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お土産

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週末に圭哉君といつものカフェで待ち合わせをし

「はい」

「え?」

「お土産」

「ありがとう」

お菓子と、クマのゆいぐるみ付きのキーホルダーと、

「これは?」

「お酒飲むよね?」

袋をあけると日本酒があった。

「うん、日本酒大好き!ってか、こんなに貰っていいの?」

「色々考えたらこんなになった」

と、言って笑ってる。

「ホントにありがとう」

「そういえば、香苗から電話あった?」

「うん。まさか隣の駅に引っ越してくるとは…」

「あいつさ、高校生のとき男子にいいよられてね、で振り切ることが出来なかったんだよね、その時俺が帰りに見つけて阻止したけど、それが悔しってね、自分の力で振り切りたかったって。それで護身用で空手始めてね。」

「そんなことが…」

「今じゃ、言い寄られる男性の方が心配だよ」

と、苦笑してる。

なんか、香苗ちゃんらしい。

「今日さ、よければ少しこのあと散歩しない?」

こうやって、お店で会うのは5ヶ月になる。

そろそろ他のこともしてみたいなって思ってたところだったので

「そうだね」

お店を出て、2人で歩いた。

少し歩くと階段があって、そこを登り始めた。

「なに?どこ行くの?」

「まぁ、いいから」

適度な距離で歩く2人。

階段が終わり、その先に見たのは

「うわぁーー!すごい!」

階段の頂上は高台の神社で、そこからみた夕日が凄い綺麗だった。

「綺麗ーー!」

2人でしばらく夕日をみて

「ゆ、結乃」

!!

あれから初めて私の名前を呼んでくれた。

ビックリして、みると

「俺、やっぱ、結乃が好き」

真剣な目をして

「俺達だと恋人らしいことするのにすごい時間かかるかもしれない。それでも俺、やっぱり一緒がいい」

「わ、わたし、まだ…」

「それでもいい。一緒にいてくれるなら」

素直に好きと言えない自分がもどかしい。

まだ触ることも、何することも出来ない私達だけど、それでも彼といたいと思った。


その後は駅まで送ってもらってお別れした。

ずっと今まで辛かった圭哉君との出来事が少しだけ変わって行った。

好きだと許せるんだろうか?

結局はそこになってしまう。

好きだけど、許せない。だから言えないでいる。

でも、圭哉君が他の人とどうにかなるのは、嫌になっていた。

ワガママだな、私。


家に着いたくらいに、ちゃんと帰れたかチャットがくる。

それも嬉しい。

と、同時に香苗ちゃんからもチャットがきた。

兄妹同時って…

次の金曜日飲みにいこーっていう、チャットだった。

香苗ちゃんと2人で朝までやろーという約束だったので、喜んでokした。



そして、事件が起こる…
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