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8 喉元過ぎれば熱さを忘れる
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「あ゛っ、あぁあんっ!」
ぐちゅぐちゅと粘着質な水音が、普通だったらあり得ない場所から聞こえる。激しく指を動かされて、惇人はあられもなく狂気の境目の喘ぎをあげる。全身が歓喜していた。新たな刺激に、身体はゾクゾクと脈打つ。
扇情的に、身体をくねらし痙攣する惇人を冬賀は愉し気に見つつ、指への刺激を強める。
「んぅっ、ぁッ」
指がぐちゃぐちゃになった中に、もう一本増やされる。だが、それすらも簡単に惇人の中に入り込んだ。
そのまま中を大きく拡げられ、冬賀は赤く熟れた直腸をじっくりと見つめる。それすらも惇人は刺激になって、ピクピクと震えた。
「ジョンのケツ穴真っ赤だな」
ふっ、と息をかけられて、そこの筋肉が収縮する。ビクビクと痙攣する太腿が、まるで自分のものじゃないような気がした。
「ぁ…やぁ…」
理性が飛んでいる状況でも、無意識に惇人は抵抗していた。冬賀に動かした脚を掴まれ、鼻で笑われた。
「なにケツ穴ほじられて喘いでるのに、恥ずかしがってんだよ。お前のここ、ぐちゃぐちゃでぴくぴくしてて可愛いぞ」
指摘されて、リミッターが外れたように涙が止まらなかった。
「あっ、ぁ…」
ほら、ご褒美だ――――。
そう言って冬賀は、拷問のほうがマシだと思える責苦をつづけた。快楽の調律は当の昔に狂い始めている。太く長い指を2本入れ、大きく拡げると、そこからまたもう一本の手で直腸をそのまま直接穿つ。外気に晒されたそこは、真っ赤に充血している。そこから分泌液が溢れて止まらない。その愛液は、冬賀の太ももを濡らしていた。
何本もの指で中をこねられるように動かされ、神経が焼ききれそうなほどの快感が身体を駆け巡る。
「あぁ゛…んっ、ひ、ひぃっ」
かすれた悲鳴が、コンクリートの要塞に甘く響く。
冬賀に直接触れていないのに、惇人の身体は惨めに欲情していた。だが、それを咎める理性も人もここにはない。
解剖台にいる実験室のカエルのように身体を固定され、脚が身体がどこもかしこもビクビクと震える。与えられる刺激に、惇人は啜り泣いた。身体が全身性感帯になったみたいだ。いま何をされているかも、よくわからない。
コリコリと壁の敏感なところをひっかかれて、身体がバウンドするほどの強烈な快感がやってくる。
「ーーーーっ!」
声にならない悲鳴が喉に張り付く。
執拗に激しく責められ、身体がガクガク震えた。涙が飛び散り、コンクリートの冷たい床に迸る。身体が馬鹿になってしまう。身体が熱くて、気持ちよくて、どうにかなってしまいそうで本能的に恐怖する。涎やら涙やら体液やらで何もかもがグチャグチャになる。
頭がおかしくなりそうなのに、もっと冬賀は容赦なく惇人を狂わせる。達しそうで達しない惇人を手助けするように、今まで触れなかった性器に手を伸ばす。
「あぁっ」
悲痛な声をあげて、惇人は身体を震わせた。
そのまま精を吐き出し、その断片的な吐き出しに身体を任せる。ただ握られただけなのに、惇人は達してしまった。何度も味わったとても気持ちのいい絶頂だった。もう一度味わいたい欲望が、身体を駆け巡る。まるで惇人は発情した犬のようだった。
終わりの見えない欲望に、惇人は身を任せている。もうどうにかなってしまっていいのだ。
そんな惇人の想いまでも見透かすのが、冬賀だった。
「ぅうううっ」
壁に入っていた指をもっと奥まで入れると、惇人のイイところを抉る。その未知の快感に、惇人は我慢できずに熱い欲望を吐き出す。何度も何度もビクッと震えて果てる姿は、いったいどう冬賀に映っているのだろうか。
「すごいな。イキっぱなしだ」
惇人の勃起して精子を吐き出しまたビクビクと震える性器をつかむと、冬賀は関心した口ぶりをする。
冬賀がいったい何を言っているのか、惇人にはわからなかった。脳が聴覚が薄れかがっている。ただ快感を追う獣になっているのだ。
「あぁ……もっとぉ……」
ぼんやりとした視界のなか、惇人はこの身体が欲する欲望を与えてくれる人に手をのばして強請る。甘く強請る姿は初めてこの部屋に来た惇人とは思えないほどの変貌ぶりだった。媚薬の力なのか、もともと惇人にそういった資質があったのかは分からない。
だが、そんな惇人の痴態は、冬賀の雄の部分を刺激したらしい。
「んんんぅんんんぅうっ!」
いきなり自身のレザーパンツを下したと思うと、おもむろに冬賀は膨張し猛った性器を惇人の中に容赦なく突き入れた。
「あ゛ぁ~~っ!」
身体をのけ反らし、内臓を押される衝撃になんとか耐える。その衝撃で、性器がまた爆ぜた。その精は、冬賀の身体にも飛び散った。惇人を置いてけぼりにして、冬賀は野獣の打ち付けを始める。奥まで届いている感覚は、吐き気を催すものだった。だが、その痛みは快楽へと変わる。
惇人の飲まされた媚薬は、痛みさえ快感へと変わるものだった。
「奥、奥にぃいいいいっ」
惇人は笑っていた。笑いながら、激しい打ちつけに悦んでいた。身体が律動されるたびにコンクリートに打ちつけられる。その痛みでさえも、快感へと変わっていた。出し入れされるたびに、惇人はイっていた。中の奥まで思い切り突かれると、あり得ないほど気持ちがいい。
自分でもいったい何をいっているのか分からない。
すぐに身体中に、快楽が伝染しゾクゾクと背中がわなく。今まで感じたことがない気持ちいい享楽に、惇人は顔の知性をなくし喘いだ。
「すごい締め付けだな。中も熱くてグチャグチャで、どんだけ体液出してんだよ。本気汁いっぱいだしてそんなに俺のちんこ欲しかったのかよ」
「あぁあああっ、んっ、ぅうううっ! あぁ、んっ!」
欲しかったという言葉に反応して惇人は揺さぶられながら、大きく何度もうなづいた。
「ジョン嬉しそうだな? そんなに頷いてると首折れちゃうぞ」
「ひゃ、ひゃぁんっ」
与え続けられる快楽を止められて、素っ頓狂な声をあげる。イキ続けているそこを手で握られせき止められる。苦しくて仕方がなかった。涙があふれて止まらない。うわずった声をあげると、子供をあやすように冬賀は笑った。そんな笑顔は初めて見るものだった。
「ほら抑えててやるから我慢しろ」
「ぅっあ゛ぁあああっ」
表情と言葉は優しいのに、快楽を求める惇人には容赦がなかった。
快楽を与えるため惇人のイイところを執拗に擦りつけ、身体を揺さぶられる。そこを冬賀の性器でかき混ぜられると、頭がぼうっと霞むほどの快楽が流れ込んでくる。初めての経験ばかりだった。こんなこと、今までだったらありえないのに。
身体にある無数の傷がコンクリートに擦りつけられると痛みの火花が散る。普段だったら痛みに眉を顰めるが、今はその痛みでさえも快楽への通過道でしかない。
まるでものを叩き付けるような激しさの腰の打ち付けは、脳を麻痺させた。理性も消えて、ただ感覚だけを追う。せき止められた快楽の行き先は、声になって吐き出された。
「だ、だしたいっ、もっと、もっとっ…!」
甘ったるい声で強請り、懇願する。恥ずかしげもなく大声で喚き散らす。
「こういうのはギリギリまで愉しんだ方がいい。もっと気持ちよくなれる」
男は喋りながらも、腰の激しさはとめなかった。尋常じゃない激しいものなのに、彼の声はいたって普段通りだった。それが、彼のすごさを表していた。
「あ、ぁっ、あぁんっ」
まだまだ時間はあるんだ――――…。
そう獣は言った。惇人は激しく打ちつけられながら、大きく喘ぐ。身体が熱い。もっと、ほしい。とまらない。
そのあと、焦らされながら何度も惇人は射精をした。冬賀の体力は化け物じみていた。そして気を失ったのか、それとも寝てしまったのか分からないが惇人は意識を手放した――――。
◇◇◇
『君も大変だったんだね』
目の前の男が、肩をすくませた。屈強な身体付きで、スーツがキツそうにも見えた。その顔立ちは体育会系と形容すべきなのか、精悍な顔立ちだった。
『そうだ。そのお手伝い俺にやらせてくれないか? きっと役に立つよ』
彼は笑った。100人は倒せそうな屈強な頼れる笑みだった。
『その変わり君には俺の…』
――――ドレイになって貰う。
彼はその言葉を、さっきの笑みで言った。
「…ッ」
惇人は、起きた瞬間絶望した。身体中が痛い。一歩でも動かそうとすると、身体が悲鳴をあげる。そして、ぼんやりとした意識の中で、今まで自分に起こったことを思い出した。自分が薬を飲まされて、自分の本能のまま行動したこと。
冬賀にされたこと、自分が感じてしまったこと、何もかもの言動、すべてを。
「くそ…」
最悪だ。
今まで生きてきた中で一番惨めだった。コンクリートの床に、拳を突き立てる。その痛みが、妙にリアルだった。
「くそがぁ!」
死んでしまいたい。あんな醜態を晒すなんて。思わずカメラに向かって悪態をついていた。そうしないと、やってられなかった。あれが自分の本性だったのだというのだろうか。薬がまわっていたからって、あんなに乱れ狂うものなのだろうか。惇人は最悪の気分のなか、鬱々と考えていた。
「じいちゃん……」
惇人は媚薬に酔わされていたなか、口に出さなかった言葉を言った。
その言葉は、いつも以上に悲壮感が出ていた。
ぐちゅぐちゅと粘着質な水音が、普通だったらあり得ない場所から聞こえる。激しく指を動かされて、惇人はあられもなく狂気の境目の喘ぎをあげる。全身が歓喜していた。新たな刺激に、身体はゾクゾクと脈打つ。
扇情的に、身体をくねらし痙攣する惇人を冬賀は愉し気に見つつ、指への刺激を強める。
「んぅっ、ぁッ」
指がぐちゃぐちゃになった中に、もう一本増やされる。だが、それすらも簡単に惇人の中に入り込んだ。
そのまま中を大きく拡げられ、冬賀は赤く熟れた直腸をじっくりと見つめる。それすらも惇人は刺激になって、ピクピクと震えた。
「ジョンのケツ穴真っ赤だな」
ふっ、と息をかけられて、そこの筋肉が収縮する。ビクビクと痙攣する太腿が、まるで自分のものじゃないような気がした。
「ぁ…やぁ…」
理性が飛んでいる状況でも、無意識に惇人は抵抗していた。冬賀に動かした脚を掴まれ、鼻で笑われた。
「なにケツ穴ほじられて喘いでるのに、恥ずかしがってんだよ。お前のここ、ぐちゃぐちゃでぴくぴくしてて可愛いぞ」
指摘されて、リミッターが外れたように涙が止まらなかった。
「あっ、ぁ…」
ほら、ご褒美だ――――。
そう言って冬賀は、拷問のほうがマシだと思える責苦をつづけた。快楽の調律は当の昔に狂い始めている。太く長い指を2本入れ、大きく拡げると、そこからまたもう一本の手で直腸をそのまま直接穿つ。外気に晒されたそこは、真っ赤に充血している。そこから分泌液が溢れて止まらない。その愛液は、冬賀の太ももを濡らしていた。
何本もの指で中をこねられるように動かされ、神経が焼ききれそうなほどの快感が身体を駆け巡る。
「あぁ゛…んっ、ひ、ひぃっ」
かすれた悲鳴が、コンクリートの要塞に甘く響く。
冬賀に直接触れていないのに、惇人の身体は惨めに欲情していた。だが、それを咎める理性も人もここにはない。
解剖台にいる実験室のカエルのように身体を固定され、脚が身体がどこもかしこもビクビクと震える。与えられる刺激に、惇人は啜り泣いた。身体が全身性感帯になったみたいだ。いま何をされているかも、よくわからない。
コリコリと壁の敏感なところをひっかかれて、身体がバウンドするほどの強烈な快感がやってくる。
「ーーーーっ!」
声にならない悲鳴が喉に張り付く。
執拗に激しく責められ、身体がガクガク震えた。涙が飛び散り、コンクリートの冷たい床に迸る。身体が馬鹿になってしまう。身体が熱くて、気持ちよくて、どうにかなってしまいそうで本能的に恐怖する。涎やら涙やら体液やらで何もかもがグチャグチャになる。
頭がおかしくなりそうなのに、もっと冬賀は容赦なく惇人を狂わせる。達しそうで達しない惇人を手助けするように、今まで触れなかった性器に手を伸ばす。
「あぁっ」
悲痛な声をあげて、惇人は身体を震わせた。
そのまま精を吐き出し、その断片的な吐き出しに身体を任せる。ただ握られただけなのに、惇人は達してしまった。何度も味わったとても気持ちのいい絶頂だった。もう一度味わいたい欲望が、身体を駆け巡る。まるで惇人は発情した犬のようだった。
終わりの見えない欲望に、惇人は身を任せている。もうどうにかなってしまっていいのだ。
そんな惇人の想いまでも見透かすのが、冬賀だった。
「ぅうううっ」
壁に入っていた指をもっと奥まで入れると、惇人のイイところを抉る。その未知の快感に、惇人は我慢できずに熱い欲望を吐き出す。何度も何度もビクッと震えて果てる姿は、いったいどう冬賀に映っているのだろうか。
「すごいな。イキっぱなしだ」
惇人の勃起して精子を吐き出しまたビクビクと震える性器をつかむと、冬賀は関心した口ぶりをする。
冬賀がいったい何を言っているのか、惇人にはわからなかった。脳が聴覚が薄れかがっている。ただ快感を追う獣になっているのだ。
「あぁ……もっとぉ……」
ぼんやりとした視界のなか、惇人はこの身体が欲する欲望を与えてくれる人に手をのばして強請る。甘く強請る姿は初めてこの部屋に来た惇人とは思えないほどの変貌ぶりだった。媚薬の力なのか、もともと惇人にそういった資質があったのかは分からない。
だが、そんな惇人の痴態は、冬賀の雄の部分を刺激したらしい。
「んんんぅんんんぅうっ!」
いきなり自身のレザーパンツを下したと思うと、おもむろに冬賀は膨張し猛った性器を惇人の中に容赦なく突き入れた。
「あ゛ぁ~~っ!」
身体をのけ反らし、内臓を押される衝撃になんとか耐える。その衝撃で、性器がまた爆ぜた。その精は、冬賀の身体にも飛び散った。惇人を置いてけぼりにして、冬賀は野獣の打ち付けを始める。奥まで届いている感覚は、吐き気を催すものだった。だが、その痛みは快楽へと変わる。
惇人の飲まされた媚薬は、痛みさえ快感へと変わるものだった。
「奥、奥にぃいいいいっ」
惇人は笑っていた。笑いながら、激しい打ちつけに悦んでいた。身体が律動されるたびにコンクリートに打ちつけられる。その痛みでさえも、快感へと変わっていた。出し入れされるたびに、惇人はイっていた。中の奥まで思い切り突かれると、あり得ないほど気持ちがいい。
自分でもいったい何をいっているのか分からない。
すぐに身体中に、快楽が伝染しゾクゾクと背中がわなく。今まで感じたことがない気持ちいい享楽に、惇人は顔の知性をなくし喘いだ。
「すごい締め付けだな。中も熱くてグチャグチャで、どんだけ体液出してんだよ。本気汁いっぱいだしてそんなに俺のちんこ欲しかったのかよ」
「あぁあああっ、んっ、ぅうううっ! あぁ、んっ!」
欲しかったという言葉に反応して惇人は揺さぶられながら、大きく何度もうなづいた。
「ジョン嬉しそうだな? そんなに頷いてると首折れちゃうぞ」
「ひゃ、ひゃぁんっ」
与え続けられる快楽を止められて、素っ頓狂な声をあげる。イキ続けているそこを手で握られせき止められる。苦しくて仕方がなかった。涙があふれて止まらない。うわずった声をあげると、子供をあやすように冬賀は笑った。そんな笑顔は初めて見るものだった。
「ほら抑えててやるから我慢しろ」
「ぅっあ゛ぁあああっ」
表情と言葉は優しいのに、快楽を求める惇人には容赦がなかった。
快楽を与えるため惇人のイイところを執拗に擦りつけ、身体を揺さぶられる。そこを冬賀の性器でかき混ぜられると、頭がぼうっと霞むほどの快楽が流れ込んでくる。初めての経験ばかりだった。こんなこと、今までだったらありえないのに。
身体にある無数の傷がコンクリートに擦りつけられると痛みの火花が散る。普段だったら痛みに眉を顰めるが、今はその痛みでさえも快楽への通過道でしかない。
まるでものを叩き付けるような激しさの腰の打ち付けは、脳を麻痺させた。理性も消えて、ただ感覚だけを追う。せき止められた快楽の行き先は、声になって吐き出された。
「だ、だしたいっ、もっと、もっとっ…!」
甘ったるい声で強請り、懇願する。恥ずかしげもなく大声で喚き散らす。
「こういうのはギリギリまで愉しんだ方がいい。もっと気持ちよくなれる」
男は喋りながらも、腰の激しさはとめなかった。尋常じゃない激しいものなのに、彼の声はいたって普段通りだった。それが、彼のすごさを表していた。
「あ、ぁっ、あぁんっ」
まだまだ時間はあるんだ――――…。
そう獣は言った。惇人は激しく打ちつけられながら、大きく喘ぐ。身体が熱い。もっと、ほしい。とまらない。
そのあと、焦らされながら何度も惇人は射精をした。冬賀の体力は化け物じみていた。そして気を失ったのか、それとも寝てしまったのか分からないが惇人は意識を手放した――――。
◇◇◇
『君も大変だったんだね』
目の前の男が、肩をすくませた。屈強な身体付きで、スーツがキツそうにも見えた。その顔立ちは体育会系と形容すべきなのか、精悍な顔立ちだった。
『そうだ。そのお手伝い俺にやらせてくれないか? きっと役に立つよ』
彼は笑った。100人は倒せそうな屈強な頼れる笑みだった。
『その変わり君には俺の…』
――――ドレイになって貰う。
彼はその言葉を、さっきの笑みで言った。
「…ッ」
惇人は、起きた瞬間絶望した。身体中が痛い。一歩でも動かそうとすると、身体が悲鳴をあげる。そして、ぼんやりとした意識の中で、今まで自分に起こったことを思い出した。自分が薬を飲まされて、自分の本能のまま行動したこと。
冬賀にされたこと、自分が感じてしまったこと、何もかもの言動、すべてを。
「くそ…」
最悪だ。
今まで生きてきた中で一番惨めだった。コンクリートの床に、拳を突き立てる。その痛みが、妙にリアルだった。
「くそがぁ!」
死んでしまいたい。あんな醜態を晒すなんて。思わずカメラに向かって悪態をついていた。そうしないと、やってられなかった。あれが自分の本性だったのだというのだろうか。薬がまわっていたからって、あんなに乱れ狂うものなのだろうか。惇人は最悪の気分のなか、鬱々と考えていた。
「じいちゃん……」
惇人は媚薬に酔わされていたなか、口に出さなかった言葉を言った。
その言葉は、いつも以上に悲壮感が出ていた。
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