上 下
69 / 82
第二章 冒険者登録編

第68話 講習当日

しおりを挟む
 昨晩は秋月の父親に大分しごかれたけど、目覚めはスッキリしていた。稽古をつけてもらった後にしっかりマッサージを受けたのも大きかったのかもしれない。

 ちなみにマッサージを施してくれたのは秋月の母親だったんだよなぁ。何かそういう資格も持っていたようなんだけど最初は異様に緊張した。

 でもマッサージを受けている間に気持ち良すぎて寝てしまったりもした。俺だけじゃなくてモコ、ラム、マールも受けていたけどやっぱり気持ち良すぎてリラックス出来たのかウトウトしていたし。

 とにかくそんなわけで体調も万全な状態で講習に挑めることになったわけだ。しかも朝から秋月が迎えに来てくれて車で会場まで送ってくれることになったんだ。

「昨晩はよく眠れましたか?」
「あぁ。あれだけの稽古の後だけど何だか全身軽いんだよな」
「そっか。お母さんの整体はやっぱり凄いよね。私も習おうかな……」
「うん? それはやっぱり門下生の為に?」
「…………」

 あれ? 何か急に視線が冷ややかになったような――き、気のせいかな。

「そ、そういえば動画はどうかな? あれから伸びてる?」
「あ、うん。メインの動画も投稿したけどこっちもかなり伸びててもうすぐ100万再生いくかも!」

 興奮気味に秋月が教えてくれた。

「おお~それは良かった」
「うん。皆のおかげだよ~ありがとうね」
「ワウ!」
「ピキッ!」
「マァ♪」

 秋月から御礼を言われて三匹は嬉しそうにしていた。動画が伸びたのも皆の協力があってこそだよなぁ。何より三匹の可愛らしさが視聴者を惹きつけたのだろうし。

「えっとこのあたりかな?」
 そうこうしているうちに講習を行う会場近くまできた。秋月が案内マップを見ながら探していた。

「あそこじゃないかな」
「あ、そうだね!」

 俺が指さした方を見てハッとした顔で秋月が答えた。そこには冒険者用の講習会場という案内表記があったからな。

 その後は会場の前で車をとめてくれたので俺は皆と一緒に降りた。ここからは講習の予約をした俺とテイムしたモンスターしか入れないから秋月はここまでとなる。

「私はここまでしか見送れないですが頑張ってくださいね」
「うん。ありがとう行ってくるよ」
「はい。あ、終わったら呼んでくださいね」
「いや、帰りまでお願いするのは」
「駄目ですよ! ただでさえ目立ってるんですからね。それに可能なら講習が終わった後の様子も撮りたいので」

 そういうことか。講習の事も配信するのは決まっていたからな。

「それじゃあ皆~講習ファイト!」
「ワオン!」
「ピキィ~!」
「マッ!」

 秋月が撮影している中でモコ、ラム、マールの三匹がポーズを決めていた。う~んノリノリだな。

「よし行くか」
「あの~そのモンスターは貴方の従魔ですか?」
 
 会場に入ろうとすると横から声が掛かった。見ると三人組の女性が立っていた。

「えっと貴方たちは?」
「私たちも今日ここで講習をうけるのですが、可愛らしいモンスターがいてつい」
「こんなに小さくて可愛いモンスターは初めて見たかも」
「あ、でも私最近動画で見たかも! 可愛いですよね~」
「ワン♪」
「ピキィ♪」
「マァ~♪」

 三人組の女性から可愛いと連呼されて三匹が嬉しそうだ。彼女たちも目を輝かせているし三匹に夢中みたいだな。

「あの、写真を撮ってもいいですか?」
「別に構わないけど」
「あ、それなら一緒にどうですか?」
「え? 俺も?」

 三人がスマフォのカメラでパシャパシャと撮影していった。可愛い可愛いと連呼していたが。

「ゴホンッ。風間さぁ~ん。こんなことしていて大丈夫なんですか?」
「え? あ、そうだ。君たちも講習遅れたら、ま、不味いよね?」
「あ、そうだ!」
「いけない!」
「急がないと!」
 
 そして彼女たちが会場に走っていった。

「良かったですね風間さん。モテモテで」
「あ、いやこれは俺じゃなくてモコたちに興味を持っていたわけで」

 な、なんだろう? 秋月の笑顔が怖いんだが――

「全く。デレデレしすぎて失敗しないでくださいよ」
「いや、デレデレなんてしてないって。それじゃあ俺たちも行くよ!」
「はい。気を付けて!」

 そして改めて秋月に見送られながら俺たちは会場入りすることとなった――
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

クラス転移で手に入れた『天性』がガチャだった件~落ちこぼれな俺がみんなまとめて最強にします~

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
阿久津雄介とそのクラスメイトは、最弱国家グルストンに勇者として召喚された。 ──天性なる能力を授けられ、世界を支配するドラグネス皇国の考案した遊戯、勇者大戦なる競技の強化選手として抜擢されていく。 しかし雄介の手に入れた能力はガチャ。 他にも戦力とは程遠い能力を授かるものと共に補欠として扱われた。 日々成長していくレギュラー入りしたクラスメイト達。 置いていかれる環境に、自分達もなんとかしようと立ち上がる雄介達。何もできない、なんの役にも立たないと思われた力で雄介達はほんの僅かな手応えを感じていた。 それから少しづつ、自分たちの力を高める為に冒険者の真似事をしていくことに。 目指すはクラスメイトの背中。 ゆくゆくはレギュラー入りと思っていたが…… その矢先にドラグネス皇国からの手先が現れる。 ドラゴン。グルストン王国には生息してない最強の種族が群を率いてやってきた。 雄介達は王命により、ドラゴン達の足止め役を引き受けることになる。 「別に足止めじゃなく倒しちゃってもいいんですよね?」 「できるものならな(可哀想に、恐怖から幻想が見えているんだろうな)」 使えない天性、大人の一般平均値を下回る能力値を持つ補欠組は、世界の支配者であるドラグネス皇国の尖兵をうまく蹴散らすことができるのか? ┏━━━━━━━━━┓ ┃書籍1〜3巻発売中 ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ========================================== 【2021.09.05】 ・本編完結(第一部完) 【2023.02.14追記】 ・新しく第二部を準備中です。もう少しお待ちください。 (書籍三巻の続き〜)を予定しています。 【2023.02.15追記】 ・SSはEXTRAからお引越し、書籍用のSS没案集です。 ・追加で増えるかも? ・書籍用の登場人物表を追記しました。 【2023.02.16追記】 ・書籍における雄介の能力変更をおまけに追記しました。 【2023.03.01〜】 ・五章公開 【2023.04.01〜】 ・WEB版の大雑把なあらすじ公開(書籍版とは異なります) ==========================================

門番として20年勤めていましたが、不当解雇により国を出ます ~唯一無二の魔獣キラーを追放した祖国は魔獣に蹂躙されているようです~

渡琉兎
ファンタジー
15歳から20年もの間、王都の門番として勤めていたレインズは、国民性もあって自らのスキル魔獣キラーが忌避され続けた結果――不当解雇されてしまう。 最初は途方にくれたものの、すぐに自分を必要としてくれる人を探すべく国を出る決意をする。 そんな折、移住者を探す一人の女性との出会いがレインズの運命を大きく変える事になったのだった。 相棒の獣魔、SSSランクのデンと共に、レインズは海を渡り第二の故郷を探す旅に出る! ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、で掲載しています。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

勇者を否定されて追放されたため使いどころを失った、勇者の証しの無駄遣い

網野ホウ
ファンタジー
「勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした」から改題しました。 ※小説家になろうで先行連載してます。 何の取り柄もない凡人の三波新は、異世界に勇者として召喚された。 他の勇者たちと力を合わせないと魔王を討伐できず、それぞれの世界に帰ることもできない。 しかし召喚術を用いた大司祭とそれを命じた国王から、その能力故に新のみが疎まれ、追放された。 勇者であることも能力のことも、そして異世界のことも一切知らされていない新は、現実世界に戻る方法が見つかるまで、右も左も分からない異世界で生活していかなければならない。 そんな新が持っている能力とは? そんな新が見つけた仕事とは? 戻り方があるかどうか分からないこの異世界でのスローライフ、スタートです。

ダンジョンが出現して世界が変わっても、俺は準備万端で世界を生き抜く

ごま塩風味
ファンタジー
人間不信になり。 人里離れた温泉旅館を買い取り。 宝くじで当たったお金でスローライフを送るつもりがダンジョンを見付けてしまう、しかし主人公はしらなかった。 世界中にダンジョンが出現して要る事を、そして近いうちに世界がモンスターで溢れる事を、しかし主人公は知ってしまった。 だが主人公はボッチで誰にも告げず。 主人公は一人でサバイバルをしようと決意する中、人と出会い。 宝くじのお金を使い着々と準備をしていく。 主人公は生き残れるのか。 主人公は誰も助け無いのか。世界がモンスターで溢れる世界はどうなるのか。 タイトルを変更しました

処理中です...