12 / 15
やらせ記事
しおりを挟む
聡をなんとかまいて、シティホテルに入った。
家も知ってる、実家も…、もしかしたらお店で働いてるのも知ってるかもと思ったが、実家にお店で働いてること言ってなかったので、多分大丈夫か…
何度も電話がかかってくる。
とりあえず着信拒否はしたが、あまりにもしつこかったら番号も変えるしかない。
状況が深刻になりそうなので魁はマネージャーに電話した。
1時間半後、マネージャーが到着し
「はじめまして、マネージャーの森といいます」
と、丁寧に挨拶してくれた。
「週刊実話の金森か、厄介だな」
と、言い出した
「週刊実話は、出来高なんですよ、だからあることないこと書く人多くってね、金森は拓海をよく追いかけてたんだすよ。こっちで上手くやってましたけどね、本当にしつこくって」
そーなんだ…、聡なんでまた…
「前夫と聞きましたが」
「はい。でも離婚するまでは商社に努めてました。」
「離婚後ってことですか」
「だと思います。もしかしたら部下に手を出したので居づらくなって辞めたのかもしれません」
「なるほど」
「森さん、このままだと俺だけでなく、真莉もどこも歩けなくなる」
「とりあえず少し作戦練ります。このままだと、貴方も大変な目にあいます。次の発売は来週の水曜か…、それまでにちょっと考えときます」
数日はホテルに泊まることになった。
お店も親の具合が悪いってことで、少しお休みをもらった。
実家には聡がストーカーみたいになってるから今後は何も言わないように言っといた。
ホテル生活三日目、森さんが部屋に入ってきた。
「いちよう作戦を練ってきました。これからやらせ記事を作るので、落ち着くまではご自宅に戻らないほうがいいかもしれません。金森かその会社の人がいるかもしれません」
やらせ記事の内容は、魁と以前噂があった真下みどりの密会のスキャンダルを週刊誌に売るということだ。
真下みどりとの熱愛の方が真実味があるので、その後に発売する週刊実話は私の記事を出したら負け惜しみだと批判される可能性があるから、私の記事は出さないかもということだ。
「でも、真下みどりさんにわざわざそんなことを…」
やらせ記事を作って大変になるのは魁と真下みどりだ。
「実はですね、真下みどりはうちの子会社のモデル専用の事務所に所属してまして。みどりは離婚裁判中の男性と付き合ってたようなんですが、それを週刊実話がかぎつけましてね、既婚者の交際のスキャンダルはイメージダウンですからね、もう少し証拠が揃ったら週刊実話は記事にする感じだったようですが、それも時間の問題であっちも悩んでたようです」
そうなのか…、真下みどりも色々複雑だったんだな
「拓海も真下みどりも、この作戦には同意してます。お互い大事な人を守るためにやると言ってますので、もう少し我慢してください」
私が聡と会ってなければ、魁はこんなことには…
それを察して
「貴方が悩むことではありませんよ。芸能界はこんなこと日常茶飯事なんで」
そして、週明けにその記事が出た。
週刊誌の表証紙に魁と真下みどりのツーショット写真が載っている。
他にも2人で抱き合ってたり、キスする瞬間だったりといくつもの写真が載っていた。
これがやらせってすごくない?
どうみても、本物にしか見えないんだけど…
スマホの音が鳴る。魁からだ
「真莉」
「魁、本当にごめんね、私がもっと」
「何言ってるんだよ、俺がこの世界でやるってことは、それなりに真莉を守らんといけないんだ。こんなことたいしたことでない。真下みどりも助かったと言ってるし、俺もマスコミが真莉のところに行かないならこんなの痛くもかゆくもないよ」
私には解らない芸能界、大事な人を守るためにそんな大変なこともしないといけないのかと思うと、魁の選んだ仕事の大変さを改めて知った。
「真下さんは以前言ってましたからね、先のことはわからないって。まぁこういうことだったんでしょうなー」
ワイドショーがトップで報道してる。
「交際をずっとしてたと言うことですかね?」
「可能性はありますね」
「お二人を捕まえたく、色々張り込んでるんですが、ガードが固くどこも成功してないようですね」
「余計に真実味が出ますね」
「別の週刊誌では佐伯拓海が10歳くらい年上の女性と付き合ってるなんて記事を出すと聞いてますけど。あとは真下みどりが既婚者と交際なんて記事も同時に出す予定みたいですが」
「おそらく、佐伯拓海と真下みどりの情報が掴めなかったのでガセでやろうとしてたんですかね?子供じみてますね」
恐ろしい世界だ。
真実がガセになり、やらせが真実となる。
どっちが真実味があるかで周りはそっちが真実と思う。
聡はここまで言われてしまってどうするんだろ?
家も知ってる、実家も…、もしかしたらお店で働いてるのも知ってるかもと思ったが、実家にお店で働いてること言ってなかったので、多分大丈夫か…
何度も電話がかかってくる。
とりあえず着信拒否はしたが、あまりにもしつこかったら番号も変えるしかない。
状況が深刻になりそうなので魁はマネージャーに電話した。
1時間半後、マネージャーが到着し
「はじめまして、マネージャーの森といいます」
と、丁寧に挨拶してくれた。
「週刊実話の金森か、厄介だな」
と、言い出した
「週刊実話は、出来高なんですよ、だからあることないこと書く人多くってね、金森は拓海をよく追いかけてたんだすよ。こっちで上手くやってましたけどね、本当にしつこくって」
そーなんだ…、聡なんでまた…
「前夫と聞きましたが」
「はい。でも離婚するまでは商社に努めてました。」
「離婚後ってことですか」
「だと思います。もしかしたら部下に手を出したので居づらくなって辞めたのかもしれません」
「なるほど」
「森さん、このままだと俺だけでなく、真莉もどこも歩けなくなる」
「とりあえず少し作戦練ります。このままだと、貴方も大変な目にあいます。次の発売は来週の水曜か…、それまでにちょっと考えときます」
数日はホテルに泊まることになった。
お店も親の具合が悪いってことで、少しお休みをもらった。
実家には聡がストーカーみたいになってるから今後は何も言わないように言っといた。
ホテル生活三日目、森さんが部屋に入ってきた。
「いちよう作戦を練ってきました。これからやらせ記事を作るので、落ち着くまではご自宅に戻らないほうがいいかもしれません。金森かその会社の人がいるかもしれません」
やらせ記事の内容は、魁と以前噂があった真下みどりの密会のスキャンダルを週刊誌に売るということだ。
真下みどりとの熱愛の方が真実味があるので、その後に発売する週刊実話は私の記事を出したら負け惜しみだと批判される可能性があるから、私の記事は出さないかもということだ。
「でも、真下みどりさんにわざわざそんなことを…」
やらせ記事を作って大変になるのは魁と真下みどりだ。
「実はですね、真下みどりはうちの子会社のモデル専用の事務所に所属してまして。みどりは離婚裁判中の男性と付き合ってたようなんですが、それを週刊実話がかぎつけましてね、既婚者の交際のスキャンダルはイメージダウンですからね、もう少し証拠が揃ったら週刊実話は記事にする感じだったようですが、それも時間の問題であっちも悩んでたようです」
そうなのか…、真下みどりも色々複雑だったんだな
「拓海も真下みどりも、この作戦には同意してます。お互い大事な人を守るためにやると言ってますので、もう少し我慢してください」
私が聡と会ってなければ、魁はこんなことには…
それを察して
「貴方が悩むことではありませんよ。芸能界はこんなこと日常茶飯事なんで」
そして、週明けにその記事が出た。
週刊誌の表証紙に魁と真下みどりのツーショット写真が載っている。
他にも2人で抱き合ってたり、キスする瞬間だったりといくつもの写真が載っていた。
これがやらせってすごくない?
どうみても、本物にしか見えないんだけど…
スマホの音が鳴る。魁からだ
「真莉」
「魁、本当にごめんね、私がもっと」
「何言ってるんだよ、俺がこの世界でやるってことは、それなりに真莉を守らんといけないんだ。こんなことたいしたことでない。真下みどりも助かったと言ってるし、俺もマスコミが真莉のところに行かないならこんなの痛くもかゆくもないよ」
私には解らない芸能界、大事な人を守るためにそんな大変なこともしないといけないのかと思うと、魁の選んだ仕事の大変さを改めて知った。
「真下さんは以前言ってましたからね、先のことはわからないって。まぁこういうことだったんでしょうなー」
ワイドショーがトップで報道してる。
「交際をずっとしてたと言うことですかね?」
「可能性はありますね」
「お二人を捕まえたく、色々張り込んでるんですが、ガードが固くどこも成功してないようですね」
「余計に真実味が出ますね」
「別の週刊誌では佐伯拓海が10歳くらい年上の女性と付き合ってるなんて記事を出すと聞いてますけど。あとは真下みどりが既婚者と交際なんて記事も同時に出す予定みたいですが」
「おそらく、佐伯拓海と真下みどりの情報が掴めなかったのでガセでやろうとしてたんですかね?子供じみてますね」
恐ろしい世界だ。
真実がガセになり、やらせが真実となる。
どっちが真実味があるかで周りはそっちが真実と思う。
聡はここまで言われてしまってどうするんだろ?
9
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる