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第5話 現代日本でのお仕事
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ダンジョン攻略が終わり日常が戻った。それから暫くはダンジョンの気配も感じていない。
ダンジョンから出た後ステータスを確認した俺だったが――
ステータス
名前 飛斗
レベル20
戦闘力1050
気力1200
魔導力1150
魔力1300
スキル
・迷宮喰らい・デスケープ・風魔法・土魔法・魔法耐性(小)・罠解除・迷宮察知・鑑定阻害
称号
・迷宮殺し・異世界の交流者・現代迷宮の先駆者
魔法
初級風魔法
・ウィンドカッター・ウィンドステップ
中級風魔法
・フライト・ウィンドアロー・ワールウィンド・エアロハンマー
初級土魔法
・ストーンボルト・ロックサークル
新たに魔法も覚えたから今回も魔法も含めて確認したけど、しっかり迷宮喰らいの結果が反映されていたな。
とにかくよかった。まぁこの先ダンジョンが現れることなければステータスの変化も意味ない。
もっとも平和な暮らしに慣れた俺からすればその方がいい。あんなものが人の目に触れたら大騒ぎだしな。
「店員さんちょっといいかな?」
「あ、はいただいま~」
あれからもリサイクルショップでの仕事は続いている。接客にも大分慣れてきた。今では日本語も問題なくつかいこなしているしな。
「このパソコンってゲーム出来る?」
「う~ん。これはグラボがついてないので3D系は厳しいですね。何かやりたいゲームがあるのですか?」
「息子がね。これがやりたいらしくて新品は高いからねぇ」
「なるほど……これであれば――」
うちではパソコンも扱っている。パーツ毎の買い取りも行っているのでそれらを組み合わせた物も売っていたりする。
個人的にはゲーム用途なら新品の方が無難だと思うが予算の面で相談されることもある。そういう時はできるだけ希望に沿う形で選んであげることもある。
「ありがとう。色々教えてくれて助かったよ」
「いえいえお買い上げ頂きありがとうございます」
相談に乗ってあげて喜ばれると嬉しい気分になるな。こういう穏やかな空気は魔王軍では味わえなかった。
「もう接客も完璧ですね飛斗さん」
仕事中メガネを掛けた女の子に声を掛けられた。彼女は本多 栞。
俺を拾ってくれた爺さんの孫娘だ。こっちの世界に来た当初はまだ学生だった彼女だが昨年短大を卒業し、その後このリサイクルショップに隣接されている古書店で働いている。
まぁどちらも爺さんの店ではあるんだけどな。彼女はもともと読書が好きらしく本に囲まれて仕事をするのが夢だったようだから丁度良かったようだ。
「それなりに長いからね。それも本多さんの力添えも大きいかな」
「そ、そんな私なんて……」
彼女が両手を振って謙遜した。俺としてはお世辞のつもりはない。当時学生だった彼女だが本の読み方など暇があったら教えてくれたのは彼女だ。
この国の常識などは爺さんから教わったが読み書きについては彼女に聞くことも多かったし今では感謝している。
「古書店の方はどう? 順調?」
「はい。元々はお婆ちゃんが立っていてその時からの常連のお客様も良く来てくれるので」
そう言って彼女が微笑んだ。いい笑顔だなと思う。彼女のお婆ちゃんについても俺はよく知っている。
礼儀作法はお婆ちゃんから教わったようなものだしな。この店を手伝うことになってからは接客についてもだ。
今は孫に任せたことで毎日は顔を出さなくなったけどな。それでも時折様子は見に来てくれていた。
それはいいのだが何故か俺の前で良く、こうなったら曾孫の顔も見てみたいものだねぇ、なんてことを言ってきたりする。
何故俺の前でいうのか。まぁ孫の彼女もよく言われているみたいで困ったように頬を染めていたけどな。
「あ、あの、ところで飛斗さん。そのお昼はどうされますか?」
「えぇ。近所に食べに行こうかなと」
「そ、それなら……」
「あの、店員さんはいますか?」
「あ、本多さんお客様ですよ」
「あ、いけない!」
彼女が慌ててカウンターに戻っていった。何か言いかけていたけどなんだったのかな?
まぁいっか。忙しそうだし、俺は予定通り近所の定食屋で昼食を取リ、その後も仕事を続けた。
その後も暫くダンジョンの気配も感じず俺も忘れかけていたころ――
(またこの感じ……)
週初めの月曜日にまたダンジョンの気配を感じ取った。流石に仕事を放置してはおけないから交代の子が来るまで待ち仕事が終わると同時にすぐに気配の感じられる場所に向かった。
場所は今回は山の中だった。ぽっかりと空いた闇穴がいかにもダンジョンっぽい。
「ふぅ。仕方ないこれもちゃっちゃと片付けるか――」
ダンジョンから出た後ステータスを確認した俺だったが――
ステータス
名前 飛斗
レベル20
戦闘力1050
気力1200
魔導力1150
魔力1300
スキル
・迷宮喰らい・デスケープ・風魔法・土魔法・魔法耐性(小)・罠解除・迷宮察知・鑑定阻害
称号
・迷宮殺し・異世界の交流者・現代迷宮の先駆者
魔法
初級風魔法
・ウィンドカッター・ウィンドステップ
中級風魔法
・フライト・ウィンドアロー・ワールウィンド・エアロハンマー
初級土魔法
・ストーンボルト・ロックサークル
新たに魔法も覚えたから今回も魔法も含めて確認したけど、しっかり迷宮喰らいの結果が反映されていたな。
とにかくよかった。まぁこの先ダンジョンが現れることなければステータスの変化も意味ない。
もっとも平和な暮らしに慣れた俺からすればその方がいい。あんなものが人の目に触れたら大騒ぎだしな。
「店員さんちょっといいかな?」
「あ、はいただいま~」
あれからもリサイクルショップでの仕事は続いている。接客にも大分慣れてきた。今では日本語も問題なくつかいこなしているしな。
「このパソコンってゲーム出来る?」
「う~ん。これはグラボがついてないので3D系は厳しいですね。何かやりたいゲームがあるのですか?」
「息子がね。これがやりたいらしくて新品は高いからねぇ」
「なるほど……これであれば――」
うちではパソコンも扱っている。パーツ毎の買い取りも行っているのでそれらを組み合わせた物も売っていたりする。
個人的にはゲーム用途なら新品の方が無難だと思うが予算の面で相談されることもある。そういう時はできるだけ希望に沿う形で選んであげることもある。
「ありがとう。色々教えてくれて助かったよ」
「いえいえお買い上げ頂きありがとうございます」
相談に乗ってあげて喜ばれると嬉しい気分になるな。こういう穏やかな空気は魔王軍では味わえなかった。
「もう接客も完璧ですね飛斗さん」
仕事中メガネを掛けた女の子に声を掛けられた。彼女は本多 栞。
俺を拾ってくれた爺さんの孫娘だ。こっちの世界に来た当初はまだ学生だった彼女だが昨年短大を卒業し、その後このリサイクルショップに隣接されている古書店で働いている。
まぁどちらも爺さんの店ではあるんだけどな。彼女はもともと読書が好きらしく本に囲まれて仕事をするのが夢だったようだから丁度良かったようだ。
「それなりに長いからね。それも本多さんの力添えも大きいかな」
「そ、そんな私なんて……」
彼女が両手を振って謙遜した。俺としてはお世辞のつもりはない。当時学生だった彼女だが本の読み方など暇があったら教えてくれたのは彼女だ。
この国の常識などは爺さんから教わったが読み書きについては彼女に聞くことも多かったし今では感謝している。
「古書店の方はどう? 順調?」
「はい。元々はお婆ちゃんが立っていてその時からの常連のお客様も良く来てくれるので」
そう言って彼女が微笑んだ。いい笑顔だなと思う。彼女のお婆ちゃんについても俺はよく知っている。
礼儀作法はお婆ちゃんから教わったようなものだしな。この店を手伝うことになってからは接客についてもだ。
今は孫に任せたことで毎日は顔を出さなくなったけどな。それでも時折様子は見に来てくれていた。
それはいいのだが何故か俺の前で良く、こうなったら曾孫の顔も見てみたいものだねぇ、なんてことを言ってきたりする。
何故俺の前でいうのか。まぁ孫の彼女もよく言われているみたいで困ったように頬を染めていたけどな。
「あ、あの、ところで飛斗さん。そのお昼はどうされますか?」
「えぇ。近所に食べに行こうかなと」
「そ、それなら……」
「あの、店員さんはいますか?」
「あ、本多さんお客様ですよ」
「あ、いけない!」
彼女が慌ててカウンターに戻っていった。何か言いかけていたけどなんだったのかな?
まぁいっか。忙しそうだし、俺は予定通り近所の定食屋で昼食を取リ、その後も仕事を続けた。
その後も暫くダンジョンの気配も感じず俺も忘れかけていたころ――
(またこの感じ……)
週初めの月曜日にまたダンジョンの気配を感じ取った。流石に仕事を放置してはおけないから交代の子が来るまで待ち仕事が終わると同時にすぐに気配の感じられる場所に向かった。
場所は今回は山の中だった。ぽっかりと空いた闇穴がいかにもダンジョンっぽい。
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