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第二章 新天地での活躍編
第45話 再び合流した仲間たち
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アグレイが死んだ以上ここに留まっていても仕方ない。死体をどうしようかとも思ったが下手に手を出さずこのまま残しておこう。
これから出口を探して皆と合流後に経緯を話して来てもらえばいい。
そもそも出口があるのだろうか? という疑問も湧くがアグレイが一緒に落ちてきた以上どこかに脱出できる道を確保していたと考えるべきだ。
問題はその本人が物言わぬ死体となってしまったことだが――言ってももう仕方ないことだ。
ただ出口を探さないといけないのは確か。出口を探す――
「そうだ。標識召喚・案内標識(出口)」
召喚魔法を行使すると矢印の刻まれた長方形の標識が出現した。この標識は空中を浮遊したまま目的に設定した場所に矢印を向けてくれる。
この矢印に沿って移動すれば出口にたどり着くはずだ。
途中幾つか分岐があったが矢印に従って移動すると途中で壁にぶち当たった。だが矢印はその壁を示している。
どうやらこの先に道があるようだ。おそらく何らかの仕掛けが施されているのだろうが僕にはその仕掛けを解くすべがない。
「標識召喚・非常口」
だけど問題なかった。アグレイに閉じ込められた時にも使った標識だ。壁の先に通路が隠されているならこれで抜ける事が出来るはず。
案の定扉を抜けた先に通路があり奥に登り坂が見えた。
「よし。少し急ごう。標識召喚・最低速度20km!」
標識を召喚し掴んだ。定められた速度で標識と一緒に移動する。
「マークにゃ!」
暫く進むと比較的平坦な道に出て更に進んだところでフェレスと再会出来た。
フェレスは僕を見つけると嬉しそうに声を上げて駆け寄ってきてくれた。
心配してくれてたんだ、そう思った直後フェレスが飛び込んできて柔らかい感触に包まれる。
「ふぇ~ん良かったにゃぁ」
「え、えっとフェレスその……」
どうやら僕はフェレスに抱きしめられてるらしい。全身の温度が急上昇してきた。
女の子から受ける抱擁は始めてだ。頭の中がぐるぐるして考えがまとまらない。
「あ、あの、その」
「え? ふにゃッ! つ、つい、にゃ!」
フェレスが恥ずかしそうに飛び退いた。顔を紅くしてなんだか可愛いなって思えてしまった。
「ふむふむ。これはもしかしてお邪魔だったかい?」
そこにブレブの声が届く。見ると今回ゴブリン討伐隊に参加した冒険者たちのリーダーであるブレブの姿があった。
そういえばアグレイを僕と組ませたのはリーダーだったね。
そしてブレブと一緒になって獣使いの少女アニン。筋骨隆々の拳闘士ナックル。女弓士のユニーに女魔法士のマジュ、戦槍士のキリン、女僧侶のエペと全員が勢ぞろいしていた。
よかったアグレイ以外は誰一人欠けていないようだね。
だけど僕とフェレスのやり取りを見てユニーとマジュはニヤニヤしてるんだよね。なんか恥ずかしいなぁ……。
でも皆無事で本当に良かったよ。
さて、それではここから脱出するとしようかな。いつまでもここにいるわけにもいかないからね。
まずはこの洞窟で何が起きたのか皆に説明しないといけないだろう。話はそこからだね。
僕たちは来た道を戻りながらこれまでの経緯を説明することにした。
最初は半信半疑だった皆だったけど僕の話が進むにつれて徐々に信じていった。
「まさかゴブリンを操っていたのがアグレイだったとはな」
ナックルがそう言って眉を顰めた。
「……魔物使いなんて存在が本当にいたなんて驚きです」
「ガウ……」
獣使いのアニンもアグレイの正体には驚いていたよ。彼女の獣使いも似たような能力に思えるけど、話を聞いてみると魔物を使役するのは獣を使役するのとはわけが違うらしい。
「……しかし本当にこれだけのだいそれたことをアグレイが一人でやったのだろうか」
キリンが神妙な面持ちで言った。比較的眺めの首を摩りながらなにやら思案している様子だった。
まぁそれは僕も思ったことだけどね。アグレイは最後にあの妙な黒い狼に襲われて死んだわけだし。それに単独でこの規模の仕掛けを施すことは出来るだろうか。
「ねぇ、そのアグレイを殺したのってやっぱり何者かが関与してるんじゃない? もしかしたらその何者かこそが今回の首謀者かもしれないわよ?」
マジュの言葉で僕は考える。確かに言われてみればそんな気もする。僕たちを襲った謎の影――あれはどう考えても普通じゃなかった。狼の形はしていたけれど、最後に地面に溶け込むようにして消えてしまったし。
「どちらにしても一度ここを出てギルドに報告した方がいいだろうね」
リーダーのブレブが言った。それもそうだ。ここに長居してもしょうがない。
「そうと決まれば早くもどるにゃ」
見るにフェレスも大分疲れてそうだね。そして僕たちは元来た道を引き返し始めた。今度は来た時よりもペースを上げてだ。なにせ一刻も早く帰りたいという気持ちが強かったからね。
こうして無事に洞窟を出ることが出来た僕らは急ぎ足で街へと戻ったのだった。
これから出口を探して皆と合流後に経緯を話して来てもらえばいい。
そもそも出口があるのだろうか? という疑問も湧くがアグレイが一緒に落ちてきた以上どこかに脱出できる道を確保していたと考えるべきだ。
問題はその本人が物言わぬ死体となってしまったことだが――言ってももう仕方ないことだ。
ただ出口を探さないといけないのは確か。出口を探す――
「そうだ。標識召喚・案内標識(出口)」
召喚魔法を行使すると矢印の刻まれた長方形の標識が出現した。この標識は空中を浮遊したまま目的に設定した場所に矢印を向けてくれる。
この矢印に沿って移動すれば出口にたどり着くはずだ。
途中幾つか分岐があったが矢印に従って移動すると途中で壁にぶち当たった。だが矢印はその壁を示している。
どうやらこの先に道があるようだ。おそらく何らかの仕掛けが施されているのだろうが僕にはその仕掛けを解くすべがない。
「標識召喚・非常口」
だけど問題なかった。アグレイに閉じ込められた時にも使った標識だ。壁の先に通路が隠されているならこれで抜ける事が出来るはず。
案の定扉を抜けた先に通路があり奥に登り坂が見えた。
「よし。少し急ごう。標識召喚・最低速度20km!」
標識を召喚し掴んだ。定められた速度で標識と一緒に移動する。
「マークにゃ!」
暫く進むと比較的平坦な道に出て更に進んだところでフェレスと再会出来た。
フェレスは僕を見つけると嬉しそうに声を上げて駆け寄ってきてくれた。
心配してくれてたんだ、そう思った直後フェレスが飛び込んできて柔らかい感触に包まれる。
「ふぇ~ん良かったにゃぁ」
「え、えっとフェレスその……」
どうやら僕はフェレスに抱きしめられてるらしい。全身の温度が急上昇してきた。
女の子から受ける抱擁は始めてだ。頭の中がぐるぐるして考えがまとまらない。
「あ、あの、その」
「え? ふにゃッ! つ、つい、にゃ!」
フェレスが恥ずかしそうに飛び退いた。顔を紅くしてなんだか可愛いなって思えてしまった。
「ふむふむ。これはもしかしてお邪魔だったかい?」
そこにブレブの声が届く。見ると今回ゴブリン討伐隊に参加した冒険者たちのリーダーであるブレブの姿があった。
そういえばアグレイを僕と組ませたのはリーダーだったね。
そしてブレブと一緒になって獣使いの少女アニン。筋骨隆々の拳闘士ナックル。女弓士のユニーに女魔法士のマジュ、戦槍士のキリン、女僧侶のエペと全員が勢ぞろいしていた。
よかったアグレイ以外は誰一人欠けていないようだね。
だけど僕とフェレスのやり取りを見てユニーとマジュはニヤニヤしてるんだよね。なんか恥ずかしいなぁ……。
でも皆無事で本当に良かったよ。
さて、それではここから脱出するとしようかな。いつまでもここにいるわけにもいかないからね。
まずはこの洞窟で何が起きたのか皆に説明しないといけないだろう。話はそこからだね。
僕たちは来た道を戻りながらこれまでの経緯を説明することにした。
最初は半信半疑だった皆だったけど僕の話が進むにつれて徐々に信じていった。
「まさかゴブリンを操っていたのがアグレイだったとはな」
ナックルがそう言って眉を顰めた。
「……魔物使いなんて存在が本当にいたなんて驚きです」
「ガウ……」
獣使いのアニンもアグレイの正体には驚いていたよ。彼女の獣使いも似たような能力に思えるけど、話を聞いてみると魔物を使役するのは獣を使役するのとはわけが違うらしい。
「……しかし本当にこれだけのだいそれたことをアグレイが一人でやったのだろうか」
キリンが神妙な面持ちで言った。比較的眺めの首を摩りながらなにやら思案している様子だった。
まぁそれは僕も思ったことだけどね。アグレイは最後にあの妙な黒い狼に襲われて死んだわけだし。それに単独でこの規模の仕掛けを施すことは出来るだろうか。
「ねぇ、そのアグレイを殺したのってやっぱり何者かが関与してるんじゃない? もしかしたらその何者かこそが今回の首謀者かもしれないわよ?」
マジュの言葉で僕は考える。確かに言われてみればそんな気もする。僕たちを襲った謎の影――あれはどう考えても普通じゃなかった。狼の形はしていたけれど、最後に地面に溶け込むようにして消えてしまったし。
「どちらにしても一度ここを出てギルドに報告した方がいいだろうね」
リーダーのブレブが言った。それもそうだ。ここに長居してもしょうがない。
「そうと決まれば早くもどるにゃ」
見るにフェレスも大分疲れてそうだね。そして僕たちは元来た道を引き返し始めた。今度は来た時よりもペースを上げてだ。なにせ一刻も早く帰りたいという気持ちが強かったからね。
こうして無事に洞窟を出ることが出来た僕らは急ぎ足で街へと戻ったのだった。
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