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処暑の声・終わらない気まずさの回(全2話)
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【処暑の声】~Life's~
その日はあの頃を思い出すかのように、テルとミユは神社の敷地内にあるベンチに座っていた。
わずかに吹く風を受けながら、木陰で静かに涼むボク達。
瞳を閉じその涼を感じていると、遠くで蝉の鳴き声が微かに響いていた。
あれだけ賑やかだった蝉達の合唱も、少し前までの壮大さは無い。
蝉の数が減り、夏の声が聞けなくなると思うと少し寂しげに感じる。
ふと、正面に立つ木の根元を見ると、一匹の蝉が落ち葉の上で羽を休めているのが分かった。
その姿がなんだか尊くて、そしてどこか儚くて。
その短い命の終わりが近づいているのだろうか、小さな力で鳴き声を上げている。
その様子にミユも気が付いていたが、それでもボク達は会話を交わすことはなくて。
お互い夏の終わりを受け入れ、静かに秋の始まりを待っていた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【終わらない気まずさの回】~アルスの日常~
アルスはコンビニへ立ち寄ると、ペットボトルのラテを2本持ってレジへと向かう。
精算を済ませると、何故か店員との謎の読み合いが始まった。
多分店員は「え、なんでこれ持ってかないの?」と思っているのか、きょとんとしている。
それを見て俺はようやく口を開いた。
アルス「レシートって貰えます?」
その言葉を聞いて、ハッとする店員。
急いでレシートを取り出して渡してくれた。
なるほど、あれが気まずい瞬間というのか。
その日はあの頃を思い出すかのように、テルとミユは神社の敷地内にあるベンチに座っていた。
わずかに吹く風を受けながら、木陰で静かに涼むボク達。
瞳を閉じその涼を感じていると、遠くで蝉の鳴き声が微かに響いていた。
あれだけ賑やかだった蝉達の合唱も、少し前までの壮大さは無い。
蝉の数が減り、夏の声が聞けなくなると思うと少し寂しげに感じる。
ふと、正面に立つ木の根元を見ると、一匹の蝉が落ち葉の上で羽を休めているのが分かった。
その姿がなんだか尊くて、そしてどこか儚くて。
その短い命の終わりが近づいているのだろうか、小さな力で鳴き声を上げている。
その様子にミユも気が付いていたが、それでもボク達は会話を交わすことはなくて。
お互い夏の終わりを受け入れ、静かに秋の始まりを待っていた。
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【終わらない気まずさの回】~アルスの日常~
アルスはコンビニへ立ち寄ると、ペットボトルのラテを2本持ってレジへと向かう。
精算を済ませると、何故か店員との謎の読み合いが始まった。
多分店員は「え、なんでこれ持ってかないの?」と思っているのか、きょとんとしている。
それを見て俺はようやく口を開いた。
アルス「レシートって貰えます?」
その言葉を聞いて、ハッとする店員。
急いでレシートを取り出して渡してくれた。
なるほど、あれが気まずい瞬間というのか。
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