115 / 174
鎮守と毒性
第114話 精神
しおりを挟む
族長からの報告は、エリスさんからの話とほぼ同様だった。移住から始まり、主食の毒性。集団の継続性。これ以上の移動は里全体としては望んでいないこと。このまま何もしないと、緩慢な滅びの過程に向かっていることを族長としてかなり危惧しているなどだ。
「会って初日にする話ではないな。明日にでも作っている工程のところに行くように手配をしておく」
「大変だったのですね。少しでもお力になれればと思います」
「期待はしているのだがな。期待しては落胆するの繰り返しなのだ。最近は諦めてポーションを頼り、現状維持となれば良いと思う様になった」
さっきの交渉事から、この話になると一転、憔悴しきっている族長だ。これ以上はもう、すまんな、と言って、族長は退出していった。エリスさんも共に気になるから、と後を追って退出する。
「こっちに来てからいろいろな葛藤があったのだ。この100年を思い出したのだろう。明日には立ち直る思う。ワシの時もそうだったからな」
パラケルが族長のフォローに入る。
「あやつも里の将来を案ずる身。常に移動は間違っていたのではないかと、自問自答しているのだよ。それも長きに渡って。今日はそっとしておいてくれ」
以前に酒を飲んでいた身としては、しんみりと飲みたい気分に違いない。とテーブルの上に置いてあった銘入れの方の酒を主様に渡す。
「これから紹介しようと思っていました、アクアヴィーテ[ロセアスティル]です。祝いの時に出そうと思っていました。逆に、このような時でも良いかもしれません。飲みすぎないように話題を忘れさせてあげましょう。もう一つは、本当の祝いの時にお試しください」
「悪いな、妾も彼女が気になるので向こうで味わうとする。このお礼はいずれにでも」
主様も中座してしまった。これでパラケル爺さんと、自分の二人きりだ。客身分だけだけど・・・
「皆、介抱しに中座してしまいました。パラケル爺さん、どうしましょう?」
「大丈夫だ。まあ、ゆっくりしよう。後少ししたら、屋敷付きのフォミトリアが戻ってくるだろう。最近はこの調子とエリスから聞いている。落ち込むことが多い様だな」
一方で黙々と食べていた三人の妖精は、偉い方が居なくなったのか、ようやく喋り出す。
「最近はこっちに戻ってくるとあんな感じ」
「今日はまだマシだよ。お客さんがいるからね」
「たまにはしんみり飲みたい時もあるよね」
後の時間はのんびりとクリスプスストラタムを堪能する。しばらくするとエリスさんが戻ってきた。
「ごめんなさい。ここを離れてしまって。母はようやく落ち着いたわ。あの話をすると最近は駄目なの。自分の不甲斐なさを認めているようで落ち込むのよ。今は落ち着いて主様と二人で飲んでいるわ」
「そうなんですね。さっきまで元気にふるまっていたのに。びっくりしました」
通常、尋ねてきた客分であるパラケル爺さんと自分を置いて、主人が席を離れることは無い。相当精神が参っているの違いない。
「さて。ここにいる必要はないわ。妖精達もクリスプスを食べたでしょう。ゆっくりできる客間に移動します」
茶会は終了となるようだ。部屋の端にはフォミトリアさんが待機していた。片付けはフォミトリアさんが行うらしい。だいぶ体調は取り戻しているように見える。ポーションを服用したに違いない。
族長の家には、棲家とは別に複数の離れがあり、客人の滞在が可能になってるとのことだ。パラケル爺さんは里に長期滞在をしたことがある。その時にエルフの感知の魔導具の開発をしたようだ。その対価として魔術師と共にポーションの改良をしていたようだ。その関連で現在のポーションの供給まで担っている。パラケル爺さんとしても里と繋がっているようだ。
「懐かしいな。またここに泊まることになるとはな」
「明日にでも出迎えにきます。夕食もフォミトリアが持ってくると思うわ。のんびりしていて」
間取りとしては、十二畳くらいの二部屋に備え付きのキッチンと言った感じか。それほどヒト族の棲家とは変わらない。こちらの部屋には木でできたソファーが、続きの部屋にはベッドが二つ揃って置いてある。
「出番は明日だ。今日は宿があるだけマシと考えてゆっくりとしよう」
「そうですか・・・どんよりしていますね。集落自体が、何か活気がないというか」
「ヒト族とは異なるからな。長命種の宿命かもしれない。だから必要なんだよ、喜怒哀楽を起こすことがな。良かっただろ我々が来たのも、手紙を書いたことも。たまには感情を発散させることも必要なのだ」
「そうですか。長命種も大変なのですね。明日の作業はどうなるやら」
その後は人族に合わせた夕食が用意され、早めに就寝することになった。
**エリス視点となります。ご注意ください****
「母さん、仮にもお客さんを放っておいてどうするのよ!いくらなんでもありえないわ!」
「そうは言っても、もう族長として失格なの。もうダメかもしれない」
「ようやく希望が来たのにどうしたのよ、願っていたでしょ。[界上]の薬師を」
「これでダメなら、もう希望がないということでしょう?怖いわ。見た目では、ヒト族の平均的な少年としか見えない。解決できるとは思えなくなってきたわ」
「それは主様から説明があったじゃないの?憑依したアニマの年齢はわからないと。こちらにきて半年しか経っていないけど、作成物は見た?こちらの魔術師と比べるとかなりの習得をしているわよ」
「ポーションくらいは私たちにも作成できるじゃない?」
「1ヶ月しか保存が効かなかったポーションを3年。品質は特級。もう我々の作成していた域に達している。パラケルの支援があったとはいえ、ハイポーションの作成まで成功しているのよ。さらに、サナーレウンゲンなる別の特化ポーションまで作成しているわ。それらを作るのに専門の魔導具開発も成功させているのよ」
「ヒト族のパラケルクラスの魔導師は過去にも来たわ。でも改善しなかった」
「加えて彼は、ポーションからの解決手段は間違っているようなそぶりを見せているわ」
「えっ? 今までの手段・手法は間違っていたと?」
「彼は昨日まで現状のポーションの欠点に気づいていなかった。パラケルを始め、ヒト族は、誰も教えていなかったのよ。接触する人間も少なかったみたいだし。彼は薬師として少し落ち込んでいたわ。ポーションとして万能であるものが、万能ではないと悟ったから」
「万能であるが故に困ることもあるのよ。散々困ってきたわ」
「それから彼は、視点を変えていくつか質問をしてきた。だいぶ掴んでいたように思える。私は期待しているわ。明日はそれに賭けるしかないわね」
「少しは希望が持てそうね・・・」
気分が持ち直しつつある母親だ。もう、本当に強い族長としてふるまってもらわないと困る。
主様もこちらにきたようだ。族長の体調を危惧したのだろう。
「体調は大丈夫か? そうか、少し持ち直したか。[界上]の知識とやらにかけるしかあるまい。ダメなら、妾が一人で残れば良いことだ。皆が犠牲になる必要はない」
「でも・・・」
「お前たちは充分に苦しんだよ。あとは妾の番だ」
「明日、加工を見せます。それでダメなら、この里を放棄し、ヒト族に頼りましょう」
「ああ。また場所も人も離れるのはきついわ。テトラもエリスも」
「少し向こうにあったものを持ってきた。落ち着け。パラケルとレッド少年の渾身の作の様だぞ。妖精推薦の[ロセアスティル]」
「また祝いの席にはもう一つの新作を出すといっていたわ。新しい希望を持ちましょう」
「エリスは本当に強くなったわ・・」
「母さんも族長を降りるにはまだ早いわ。もうちょっとだから辛抱しましょう」
「そうだぞ。まだ別れるとは決まってはいないのだ。明日、彼に賭けようではないか」
「ゆっくりと味わってまた明日への活力としましょう」
「そのようだな。明日に再度期待しよう」
解決が見えない問題に族長も憔悴している。早く解決させてあげたいのは自分も同じだ。
*******
「会って初日にする話ではないな。明日にでも作っている工程のところに行くように手配をしておく」
「大変だったのですね。少しでもお力になれればと思います」
「期待はしているのだがな。期待しては落胆するの繰り返しなのだ。最近は諦めてポーションを頼り、現状維持となれば良いと思う様になった」
さっきの交渉事から、この話になると一転、憔悴しきっている族長だ。これ以上はもう、すまんな、と言って、族長は退出していった。エリスさんも共に気になるから、と後を追って退出する。
「こっちに来てからいろいろな葛藤があったのだ。この100年を思い出したのだろう。明日には立ち直る思う。ワシの時もそうだったからな」
パラケルが族長のフォローに入る。
「あやつも里の将来を案ずる身。常に移動は間違っていたのではないかと、自問自答しているのだよ。それも長きに渡って。今日はそっとしておいてくれ」
以前に酒を飲んでいた身としては、しんみりと飲みたい気分に違いない。とテーブルの上に置いてあった銘入れの方の酒を主様に渡す。
「これから紹介しようと思っていました、アクアヴィーテ[ロセアスティル]です。祝いの時に出そうと思っていました。逆に、このような時でも良いかもしれません。飲みすぎないように話題を忘れさせてあげましょう。もう一つは、本当の祝いの時にお試しください」
「悪いな、妾も彼女が気になるので向こうで味わうとする。このお礼はいずれにでも」
主様も中座してしまった。これでパラケル爺さんと、自分の二人きりだ。客身分だけだけど・・・
「皆、介抱しに中座してしまいました。パラケル爺さん、どうしましょう?」
「大丈夫だ。まあ、ゆっくりしよう。後少ししたら、屋敷付きのフォミトリアが戻ってくるだろう。最近はこの調子とエリスから聞いている。落ち込むことが多い様だな」
一方で黙々と食べていた三人の妖精は、偉い方が居なくなったのか、ようやく喋り出す。
「最近はこっちに戻ってくるとあんな感じ」
「今日はまだマシだよ。お客さんがいるからね」
「たまにはしんみり飲みたい時もあるよね」
後の時間はのんびりとクリスプスストラタムを堪能する。しばらくするとエリスさんが戻ってきた。
「ごめんなさい。ここを離れてしまって。母はようやく落ち着いたわ。あの話をすると最近は駄目なの。自分の不甲斐なさを認めているようで落ち込むのよ。今は落ち着いて主様と二人で飲んでいるわ」
「そうなんですね。さっきまで元気にふるまっていたのに。びっくりしました」
通常、尋ねてきた客分であるパラケル爺さんと自分を置いて、主人が席を離れることは無い。相当精神が参っているの違いない。
「さて。ここにいる必要はないわ。妖精達もクリスプスを食べたでしょう。ゆっくりできる客間に移動します」
茶会は終了となるようだ。部屋の端にはフォミトリアさんが待機していた。片付けはフォミトリアさんが行うらしい。だいぶ体調は取り戻しているように見える。ポーションを服用したに違いない。
族長の家には、棲家とは別に複数の離れがあり、客人の滞在が可能になってるとのことだ。パラケル爺さんは里に長期滞在をしたことがある。その時にエルフの感知の魔導具の開発をしたようだ。その対価として魔術師と共にポーションの改良をしていたようだ。その関連で現在のポーションの供給まで担っている。パラケル爺さんとしても里と繋がっているようだ。
「懐かしいな。またここに泊まることになるとはな」
「明日にでも出迎えにきます。夕食もフォミトリアが持ってくると思うわ。のんびりしていて」
間取りとしては、十二畳くらいの二部屋に備え付きのキッチンと言った感じか。それほどヒト族の棲家とは変わらない。こちらの部屋には木でできたソファーが、続きの部屋にはベッドが二つ揃って置いてある。
「出番は明日だ。今日は宿があるだけマシと考えてゆっくりとしよう」
「そうですか・・・どんよりしていますね。集落自体が、何か活気がないというか」
「ヒト族とは異なるからな。長命種の宿命かもしれない。だから必要なんだよ、喜怒哀楽を起こすことがな。良かっただろ我々が来たのも、手紙を書いたことも。たまには感情を発散させることも必要なのだ」
「そうですか。長命種も大変なのですね。明日の作業はどうなるやら」
その後は人族に合わせた夕食が用意され、早めに就寝することになった。
**エリス視点となります。ご注意ください****
「母さん、仮にもお客さんを放っておいてどうするのよ!いくらなんでもありえないわ!」
「そうは言っても、もう族長として失格なの。もうダメかもしれない」
「ようやく希望が来たのにどうしたのよ、願っていたでしょ。[界上]の薬師を」
「これでダメなら、もう希望がないということでしょう?怖いわ。見た目では、ヒト族の平均的な少年としか見えない。解決できるとは思えなくなってきたわ」
「それは主様から説明があったじゃないの?憑依したアニマの年齢はわからないと。こちらにきて半年しか経っていないけど、作成物は見た?こちらの魔術師と比べるとかなりの習得をしているわよ」
「ポーションくらいは私たちにも作成できるじゃない?」
「1ヶ月しか保存が効かなかったポーションを3年。品質は特級。もう我々の作成していた域に達している。パラケルの支援があったとはいえ、ハイポーションの作成まで成功しているのよ。さらに、サナーレウンゲンなる別の特化ポーションまで作成しているわ。それらを作るのに専門の魔導具開発も成功させているのよ」
「ヒト族のパラケルクラスの魔導師は過去にも来たわ。でも改善しなかった」
「加えて彼は、ポーションからの解決手段は間違っているようなそぶりを見せているわ」
「えっ? 今までの手段・手法は間違っていたと?」
「彼は昨日まで現状のポーションの欠点に気づいていなかった。パラケルを始め、ヒト族は、誰も教えていなかったのよ。接触する人間も少なかったみたいだし。彼は薬師として少し落ち込んでいたわ。ポーションとして万能であるものが、万能ではないと悟ったから」
「万能であるが故に困ることもあるのよ。散々困ってきたわ」
「それから彼は、視点を変えていくつか質問をしてきた。だいぶ掴んでいたように思える。私は期待しているわ。明日はそれに賭けるしかないわね」
「少しは希望が持てそうね・・・」
気分が持ち直しつつある母親だ。もう、本当に強い族長としてふるまってもらわないと困る。
主様もこちらにきたようだ。族長の体調を危惧したのだろう。
「体調は大丈夫か? そうか、少し持ち直したか。[界上]の知識とやらにかけるしかあるまい。ダメなら、妾が一人で残れば良いことだ。皆が犠牲になる必要はない」
「でも・・・」
「お前たちは充分に苦しんだよ。あとは妾の番だ」
「明日、加工を見せます。それでダメなら、この里を放棄し、ヒト族に頼りましょう」
「ああ。また場所も人も離れるのはきついわ。テトラもエリスも」
「少し向こうにあったものを持ってきた。落ち着け。パラケルとレッド少年の渾身の作の様だぞ。妖精推薦の[ロセアスティル]」
「また祝いの席にはもう一つの新作を出すといっていたわ。新しい希望を持ちましょう」
「エリスは本当に強くなったわ・・」
「母さんも族長を降りるにはまだ早いわ。もうちょっとだから辛抱しましょう」
「そうだぞ。まだ別れるとは決まってはいないのだ。明日、彼に賭けようではないか」
「ゆっくりと味わってまた明日への活力としましょう」
「そのようだな。明日に再度期待しよう」
解決が見えない問題に族長も憔悴している。早く解決させてあげたいのは自分も同じだ。
*******
104
お気に入りに追加
888
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる