96 / 174
酒精と層菓
第95話 夕食
しおりを挟む
ルプラはよくやった。あとでご褒美をあげよう。ささっと、パラケルの試飲分を渡したのち、アイテムボックスに収納する。ローセアには油断も隙も与えてはいけない。酒に関しての嗅覚が優れすぎている。
「あ~あ。仕舞っちゃった。飲みたかったのに」
ぷーと頬を膨らます仕草は案外可愛い。
「だからダメだって。主にまず飲んでもらわないと。あんた、命名しちゃうでしょ?この流れで…」
「うー。一滴でも良かったのにぃ」
「主が飲んだ後ならいいんじゃ無いのかな。たくさんあるし」
「あそこにいくと、主が飲んで、族長が飲んで、みんなが飲むから無くなっちゃうよ」
「いやいや、この量だよ? 酒精の量が多いからたくさん飲めないし。大丈夫でしょう?そんなに好きなの?エルフの皆さん」
「嗜む程だよ。我を忘れるほどはいないわよ」
妖精の特徴が出ている典型的な子なのかな。ローセアは初物を少しでも確保したいようだ。仕方がないので、自分の命名したもので我慢してもらう。
「じゃあ、[ロセアスティル]を少しだけあげるよ。今日はこれで我慢」
「うん。そうする。レッドありがとう」
「ルプラにはあとで錬金術に関することでご褒美ね」
「えっ、なんだろう。楽しみにするよ」
今ある材料からの酒造りは終わった。パラケル爺さんの感想からは十分に良いものができているようだった。お土産で渡す品質は十分に満たしているだろう。
蒸留酒を作っている最中で、つくりながら飲酒以外の用途を考えていた。蒸留酒を使って作れるものだ。直接は使用しなくても、抽出する手段や香りづけで使用できる。派生するものはたくさんある。ルプラのご褒美はこれの派生物にすればよいかな。自分の家族の状態も気になってきた。
「パラケル爺さん、もう少し魔銀もらっても良いですか。作りたいものがあるので」
「ああ?いいぞ。今度は何をするんだ?」
「左右に振動させるものを作ろうかと」
「ん?それなら、これを改造したらどうだ?円心運動で回るぞ」
フラスコを円形に回す魔導具だ。かなり高速で回すことができる。おそらく羽付フラスコを使用して空気を入れる反応でもしたのかなと思う。
「ありがとうございます。この魔導具は使えますね。円心運動を左右に振るように台を改造してみます。ちなみに手で回す攪拌の魔導具なんてものは無いですよね?」
「攪拌か。ものを混ぜるやつだよな?あるぞ。前に作ったことがある。魔石で動くから手動では無いがな」
爺さんすごいな。手動はないけど魔動ならあるようだ。実はこの場所は宝の山だった。ものは試しに聞いておこう。
「魔石で動くオーブンなんてものもあります?」
「流石にそれはないな。それは受注生産だからな。だが設計図ならあるぞ。前に作ったことがある・・・これだな」
サクッとアイテムボックスから出すパラケル爺さん。
「すごいですね。この設計図と魔銀があれば作れそうです。明日の午後に来て作っても良いですか?」
ざっとみただけでも、設計図があればいける。それほど難しいものでもなさそうだ。一からだとほとんど絶望的だった。コピーができるのなら問題ない。先生もいるし。
「ああ、いいぞ。自分で作る分なら勉強になる。オーブンは物を作る魔導具だ。今度は何を始めるのだ?そちらの方が気になる」
「お菓子作りをしようと思って。オーブンがあれば色々できると思います。妹の相手をしないと、そろそろ・・すね始めそうな気がして」
「お菓子!!何なに!?レッドはお菓子作れるの?」
ローセアは優雅にアクアヴィーテを堪能していた。どうやら菓子も好きのようだ。お菓子という言葉に敏感に飛びついてきた。ルプラも興味があるようだ。
「小僧、幅広いな。薬だけでなく、菓子まで作れるのか?」
「作れるのはそれほどありません。【製薬】スキルの補助もほとんど効きません。実際に作った物を覚えているだけです」
「ちなみに何を作るんだ?」
「最初は妹と一緒にクリスプスを。オーブンが完成したら稼働試験用に焼菓子を。うまくいったら後数種類くらいですかね」
「クリスプス?全くわからん。できるものは結構あるではないか。それだけ作れるだけでもたいしたものだ」
「お菓子作りと薬の調合は似たようなところがあるんです。共通している器具もあります。分量通りに手順を踏んで作るところも似ていますね」
「手技が共通して作れるところは錬金術と同じようだな」
夕飯も食べていくか?との話を断り、今日は久しぶりにベルナル商店に帰る。ローセアはルプラと一緒にいると言っていた。そのままパラケル家に居座るようだ。ようやくこちらの家に着いてホッとする。久しぶりのベルナル家の夕食は楽しみだ。
「ただいま。パラケル爺さんの所にいたら遅くなりました」
「最近は入り浸っているようだな。どうだ、酒造りは進展したか?」
「父さんたちが持ち帰ったアクアヴィーテは『ロセアスティル』と名前がつきました。葡萄酒から作られたアクアヴィーテも作成しました。芳醇な香りがして大変美味しいとパラケル爺さんから感想をいただきました。これは、製造上の試飲のみで、鎮守の森の主に献上することとなっています」
「そう言えば主のところに訪問すると言っていたな。初飲できるのは製造者特権だな。熟成されたものを飲めるのは羨ましい限りだ。こちらにもまわせるよな?もちろん領主にもいくだろうな?」
随分念を押すな。期待度も高い・・・
「蒸留酒は原料の醸造酒が無いとできません。当然、エールや葡萄酒の調達は必要になります。今回の確保した分は試行錯誤でおそらく消費してしまうでしょう。安定するにはもう少し必要となります。領主への心付けは了解です。確保できるように取り置きしておきます」
「原料はギルドを経由で調達させてもらう。最優先にな」
サルタンの目はギラリと光る。売れる商品を標的にした商売人の目だ。酒となると3割増しとなるのか少し怖い。
「あら、サルタン。家庭では商人の顔とならなくても良いでしょう?」
「そうだよ。ようやく兄様が帰ってきたのに・・」
「うっ。すまん。ついつい力が入ってしまった」
しょんぼりするサルタン。選手交代して女性陣からの質問となった。
「それでレッド。四日間何をしていたのかしら?」
「えっ?この四日間ですか?ほとんどお酒の蒸留で終わってしまったけど・・」
「サルタンからサナーレウンゲンに匹敵するものを作るって聞いているけど。まさかお酒だけ?」
「いやいや、葡萄酒からの蒸留だけでも三日間かかるのですよ!?さらに新しいものはとても・・」
蒸留は時間がかかる。一工程一日のペースだ。多くて2工程だ。魔法を使ったとはいえ、四日で完成品ができるのは異常なことのだ。普通ではないことを認識してもらいたい。悲しいことに立ち会ってもいない二人にはわからないだろう。
「え~。マリンも期待して、兄様を待っていたのに」
妹も参戦してきた。あー話の流れが怪しくなってきた。そうだ!あれの件だ。
「そう!作っている時に気になったことがあったんだ!お菓子!パラケル爺さんの在庫の魔導具で面白いものがあったんだよ。それが使えれば一緒にお菓子作りもできるかなぁって」
「えっ。マリンも一緒にできるの。ほんと?」
「あら?楽しそうじゃない。それなら私も混ぜてもらえるかしら?」
「使うものは、羊の乳と小麦の粉と果物、砂糖です。母さん材料はありますか? クリスプスというものを作りたいです」
クリスプスは向こうではクレープだ。こちらにあるかどうかはわからないけど。
「クリスプス?聞いたことがないわね。母さんは、羊の乳をもらえばよいのかしら?」
「3Lくらいもらえるかなぁ? あとは果物かなぁ」
「果物ね。なんでもよければ、ウーヴァとか、キトルスならあるけど」
「ひとまず、それで作ります」
「マリンは何をすれば良いの?」
「マリンは果物を切ることと粉の生地の調整の担当かな。焼くのは一緒にやろう」
「切るのはできるよ。作るのは明日だよね。楽しみ~」
羊の乳の扱いは初めてだ。牛乳と同じであれば良いのだけど。
「あ~あ。仕舞っちゃった。飲みたかったのに」
ぷーと頬を膨らます仕草は案外可愛い。
「だからダメだって。主にまず飲んでもらわないと。あんた、命名しちゃうでしょ?この流れで…」
「うー。一滴でも良かったのにぃ」
「主が飲んだ後ならいいんじゃ無いのかな。たくさんあるし」
「あそこにいくと、主が飲んで、族長が飲んで、みんなが飲むから無くなっちゃうよ」
「いやいや、この量だよ? 酒精の量が多いからたくさん飲めないし。大丈夫でしょう?そんなに好きなの?エルフの皆さん」
「嗜む程だよ。我を忘れるほどはいないわよ」
妖精の特徴が出ている典型的な子なのかな。ローセアは初物を少しでも確保したいようだ。仕方がないので、自分の命名したもので我慢してもらう。
「じゃあ、[ロセアスティル]を少しだけあげるよ。今日はこれで我慢」
「うん。そうする。レッドありがとう」
「ルプラにはあとで錬金術に関することでご褒美ね」
「えっ、なんだろう。楽しみにするよ」
今ある材料からの酒造りは終わった。パラケル爺さんの感想からは十分に良いものができているようだった。お土産で渡す品質は十分に満たしているだろう。
蒸留酒を作っている最中で、つくりながら飲酒以外の用途を考えていた。蒸留酒を使って作れるものだ。直接は使用しなくても、抽出する手段や香りづけで使用できる。派生するものはたくさんある。ルプラのご褒美はこれの派生物にすればよいかな。自分の家族の状態も気になってきた。
「パラケル爺さん、もう少し魔銀もらっても良いですか。作りたいものがあるので」
「ああ?いいぞ。今度は何をするんだ?」
「左右に振動させるものを作ろうかと」
「ん?それなら、これを改造したらどうだ?円心運動で回るぞ」
フラスコを円形に回す魔導具だ。かなり高速で回すことができる。おそらく羽付フラスコを使用して空気を入れる反応でもしたのかなと思う。
「ありがとうございます。この魔導具は使えますね。円心運動を左右に振るように台を改造してみます。ちなみに手で回す攪拌の魔導具なんてものは無いですよね?」
「攪拌か。ものを混ぜるやつだよな?あるぞ。前に作ったことがある。魔石で動くから手動では無いがな」
爺さんすごいな。手動はないけど魔動ならあるようだ。実はこの場所は宝の山だった。ものは試しに聞いておこう。
「魔石で動くオーブンなんてものもあります?」
「流石にそれはないな。それは受注生産だからな。だが設計図ならあるぞ。前に作ったことがある・・・これだな」
サクッとアイテムボックスから出すパラケル爺さん。
「すごいですね。この設計図と魔銀があれば作れそうです。明日の午後に来て作っても良いですか?」
ざっとみただけでも、設計図があればいける。それほど難しいものでもなさそうだ。一からだとほとんど絶望的だった。コピーができるのなら問題ない。先生もいるし。
「ああ、いいぞ。自分で作る分なら勉強になる。オーブンは物を作る魔導具だ。今度は何を始めるのだ?そちらの方が気になる」
「お菓子作りをしようと思って。オーブンがあれば色々できると思います。妹の相手をしないと、そろそろ・・すね始めそうな気がして」
「お菓子!!何なに!?レッドはお菓子作れるの?」
ローセアは優雅にアクアヴィーテを堪能していた。どうやら菓子も好きのようだ。お菓子という言葉に敏感に飛びついてきた。ルプラも興味があるようだ。
「小僧、幅広いな。薬だけでなく、菓子まで作れるのか?」
「作れるのはそれほどありません。【製薬】スキルの補助もほとんど効きません。実際に作った物を覚えているだけです」
「ちなみに何を作るんだ?」
「最初は妹と一緒にクリスプスを。オーブンが完成したら稼働試験用に焼菓子を。うまくいったら後数種類くらいですかね」
「クリスプス?全くわからん。できるものは結構あるではないか。それだけ作れるだけでもたいしたものだ」
「お菓子作りと薬の調合は似たようなところがあるんです。共通している器具もあります。分量通りに手順を踏んで作るところも似ていますね」
「手技が共通して作れるところは錬金術と同じようだな」
夕飯も食べていくか?との話を断り、今日は久しぶりにベルナル商店に帰る。ローセアはルプラと一緒にいると言っていた。そのままパラケル家に居座るようだ。ようやくこちらの家に着いてホッとする。久しぶりのベルナル家の夕食は楽しみだ。
「ただいま。パラケル爺さんの所にいたら遅くなりました」
「最近は入り浸っているようだな。どうだ、酒造りは進展したか?」
「父さんたちが持ち帰ったアクアヴィーテは『ロセアスティル』と名前がつきました。葡萄酒から作られたアクアヴィーテも作成しました。芳醇な香りがして大変美味しいとパラケル爺さんから感想をいただきました。これは、製造上の試飲のみで、鎮守の森の主に献上することとなっています」
「そう言えば主のところに訪問すると言っていたな。初飲できるのは製造者特権だな。熟成されたものを飲めるのは羨ましい限りだ。こちらにもまわせるよな?もちろん領主にもいくだろうな?」
随分念を押すな。期待度も高い・・・
「蒸留酒は原料の醸造酒が無いとできません。当然、エールや葡萄酒の調達は必要になります。今回の確保した分は試行錯誤でおそらく消費してしまうでしょう。安定するにはもう少し必要となります。領主への心付けは了解です。確保できるように取り置きしておきます」
「原料はギルドを経由で調達させてもらう。最優先にな」
サルタンの目はギラリと光る。売れる商品を標的にした商売人の目だ。酒となると3割増しとなるのか少し怖い。
「あら、サルタン。家庭では商人の顔とならなくても良いでしょう?」
「そうだよ。ようやく兄様が帰ってきたのに・・」
「うっ。すまん。ついつい力が入ってしまった」
しょんぼりするサルタン。選手交代して女性陣からの質問となった。
「それでレッド。四日間何をしていたのかしら?」
「えっ?この四日間ですか?ほとんどお酒の蒸留で終わってしまったけど・・」
「サルタンからサナーレウンゲンに匹敵するものを作るって聞いているけど。まさかお酒だけ?」
「いやいや、葡萄酒からの蒸留だけでも三日間かかるのですよ!?さらに新しいものはとても・・」
蒸留は時間がかかる。一工程一日のペースだ。多くて2工程だ。魔法を使ったとはいえ、四日で完成品ができるのは異常なことのだ。普通ではないことを認識してもらいたい。悲しいことに立ち会ってもいない二人にはわからないだろう。
「え~。マリンも期待して、兄様を待っていたのに」
妹も参戦してきた。あー話の流れが怪しくなってきた。そうだ!あれの件だ。
「そう!作っている時に気になったことがあったんだ!お菓子!パラケル爺さんの在庫の魔導具で面白いものがあったんだよ。それが使えれば一緒にお菓子作りもできるかなぁって」
「えっ。マリンも一緒にできるの。ほんと?」
「あら?楽しそうじゃない。それなら私も混ぜてもらえるかしら?」
「使うものは、羊の乳と小麦の粉と果物、砂糖です。母さん材料はありますか? クリスプスというものを作りたいです」
クリスプスは向こうではクレープだ。こちらにあるかどうかはわからないけど。
「クリスプス?聞いたことがないわね。母さんは、羊の乳をもらえばよいのかしら?」
「3Lくらいもらえるかなぁ? あとは果物かなぁ」
「果物ね。なんでもよければ、ウーヴァとか、キトルスならあるけど」
「ひとまず、それで作ります」
「マリンは何をすれば良いの?」
「マリンは果物を切ることと粉の生地の調整の担当かな。焼くのは一緒にやろう」
「切るのはできるよ。作るのは明日だよね。楽しみ~」
羊の乳の扱いは初めてだ。牛乳と同じであれば良いのだけど。
144
お気に入りに追加
888
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる