1 / 9
1嘘…俺、平凡受け?!
しおりを挟む
「嘘…俺、平凡受け…?!」
今まで俺は与えられた役割をこなしてきた。騎士の仕事、天涯孤独の身であること。全て受け入れてきたはずだった。だから、今脳に流れ込んでいる所謂前世の記憶ということも受け入れようとしていた。だが、蘇る膨大な記憶にあった『その記憶』には決して認めたくない『記憶』があったのだ。
俺を殴った同じ騎士が倒れた必死の形相で俺を揺さぶっている。
「おい、アレク?! アレク?!」
俺の名前を呼ぶ声を聞きながら思う。
「平凡受けって何だ?! おい、アレクーーー!死ぬなーーーーっ!」
それは俺が聞きたい…。
力なく言った俺は、そこで意識を失った。その瞬間、一瞬だけ俺の愛剣が光輝いた。
◇◇◇◇
『それでね、その時のワンとシャープのスチルが凄く良くてね!』
『へえ』
『あ、お兄ちゃん聞いてないでしょう!』
『聞いてるって。そのワンとシャープがキスしたんだろ?』
俺は…、いつも通り妹の好きなゲームの話を聞いていた。この話を聞くのは何回目なんだろう…、と思いながら。妹は俺の態度が気に入らないのか、鼻息荒く訴える。
『その話じゃない! もう、この話が役に立つかもしれない時に困るよ?!』
『いや、一生来ないだろそんな時は』
はぁ、とため息をつく。どうしてこんな話が将来役に立つのだというのだろう。だってこのゲームは普通のゲームじゃないのだから。
「役に立つ時が来たね、お兄ちゃん」
「―――ッ?!」
ハッと目が覚めた俺は、がばっと身体を起こし周りを見渡した。すると、抱きしめられた感触がした。
「よかった、アレク! 一生目が覚めないかと思った…っ」
「シャープ…」
聞きなれた声にほっとする。どうやらここは医務室のベットの上らしい。友人でもあり同僚の顔をまじまじと見て俺は大きく息を吐く。
「間違いない…、平凡な顔立ち…パッケージで見た顔と一緒だ…」
「ど、どうしたの? やっぱり変なところに剣が当たって意識が混乱しているんじゃ…」
俺がぶつぶつと言っていると、シャープの黒目がウロウロとしている。
「おい、起きたのか。…悪かったよ。んで、俺の事は分かるか?」
ベットのカーテンが開かれてやってきた男の髪は真っ赤に染まっており、かなりの美形だ。ここまでくると間違いない。
「ワン・ソード 35歳 攻め 攻略対象の第一王子。美形。炎属性の魔法が使える。髪は燃えるような赤色で、肩まで伸ばしている。一言でいえば傲慢でナルシスト。ソーシード騎士に所属しておりナンバー1の実力を持つ」
「お、おう…なんだ急に俺のプロフィールなんか言って…。あと攻めとか攻略対象ってなんだ」
「…知らない方が身のためだ」
記憶にあったパッケージの説明書に載っていたキャラクター紹介の文を羅列する。目の前の男の特徴と一致しており、俺は天を仰いだ。アーメン。
ワンは俺の言葉にはてなマークを浮かべている。まさかここがゲームの世界なんてちっとも分かってはいない顔だ。
「ホントに大丈夫?! 俺の事は分かる?!」
「シャープ・アルファ 28歳 受け。童顔。平凡。茶髪でウェーブがかかっている。ワン・ソードの恋人でもあり巻き込まれ体質で、ソーシード騎士に所属しておりナンバー4の実力を持つ。白魔法の使い手」
「俺のことだね?!てか、本当にどうしちゃったの?! 受けって何?!」
「…知らない方がいい」
肩を揺さぶられるが、こっちが聞きたい。言わなかったが、シャープは主人公総受けだ。自分でも何を言っているか分からないが妹が言っていた。
「自分の事は分かるのか?」
俺をどうやら頭が可笑しくなった人だと思っているのか、ワンが心配そうに聞いてくる。俺はテーブルに置いてあった鏡をみながら答えた。
「アレク・シールド 28歳」
俺は簡潔に言ってから、頭を抱えた。顔は…平凡な顔立ち。黒髪、黒目で平凡な顔立ち。今まで恋人ができたことはない。180センチで、スタイルはいい。ソーシード騎士に所属しており、ナンバー2の実力を持つ。剣術が得意。天涯孤独となった幼少期オリーブ女王に、ソーシード騎士に入れてもらい助けてもらった縁があり、女王を尊敬しており崇めている。
それが…俺、アレク・シールドのゲームのパッケージに書いてあったプロフィール…。間違いなく、俺だ。
そう、俺は……主人公の、友人ポジションのゲームキャラクター。はっきり言ってモブキャラだ。出番なんて序盤で終わって最後の主人公の結婚式に呼ばれてスチルにちょろっと出る程度の。そんなキャラクターに俺は…転生してしまった。
この、『ナイトオブナイト』というダサい名前の全年齢対象のBLゲームに!
この、俺が! しかも平凡顔で!
始めに説明すると『ナイトオブナイト』は携帯用ゲーム機で発売した全年齢BLゲームだ。美形×平凡しか存在しない世界である。アクションとシリアスとギャグのテイストが受け、BLゲームの中でも大人気となった。ストーリーとしては主人公のシャープが騎士団ソーシードで美形王子にばかりモテながら、隣国を攻めたり、国内部に切り込んでいくラブストーリーだ。
おわかりいただけただろうか。
この世界は、強制的に美形が男役、平凡が女役に回る。周りのカップルが全部そうなのだ。全く気付かなかったわけではない。例えばあまりに普通過ぎて気付かない事ってあるだろう。…それだ。
つまり、俺はもうこの世界ではもう『受け』であることが決定している。
最悪だ。悪夢と言って構わないだろう。
いつかできるだろう恋人を守るため鍛えたこの身体も、美形攻めにヤられる運命と言う事だ。まあ、全年齢だから、朝チュンなのだろうが。それでもいやだ。
「……つかぬ事を聞くが、ソーシード騎士に恋人がいない人間はいるか?」
ソーシード騎士(ナイト)…総勢19名からなる実力者を集めた、王国直属の騎士団の名称で俺が所属している騎士団の名前だ。全員男で、城にある寮で共同生活をしている。ちなみに、このゲームはカタカナが大好きなので、騎士(ナイト)呼びである。マジでダサい。
恐る恐る言った言葉にシャープはあっさりと答える。
「アレク以外は皆騎士同士で付き合ってるよ」
その瞬間、プチン、と脳の血管が切れた音がした。皆、俺以外リア充ってこと?!
「フ…フフフ…」
俺は不敵に笑みを浮かべる。ぎょっとしたシャープとワンが俺を抑え込む。
「落ち着け! 俺が出会いの場を設けてやるからっ!」
「嫌だ! どうせお前の友達美形しかいないんだろう!」
「その通りだが何を嫌がっているんだ!」
「美形だから嫌なんだっ」
…俺は結局、二人に取り押さえられ、今日は安静にするように言われた。…まあ、俺の取り乱しっぷりをみたら普通はそう思うだろう。
俺は…決めた。一生、恋人なんて作らないと。作ったってどうせ自分が受けになるんだ。今日は泣きながら寝ようと身体を丸めた所、突然枕元に置いてあった俺の愛剣が光りだした。
ぱあああああ…。
「な、なんだ?!」
俺は真っ暗な部屋に浮かぶ光の玉に驚き、臨戦態勢を作る。
だが、その光の球はあろうことか…喋った。
「アレク…アレク…」
しかもイケボだった。
驚き声も出ない光の玉はぷよぷよと浮かびながらハッキリと言った。
「キミを最強の受けにする」
―――と。
それから俺はゲームの世界で、思ってもみなかったことを経験することになる…。
今まで俺は与えられた役割をこなしてきた。騎士の仕事、天涯孤独の身であること。全て受け入れてきたはずだった。だから、今脳に流れ込んでいる所謂前世の記憶ということも受け入れようとしていた。だが、蘇る膨大な記憶にあった『その記憶』には決して認めたくない『記憶』があったのだ。
俺を殴った同じ騎士が倒れた必死の形相で俺を揺さぶっている。
「おい、アレク?! アレク?!」
俺の名前を呼ぶ声を聞きながら思う。
「平凡受けって何だ?! おい、アレクーーー!死ぬなーーーーっ!」
それは俺が聞きたい…。
力なく言った俺は、そこで意識を失った。その瞬間、一瞬だけ俺の愛剣が光輝いた。
◇◇◇◇
『それでね、その時のワンとシャープのスチルが凄く良くてね!』
『へえ』
『あ、お兄ちゃん聞いてないでしょう!』
『聞いてるって。そのワンとシャープがキスしたんだろ?』
俺は…、いつも通り妹の好きなゲームの話を聞いていた。この話を聞くのは何回目なんだろう…、と思いながら。妹は俺の態度が気に入らないのか、鼻息荒く訴える。
『その話じゃない! もう、この話が役に立つかもしれない時に困るよ?!』
『いや、一生来ないだろそんな時は』
はぁ、とため息をつく。どうしてこんな話が将来役に立つのだというのだろう。だってこのゲームは普通のゲームじゃないのだから。
「役に立つ時が来たね、お兄ちゃん」
「―――ッ?!」
ハッと目が覚めた俺は、がばっと身体を起こし周りを見渡した。すると、抱きしめられた感触がした。
「よかった、アレク! 一生目が覚めないかと思った…っ」
「シャープ…」
聞きなれた声にほっとする。どうやらここは医務室のベットの上らしい。友人でもあり同僚の顔をまじまじと見て俺は大きく息を吐く。
「間違いない…、平凡な顔立ち…パッケージで見た顔と一緒だ…」
「ど、どうしたの? やっぱり変なところに剣が当たって意識が混乱しているんじゃ…」
俺がぶつぶつと言っていると、シャープの黒目がウロウロとしている。
「おい、起きたのか。…悪かったよ。んで、俺の事は分かるか?」
ベットのカーテンが開かれてやってきた男の髪は真っ赤に染まっており、かなりの美形だ。ここまでくると間違いない。
「ワン・ソード 35歳 攻め 攻略対象の第一王子。美形。炎属性の魔法が使える。髪は燃えるような赤色で、肩まで伸ばしている。一言でいえば傲慢でナルシスト。ソーシード騎士に所属しておりナンバー1の実力を持つ」
「お、おう…なんだ急に俺のプロフィールなんか言って…。あと攻めとか攻略対象ってなんだ」
「…知らない方が身のためだ」
記憶にあったパッケージの説明書に載っていたキャラクター紹介の文を羅列する。目の前の男の特徴と一致しており、俺は天を仰いだ。アーメン。
ワンは俺の言葉にはてなマークを浮かべている。まさかここがゲームの世界なんてちっとも分かってはいない顔だ。
「ホントに大丈夫?! 俺の事は分かる?!」
「シャープ・アルファ 28歳 受け。童顔。平凡。茶髪でウェーブがかかっている。ワン・ソードの恋人でもあり巻き込まれ体質で、ソーシード騎士に所属しておりナンバー4の実力を持つ。白魔法の使い手」
「俺のことだね?!てか、本当にどうしちゃったの?! 受けって何?!」
「…知らない方がいい」
肩を揺さぶられるが、こっちが聞きたい。言わなかったが、シャープは主人公総受けだ。自分でも何を言っているか分からないが妹が言っていた。
「自分の事は分かるのか?」
俺をどうやら頭が可笑しくなった人だと思っているのか、ワンが心配そうに聞いてくる。俺はテーブルに置いてあった鏡をみながら答えた。
「アレク・シールド 28歳」
俺は簡潔に言ってから、頭を抱えた。顔は…平凡な顔立ち。黒髪、黒目で平凡な顔立ち。今まで恋人ができたことはない。180センチで、スタイルはいい。ソーシード騎士に所属しており、ナンバー2の実力を持つ。剣術が得意。天涯孤独となった幼少期オリーブ女王に、ソーシード騎士に入れてもらい助けてもらった縁があり、女王を尊敬しており崇めている。
それが…俺、アレク・シールドのゲームのパッケージに書いてあったプロフィール…。間違いなく、俺だ。
そう、俺は……主人公の、友人ポジションのゲームキャラクター。はっきり言ってモブキャラだ。出番なんて序盤で終わって最後の主人公の結婚式に呼ばれてスチルにちょろっと出る程度の。そんなキャラクターに俺は…転生してしまった。
この、『ナイトオブナイト』というダサい名前の全年齢対象のBLゲームに!
この、俺が! しかも平凡顔で!
始めに説明すると『ナイトオブナイト』は携帯用ゲーム機で発売した全年齢BLゲームだ。美形×平凡しか存在しない世界である。アクションとシリアスとギャグのテイストが受け、BLゲームの中でも大人気となった。ストーリーとしては主人公のシャープが騎士団ソーシードで美形王子にばかりモテながら、隣国を攻めたり、国内部に切り込んでいくラブストーリーだ。
おわかりいただけただろうか。
この世界は、強制的に美形が男役、平凡が女役に回る。周りのカップルが全部そうなのだ。全く気付かなかったわけではない。例えばあまりに普通過ぎて気付かない事ってあるだろう。…それだ。
つまり、俺はもうこの世界ではもう『受け』であることが決定している。
最悪だ。悪夢と言って構わないだろう。
いつかできるだろう恋人を守るため鍛えたこの身体も、美形攻めにヤられる運命と言う事だ。まあ、全年齢だから、朝チュンなのだろうが。それでもいやだ。
「……つかぬ事を聞くが、ソーシード騎士に恋人がいない人間はいるか?」
ソーシード騎士(ナイト)…総勢19名からなる実力者を集めた、王国直属の騎士団の名称で俺が所属している騎士団の名前だ。全員男で、城にある寮で共同生活をしている。ちなみに、このゲームはカタカナが大好きなので、騎士(ナイト)呼びである。マジでダサい。
恐る恐る言った言葉にシャープはあっさりと答える。
「アレク以外は皆騎士同士で付き合ってるよ」
その瞬間、プチン、と脳の血管が切れた音がした。皆、俺以外リア充ってこと?!
「フ…フフフ…」
俺は不敵に笑みを浮かべる。ぎょっとしたシャープとワンが俺を抑え込む。
「落ち着け! 俺が出会いの場を設けてやるからっ!」
「嫌だ! どうせお前の友達美形しかいないんだろう!」
「その通りだが何を嫌がっているんだ!」
「美形だから嫌なんだっ」
…俺は結局、二人に取り押さえられ、今日は安静にするように言われた。…まあ、俺の取り乱しっぷりをみたら普通はそう思うだろう。
俺は…決めた。一生、恋人なんて作らないと。作ったってどうせ自分が受けになるんだ。今日は泣きながら寝ようと身体を丸めた所、突然枕元に置いてあった俺の愛剣が光りだした。
ぱあああああ…。
「な、なんだ?!」
俺は真っ暗な部屋に浮かぶ光の玉に驚き、臨戦態勢を作る。
だが、その光の球はあろうことか…喋った。
「アレク…アレク…」
しかもイケボだった。
驚き声も出ない光の玉はぷよぷよと浮かびながらハッキリと言った。
「キミを最強の受けにする」
―――と。
それから俺はゲームの世界で、思ってもみなかったことを経験することになる…。
61
お気に入りに追加
379
あなたにおすすめの小説
魔力なしの嫌われ者の俺が、なぜか冷徹王子に溺愛される
ぶんぐ
BL
社畜リーマンは、階段から落ちたと思ったら…なんと異世界に転移していた!みんな魔法が使える世界で、俺だけ全く魔法が使えず、おまけにみんなには避けられてしまう。それでも頑張るぞ!って思ってたら、なぜか冷徹王子から口説かれてるんだけど?──
嫌われ→愛され 不憫受け 美形×平凡 要素があります。
※溺愛までが長いです。
※総愛され気味の描写が出てきますが、CPは1つだけです。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
過保護な不良に狙われた俺
ぽぽ
BL
強面不良×平凡
異能力者が集まる学園に通う平凡な俺が何故か校内一悪評高い獄堂啓吾に呼び出され「付き合え」と壁ドンされた。
頼む、俺に拒否権を下さい!!
━━━━━━━━━━━━━━━
王道学園に近い世界観です。
異世界に召喚され生活してるのだが、仕事のたびに元カレと会うのツラい
だいず
BL
平凡な生活を送っていた主人公、宇久田冬晴は、ある日異世界に召喚される。「転移者」となった冬晴の仕事は、魔女の予言を授かることだった。慣れない生活に戸惑う冬晴だったが、そんな冬晴を支える人物が現れる。グレンノルト・シルヴェスター、国の騎士団で団長を務める彼は、何も知らない冬晴に、世界のこと、国のこと、様々なことを教えてくれた。そんなグレンノルトに冬晴は次第に惹かれていき___
1度は愛し合った2人が過去のしがらみを断ち切り、再び結ばれるまでの話。
※設定上2人が仲良くなるまで時間がかかります…でもちゃんとハッピーエンドです!
攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。
慎
BL
───…ログインしました。
無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。
そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど…
ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・
『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』
「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」
本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!!
『……また、お一人なんですか?』
なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!?
『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』
なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ!
「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」
ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ…
「僕、モブなんだけど」
ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!!
───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。
転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる