53 / 158
第四章 転生忍者魔法大会編
四-二話 転生忍者、ミモザの様子を知りロイスについて聞かれる
しおりを挟む
ゼンラが全裸でやってきた。いつものことだけどな! マントを羽織ってたが前を出してたら意味がないだろう!
「本当にあんたは。しっかり前は閉めなさい」
「ふむ。何故だ!」
「だから何故だじゃないでしょう」
そして我らが救世主マシムがやってきた。何とマシムはゼンラのマントを見事に閉めさせたのだ。
一瞬感動しかけたがとても当たり前のことだった。あとゼンラが前を開けた瞬間やはりデトラに目を塞がれた。
「全くやれやれだぜ」
「デック。お前鼻血出てるぞ」
デックが横を向いて袖でごしごし顔を擦った。デトラの目が冷たいぞ。
「それよりもちゃんと伝えることを伝えなさいよ」
「うむそうであったな。どうやら我が弟子ミモザの事を心配してくれているようだが安心するがいいぞ! ミモザは私の下で今も元気で全裸だ!」
「えぇえぇええ!」
デックが目玉飛び出んばかりに驚いていた。くそっ、もう本格的に意味がわからないぞ。
「ずっと何も着てないなんてそんなにショックだったのミモザさん!」
「……落ち着けデトラ」
あたふたしてるデトラをマグが宥める。全裸かどうかはともかくゼンラの話だけきくには意外と元気なのかもしれない。
「今は少しでも気を紛らわしたいと私の全裸流の剣術に取り組んでいる。だから安心したまえ! 全裸待機していればいずれ顔を見せるだろう」
「ぜ、ぜぜ、全裸、た、待機?」
「……デトラ。もうコイツの言葉に耳を傾けるな」
マグが本気でデトラを心配している。精神的な意味でな!
「そもそも全裸流ってなんだよ……」
「おお! 興味あるのか全裸ある若者。全裸流の全裸の呼吸に!」
「ねぇよ」
明らかに怪しい剣術にしか思えないぞ。全裸で呼吸とか。
「ま、安心しなさい。ゼンラは言動こそ怪しいしすぐに全裸になりたがる変態だけど面倒見はいいのよ」
「安心できる要素が皆無なのじゃ」
カグヤの突っ込みは的確だ。そもそも話が繋がらん!
「それより貴方の方はどうなの?」
「俺? 特に何もないが」
「そう? 色々ややこしい事になってそうだけど……」
マシムがちらっと女の子達を見た。何故そっちを?
「ウキィ」
「ガウガウ」
俺を見て何故かエンコウとマガミが呆れたような顔を見せた。何故だ。
「それと――貴方の兄はどうなの?」
「あぁ……まだ部屋に閉じこもってるよ。全く自分の家でもないってのに」
大叔父が捕まり大会の決勝も中止になった。もっともロイスとの決着自体は準決勝でついている。
ただ色々あったからな。大叔父のこともだが俺に負けたのもあいつにとってはショックだったんだろう。それで引きこもってちゃ世話ないが。
「――そう。貴方はしっかり話した?」
「は? なんで俺が……」
「大事なことよ。貴方にも色々あったんでしょうけど、どんなことでも話せる内に話しておくべき。失ってから気がついても……遅いんだからね」
そう言ったマシムが遠い目を見せた。今の言葉まるで自分に言い聞かせるようでもあったな……
「ま、ここから先はあなた次第ね。それとゼンラまだ大事なことがあったんじゃない?」
「うむ。そうであったな。メラク殿だが町を出た。弟でもあるラグールの件で動いてもらうためだ。私の父とも会って話すことだろう。アッハッハ!」
ち、父。こいつにも父がいるのか。いや、そりゃそうか。
「あとチェストくんもついていったみたいよ。なんだかんだでメラク様も認めたみたいね」
おお! やったなチェスト。あの粘り強さの勝利か。メラクにも何か思うとこがあったのかもだけど。
「何れまた貴方達にも話は聞くことになると思うわ。その時は宜しくね」
「あぁ勿論協力はするさ」
そしてゼンラとマシムはギルドに戻っていた。まだやることがあるようだ。やはりあいつのことがあって忙しないのだろう。
さてと、後はこれからどうするかだが、ロイスのことか……全く妙なことを言い残していくな。
「あ! いた!」
うん? 声がしてなんだろうと思いきやバーモンドが小走りでやってきた。相変わらず歯が出てるな。
「ジン! ロイス様はロイス様の体調はどうなのですか!」
バーモンドが心配そうに俺に聞いてきた。何だこいつロイスのこと心配してるのか?
意外だなもっとドライな関係かと思ったのに。
「部屋に籠もってるよ。体は元気だと思うから心配いらないと思うけどさ」
「何を言ってるんですか! もしかしたら体調を崩しているかもしれないのにそれでも弟ですか!」
「いや、そう言われても……」
「とにかくさっさと行くですよ!」
「は? 行くってどこに?」
「ロイス様のお見舞いですよ! さぁ貴方達も早く!」
おいおい、何か急にバーモンドが主導権を握りだしたんだが――
「本当にあんたは。しっかり前は閉めなさい」
「ふむ。何故だ!」
「だから何故だじゃないでしょう」
そして我らが救世主マシムがやってきた。何とマシムはゼンラのマントを見事に閉めさせたのだ。
一瞬感動しかけたがとても当たり前のことだった。あとゼンラが前を開けた瞬間やはりデトラに目を塞がれた。
「全くやれやれだぜ」
「デック。お前鼻血出てるぞ」
デックが横を向いて袖でごしごし顔を擦った。デトラの目が冷たいぞ。
「それよりもちゃんと伝えることを伝えなさいよ」
「うむそうであったな。どうやら我が弟子ミモザの事を心配してくれているようだが安心するがいいぞ! ミモザは私の下で今も元気で全裸だ!」
「えぇえぇええ!」
デックが目玉飛び出んばかりに驚いていた。くそっ、もう本格的に意味がわからないぞ。
「ずっと何も着てないなんてそんなにショックだったのミモザさん!」
「……落ち着けデトラ」
あたふたしてるデトラをマグが宥める。全裸かどうかはともかくゼンラの話だけきくには意外と元気なのかもしれない。
「今は少しでも気を紛らわしたいと私の全裸流の剣術に取り組んでいる。だから安心したまえ! 全裸待機していればいずれ顔を見せるだろう」
「ぜ、ぜぜ、全裸、た、待機?」
「……デトラ。もうコイツの言葉に耳を傾けるな」
マグが本気でデトラを心配している。精神的な意味でな!
「そもそも全裸流ってなんだよ……」
「おお! 興味あるのか全裸ある若者。全裸流の全裸の呼吸に!」
「ねぇよ」
明らかに怪しい剣術にしか思えないぞ。全裸で呼吸とか。
「ま、安心しなさい。ゼンラは言動こそ怪しいしすぐに全裸になりたがる変態だけど面倒見はいいのよ」
「安心できる要素が皆無なのじゃ」
カグヤの突っ込みは的確だ。そもそも話が繋がらん!
「それより貴方の方はどうなの?」
「俺? 特に何もないが」
「そう? 色々ややこしい事になってそうだけど……」
マシムがちらっと女の子達を見た。何故そっちを?
「ウキィ」
「ガウガウ」
俺を見て何故かエンコウとマガミが呆れたような顔を見せた。何故だ。
「それと――貴方の兄はどうなの?」
「あぁ……まだ部屋に閉じこもってるよ。全く自分の家でもないってのに」
大叔父が捕まり大会の決勝も中止になった。もっともロイスとの決着自体は準決勝でついている。
ただ色々あったからな。大叔父のこともだが俺に負けたのもあいつにとってはショックだったんだろう。それで引きこもってちゃ世話ないが。
「――そう。貴方はしっかり話した?」
「は? なんで俺が……」
「大事なことよ。貴方にも色々あったんでしょうけど、どんなことでも話せる内に話しておくべき。失ってから気がついても……遅いんだからね」
そう言ったマシムが遠い目を見せた。今の言葉まるで自分に言い聞かせるようでもあったな……
「ま、ここから先はあなた次第ね。それとゼンラまだ大事なことがあったんじゃない?」
「うむ。そうであったな。メラク殿だが町を出た。弟でもあるラグールの件で動いてもらうためだ。私の父とも会って話すことだろう。アッハッハ!」
ち、父。こいつにも父がいるのか。いや、そりゃそうか。
「あとチェストくんもついていったみたいよ。なんだかんだでメラク様も認めたみたいね」
おお! やったなチェスト。あの粘り強さの勝利か。メラクにも何か思うとこがあったのかもだけど。
「何れまた貴方達にも話は聞くことになると思うわ。その時は宜しくね」
「あぁ勿論協力はするさ」
そしてゼンラとマシムはギルドに戻っていた。まだやることがあるようだ。やはりあいつのことがあって忙しないのだろう。
さてと、後はこれからどうするかだが、ロイスのことか……全く妙なことを言い残していくな。
「あ! いた!」
うん? 声がしてなんだろうと思いきやバーモンドが小走りでやってきた。相変わらず歯が出てるな。
「ジン! ロイス様はロイス様の体調はどうなのですか!」
バーモンドが心配そうに俺に聞いてきた。何だこいつロイスのこと心配してるのか?
意外だなもっとドライな関係かと思ったのに。
「部屋に籠もってるよ。体は元気だと思うから心配いらないと思うけどさ」
「何を言ってるんですか! もしかしたら体調を崩しているかもしれないのにそれでも弟ですか!」
「いや、そう言われても……」
「とにかくさっさと行くですよ!」
「は? 行くってどこに?」
「ロイス様のお見舞いですよ! さぁ貴方達も早く!」
おいおい、何か急にバーモンドが主導権を握りだしたんだが――
1
お気に入りに追加
5,964
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】ふしだらな母親の娘は、私なのでしょうか?
イチモンジ・ルル
恋愛
奪われ続けた少女に届いた未知の熱が、すべてを変える――
「ふしだら」と汚名を着せられた母。
その罪を背負わされ、虐げられてきた少女ノンナ。幼い頃から政略結婚に縛られ、美貌も才能も奪われ、父の愛すら失った彼女。だが、ある日奪われた魔法の力を取り戻し、信じられる仲間と共に立ち上がる。
歪められた世界で、隠された真実を暴き、奪われた人生を新たな未来に変えていく。
――これは、過去の呪縛に立ち向かい、愛と希望を掴み、自らの手で未来を切り開く少女の戦いと成長の物語――
旧タイトル ふしだらと言われた母親の娘は、実は私ではありません
他サイトにも投稿。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。