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はぁ~~~
工房に向かうことに苦痛を感じる。
あの後朝方まで休憩室で休み、少し空が明るくなったときにアパートにもどった。
週末だったので2日間はお休みで、連休明けの今に至る。
田所さんにどうやって会えば…
「おはようございます」
と入ると、田所さんいるけど、元々無口な人なんで変わらない!?か…
仕事中ではほぼ田所さんと話すこともないしな。
あと1ヶ月でこの工房も閉める。
みんな着実に次の仕事が決まって、私はあんなこともあったし田所さんにお世話になっていいか悩んでいた。
でもこの仕事は続けたい。
そして、尊敬してる田所さんの近くで仕事できるのは嬉しい。
まぁ、恋愛は相手されないけど…
「た、田所さん、お話いいですか?」
定時終わった後に田所さんに声をかけた。
こっちをチラッとみて
「…ああ」
と言って、2人で工房に出た。
「あの…、この間のお話ですが、まだまだこの仕事がしたいです!ご迷惑お掛けしますが、お世話になってもよろしいでしょうか?」
「そのつもりで声かけたから問題ない」
「ありがとうございます。一生懸命がんばります」
そう言って頭を下げた。
「あ、あと…、金曜日の夜ですが…」
「あー、あまりおじさんをからかうのはよくない」
からかう!?
「あ、あの…」
ちょちょっと…、私の想いもしかしてからかってると思ってる?
「酔ってたようだから…」
「待ってください!」
「…」
「確かにかなり酔っぱらってました。でも想いは嘘ではありません!からかってなんかいません!」
だって悔しいじゃん!からかってると思われるの
「…」
田所さんはそれ以降…何も言わなくなって、その場の話は終わった。
その後また夜練習しようとしたが、工房はあと半月もしないで閉まるので片付けの整理やらで業務以外で使用はできなくなっていた。
そして
「皆さん、長い間ありがとうございました」
社長がみんなの前で挨拶をする。
この工房は40年近く続いていたらしい。私はその中の3年半。
色んな歴史があったんだろうな。
工房で打ち上げをして、お酒も皆でワイワイと。
社長も長年の仕事に荷が降りたようで、少しほっとしつつも寂しさもある感じ。
最後ということでハメを外す人もいたり、盛大に盛り上がっだ。
「ねぇ、菜々香ちゃん」
女性の先輩が声をかける
「田所さんのところに行くんだって?」
「はい。そうなんです。なんとか拾って頂きました」
「そう。よかったわね!頑張ってね!相手はおくてだからガンガン攻めちゃいな」
「…え?」
「もう…、わかるわよ!菜々香ちゃん見てれば!頑張ってね!」
…うそ!?私ってもしかしてわかりやすかった!?
この中でどのくらいの人が気がついてるんだろと思ったら恥ずかしくって仕方なかった。
翌日には実家に戻り、年末年始の年をこして、仕事始まる2日前に戻った。
新しい仕事場所は田所さんから聞いてるので、場所を確認したくって行ってみると
「あっ…」
小さな工場を改築した感じの所だった。
その出入口に田所さんとあと男性、女性3人がいた。
私の声に気づいたのか振り返った。
田所さんが気付いて
「あー、例の…」
と二人の男性と女性にいうと
「あら、そうなの?」
と言って私をみる。
田所さんさんが手招きをするので近寄った。
「貴方が坂野さんね、お話は聞いてます」
と、女性が言い出す。
お二人ともこれから一緒に仕事をする人たちだった。
男性の方は斎藤と、言って自己紹介てこの工房の社長さん。女性はその奥さん。
二人とも田所さんさんとは昔からよく知ってる仲間らしい。
他に2人居て、計6人で工房始めるということだった。
勿論わたしが1番経験は浅い。
「ご迷惑おかけしないよう精一杯がんばります!」
と言って頭を下げた。
「こちらこそよろしくね!そんな緊張しないで気楽にやりましょう」
と言ってくれた。
中を見せてもらって、綺麗な工房だった。
「リフォームしたからね、全て新しいけど」
ここがこれからの私のしごと場になる。
そして、これからも好きな人と一緒に仕事が出来る。
嬉しい気持ちと早く仕事を覚えたい気持ちでいっぱいだった。
出勤当日には後二人の方ともご挨拶した。
20代後半の女性と30代前の男性で社長さんと以前お仕事をしていたみたい。
みんな、1人で出来るベテランさん。
私は相変わらず雑用?と思いきや
「え?いいんですか?」
「いいも何も作らなきゃ経験にならないでしょ?」
社長さんは率先して私には硝子作りをさせようと…
いいのかな。
期待に答えようと頑張るも、商品として出すにはイマイチで…
「ガンガンやろう!」
今まで時間外でしてたのに、出来ることに嬉しさと不安があった。
しっかり実績を残りたい。
気合はあるものの、空回り…
「はぁ~」
結局いつものごとく、居残りで練習したいと言って工房を使わせてもらってる。
「よし、もう少しやるか!」
誰もいない工房に自分の声だけが響き、作業をはじめる。
「…うーん、なんでここ上手くできないんだろう」
同じところで躓いて、悔しがってると
「前にも言っただろ!そうやってやるからいけないんだ」
!?
振り向かなくっても解る。
「もう一度、やってみろ!」
「はい!」
ずっと私についてくれて
「やり直し!」
「はい!」
何度も何度もやり直しをした。
以前よりも満足してても商品として出すにはまだまだで…
自分の作ったものが店に出るまでになりたい!そんな気持ちでいっぱっいになってた。
私が夜練習してるのと、いつの間にか現れていつの間にか居なくなってる。
田所さんが折角声かけてくれたんだもん。しっかり成果だしたい!
「おい!」
えっ!?
いつものように夜練習してると田所さんが少し声を張って声をかける
「少し休め!」
えっ!?
「こんつめすぎだ!」
もしかして心配してくれてる?
でも…
「大丈夫です!早く色々覚えたくって」
そう言ってまた練習をはじめると
ガシッと腕を掴み
「休め!」
「えっ!?」
「そんな顔色悪くって大丈夫って言われても説得力ない」
顔色?そんなに私悪い?
「とりあえず今日は帰れ」
と、半強制的に工房から追い出されてしまった。
そんなに顔色悪かったのか…、自分じゃあまり気づいてなかった。
今日は帰って寝よう。
アパートについて、シャワーを浴びたらすぐに眠気が出てそのまま爆睡してしまった。
翌日。
久々によく寝たなーと気分がスッキリしてた。
軽くご飯を食べで支度をして工房に向かう。
この工房にきて3ヶ月。みんなとも交流は出来てるし、優しい。相変わらず田所さんは寡黙だけど…
工房の前には
「あれ?真希ちゃん?」
社長ご夫妻の娘さんの真希ちゃんがいた。
歳は4歳。まだ数回しか会ってないので真希ちゃんからまだ人見知り対象になっている。
「おはよう!ママかな?」
と声をかけると縦に首をふる。
工房を覗くと奥さんは居なかった。
買い物か何かかな?
向こうから奥さんが袋を持って歩いてきてた。
あーやっぱり買い物か…と思ってたら
「ママー」
!?
バイクが!!
「真希ちゃん!!」
私は真希ちゃんを抱きしてた。
そして…
あれ?あっ、田所さん?
「一生懸命やってるのはわかるけど、才能ないみたいだな」
「え?」
「諦めも肝心だよ」
「た、田所さん…」
「早いとこ辞めて違う仕事に就いたほうがいい」
「…頑張りますから!だからお願いします」
そう言って離れていく
「好きなの!お願い!一緒に居たい!」
待ってー!と言って追いかけてるのに…
早い!お願い止まって!
「田所さんー!!!」
「…ちゃん、菜々香ちゃん!」
えっ!?
ここは?
「気がついたのね、よかった…」
ここ…
「菜々香!」
お、お母さん!?
私、酸素マスクしてる。
しばらくすると白衣の人たちがきて、私を色々見て
「落ち着いたら脳の検査をします。気が付かれてよかったです」
と言って行ってしまった
状況が掴めないでぼーとしてると
「菜々香ちゃん、ごめんね、真希のせいで」
と言われて思い出した。
そうだ!真希ちゃんの前にバイクが…
「ま、真希ちゃんは?」
「…大丈夫よ!怪我もなかったわ」
ほっ、よかった。女のコだもん。傷とかついたら大変。
「お母さん、私大丈夫だから」
「菜々香、何言ってるのよ、あんた1ヶ月半も意識なかったのよ!」
えっ!?1ヶ月半?
「今何日…」
「4月よ」
ええっー!?
2月の下旬だったのに…、もう4月なの?
その後私は色々検査をされて問題ないと結果が出た。
怪我してたのも他にはあったが既に治ってる。
ただ長い間寝てたのでリハビリを少しすることになった。
お母さんと奥さんがいつもいて面倒みてくれてた。
お父さんもいるから帰っていいよと何度も言ったら、また来ると言って帰っていった。
はじめのうちは、父も来ていたらしい。
奥さんは真希ちゃんのことで責任もあるんだろう。かなりの頻度で来てくれてる。
気にしないで下さいとは言ってるんだけど…まぁ気にするか。
社長も仕事終わりにはよく様子を見に来てくれてる。
田所さんは…
まぁ、来ないか。
検査の結果、特に問題もなかったので近々退院することになった。
「あっ、奥さんもう大丈夫ですから」
「そうは言ってもね~、入院は話し相手も必要なのよ」
確かにこの病室で1日1人ってのは寂しい。
「そういえば…」
?
「菜々香ちゃんは本当に田所君が好きなのね」
!?
「な、な…」
言葉に詰まってしまった。
「だってこの間のバレンタインのときも皆には配ってたけど、田所君だけ見た目は変わらなかったけど、あれ本命でしょ?」
…バレてる。
本命だと田所さん絶対受け取ってくれないと思ったので、皆さんと同じように、お世話になってるのでってことでお世話チョコを渡した。
けど、田所さんだけはやっぱり好きって気持ちもあるから、他の人とは少し違うのを用意して渡したんだけど見た目はあまり変わらなかったんだけどな…
「それに…」
え?まだ何かあった?
「確かに1ヶ月半昏睡状態だったんだけど、一瞬ね意識を取り戻しそうな時があったのよ!」
「え?そうなんですか?」
「でも朦朧としてすぐ昏睡状態になっちゃって…、そのときに、田所さん行かないでって言ってたから」
うそっ!?
「いつも田所君のこと目で追いかけてるし本当に好きなんだなって」
…
恋愛初心者だから上手く誤魔化せてなかった?
「あ、いや、あの…、私みたいな未熟者を工房に誘って頂いたので足を引っ張らないように頑張りたいので」
しどろもどろ答える
「好きなんでしょ?」
うっ…
好きだし、既に告白もしてるけど、全く相手にされてない。
だからせめて足を引っ張らないよう頑張るしかない。
工房に向かうことに苦痛を感じる。
あの後朝方まで休憩室で休み、少し空が明るくなったときにアパートにもどった。
週末だったので2日間はお休みで、連休明けの今に至る。
田所さんにどうやって会えば…
「おはようございます」
と入ると、田所さんいるけど、元々無口な人なんで変わらない!?か…
仕事中ではほぼ田所さんと話すこともないしな。
あと1ヶ月でこの工房も閉める。
みんな着実に次の仕事が決まって、私はあんなこともあったし田所さんにお世話になっていいか悩んでいた。
でもこの仕事は続けたい。
そして、尊敬してる田所さんの近くで仕事できるのは嬉しい。
まぁ、恋愛は相手されないけど…
「た、田所さん、お話いいですか?」
定時終わった後に田所さんに声をかけた。
こっちをチラッとみて
「…ああ」
と言って、2人で工房に出た。
「あの…、この間のお話ですが、まだまだこの仕事がしたいです!ご迷惑お掛けしますが、お世話になってもよろしいでしょうか?」
「そのつもりで声かけたから問題ない」
「ありがとうございます。一生懸命がんばります」
そう言って頭を下げた。
「あ、あと…、金曜日の夜ですが…」
「あー、あまりおじさんをからかうのはよくない」
からかう!?
「あ、あの…」
ちょちょっと…、私の想いもしかしてからかってると思ってる?
「酔ってたようだから…」
「待ってください!」
「…」
「確かにかなり酔っぱらってました。でも想いは嘘ではありません!からかってなんかいません!」
だって悔しいじゃん!からかってると思われるの
「…」
田所さんはそれ以降…何も言わなくなって、その場の話は終わった。
その後また夜練習しようとしたが、工房はあと半月もしないで閉まるので片付けの整理やらで業務以外で使用はできなくなっていた。
そして
「皆さん、長い間ありがとうございました」
社長がみんなの前で挨拶をする。
この工房は40年近く続いていたらしい。私はその中の3年半。
色んな歴史があったんだろうな。
工房で打ち上げをして、お酒も皆でワイワイと。
社長も長年の仕事に荷が降りたようで、少しほっとしつつも寂しさもある感じ。
最後ということでハメを外す人もいたり、盛大に盛り上がっだ。
「ねぇ、菜々香ちゃん」
女性の先輩が声をかける
「田所さんのところに行くんだって?」
「はい。そうなんです。なんとか拾って頂きました」
「そう。よかったわね!頑張ってね!相手はおくてだからガンガン攻めちゃいな」
「…え?」
「もう…、わかるわよ!菜々香ちゃん見てれば!頑張ってね!」
…うそ!?私ってもしかしてわかりやすかった!?
この中でどのくらいの人が気がついてるんだろと思ったら恥ずかしくって仕方なかった。
翌日には実家に戻り、年末年始の年をこして、仕事始まる2日前に戻った。
新しい仕事場所は田所さんから聞いてるので、場所を確認したくって行ってみると
「あっ…」
小さな工場を改築した感じの所だった。
その出入口に田所さんとあと男性、女性3人がいた。
私の声に気づいたのか振り返った。
田所さんが気付いて
「あー、例の…」
と二人の男性と女性にいうと
「あら、そうなの?」
と言って私をみる。
田所さんさんが手招きをするので近寄った。
「貴方が坂野さんね、お話は聞いてます」
と、女性が言い出す。
お二人ともこれから一緒に仕事をする人たちだった。
男性の方は斎藤と、言って自己紹介てこの工房の社長さん。女性はその奥さん。
二人とも田所さんさんとは昔からよく知ってる仲間らしい。
他に2人居て、計6人で工房始めるということだった。
勿論わたしが1番経験は浅い。
「ご迷惑おかけしないよう精一杯がんばります!」
と言って頭を下げた。
「こちらこそよろしくね!そんな緊張しないで気楽にやりましょう」
と言ってくれた。
中を見せてもらって、綺麗な工房だった。
「リフォームしたからね、全て新しいけど」
ここがこれからの私のしごと場になる。
そして、これからも好きな人と一緒に仕事が出来る。
嬉しい気持ちと早く仕事を覚えたい気持ちでいっぱいだった。
出勤当日には後二人の方ともご挨拶した。
20代後半の女性と30代前の男性で社長さんと以前お仕事をしていたみたい。
みんな、1人で出来るベテランさん。
私は相変わらず雑用?と思いきや
「え?いいんですか?」
「いいも何も作らなきゃ経験にならないでしょ?」
社長さんは率先して私には硝子作りをさせようと…
いいのかな。
期待に答えようと頑張るも、商品として出すにはイマイチで…
「ガンガンやろう!」
今まで時間外でしてたのに、出来ることに嬉しさと不安があった。
しっかり実績を残りたい。
気合はあるものの、空回り…
「はぁ~」
結局いつものごとく、居残りで練習したいと言って工房を使わせてもらってる。
「よし、もう少しやるか!」
誰もいない工房に自分の声だけが響き、作業をはじめる。
「…うーん、なんでここ上手くできないんだろう」
同じところで躓いて、悔しがってると
「前にも言っただろ!そうやってやるからいけないんだ」
!?
振り向かなくっても解る。
「もう一度、やってみろ!」
「はい!」
ずっと私についてくれて
「やり直し!」
「はい!」
何度も何度もやり直しをした。
以前よりも満足してても商品として出すにはまだまだで…
自分の作ったものが店に出るまでになりたい!そんな気持ちでいっぱっいになってた。
私が夜練習してるのと、いつの間にか現れていつの間にか居なくなってる。
田所さんが折角声かけてくれたんだもん。しっかり成果だしたい!
「おい!」
えっ!?
いつものように夜練習してると田所さんが少し声を張って声をかける
「少し休め!」
えっ!?
「こんつめすぎだ!」
もしかして心配してくれてる?
でも…
「大丈夫です!早く色々覚えたくって」
そう言ってまた練習をはじめると
ガシッと腕を掴み
「休め!」
「えっ!?」
「そんな顔色悪くって大丈夫って言われても説得力ない」
顔色?そんなに私悪い?
「とりあえず今日は帰れ」
と、半強制的に工房から追い出されてしまった。
そんなに顔色悪かったのか…、自分じゃあまり気づいてなかった。
今日は帰って寝よう。
アパートについて、シャワーを浴びたらすぐに眠気が出てそのまま爆睡してしまった。
翌日。
久々によく寝たなーと気分がスッキリしてた。
軽くご飯を食べで支度をして工房に向かう。
この工房にきて3ヶ月。みんなとも交流は出来てるし、優しい。相変わらず田所さんは寡黙だけど…
工房の前には
「あれ?真希ちゃん?」
社長ご夫妻の娘さんの真希ちゃんがいた。
歳は4歳。まだ数回しか会ってないので真希ちゃんからまだ人見知り対象になっている。
「おはよう!ママかな?」
と声をかけると縦に首をふる。
工房を覗くと奥さんは居なかった。
買い物か何かかな?
向こうから奥さんが袋を持って歩いてきてた。
あーやっぱり買い物か…と思ってたら
「ママー」
!?
バイクが!!
「真希ちゃん!!」
私は真希ちゃんを抱きしてた。
そして…
あれ?あっ、田所さん?
「一生懸命やってるのはわかるけど、才能ないみたいだな」
「え?」
「諦めも肝心だよ」
「た、田所さん…」
「早いとこ辞めて違う仕事に就いたほうがいい」
「…頑張りますから!だからお願いします」
そう言って離れていく
「好きなの!お願い!一緒に居たい!」
待ってー!と言って追いかけてるのに…
早い!お願い止まって!
「田所さんー!!!」
「…ちゃん、菜々香ちゃん!」
えっ!?
ここは?
「気がついたのね、よかった…」
ここ…
「菜々香!」
お、お母さん!?
私、酸素マスクしてる。
しばらくすると白衣の人たちがきて、私を色々見て
「落ち着いたら脳の検査をします。気が付かれてよかったです」
と言って行ってしまった
状況が掴めないでぼーとしてると
「菜々香ちゃん、ごめんね、真希のせいで」
と言われて思い出した。
そうだ!真希ちゃんの前にバイクが…
「ま、真希ちゃんは?」
「…大丈夫よ!怪我もなかったわ」
ほっ、よかった。女のコだもん。傷とかついたら大変。
「お母さん、私大丈夫だから」
「菜々香、何言ってるのよ、あんた1ヶ月半も意識なかったのよ!」
えっ!?1ヶ月半?
「今何日…」
「4月よ」
ええっー!?
2月の下旬だったのに…、もう4月なの?
その後私は色々検査をされて問題ないと結果が出た。
怪我してたのも他にはあったが既に治ってる。
ただ長い間寝てたのでリハビリを少しすることになった。
お母さんと奥さんがいつもいて面倒みてくれてた。
お父さんもいるから帰っていいよと何度も言ったら、また来ると言って帰っていった。
はじめのうちは、父も来ていたらしい。
奥さんは真希ちゃんのことで責任もあるんだろう。かなりの頻度で来てくれてる。
気にしないで下さいとは言ってるんだけど…まぁ気にするか。
社長も仕事終わりにはよく様子を見に来てくれてる。
田所さんは…
まぁ、来ないか。
検査の結果、特に問題もなかったので近々退院することになった。
「あっ、奥さんもう大丈夫ですから」
「そうは言ってもね~、入院は話し相手も必要なのよ」
確かにこの病室で1日1人ってのは寂しい。
「そういえば…」
?
「菜々香ちゃんは本当に田所君が好きなのね」
!?
「な、な…」
言葉に詰まってしまった。
「だってこの間のバレンタインのときも皆には配ってたけど、田所君だけ見た目は変わらなかったけど、あれ本命でしょ?」
…バレてる。
本命だと田所さん絶対受け取ってくれないと思ったので、皆さんと同じように、お世話になってるのでってことでお世話チョコを渡した。
けど、田所さんだけはやっぱり好きって気持ちもあるから、他の人とは少し違うのを用意して渡したんだけど見た目はあまり変わらなかったんだけどな…
「それに…」
え?まだ何かあった?
「確かに1ヶ月半昏睡状態だったんだけど、一瞬ね意識を取り戻しそうな時があったのよ!」
「え?そうなんですか?」
「でも朦朧としてすぐ昏睡状態になっちゃって…、そのときに、田所さん行かないでって言ってたから」
うそっ!?
「いつも田所君のこと目で追いかけてるし本当に好きなんだなって」
…
恋愛初心者だから上手く誤魔化せてなかった?
「あ、いや、あの…、私みたいな未熟者を工房に誘って頂いたので足を引っ張らないように頑張りたいので」
しどろもどろ答える
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好きだし、既に告白もしてるけど、全く相手にされてない。
だからせめて足を引っ張らないよう頑張るしかない。
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