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急に一人に…
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だからといって仕事は休めないので、気持ちを切り替えて仕事をする。
いつもは大音量で聞かない音楽を聞き、少しでも気持ちを切り替えた。
でも、思うのは翔悟さんのことばかりで…
それから3週間して、全く異常が見られないってことで退院したと聞いた。
でも、やっぱり私のことは覚えてない。
気にしてくれて相変わらず瑠依子さんは連絡くれる。
本当優しくっていい人だな。
それから1ヶ月たっても、2ヶ月たっても翔悟さんは思い出さないみたいで、私は翔悟さんのマンションにもう行くことが出来なかった。
瑠依子さんも、もうかける言葉が見つからない?みたいになってしまって…
認めたくない!認めたくないないけど…
「私達は、もう…」
この先がないことが、もう…
久々に翔悟さんの建設現場に行くことになった。
見るともう完成に近い状態で、ここ来なくなったら仕事でも接点がなくなるんだろうな。
そんな気持ちで搬入した。
「おい、お嬢ちゃん!」
振り向くと現場監督さんだった。
この年でお嬢ちゃんは、あれだけど…
「植原さんと何かあっとんかい?」
「え?」
「植原さん、怪我して退院したときいて、お嬢ちゃんに看病いっぱいしてもらったか?と言ったら、誰のことだって言われたから」
「あっ…」
「別れたのか?」
「いえ…、いや、はい!なのかな?解らないです」
「は?別れもしっかり出来ないのか?植原さんは」
「そうじゃないです!記憶が…」
「え?」
「その、私だけの記憶がないんです」
監督さんはしばらく呆然としていた。
翔悟さん、仕事復帰出来たのか。
よかった…
私はもう、翔悟さんの前から現れない方がいいんだろうな。
大手の会社で一級建築士で、お父さんは政治家で大臣までしてた人で、そんな人が私と釣り合うわけないか。
1年前は一人の生活だったんだし、戻っただけだよ!
翔悟さんとのことは、なかったことに…なんて、やっぱり出来ない!
そして、更なる追い打ちがかかる。
「篠山志奈乃さん?」
自宅のアパート前に着くと、車から降りてきて一人の女性が出て来た。
「あっ」
翔悟さんのお義母さんだ。
私は一礼をする。
「貴方には可哀想だとは思いますけど、翔悟のことはなかったことにしてください。」
「え?」
「翔悟は縁談をして、今お付き合いをしてます。」
な、な…
「今後翔悟の前に現れないで頂きたく、これを」
と、手渡された。
手に持ってるのは…
小切手だった。
「これでおねがいします」
と言って、後部座席に乗って車は出発した。
あまりの衝撃に、声を出すことも小切手を返すこともできなかった。
アパートに入って、もう心が砕けそうになる。
辛くって
「瑠依子さん」
無意識に瑠依子さんに電話してしまった。
「どうしたの!?」
と、ビックリしてる様子だった。
「瑠依子さん…うっ、うっ…」
泣いてるのを察して
「今から行く!」
と言って急いで来てくれた。
「おばさんが、そんなことを!?」
瑠依子さんがイライラしだした。
「なんで、このタイミングで見合いなんか…」
ガックリしてる私をみて
「確かに私も翔悟も見合い話はあるのよ!でも私達はいつも断ってた。よりにもよってこんな記憶がないときに漬け込んで、なんなのよ!もう!!」
翔悟さんは、もうどどかない人になってしまった。
いつもは大音量で聞かない音楽を聞き、少しでも気持ちを切り替えた。
でも、思うのは翔悟さんのことばかりで…
それから3週間して、全く異常が見られないってことで退院したと聞いた。
でも、やっぱり私のことは覚えてない。
気にしてくれて相変わらず瑠依子さんは連絡くれる。
本当優しくっていい人だな。
それから1ヶ月たっても、2ヶ月たっても翔悟さんは思い出さないみたいで、私は翔悟さんのマンションにもう行くことが出来なかった。
瑠依子さんも、もうかける言葉が見つからない?みたいになってしまって…
認めたくない!認めたくないないけど…
「私達は、もう…」
この先がないことが、もう…
久々に翔悟さんの建設現場に行くことになった。
見るともう完成に近い状態で、ここ来なくなったら仕事でも接点がなくなるんだろうな。
そんな気持ちで搬入した。
「おい、お嬢ちゃん!」
振り向くと現場監督さんだった。
この年でお嬢ちゃんは、あれだけど…
「植原さんと何かあっとんかい?」
「え?」
「植原さん、怪我して退院したときいて、お嬢ちゃんに看病いっぱいしてもらったか?と言ったら、誰のことだって言われたから」
「あっ…」
「別れたのか?」
「いえ…、いや、はい!なのかな?解らないです」
「は?別れもしっかり出来ないのか?植原さんは」
「そうじゃないです!記憶が…」
「え?」
「その、私だけの記憶がないんです」
監督さんはしばらく呆然としていた。
翔悟さん、仕事復帰出来たのか。
よかった…
私はもう、翔悟さんの前から現れない方がいいんだろうな。
大手の会社で一級建築士で、お父さんは政治家で大臣までしてた人で、そんな人が私と釣り合うわけないか。
1年前は一人の生活だったんだし、戻っただけだよ!
翔悟さんとのことは、なかったことに…なんて、やっぱり出来ない!
そして、更なる追い打ちがかかる。
「篠山志奈乃さん?」
自宅のアパート前に着くと、車から降りてきて一人の女性が出て来た。
「あっ」
翔悟さんのお義母さんだ。
私は一礼をする。
「貴方には可哀想だとは思いますけど、翔悟のことはなかったことにしてください。」
「え?」
「翔悟は縁談をして、今お付き合いをしてます。」
な、な…
「今後翔悟の前に現れないで頂きたく、これを」
と、手渡された。
手に持ってるのは…
小切手だった。
「これでおねがいします」
と言って、後部座席に乗って車は出発した。
あまりの衝撃に、声を出すことも小切手を返すこともできなかった。
アパートに入って、もう心が砕けそうになる。
辛くって
「瑠依子さん」
無意識に瑠依子さんに電話してしまった。
「どうしたの!?」
と、ビックリしてる様子だった。
「瑠依子さん…うっ、うっ…」
泣いてるのを察して
「今から行く!」
と言って急いで来てくれた。
「おばさんが、そんなことを!?」
瑠依子さんがイライラしだした。
「なんで、このタイミングで見合いなんか…」
ガックリしてる私をみて
「確かに私も翔悟も見合い話はあるのよ!でも私達はいつも断ってた。よりにもよってこんな記憶がないときに漬け込んで、なんなのよ!もう!!」
翔悟さんは、もうどどかない人になってしまった。
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