習だった。
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大学の講義室。1学年全員が入る規模の講堂。一同を集め、実習前の解説を行っている光景だ。板書には座薬の製法。自分を含め学生たちはノートに書き写す。カカオ脂には結晶の構造が異なる、結晶多型が存在する。不安定なI型17℃、II型23℃、III型25℃、準安定なIV型28℃、V型33℃、最安定なVI型36℃と凝固(融解)温度が異なる。温度は33℃を保ち、主剤を溶解させる。温度計を用いて、36度以上に決して上げないこと。上げるとすべて結晶が溶解し、不安定な結晶構造になり固まらなくなる・・・"なんで俺の座薬が固まらない"午後の実習では話を聞かなかった数人が固まらない座薬を作成していた。友人の一人も、一昼夜放置したのにもかかわらず、ドロリと流れ、再実習に付き合わされた・・・
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カカオ脂は、溶解させる温度により結晶多型を変えることができる。カカオ脂の座薬はV型の結晶にする必要があった。保存の為常温で固体とし、人間の体温で容易に溶けるようにするためだ。売られていたカカオ脂は通常V型だ。温度を上げすぎなければ、作成実験は成功。話を聞かず、加熱しすぎると失敗となる。融点が下がり、常温でも固体とならないII型となるためだ。原因は結晶の種によるものらしい。加熱温度を36℃にすることで、カカオ脂の結晶すべてが溶けてしまう。一度に冷やすとII型結晶になってしまうと後日の講義で教えられた。
この結晶多型を操作する技術が重要で、食品にも、薬にも応用できる。この現象を操作するには、一旦結晶をすべて溶かせばよい。
一旦溶けたものは、結晶種を作り直す必要があるので、温度管理が重要となる。50℃から25℃に下げることでIV型が主に作られるらしい。さらに30度付近に上げることで、IV型を溶かし、Vの析出を促すそうだ。前はI,IIをα、III,IVをβ’、V,VIをβと習ったが、呼び名が変わったようだ。結晶多型の呼び名とテンパリングの温度に興味を覚え、工場見学を終えた後に調べなおしたのだった。後の要素は混ぜ方だったり、中に含まれるカカオマス、砂糖による影響もあるらしい。すべてが異なるここでは試行錯誤が必要だろう。
貰ってきたトリニタ豆を取り出し、さてどうしようかと思案していた。コンコンとドアが鳴る。
「兄様。良いかしら?」
「ああ、いいぞ」
よそよそしく入って来るマリンとリンネ。2人で入って来るあたり、話があるのか?
「兄様。今日はお願いがあってきました」
「何の話かな?」
「ほら、マリン。言わないと」
「兄様。この前、言っていたよね。魔術を教えてもらえるって。もうそろそろかなぁ、て」
急によそよそしくなった妹から相談を受ける。確かに言った。パラケル爺さんを説得して、教会で皆で魔術を教えると。後の妖精のローセアに『ロセアスティル』と銘を付けられたアクアヴィーテを取引材料にして。アレを提供した見返りに、パラケル爺さんに魔術を施してもらうと約束をさせたのだった。確か証人は父親のサルタンと、アゼル爺、サーカエ村長も同席していたはずだ。氾濫の前の話なのですっかり後回しとなっていたようだ。
「たしかに、約束したね。父さんに話してみよう。サーカエ村長も同席していたから」
居間に行くと、母さんと父さんで軽く飲みながら雑談をしていた。
「父さん。この前話していた、魔術の授業。準備はどれだけ進んでますか?」
「ん?ああ、氾濫前に相談を受けたあれか。サーカエ村長と教会のシュリッター司祭には声をかけている。後はレッドとパラケル爺との打ち合わせで終わるぞ」
「村のどのくらいの子供たちが受けそうですか?」
「全員だな」
「全員ですか!自分を入れて13人ですね・・・」
「週2回くらいの講義をお願いしたいと、司祭と村長で検討していたな・・・」
「毎日は無理でも、そのくらいなら負担は無いと思います。パラケル爺さん次第だけど」
「爺さんはどんな感じだ?」
「・・・(霊薬は)今日、明日である程度目途が付くと思いますが。3日後に司祭と相談させてください。それまでに内容を2人で考えてみます」
「よろしく頼むぞ」
「やった。楽しみ~。言ってよかった。ローズちゃんとフローラちゃんにも言っておかないと」
「よかったですね。マリン」
「あっ、そうか。リンネ。リンネはこちら側だからね。教師役を一緒にやろう」
「えっ?!私も参加ですか?教えるのは苦手かも・・・」
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