終わらない夏 -8月32日-

星月

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第一話「これから始まる夏休み」

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最後のチャイムが鳴り響くと、教室内は一気にざわめきに包まれた。
子供たちは一斉に立ち上がり、話題は明日からの夏休みで持ち切りだった。

そんな中、舞斗は一番に教室を飛び出し、後に続くカルマとルーミエに向かって大きく手を振った。

舞斗「早く行こうぜ!遂に俺達の冒険が始まるんだ!」

カルマとルーミエも、それに続いて元気よく応じた。

カルマ「おう!今日は大事なミーティングだもんな!」
ルーミエ「行こう行こう!楽しみ~!」

一方でユナは、京次郎と一緒に遅れて教室を出る。二人の後を追う。

ユナ「ちゃんと予定を立てるんだよね?ただ騒ぐだけじゃなくてさ。」

3人の後を追いながら、ユナは釘を刺す。

京次郎「もちろん。まずはみんなで計画を立てるところからだな。」

京次郎は頷きながらそう答えると、真面目な表情を崩さない。

一足先に舞斗達は、放課後のたまり場である図工室へと到着した。
黒板にデカデカと「ミーティング」と書くと、簡単なカレンダーや目的等を書いていく。

ユナと京次郎が図工室に着くと、舞斗が一番に口を開いた。

舞斗「よし揃ったな!今回の夏休み、何をするか決めようぜ!」

両手を広げそう口にすると、ミーティングが始まった。

カルマ「やりたいことは山ほどあるぞ!虫取りや川遊びは絶対だし、映画とかも観に行きてぇな!」

そう早口でまくしたてると、ルーミエもそれに負けじと「お祭りやプールに行ったりとか!あとは秘密基地なんかも作りたいね!」と提案する。

カルマもルーミエも目を輝かせており、初っ端から飛ばしているようだ。

舞斗「いいな!全部やっちまおうぜ!」

2人の提案に賛成すると、箇条書きで項目を記入していく。
書記である京次郎もそれを手伝いながら「忙しい夏になりそうだな」と呟く。

舞斗「そりゃ俺達の仕事は遊ぶことだからな!忙しくて当然、どんとこいってな!」

そう話す舞斗に、カルマは「いいこと言うじゃねぇか!」と褒めた。

ユナ「でも、それぞれの日に何をするかちゃんと考えないと、全部はできないよ。」

落ち着いた声で言うと、舞斗は「確かにな...誰しもが毎日空いてるってわけでもないよな。」と応える。
彼の言葉に、カルマとルーミエも少し考え込んだ。

その様子を見た京次郎が、地図を広げながら言う。

京次郎「計画を立てるには、まず場所を決めないと。森や川に行く日は何日目にするかとか、映画はいつ見るかとか...仮でもいいからとりあえず全部決めていこう。」

そう提案すると、それぞれが用意されたペンを取り記入していった。

こうして、それぞれの希望日に沿って予定が組み始められた。

舞斗「まず虫取りは2日目!場所は俺とカルマがよく行く森でいいな!」
カルマ「おう!網やかごもあるから、道具の準備はできてるぜ!」

とりあえず虫取りの日程は決まった。
この日は舞斗とカルマが空いているが、他にも人を誘う予定だ。

ルーミエ「夏祭りは夜だから、その前に何かやる?」

首を傾げるとルーミエは、みんなに向けてそう尋ねる。

ユナ「会場の近くにショッピングモールがあるから、そこでお買い物とかしたいかも。」

そうユナが提案すると、ルーミエは「いいね~!」と賛成した。

こうして俺達は話し合いながら、夏休みのスケジュールを埋めていった。
やがて、全員の意見がまとまり、舞斗が締めくくるように大きく宣言した。

舞斗「よし、これで決まりだな!明日からが楽しみだ、最高の夏にしようぜ!」

彼の言葉にみんなが頷き、互いに笑顔を交わす。
こうして俺達の長い夏休みは、幕を開けたのであった。
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