一目惚れ

詩織

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まだ実感が沸かないけど、付き合って2週間。

お互い休みが不定期なので、週に1回会えばいいほうなのかな?と思う。

あのキス以来進展はない。

まぁ、そこまで会ってないしね。

私は1人暮らしだけど堀内さんは家族と住んでる。私がマンションにあげれば家でまったりデートも出来るかもだけど、家にきますか?とか言うのってなんか…ねぇー

夜勤あけのときは基本翌日は休み。そのタイミングで堀内さんも同じ日にお休みとなった日に初めての遠出のデートをすることになった。

遠出といっても隣の県の水族館だけど。

この水族館はデートスポットとしても有名で凄いキレイで、ロマンティックなスポットとして人気がある。

車にのって、水族館へ向かう。

助手席に乗って、チラッと堀内さんをみる

かっこいいなー

「ぷっ」

えっ!?

「いやなんか、気が付かれないように見ようとしてるから」

うっ

「そんなに隠れるように見なくても、堂々と見ればいいのに」

と言って、信号で止まったと同時にこっちに顔を向けた。



目があって、身体が一気に熱くなった。

「そんな、赤くならないでよ」

「えっ、あ…」

口をパクパクさせてる自分が情けない。

だって、顔をみるとドキドキが止まらない。

それをみて面白がっているように見える。

三十路の女が完璧な乙女心になってるのが恥ずかしい。

水族館に着いて、二人で並びながら歩くけど…

いやもう、ドキドキして顔なんか見れない。

堀内さん、絶対心の中で楽しんでる。

「平日なのに空いてると思ったんだけどな」

週末ほどではないと思うけど、ほれなりに混んでいて、家族連れもいる。

「あっ」

ちょっとだけ人が多くて距離が離れたときに

「迷子になったら困るから」

と、手を繋ぎだした。

や、ヤバい!!

もうほんとやばい!!

「ほら、ペンギン!いっぱいいる」

目の前にいっぱいペンギンがいて、かわいいーーと思いつつも繋いでる手がもう汗ばんでくる

手を繋いで、ほぼ水族館をまわったときは3時頃になっていた。

車に乗ったとき

「ほんと、凄いね!」

と、突然言い出すので

「えっ!?」

と答えると

「もう…好きで仕方ないって顔してるんだけど」

!?

「そんな顔されたら、俺どうしたらいい?」

「ど、どうしたらって…」

腕を引っ張られて

「やばいでしょ」

キスをされて一言。

「本当はゆっくり進みたかったけど、こんな顔されたら我慢できないかも」

「え?」

そう言ってもう一度キスをされて、少しだけ深くなってきた。

されるがままで、堀内さんの行動にドキドキする。

決して自惚れでもないし、多分私が完璧に顔に出してたんだろう。

だって、そこまで会ってないのに二人きりってレベル高い。

キスが終って

「いい顔」

て言われ、車が発進する。

お互い無言のまま時間が流れ

シティホテルがあって入ろうとすると

「あ、あの…」

この期に及んでダメと言うのかと思ったようで

「あ、ごめん、気がやっぱり早…」

「うち…でよければ」

「え?」

「狭いし散らかってるけど、よければ」

というと

「…やっぱり可愛い」

そう言われて、私のマンションに道案内した。

近くにコインパーキングがあって、そこに止めて自宅のマンションに到着。

1LDKの間取りで、中はさっぱりしている。

以前は女の子らしくって色々してたんだけど、一人暮らしも長いと、そんな着飾ってもなーと思うようになって最低限あれば生きていけるしなって思うようになってしまった。

「ごめんない、女性らしい部屋じゃなく殺風景で…、一人暮らし長いと以前みたいに部屋を女性らしくってのもなくなってしまって…」

「いや、全然構わないよ」

部屋に入って珈琲でも出そうかと準備をしようとすると

後ろから抱きしめられて

「…がっつきすぎかな。ごめん」

後ろからの体温を凄い感じ、久々すぎて反応に困ってしまってる。

「い、いや、大丈夫だけど」

振り向かされて

「俺のこと見て」

そう言って顎を持ち上げられる。

「この眼…、ほんと煽る眼だよな」

キスが始まって、後頭部を抑えられる。

「あ、堀内さん、あの…」

一瞬口を話したときに言ったら

「なに?ここまできて堀内さん?陸斗でしょ?」

「…陸斗」

「これから、そう呼んで」

自分が特別に凄く感じて身体が熱くなる。

本当に彼のことが好きで、全てが愛しい。

そのままベットに移動すると

「ここまできて、悪いんだけど俺ちょっと変わってるから」

「…え?」

「でもそれは、愛情表現だと思ってほしい」

そう言って突然下の下着まで脱がされる。

な、な、な…

そして、触り始めて

「キスでかなり濡れたんだな」

ビックリして言葉が…

ちょっと変わってるってもしかして…

「…あっ」

「…十分になったね」

いらやしい指輪使いにすぐに気持ちが高ぶりすぐに

「あっ!!!」

陸斗のものが入ってきた。

「ビックリしただろ?俺中に入ってからじゃないとダメなんだ」

そう言いながら、首筋からキスが始まった。

少し動くだけで、下半身の中も動き

「…んっ」

軽く前後に動かしながら首筋から胸元に移動。

「あっ…」

「気持ちいい?」

「んっ…」

下半身の動きがもどかしい。

「ご、ごめん。俺こういう風にしか出来なくって…」

時より思いっきり動くときもあって

「あっーーー!!」

そして、繋がりながらも体中キスをしはじめる。

全身を触りキスをしながら、腰を動かす。

「あっ、そこは…」

1番敏感な下半身の繋がってる近くの凸部分を触り始める

「り、りく…りくと…」

「…そんな顔で煽らないでよ」

ち、違う!煽ってなんか…

「いやぁー!あー!」

一気に脱力して力が抜けてく

「やべ!締まりすぎ」

苦しそうに言う陸人。

「お、お願い…、すぐ動かないで…、私もう…」

と言ってるのに

「それって催促?」

と言って腰を動き出す

「い…ち、違う!あっーー!!」

全身の力が抜けてるのに、動く陸斗に身体がもう…

「梨衣菜」

あっ、はじめて呼ばた。

「気持ちいい?」

その答えをする余裕もない。

どんどんと動き出す陸斗にただ喘ぎ声を出すしかなく、最後は一緒に力尽きてしまった。

ぼーとしてると

「梨衣菜」

目を見ていわれて

「俺、こんな風にしか愛せないから前戯ほとんどないのが嫌で引かれたことも実際あったから…やっぱリ嫌だったよな?」

不安そうな顔をして見られて

「ハッキリ言っていいよ…俺梨衣菜みて我慢できなかった」

「正直ビックリした。でも…これが陸斗の愛し方なら私は引かない」

このくらいのことで、引くって本気で好きじゃない気がする。

そりゃ、どうしても受け付けないって人はいるかもだけど、私はちゃんと愛されてたから

「…有り難う」

嬉しそうに笑ってキスをしてくれた。

2ヶ月後には陸斗のご両親、そして飯野さんにも知られて公認となってしまった。

「お似合いじゃない」

飯野さんはそう言うけど

「でも、6歳も離れてるし」

嬉しい反面どこか不安になってしまってる。

「あら、そんなこと気にしてるの?6歳なんか離れてるうちにならないわよ!」

飯野さんはニコニコして嬉しそうに

「曾孫も近々見れるのかしらね」

「ゲホゲホ」

あまりの発言に咳き込んでしまった。

私は陸斗と恋人になれただけでも嬉しいのに、そんな先なんて…

陸斗はどう考えてもモテそうだし、だからといって二股とかそういうわけじゃないし、でももしキレイな子とか現れたら…

という考えが日々膨らんできてた。



今日は仕事終わった後、陸斗と会う約束をしていた。陸斗の方が仕事が終わるのが遅いので、一旦家に戻り、陸斗のお店に歩いて向かった。

陸斗の車でドライブしてそのあとは、うちでまったりとして明日はお互い休みだし、お出掛けする予定。

本当は駅のロータリーで待ち合わせしてたんだけど、お店に行って驚かせたかった。

そろそろ終わる時間。

遠くで陸斗をみてると、片付けてる。

確か、裏口はこっちだったけ

私は裏口の玄関から少し離れたこところで待っていた。

あっ、出てきた。


「お疲れさ…」

「陸斗ぉー!!」

えっ?

私が声かけて行こうとしたら、一人の女性が陸斗の前に現れた。

「あっ、真樹まきさん」

優しそうな顔で彼女をみる。


ど、どうしよう…?

行ったほうがいい?声かけたほうがいい?

「もう、陸斗ったら付き合い悪いんだから!」

「…」

何も言わない陸斗。

陸斗に抱きつきついて、彼女の顔が近づく。

「…うそ」

言葉に出てしまった。

それに気がついた彼女が

「人のラブラブみて羨ましがってるのかしら?」

と、私の方をみる。

「!?」

陸斗が私に気がつく。

「まぁ、いいわ!見せつけてやりましょ」

と、お構いなく陸斗にベタついてる。

「…梨衣菜」

「…ご、ごめんなさい」

私はその場を逃げるように離れた。

そうだよね。陸斗には美人でスタイルよくって、きれいに着飾ってたああいう人のがお似合いだ。

私みたいに田舎顔で、おしゃれもろくに出来ない、こんな私じゃ相手なんか…

泣くな!!わかってたことじゃん。

この3ヶ月の陸斗との恋人は夢だったと思うことにしよう。

そうだ!元に戻るだけ!

現実に戻るだけだよ!

何度も言い聞かせて、私はある場所に向かった。


「言いたくなったら言えばいいこら!今日はゆっくりしていって」

ここは、従姉妹の梨花りかちゃんのマンション。

梨花ちゃんは、4歳下の漫画家さん。昔から仲良かった。

最近は連絡してなかったけど、私をみて、何も聞かず泊めてくれた。

1人でいたくなかった。

1人でいたら、涙が止まらなくなる。

お酒を出してくれて、一緒に飲んで何も話さない。

それでもこの優しさが嬉しい。

それから数日たっても陸斗から何も連絡がない。

やっぱりそういうことか…と、思ってしまう。


私は陸斗を恨むこと出来ない。

だって、私のことを愛してくれたし、私みたいなのと付き合ってくれたし、だから恨まない。

お人好しすぎるかもだけど、私は陸斗のこと好きだから。

愛してくれて有り難うって思うことにして綺麗に終わりにしようと思う。



また、いつか素敵な恋愛できるよね?
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