毎日!アルスの日常366

星月

文字の大きさ
上 下
163 / 264

楽しい校外学習の回・伝統陶器・名物のカレーうどん・帰路の静けさ(全4話)

しおりを挟む
【楽しい校外学習の回】~アルスの日常~

アルス達は大型バスに乗り込むと、担任による点呼が始まった。
名簿を手にし、生徒の名前を次々と呼んでいく。

10人目に差し掛かろうとした時、猿橋が席を立ち上がった。

猿橋「先生!もういいから出発しようぜ、こっちはウズウズしてんだ!」

そう言うと、少し離れた位置に座るカツキも「そーだそーだ~!早く行こうよ~!」と同調しつつ急かす。

落ち着きのない様子の2人に、浜瀬先生は冷静に「今日はあくまでも校外学習であり、出席確認は必須なんだ。」と返す。

すると今度はサトシが立ち上がり、バス内の生徒に向けてこう言った。

サトシ「おい、おらんやつ手挙げろ?」

その問い掛けには、誰も反応しなかった。

サトシ「よし、行くぞ。」
近藤「いや待てぃ!」

サトシのボケと近藤のツッコミに、バス内はドッと笑いが起こる。

浜瀬先生は呆れながらも、バスの運転手に「すみませんね、騒がしいクラスで。」と声を掛ける。
運転手はニコニコしながら会釈をした。

この笑いはいつまで続くのか。
なんてことを考えながら、浜瀬先生は生徒が静まるのを待った。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【伝統陶器】~Life's~

美術館の見学を終えた一同。

クレ「は~面白かった~!」

施設を出るとクレは両手を広げ、身体を延ばしながらそう口にする。

アルス「陶器コーナーがなかなかよかったよな」

彼女の隣でそう言うと、「ね~!いろんな柄があって可愛かった!」と振り返る。

アルス「形に沿って描かれ方が異なるのも注目ポイントやな。」
クレ「あ!確かに!」

アルスとクレの後ろを歩き、そのやり取りを聞いていた飛鳥と藍夏。
2人は心の中で「そこまで見てないし」と言った。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【名物のカレーうどん】~電脳戦士の理~

お昼時、クラスメイトは3グループに分かれ、それぞれ違うカレーうどん屋へと向かった。

サトシやリリーがいるグループは店につくと、早速案内された掘りごたつ式のテーブルへと向かう。

リリー「熱いのフーフーしないと食べられないなぁ」

用意されたおしぼりで手を拭きながら、リリーはサトシの顔を覗き込みながら呟く。

サトシ「雑魚やん」

冷たく突き放すサトシに、隣に座るカツキが「そんなこと言わないの!」と注意する。

そんなカツキを見て、サトシは「あれ、いつものポロシャツどうしたん。」と服装について尋ねた。
上記の通り、これから食べるのはカレーうどんです。

カツキ「飛んだら落ちないでしょ!あれ白だし!」
サトシ「雑魚やん」

ツッコミを入れるカツキに、同じ台詞を呟くサトシ。
カツキは「こらー!」と声を上げ、サトシに顔を近付けた。

サトシ「てかてめぇ、普通に白やん。」

パラパラっと目を通していたメニューを閉じるサトシ。
隣に座るカツキとマリンきメニューを渡すと、今度は向かいの座布団に座る杏姉の頭を指差す。

杏姉「髪は仕方ないじゃないですか!」

彼女は白髪の持ち主であり、髪は雪のように白かった。

猿橋「チャレンジャーですね!流石杏姉さん!」

面白がってからかう猿橋に、杏姉は「地毛です!」と返した。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【帰路の静けさ】~四元戦士の理~

帰りのバス内は、やけに静かであった。
浜瀬先生は振り返ると、疲れたのか生徒達は眠りについているのがほとんどであることが分かった。

起きている者もいるが、音楽を聴くかボーっと窓の外を眺めるかで、言葉を発することはなかった。

帰りのHRをバスの中で行おうと思ったのだが...。

かと言って、無理に起こすわけにもいかない。
学校に着いたら行うことにするか。

そうして浜瀬先生は腕を組み、座席に座り直した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

笑うは咲く

ゆうひゆかり
ライト文芸
気のおもむくまま綴った詩集です。 更新は不定期です。

【完結】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く

gari
キャラ文芸
☆たくさんの応援、ありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。  そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。  心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。  峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。  仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。  ※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。    一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。

進め!健太郎

クライングフリーマン
ライト文芸
大文字伝子の息子、あつこの息子達は一一年後に小学校高学年になっていた。 そして、ミラクル9が出来た。

灰かぶり姫の落とした靴は

佐竹りふれ
ライト文芸
中谷茉里は、30手前にして自身の優柔不断すぎる性格を持て余していた。 春から新しい部署となった茉里は、先輩に頼まれて仕方なく参加した合コンの店先で、末田皓人と運命的な出会いを果たす。順調に彼との距離を縮めていく茉莉。時には、職場の先輩である菊地玄也の助けを借りながら、順調に思えた茉里の日常はあることをきっかけに思いもよらない展開を見せる……。 第1回ピッコマノベルズ大賞の落選作品に加筆修正を加えた作品となります。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...