1 / 2
おばあちゃんの人生
しおりを挟む
「え?」
母から聞いて言葉を亡くす。
祖母がもう長くないと…
「美咲はおばあちゃん子だったからね。今のうちに会っときなさい」
木内美咲、今年から短大生。
以前の母は、仕事人間だったので祖母がよく面倒みてくれた。
祖母は3ヶ月前から入院していた。
翌日、学校が終って病院に行く
「おばあちゃん」
「あら、美咲。学校終わったの?」
「うん。」
祖母は何か手紙のようなものを見ていた。
「手紙?」
「あー、これは昔のよ。大事な手紙」
「へー」
確かに色も茶色ぽくなってて、古く感じてた。
ちらっと見たが
「達筆すぎて読めないわ!」
祖母は笑って
「そうね。美咲じゃ読めないわね」
「おばあちゃんの大事な人なの?」
「そう。ずっと大事な人」
なんとなく、その人は亡くなってるんだろうと察した。
「そーなんだ」
祖母は愛しそうにその手紙をみてる。
「おばあちゃんの好きな人?」
「そうねー、ずっと愛してる人ね」
そのことを思い出すように言った。
「おじいちゃんじゃないの?」
「おじいちゃんも好きだったわよ。でもおじいちゃんも私も、戦時中に最愛の人を亡くして、戦後親同士に言われてお見合いしてね」
「そうなの?」
「ええ。おじいちゃんも私もショックで結婚なんかする気になかったんだけど、まぁ当時はね生きるのも必死だったので選択がなかったのね」
戦後のおばあちゃん達の大変さは、私にはわからないけど、でも想像を超えるんだろうとは思う
「お互い大事な人をなくした物同士よりそって生きようとしたんだけど、結局おじいちゃんは、私に対してそんな気持ちで夫婦でいることに申し訳なくで多額の保険金をかけて自ら命をたってね」
「え?」
知らなかった
「お母さんから、事故で死んだと聞いてたけど」
「皆には事故って言ってるけど、本当は自殺なのよ。誰にも言ってないからお母さんや皆には内緒ね」
そんな大きな嘘、私聞いちゃっていいの?
「私知って大丈夫だったの?」
と言うと、
「誰かに本当のこと言いたかったのかしらね」
と笑顔で返された。
その後も少し話して私は帰宅した。
衝撃な話に、忘れられるわけもなく、でもそう言わないと母とかのことも考えたんだろうなとも思った。
「おばあちゃん」
「あら、昨日もきたのに」
「なんか、昨日の話聞いたからね、続きが聞きたくって」
「続き?」
「うん。おばあちゃんの大事な人の話」
「ああ」
「聞きたい」
と、言うと
「おばあちゃんの好きな人は、大きい病院の医院長さんの息子さんでね、許嫁もいたのよ。当時は親同士が決めたことに言い返すことは少なかったからね、その人も親の言うとおり結婚する予定だった。」
「えっ、そなの?」
「そして戦争が始まり、世の中は変わった。そんな戦時中に出会ったのよ」
「戦時中に?」
「そう。私は病院で看護師不足だったから看護師のお手伝いってことで、その方のお父さんの病院で働きだしたのよ。もう学校なんかいける余裕がないからね」
そうだよな。戦争してるのに学校とかって行ける余裕ないだろうな。
「その人とはそこで出会ったのよ。彼は許嫁さんがいたけど、恋したのは私が始めてと言ってくれて、周りに気づかれずに、戦争も長くないから、戦争が終わったら二人で駆け落ちしようって話てたの」
「ひぇー!!おばあちゃん、かっこいい!」
「ふふふ」
おばあちゃんは、凄い嬉しそうに笑った。
「でもね…、終戦少し前に戦争に行くことになってね、絶対戻ってくるって言うのを信じて待ってたんだけど」
「あっ、もしかして」
「うん。何年たっても戻って来なくって、それで親にお見合いをほぼ強制的にされて、同じ境遇のおじいちゃんと会ったのよ」
「おばあちゃんは、強制的におじいちゃんと結婚したけど、やっぱり辛かった?」
少し考えて
「始めはお互いに失った人を待っていたいと思ってたからね。でも既に戦死してることは分かってて、認めたくないのもあってね。いい加減に諦めろってね。相手の両親もうちの両親も同じこと言ってたわ」
「そっかぁ」
「だから、そういうのを共有できる人ってことで寄り添って、まぁ周りに言われるまま結婚したかな。でもね、おじいちゃんも優しくって、大事にしてくれて、ちゃんと愛もあったと思うのよ。」
「…うん」
「でも、私達には戦争ってのがやっぱりね、忘れられなくって衝撃が強すぎて、最愛な人も含めて友達も親戚も、おばあちゃんは兄弟も亡くしたし、どこかやっぱり二人で前に進むってのが出来なかったのかもね」
「…うん」
「おじいちゃんは、私のことも愛してるけど、やっぱり彼女のところに行きたいって逝ってしまったわ」
胸が締め付けられてる感じがして、泣きそう。
「おばあちゃんも同じだったけど、貴方のお母さんも既に居たしね、一緒には死ねなかった」
「…うん」
「って、長くなったけどそんな感じかしら」
「おばあちゃん」
「ん?」
「お母さんを育ててくれてありがとう」
「美咲に会えたからおばあちゃんは幸せよ」
おばあちゃんは笑顔で私に言った。
「今まで、誰にも言ったこなかったから、美咲に聞いてもらえてよかった。ありがとね」
「うんん。こっちこそ、話してくれてありがとう」
いっぱい話して疲れたから休むと言ったので、私は帰ることにした。
母から聞いて言葉を亡くす。
祖母がもう長くないと…
「美咲はおばあちゃん子だったからね。今のうちに会っときなさい」
木内美咲、今年から短大生。
以前の母は、仕事人間だったので祖母がよく面倒みてくれた。
祖母は3ヶ月前から入院していた。
翌日、学校が終って病院に行く
「おばあちゃん」
「あら、美咲。学校終わったの?」
「うん。」
祖母は何か手紙のようなものを見ていた。
「手紙?」
「あー、これは昔のよ。大事な手紙」
「へー」
確かに色も茶色ぽくなってて、古く感じてた。
ちらっと見たが
「達筆すぎて読めないわ!」
祖母は笑って
「そうね。美咲じゃ読めないわね」
「おばあちゃんの大事な人なの?」
「そう。ずっと大事な人」
なんとなく、その人は亡くなってるんだろうと察した。
「そーなんだ」
祖母は愛しそうにその手紙をみてる。
「おばあちゃんの好きな人?」
「そうねー、ずっと愛してる人ね」
そのことを思い出すように言った。
「おじいちゃんじゃないの?」
「おじいちゃんも好きだったわよ。でもおじいちゃんも私も、戦時中に最愛の人を亡くして、戦後親同士に言われてお見合いしてね」
「そうなの?」
「ええ。おじいちゃんも私もショックで結婚なんかする気になかったんだけど、まぁ当時はね生きるのも必死だったので選択がなかったのね」
戦後のおばあちゃん達の大変さは、私にはわからないけど、でも想像を超えるんだろうとは思う
「お互い大事な人をなくした物同士よりそって生きようとしたんだけど、結局おじいちゃんは、私に対してそんな気持ちで夫婦でいることに申し訳なくで多額の保険金をかけて自ら命をたってね」
「え?」
知らなかった
「お母さんから、事故で死んだと聞いてたけど」
「皆には事故って言ってるけど、本当は自殺なのよ。誰にも言ってないからお母さんや皆には内緒ね」
そんな大きな嘘、私聞いちゃっていいの?
「私知って大丈夫だったの?」
と言うと、
「誰かに本当のこと言いたかったのかしらね」
と笑顔で返された。
その後も少し話して私は帰宅した。
衝撃な話に、忘れられるわけもなく、でもそう言わないと母とかのことも考えたんだろうなとも思った。
「おばあちゃん」
「あら、昨日もきたのに」
「なんか、昨日の話聞いたからね、続きが聞きたくって」
「続き?」
「うん。おばあちゃんの大事な人の話」
「ああ」
「聞きたい」
と、言うと
「おばあちゃんの好きな人は、大きい病院の医院長さんの息子さんでね、許嫁もいたのよ。当時は親同士が決めたことに言い返すことは少なかったからね、その人も親の言うとおり結婚する予定だった。」
「えっ、そなの?」
「そして戦争が始まり、世の中は変わった。そんな戦時中に出会ったのよ」
「戦時中に?」
「そう。私は病院で看護師不足だったから看護師のお手伝いってことで、その方のお父さんの病院で働きだしたのよ。もう学校なんかいける余裕がないからね」
そうだよな。戦争してるのに学校とかって行ける余裕ないだろうな。
「その人とはそこで出会ったのよ。彼は許嫁さんがいたけど、恋したのは私が始めてと言ってくれて、周りに気づかれずに、戦争も長くないから、戦争が終わったら二人で駆け落ちしようって話てたの」
「ひぇー!!おばあちゃん、かっこいい!」
「ふふふ」
おばあちゃんは、凄い嬉しそうに笑った。
「でもね…、終戦少し前に戦争に行くことになってね、絶対戻ってくるって言うのを信じて待ってたんだけど」
「あっ、もしかして」
「うん。何年たっても戻って来なくって、それで親にお見合いをほぼ強制的にされて、同じ境遇のおじいちゃんと会ったのよ」
「おばあちゃんは、強制的におじいちゃんと結婚したけど、やっぱり辛かった?」
少し考えて
「始めはお互いに失った人を待っていたいと思ってたからね。でも既に戦死してることは分かってて、認めたくないのもあってね。いい加減に諦めろってね。相手の両親もうちの両親も同じこと言ってたわ」
「そっかぁ」
「だから、そういうのを共有できる人ってことで寄り添って、まぁ周りに言われるまま結婚したかな。でもね、おじいちゃんも優しくって、大事にしてくれて、ちゃんと愛もあったと思うのよ。」
「…うん」
「でも、私達には戦争ってのがやっぱりね、忘れられなくって衝撃が強すぎて、最愛な人も含めて友達も親戚も、おばあちゃんは兄弟も亡くしたし、どこかやっぱり二人で前に進むってのが出来なかったのかもね」
「…うん」
「おじいちゃんは、私のことも愛してるけど、やっぱり彼女のところに行きたいって逝ってしまったわ」
胸が締め付けられてる感じがして、泣きそう。
「おばあちゃんも同じだったけど、貴方のお母さんも既に居たしね、一緒には死ねなかった」
「…うん」
「って、長くなったけどそんな感じかしら」
「おばあちゃん」
「ん?」
「お母さんを育ててくれてありがとう」
「美咲に会えたからおばあちゃんは幸せよ」
おばあちゃんは笑顔で私に言った。
「今まで、誰にも言ったこなかったから、美咲に聞いてもらえてよかった。ありがとね」
「うんん。こっちこそ、話してくれてありがとう」
いっぱい話して疲れたから休むと言ったので、私は帰ることにした。
6
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
白紙にする約束だった婚約を破棄されました
あお
恋愛
幼い頃に王族の婚約者となり、人生を捧げされていたアマーリエは、白紙にすると約束されていた婚約が、婚姻予定の半年前になっても白紙にならないことに焦りを覚えていた。
その矢先、学園の卒業パーティで婚約者である第一王子から婚約破棄を宣言される。
破棄だの解消だの白紙だのは後の話し合いでどうにでもなる。まずは婚約がなくなることが先だと婚約破棄を了承したら、王子の浮気相手を虐めた罪で捕まりそうになるところを華麗に躱すアマーリエ。
恩を仇で返した第一王子には、自分の立場をよおく分かって貰わないといけないわね。
私の作った料理を食べているのに、浮気するなんてずいぶん度胸がおありなのね。さあ、何が入っているでしょう?
kieiku
恋愛
「毎日の苦しい訓練の中に、癒やしを求めてしまうのは騎士のさがなのだ。君も騎士の妻なら、わかってくれ」わかりませんわ?
「浮気なんて、とても度胸がおありなのね、旦那様。私が食事に何か入れてもおかしくないって、思いませんでしたの?」
まあ、もうかなり食べてらっしゃいますけど。
旦那様ったら、苦しそうねえ? 命乞いなんて。ふふっ。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
怒れるおせっかい奥様
asamurasaki
恋愛
ベレッタ・サウスカールトンは出産時に前世の記憶を思い出した。
可愛い男の子を産んだその瞬間にベレッタは前世の記憶が怒涛のことく甦った。
日本人ので三人の子持ちで孫もいた60代女性だった記憶だ。
そして今までのベレッタの人生も一緒に思い出した。
コローラル子爵家第一女として生まれたけど、実の母はベレッタが4歳の時に急な病で亡くなった。
そして母の喪が明けてすぐに父が愛人とその子を連れて帰ってきた。
それからベレッタは継母と同い年の義妹に虐げられてきた。
父も一緒になって虐げてくるクズ。
そしてベレッタは18歳でこの国の貴族なら通うことが義務付けられてるアカデミーを卒業してすぐに父の持ってきた縁談で結婚して厄介払いされた。
相手はフィンレル・サウスカールトン侯爵22歳。
子爵令嬢か侯爵と結婚なんて…恵まれているはずがない!
あのクズが持ってきた縁談だ、資金援助を条件に訳あり侯爵に嫁がされた。
そのベレッタは結婚してからも侯爵家で夫には見向きもされず、使用人には冷遇されている。
白い結婚でなかったのは侯爵がどうしても後継ぎを必要としていたからだ。
良かったのか悪かったのか、初夜のたったの一度でベレッタは妊娠して子を生んだ。
前世60代だった私が転生して19歳の少女になった訳よね?
ゲームの世界に転生ってやつかしら?でも私の20代後半の娘は恋愛ゲームやそういう異世界転生とかの小説が好きで私によく話していたけど、私はあまり知らないから娘が話してたことしかわからないから、当然どこの世界なのかわからないのよ。
どうして転生したのが私だったのかしら?
でもそんなこと言ってる場合じゃないわ!
あの私に無関心な夫とよく似ている息子とはいえ、私がお腹を痛めて生んだ愛しい我が子よ!
子供がいないなら離縁して平民になり生きていってもいいけど、子供がいるなら話は別。
私は自分の息子の為、そして私の為に離縁などしないわ!
無関心夫なんて宛にせず私が息子を立派な侯爵になるようにしてみせるわ!
前世60代女性だった孫にばぁばと言われていたベレッタが立ち上がる!
無関心夫の愛なんて求めてないけど夫にも事情があり夫にはガツンガツン言葉で責めて凹ませますが、夫へのざまあはありません。
他の人たちのざまあはアリ。
ユルユル設定です。
ご了承下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる