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第二章 冒険者登録編
第35話 山守の家に行く
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「あ、電話!」
冒険者ギルドを出て駐車場まで来たところで山守が声を上げた。どうやらスマフォに着信があったようだ。
「俺たちの事は気にしないで出るといいよ」
「ありがとうございます」
そして少し俺たちから離れて山守がスマフォを取り出し耳に当てた。
「うん。私は大丈夫だよ。山もちゃんと管理するから。うん、ちょっと今は人と一緒なんだけど、実は山でね――う~んわかった一緒に行けたら行くね」
どうやら通話が終わったようだ。山守がパタパタとこっちに戻って来る。
「ごめんなさい風間さん。突然なんですが帰りにこのまま実家に寄ってもいいですか?」
「えっと、それなら俺たちは適当に帰ってもいいけど」
家族水入らずのところに邪魔するのも申し訳ないからな。既に仮登録も済ませたし帰りに公共機関を使っても問題ないかなとは思うし。
「それが話の流れでダンジョンで暮らす人が増えたと伝えたら会っておきたいって言うので……」
あぁなるほど。確かにこれからあのダンジョンにはお世話になるわけだしな。山守がダンジョンの所有者である以上、両親が気にするのも当然か。
「そういうことなら、迷惑でないなら挨拶させてもらうよ」
「ワン♪」
「ピキィ~♪」
俺がそう口にするとすかさずモコとラムも嬉しそうにしていた。二匹とも山守にも懐いているからな。なんとなくその家に行けると察して喜んでいるのかもしれない。
そして俺たちは山守の運転する車で山守の実家に向かった。山守の実家は中山町にあるようだ。
中山町は陰蔵山のある陰蔵町と陽輝山のある陽輝町の間にある地域だ。だから俺が今過ごしているダンジョンからでもそこまで遠いわけではない。
勿論徒歩だと結構な距離になるけどな。車ならそこまでではないと思う。
「ここが私の実家です」
「へぇ、これはなかなか風情ある作りだな」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
山守の実家は昔ながらの日本家屋といった様相の屋敷だった。手入れが行き届いているのか年季は感じるも外観はとても綺麗である。
頑丈そうな門も備わっていて風格さえ感じられる。モコとラムも興味津々といった様子だ。
しかし山を譲り受けたりと、落葉の爺さん結構な資産家だったのだろうか? なんかちょっと緊張してきたぞ。
「俺なんて家に上がっちゃって大丈夫なのかな?」
「大丈夫ですよ。別に家族は普通ですから」
笑いながら返す山守。とりあえずここまで来たのだから挨拶はしっかりしないとな。
……てか、ついそのまま来ちゃったけど菓子折りの一つぐらい持ってくるべきだったな。うっかりしてた。
「俺、やっぱり何か買ってきた方がよくないか?」
「本当に気にしないで大丈夫ですから!」
そして俺は山守に引っ張られる形で家にお邪魔することになったわけだが。
「お姉ちゃんお帰り~!」
「ワウワウワウワウ!」
門を抜けると正面から大きな犬とその背中に乗った女の子が駆け寄ってきた。何だろうどことなくデジャブが、て、あれ? この子?
「ただいま紅葉。菊郎は今日も元気だね」
「ワオン!」
「あれ? お姉ちゃんそっちのお兄ちゃんって?」
山守が笑顔で菊郎の頭を撫でた。この名前、それに紅葉という女の子――思い出した! そして紅葉もこっちを見て目を瞬かせていた。
「あ~~~~! 前にあったお兄ちゃんと可愛いモコちゃんだ~~!」
やっぱりそうだったか。つまり前にこの子のお母さんが話していた山を受け継いだ姉というのが山守の事だったんだな――そう考えると合点がいくな。しかし意外なところで繋がりがあったもんだなぁ――
冒険者ギルドを出て駐車場まで来たところで山守が声を上げた。どうやらスマフォに着信があったようだ。
「俺たちの事は気にしないで出るといいよ」
「ありがとうございます」
そして少し俺たちから離れて山守がスマフォを取り出し耳に当てた。
「うん。私は大丈夫だよ。山もちゃんと管理するから。うん、ちょっと今は人と一緒なんだけど、実は山でね――う~んわかった一緒に行けたら行くね」
どうやら通話が終わったようだ。山守がパタパタとこっちに戻って来る。
「ごめんなさい風間さん。突然なんですが帰りにこのまま実家に寄ってもいいですか?」
「えっと、それなら俺たちは適当に帰ってもいいけど」
家族水入らずのところに邪魔するのも申し訳ないからな。既に仮登録も済ませたし帰りに公共機関を使っても問題ないかなとは思うし。
「それが話の流れでダンジョンで暮らす人が増えたと伝えたら会っておきたいって言うので……」
あぁなるほど。確かにこれからあのダンジョンにはお世話になるわけだしな。山守がダンジョンの所有者である以上、両親が気にするのも当然か。
「そういうことなら、迷惑でないなら挨拶させてもらうよ」
「ワン♪」
「ピキィ~♪」
俺がそう口にするとすかさずモコとラムも嬉しそうにしていた。二匹とも山守にも懐いているからな。なんとなくその家に行けると察して喜んでいるのかもしれない。
そして俺たちは山守の運転する車で山守の実家に向かった。山守の実家は中山町にあるようだ。
中山町は陰蔵山のある陰蔵町と陽輝山のある陽輝町の間にある地域だ。だから俺が今過ごしているダンジョンからでもそこまで遠いわけではない。
勿論徒歩だと結構な距離になるけどな。車ならそこまでではないと思う。
「ここが私の実家です」
「へぇ、これはなかなか風情ある作りだな」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
山守の実家は昔ながらの日本家屋といった様相の屋敷だった。手入れが行き届いているのか年季は感じるも外観はとても綺麗である。
頑丈そうな門も備わっていて風格さえ感じられる。モコとラムも興味津々といった様子だ。
しかし山を譲り受けたりと、落葉の爺さん結構な資産家だったのだろうか? なんかちょっと緊張してきたぞ。
「俺なんて家に上がっちゃって大丈夫なのかな?」
「大丈夫ですよ。別に家族は普通ですから」
笑いながら返す山守。とりあえずここまで来たのだから挨拶はしっかりしないとな。
……てか、ついそのまま来ちゃったけど菓子折りの一つぐらい持ってくるべきだったな。うっかりしてた。
「俺、やっぱり何か買ってきた方がよくないか?」
「本当に気にしないで大丈夫ですから!」
そして俺は山守に引っ張られる形で家にお邪魔することになったわけだが。
「お姉ちゃんお帰り~!」
「ワウワウワウワウ!」
門を抜けると正面から大きな犬とその背中に乗った女の子が駆け寄ってきた。何だろうどことなくデジャブが、て、あれ? この子?
「ただいま紅葉。菊郎は今日も元気だね」
「ワオン!」
「あれ? お姉ちゃんそっちのお兄ちゃんって?」
山守が笑顔で菊郎の頭を撫でた。この名前、それに紅葉という女の子――思い出した! そして紅葉もこっちを見て目を瞬かせていた。
「あ~~~~! 前にあったお兄ちゃんと可愛いモコちゃんだ~~!」
やっぱりそうだったか。つまり前にこの子のお母さんが話していた山を受け継いだ姉というのが山守の事だったんだな――そう考えると合点がいくな。しかし意外なところで繋がりがあったもんだなぁ――
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