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蒸留と羊油
第64話 青顔
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一旦休憩としてから、次は領主献上品に関してだ。
「流通を円滑にするにも、領主への付け届けは必要だ。特にレッド。お前は目をつけられている。ポーションの件、磁器から始まり、とどめはハイポーションだ。軟膏も控えている。これからもやらかすだろう。ワシが後ろ盾になることもできるが少し弱い。領主を味方につけるとより安泰な上に立場も申し分ない」
「ああ、そうですね。レッドは商人の枠に嵌めるには勿体ないと最近考えているよ」
「お前はどうしたい?商人の道になるには勿体なすぎる。代行にも言われている。学院に行かないか?」
まさか、献上品の話をするのに、自分の将来になることとは思いもよらなかった。すぐには返答できない。
「・・・すぐには返事ができないですね。考えてみます」
「よく考えたほうが良いぞ。将来のことだからな」
「では、話を戻します。献上品についてです。どこまで情報を開示としますか?」
「ワシとしては、全てを開示したほうが良いと思うぞ。現辺境伯も先代、先代夫人も理解は良い。変に隠した方が違和感も残るからな。情報はさらけ出して、その上で領主と流通の線引き・取引をしたほうが良いだろう」
「そうですね。レッド。現在製造したもので、領主案件になりそうなものをあげてみなさい」
「隠しているも分かっている。ここでは本当にすべてだぞ」
はい、わかりました、とアイテムボックスから今まで作成したものを取り出す。自己規制しているものもすべてだ。磁器ボトルに入れているので製造品名として名前が変わっている。
【*治癒精油。特級品。飲料には不適。化粧品・軟膏等の原料。魔素を含む・効果6・中間製品】アルテミオイル。
【*10倍濃縮ポーション。特級品。治癒効果有。魔素を含む・効果6 ・中間製品】アルテミウォータ。
【*魔力精油。特級。化粧品・軟膏等の原料。魔素回復6。中間製品。】ブラックメンタオイル。
【*M植物精油。特級。化粧品・軟膏等の原料。中間製品。】メンタオイル。
【*10倍濃縮魔力ポーション。特級。少しの気付効果。魔素回復6。中間製品。】ブラックメンタウォータ。
【*魔力ポーション。特級品。気付効果。魔素回復6】ブラックメンタから熱水抽出したもの。
【*ハイポーション。特級品。治癒効果60。大抵の外傷の治癒が可能。】アルテミウォータ+ブラックメンタウォータ+水
【*精製ランナ。特級品。各種基剤に使用可。無臭】ランナをさらに魔力制御し精製
【*サナーレウンゲン。特級品。治療効果1。保湿シミ改善効果小有・メンタの芳香】治癒軟膏。魔素無しメンタ入り。
【*サナーレウンゲン。特級品。治療効果1。保湿シミ改善効果小有】メンタなしのもの。
【*ハイサナーレウンゲン。特級品。治療効果6。外傷修復効果有・メンタの芳香】
【*スライム浄水。特級品。不純物ほぼ無し。あらゆる溶媒に使用可能。中間製品】
あとは魔導具で遮光箱。磁器。大甕。遠心装置、スライム浄水装置。と言ったところか。一級品も出しているが、2人にはわかっているものだ。
次々出していくと、二人の顔はだんだんと青くなる。頭を抱えている。これはわかる。見なければよかった顔だ。
「はぁ。隠していたもの全部特級かよ。ポンポン作っていく意味がわかったぞ」
「はぁ。これを世に出して良いものか悩みますね。自分の子供ながら、下手な領主なら囲い込みと一生飼い殺し行き確定だよ」
はぁ、はぁ、うるさいな・・・しょうがないので話を進める。
「これにサナーレウンゲンにデンタータとアントスの香りを纏わせたものを作るんですよね。ローサも購入していましたよね。作ります?」
「わざわざ夫人の面会を取り付け、領主にゆかりのある男爵の所に行って買い付けをしてきたのだ。城郭都市を通ってホーミィー村に帰ってきている。あの噂好きの夫人には、物の流れは多分把握しているぞ。作らない選択肢はない」
それからは、ローサ、デンタータ、アントス。それぞれの精油の抽出をはかる。これも水蒸気蒸留にて採取とした。採取量としてはアルテミと同程度のようだ。100束を一括して蒸留できるので、20mLのオイルが取れる。香りは好みが分かれる。貴族の嗜好もあるので、まずはほんのりと香る0.2%とした。反応を決めてさらに希釈か、濃くすることを検討する。
【*サナーレウンゲン。一級品。治療効果1。保湿シミ改善効果小有・ローサの微香】
デンタータ、アントスも同様に作成する。10個ずつを献上予定とした。献上する等級はあえて一級品としている。貴族の反応を見て、その後の検討をすることになった。2人と相談の上、種類は偽りなく提示し、特級品は隠し玉としてとっておく結論となった。
そういえば芳香水も勿体無い。回収はしているが、用途は決まっていない。今後の開発用にとっておかなければ。
【*R芳香水。特級。化粧品等の原料。中間製品。】ローサウォータ。デンタータはD、アントスはAとなったようだ。
しばらくの間、磁器瓶に入れてアイテムボックスへ保管することとした。
城郭都市へのやりとりは村長経由で面会までのやり取りを行う。主な担当はサルタンとパラケルだ。
「面会は1週間後と決まった。それまではレッド。おとなしくしておけ」
「そうだな。ポーション作りがよいだろう。サルタン、大甕を回収してきたのだろう?」
「商人ギルドから大甕も追加で100本渡された。おかげで乾物関係がアイテムボックスの中に入らなかった。ポーションにして2000本。追加発注だ」
もうそろそろ、氾濫の時期が来ると読んでいるらしい。冒険者ギルドからの催促がきついのだ。自分が蒔いた種だと言い聞かせ、ポーションの作成を行う。蒸留の規模を大きくしているので、それほど手間ではなかった。一部濃縮物も作成しておく。
そして領主面会の前日。パラケル爺さんと共に城郭都市に赴くことになった。
「流通を円滑にするにも、領主への付け届けは必要だ。特にレッド。お前は目をつけられている。ポーションの件、磁器から始まり、とどめはハイポーションだ。軟膏も控えている。これからもやらかすだろう。ワシが後ろ盾になることもできるが少し弱い。領主を味方につけるとより安泰な上に立場も申し分ない」
「ああ、そうですね。レッドは商人の枠に嵌めるには勿体ないと最近考えているよ」
「お前はどうしたい?商人の道になるには勿体なすぎる。代行にも言われている。学院に行かないか?」
まさか、献上品の話をするのに、自分の将来になることとは思いもよらなかった。すぐには返答できない。
「・・・すぐには返事ができないですね。考えてみます」
「よく考えたほうが良いぞ。将来のことだからな」
「では、話を戻します。献上品についてです。どこまで情報を開示としますか?」
「ワシとしては、全てを開示したほうが良いと思うぞ。現辺境伯も先代、先代夫人も理解は良い。変に隠した方が違和感も残るからな。情報はさらけ出して、その上で領主と流通の線引き・取引をしたほうが良いだろう」
「そうですね。レッド。現在製造したもので、領主案件になりそうなものをあげてみなさい」
「隠しているも分かっている。ここでは本当にすべてだぞ」
はい、わかりました、とアイテムボックスから今まで作成したものを取り出す。自己規制しているものもすべてだ。磁器ボトルに入れているので製造品名として名前が変わっている。
【*治癒精油。特級品。飲料には不適。化粧品・軟膏等の原料。魔素を含む・効果6・中間製品】アルテミオイル。
【*10倍濃縮ポーション。特級品。治癒効果有。魔素を含む・効果6 ・中間製品】アルテミウォータ。
【*魔力精油。特級。化粧品・軟膏等の原料。魔素回復6。中間製品。】ブラックメンタオイル。
【*M植物精油。特級。化粧品・軟膏等の原料。中間製品。】メンタオイル。
【*10倍濃縮魔力ポーション。特級。少しの気付効果。魔素回復6。中間製品。】ブラックメンタウォータ。
【*魔力ポーション。特級品。気付効果。魔素回復6】ブラックメンタから熱水抽出したもの。
【*ハイポーション。特級品。治癒効果60。大抵の外傷の治癒が可能。】アルテミウォータ+ブラックメンタウォータ+水
【*精製ランナ。特級品。各種基剤に使用可。無臭】ランナをさらに魔力制御し精製
【*サナーレウンゲン。特級品。治療効果1。保湿シミ改善効果小有・メンタの芳香】治癒軟膏。魔素無しメンタ入り。
【*サナーレウンゲン。特級品。治療効果1。保湿シミ改善効果小有】メンタなしのもの。
【*ハイサナーレウンゲン。特級品。治療効果6。外傷修復効果有・メンタの芳香】
【*スライム浄水。特級品。不純物ほぼ無し。あらゆる溶媒に使用可能。中間製品】
あとは魔導具で遮光箱。磁器。大甕。遠心装置、スライム浄水装置。と言ったところか。一級品も出しているが、2人にはわかっているものだ。
次々出していくと、二人の顔はだんだんと青くなる。頭を抱えている。これはわかる。見なければよかった顔だ。
「はぁ。隠していたもの全部特級かよ。ポンポン作っていく意味がわかったぞ」
「はぁ。これを世に出して良いものか悩みますね。自分の子供ながら、下手な領主なら囲い込みと一生飼い殺し行き確定だよ」
はぁ、はぁ、うるさいな・・・しょうがないので話を進める。
「これにサナーレウンゲンにデンタータとアントスの香りを纏わせたものを作るんですよね。ローサも購入していましたよね。作ります?」
「わざわざ夫人の面会を取り付け、領主にゆかりのある男爵の所に行って買い付けをしてきたのだ。城郭都市を通ってホーミィー村に帰ってきている。あの噂好きの夫人には、物の流れは多分把握しているぞ。作らない選択肢はない」
それからは、ローサ、デンタータ、アントス。それぞれの精油の抽出をはかる。これも水蒸気蒸留にて採取とした。採取量としてはアルテミと同程度のようだ。100束を一括して蒸留できるので、20mLのオイルが取れる。香りは好みが分かれる。貴族の嗜好もあるので、まずはほんのりと香る0.2%とした。反応を決めてさらに希釈か、濃くすることを検討する。
【*サナーレウンゲン。一級品。治療効果1。保湿シミ改善効果小有・ローサの微香】
デンタータ、アントスも同様に作成する。10個ずつを献上予定とした。献上する等級はあえて一級品としている。貴族の反応を見て、その後の検討をすることになった。2人と相談の上、種類は偽りなく提示し、特級品は隠し玉としてとっておく結論となった。
そういえば芳香水も勿体無い。回収はしているが、用途は決まっていない。今後の開発用にとっておかなければ。
【*R芳香水。特級。化粧品等の原料。中間製品。】ローサウォータ。デンタータはD、アントスはAとなったようだ。
しばらくの間、磁器瓶に入れてアイテムボックスへ保管することとした。
城郭都市へのやりとりは村長経由で面会までのやり取りを行う。主な担当はサルタンとパラケルだ。
「面会は1週間後と決まった。それまではレッド。おとなしくしておけ」
「そうだな。ポーション作りがよいだろう。サルタン、大甕を回収してきたのだろう?」
「商人ギルドから大甕も追加で100本渡された。おかげで乾物関係がアイテムボックスの中に入らなかった。ポーションにして2000本。追加発注だ」
もうそろそろ、氾濫の時期が来ると読んでいるらしい。冒険者ギルドからの催促がきついのだ。自分が蒔いた種だと言い聞かせ、ポーションの作成を行う。蒸留の規模を大きくしているので、それほど手間ではなかった。一部濃縮物も作成しておく。
そして領主面会の前日。パラケル爺さんと共に城郭都市に赴くことになった。
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