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第五章 転生忍者吸血鬼出現編
第三百二十一話 転生忍者、ドルドに一撃!?
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ドルドが高々と上空にふっ飛ばされた。派手な飛び方だな。
「ガウガウ!」
「……よしよし」
そしてマグの前でパタパタと尻尾を振るマガミをマグが撫でていた。
結果的にマガミの活躍でマグも助かったしな。
しかし今の技、俺も初めて見るな。マガミが編み出した新技ってところか。密かに特訓してたんだろうか?
だとしたらなんて健気な努力家なのか。後で俺からもしっかりもふっておこう。
さて、今のダメージは流石に軽くはないはずだ。だけど、奴は地面に落ちてこなかった。見上げるとまた毒々しい色の翼を生やして空中で留まり俺たちを見下ろしてきていた。
「はは、やっぱり害虫はしぶといな」
「黙れ、貴様らよくも、よくもやってくれたな。この私をここまで苔にしおって! 許さぬぞ絶対に許さぬぞぉおぉおおぉおおおお!」
そして絶叫する。随分と怒り心頭のようだが、あいつの手の内はもうわかった。確かに俺は今力が封印されているが、マグもマガミもいる以上負ける道理がない。
「できれば使いたくはなかったが……いいことを教えてやろう。今宵満月のこの晩に私と戦った時点でお前たちに勝機などない!」
ドルドが声高々に言い放った。しかし、満月? わざわざそれを強調するとは、一体何を企んでいる?
「はぁああぁあぁあああ!」
すると両手を握りしめて力を溜め始めた。この感覚、何か嫌な予感がする。
「マグ! さっさと倒すぞ!」
「……ンッ!」
空で何やら企んでいるドルドに向かって俺とマグが忍法と魔法で撃墜を計る。
「もう遅い! フルムーンブラッド!」
だが、奴がそれを口にした途端――奴の様子が変化した。肌が血のように真っ赤に染まり、そして発せられる圧も桁違いに膨れ上がった。
「うぉおおぉおおぉおお!」
声を上げドルドが爪を伸ばし、俺とマグの忍法と魔法を切り裂いた。
そして空中を蹴り滑降してきたが、速い!
「ジン!」
「チッ!」
「ハァアァアアァアァアアアァアアアアアァアアアアアアアアアアァアァア!」
俺の目の前に来たドルドの猛攻が続く。取り出したフセットとリングナイフで応じるが手数が多い!
くっ! 両腕を交差させるような一撃。避けきれず俺は後方に飛ばされた。
「まだまだぁああ!」
ダメージはまだ問題はない。回転して着地したが、その時俺の目に映ったのは、巨大な鬼のように変化した奴の不浄だった。しかもとんでもない両の腕を生やしたな。
「これで終わりだ――」
奴が呟くと同時に圧倒的物量の不浄の腕が周囲を問答無用で破壊していった。くっ、だから自然に優しくなさすぎだろと――
◇◆◇
sideドルド
「やったか――」
周囲を眺める。木々は全て私の不浄にやられて破壊されそしてボロボロに腐り落ちていった。
当然だ。わざわざフルムーンブラッドを使ったのだからな。これは満月の夜。限定で使える吸血鬼の奥義みたいなものだ。
満月の夜は吸血鬼の血が騒ぐ。それを開放するのがこの技だ。だが欠点がないわけではない。満月限定のこれは朝になると当然その力が失われるが、その際の反動があまりに大きいのだ。
だからできれば使いたくなかったがもうそんなことを言っていられる状態ではなかった。くっ、しかしあんな劣等種とあきらかに弱体化していた餓鬼に遅れを取るとは我ながら情けない。
やはり、銀狼の存在が邪魔だったな。銀狼の遠吠えは我らの力を落とす。
しかし、ふふ。上手く言ったな。あの劣等種の女も銀狼も倒れている。まだ息はありそうだがな。全くしぶとい塵だ。
まぁいい。一番厄介なあの餓鬼の姿はない。きっと私の攻撃で消し飛んだのだろう。
あとは残った連中などどうとでも――
「忍法・烈火弾!」
「フンッ!」
はは、やっぱりくたばっているわけなかったか。
何となくそんな気はしていたぞ。
「あちゃ~奇襲は失敗したか」
「いまのが奇襲だと? そんなへなちょこな魔法しか使えないとはそろそろ限界なようだな?」
飛んできた火球は爪で切り裂いてやった。
こんな物、今の私には脅威でもなんでもない。
「はぁ、しんど。ねぇ、思ったんだけど一旦休戦にしない?」
「は?」
何だこいつは? 一体どういうつもりだ?
いや、そうやって油断させるつもりか。よく見ると妙に気だるそうな顔をしているし、敢えてやる気のなさそうな姿で油断させるつもりか。
くくっ、だとしたらガッカリだ。そんな稚拙な策に頼るほか無いとはな。だが、それはそれで面白そうだ。
「そうか。いいぞその話に乗ってやっても」
「何! 本当か?」
「勿論だ。だがただとはいかんな。代わりにあの女、カグヤと言ったか。あれを差し出せ。それと交換条件で」
「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇえぇええぇえ!」
は? な、何だこいつは! 急にやる気を出して、やはり作戦だったのか?
いや、だとしても本性を表すのが早すぎだろう。
「おらぁああぁあああ!」
チッ、さっきまでやる気のなさそうな顔をしていた分際で、この乱打か。だが――
「舐めるなクソガキが!」
「グハッ!」
不浄の腕で殴りつける。そして怯んだところに一気に連打連打連打だ!
「はっはっは、所詮貴様が今の私に勝つなど不可能不可能不可能不可能不可能、無駄なのだ! 無駄! 無駄! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄なのだぁああぁあああああ!」
「ガハッ!」
私が生み出した大量の不浄の拳を一身に受けたジンが吹っ飛んでいく。体が不浄に侵されボロボロに崩れていくのが見えた。はは、そうだ今の私の攻撃を受けて無事でいるわけもない。
これであの小生意気な餓鬼もジ・エンド。
「はは、終わりだ、お前はもう、お・わ・り・な・の・だ!」
そう、私が確信したその時だった。
「全く、面倒クセェ。損な役回りさせやがって。ここまでやってやったんだからしっかりやりやがれよ」
そう言い残し、奴がボンッと煙となって消えてしまった。は? 消えた?
「終わりはぁあああぁああああ!」
「な、何だと!?」
馬鹿な、何故だ、何故貴様が!
「お前だぁああぁ!」
「馬鹿な! 何故貴様が後ろにいるのだ!」
◇◆◇
よくやったな俺! 全くやる気出してくれるか不安だったか、マグを助けられるのはお前だけだと言ったらやる気を出してくれた。
そう俺の影分身がな! そしてあと残ったのはお前だけ! だからこの一撃で決める!
忍法はなしだ! こんなときこそ単純なのが一番強い! チャクラを全て右腕に集中して――
「喰らいやがれぇえええ! 忍・羅・万・掌ォオォオオ!」
「グボォオオォオォオオオオオ!」
そして俺の全身全霊の一撃を受け、ドルドの体に風穴が空き、血反吐を撒き散らしながら吹き飛んでいった――
「ガウガウ!」
「……よしよし」
そしてマグの前でパタパタと尻尾を振るマガミをマグが撫でていた。
結果的にマガミの活躍でマグも助かったしな。
しかし今の技、俺も初めて見るな。マガミが編み出した新技ってところか。密かに特訓してたんだろうか?
だとしたらなんて健気な努力家なのか。後で俺からもしっかりもふっておこう。
さて、今のダメージは流石に軽くはないはずだ。だけど、奴は地面に落ちてこなかった。見上げるとまた毒々しい色の翼を生やして空中で留まり俺たちを見下ろしてきていた。
「はは、やっぱり害虫はしぶといな」
「黙れ、貴様らよくも、よくもやってくれたな。この私をここまで苔にしおって! 許さぬぞ絶対に許さぬぞぉおぉおおぉおおおお!」
そして絶叫する。随分と怒り心頭のようだが、あいつの手の内はもうわかった。確かに俺は今力が封印されているが、マグもマガミもいる以上負ける道理がない。
「できれば使いたくはなかったが……いいことを教えてやろう。今宵満月のこの晩に私と戦った時点でお前たちに勝機などない!」
ドルドが声高々に言い放った。しかし、満月? わざわざそれを強調するとは、一体何を企んでいる?
「はぁああぁあぁあああ!」
すると両手を握りしめて力を溜め始めた。この感覚、何か嫌な予感がする。
「マグ! さっさと倒すぞ!」
「……ンッ!」
空で何やら企んでいるドルドに向かって俺とマグが忍法と魔法で撃墜を計る。
「もう遅い! フルムーンブラッド!」
だが、奴がそれを口にした途端――奴の様子が変化した。肌が血のように真っ赤に染まり、そして発せられる圧も桁違いに膨れ上がった。
「うぉおおぉおおぉおお!」
声を上げドルドが爪を伸ばし、俺とマグの忍法と魔法を切り裂いた。
そして空中を蹴り滑降してきたが、速い!
「ジン!」
「チッ!」
「ハァアァアアァアァアアアァアアアアアァアアアアアアアアアアァアァア!」
俺の目の前に来たドルドの猛攻が続く。取り出したフセットとリングナイフで応じるが手数が多い!
くっ! 両腕を交差させるような一撃。避けきれず俺は後方に飛ばされた。
「まだまだぁああ!」
ダメージはまだ問題はない。回転して着地したが、その時俺の目に映ったのは、巨大な鬼のように変化した奴の不浄だった。しかもとんでもない両の腕を生やしたな。
「これで終わりだ――」
奴が呟くと同時に圧倒的物量の不浄の腕が周囲を問答無用で破壊していった。くっ、だから自然に優しくなさすぎだろと――
◇◆◇
sideドルド
「やったか――」
周囲を眺める。木々は全て私の不浄にやられて破壊されそしてボロボロに腐り落ちていった。
当然だ。わざわざフルムーンブラッドを使ったのだからな。これは満月の夜。限定で使える吸血鬼の奥義みたいなものだ。
満月の夜は吸血鬼の血が騒ぐ。それを開放するのがこの技だ。だが欠点がないわけではない。満月限定のこれは朝になると当然その力が失われるが、その際の反動があまりに大きいのだ。
だからできれば使いたくなかったがもうそんなことを言っていられる状態ではなかった。くっ、しかしあんな劣等種とあきらかに弱体化していた餓鬼に遅れを取るとは我ながら情けない。
やはり、銀狼の存在が邪魔だったな。銀狼の遠吠えは我らの力を落とす。
しかし、ふふ。上手く言ったな。あの劣等種の女も銀狼も倒れている。まだ息はありそうだがな。全くしぶとい塵だ。
まぁいい。一番厄介なあの餓鬼の姿はない。きっと私の攻撃で消し飛んだのだろう。
あとは残った連中などどうとでも――
「忍法・烈火弾!」
「フンッ!」
はは、やっぱりくたばっているわけなかったか。
何となくそんな気はしていたぞ。
「あちゃ~奇襲は失敗したか」
「いまのが奇襲だと? そんなへなちょこな魔法しか使えないとはそろそろ限界なようだな?」
飛んできた火球は爪で切り裂いてやった。
こんな物、今の私には脅威でもなんでもない。
「はぁ、しんど。ねぇ、思ったんだけど一旦休戦にしない?」
「は?」
何だこいつは? 一体どういうつもりだ?
いや、そうやって油断させるつもりか。よく見ると妙に気だるそうな顔をしているし、敢えてやる気のなさそうな姿で油断させるつもりか。
くくっ、だとしたらガッカリだ。そんな稚拙な策に頼るほか無いとはな。だが、それはそれで面白そうだ。
「そうか。いいぞその話に乗ってやっても」
「何! 本当か?」
「勿論だ。だがただとはいかんな。代わりにあの女、カグヤと言ったか。あれを差し出せ。それと交換条件で」
「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇえぇええぇえ!」
は? な、何だこいつは! 急にやる気を出して、やはり作戦だったのか?
いや、だとしても本性を表すのが早すぎだろう。
「おらぁああぁあああ!」
チッ、さっきまでやる気のなさそうな顔をしていた分際で、この乱打か。だが――
「舐めるなクソガキが!」
「グハッ!」
不浄の腕で殴りつける。そして怯んだところに一気に連打連打連打だ!
「はっはっは、所詮貴様が今の私に勝つなど不可能不可能不可能不可能不可能、無駄なのだ! 無駄! 無駄! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄なのだぁああぁあああああ!」
「ガハッ!」
私が生み出した大量の不浄の拳を一身に受けたジンが吹っ飛んでいく。体が不浄に侵されボロボロに崩れていくのが見えた。はは、そうだ今の私の攻撃を受けて無事でいるわけもない。
これであの小生意気な餓鬼もジ・エンド。
「はは、終わりだ、お前はもう、お・わ・り・な・の・だ!」
そう、私が確信したその時だった。
「全く、面倒クセェ。損な役回りさせやがって。ここまでやってやったんだからしっかりやりやがれよ」
そう言い残し、奴がボンッと煙となって消えてしまった。は? 消えた?
「終わりはぁあああぁああああ!」
「な、何だと!?」
馬鹿な、何故だ、何故貴様が!
「お前だぁああぁ!」
「馬鹿な! 何故貴様が後ろにいるのだ!」
◇◆◇
よくやったな俺! 全くやる気出してくれるか不安だったか、マグを助けられるのはお前だけだと言ったらやる気を出してくれた。
そう俺の影分身がな! そしてあと残ったのはお前だけ! だからこの一撃で決める!
忍法はなしだ! こんなときこそ単純なのが一番強い! チャクラを全て右腕に集中して――
「喰らいやがれぇえええ! 忍・羅・万・掌ォオォオオ!」
「グボォオオォオォオオオオオ!」
そして俺の全身全霊の一撃を受け、ドルドの体に風穴が空き、血反吐を撒き散らしながら吹き飛んでいった――
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