上 下
39 / 55

どっきり

しおりを挟む
 夕日が沈み、居間の窓からかすかに星を数えられるようになってきた頃。 やっと、仕事を終えたお父さんが帰ってきた。

「ただいまぁ……ん?」
「あっ!」

 夕飯の下拵したごしらえを終えて以降ずっとソワソワ落ち着けない様子のお母さんに、窓の下でグッタリ寝転がっていた所を抱え上げられ、玄関へと急ぐ。
 ダルいからあんまりグワングワン揺らさないでほしい……

「おかえり~♪」

 廊下に出ると、お父さんの視線は下駄箱を彩る小瓶の花に固定されていた。
 おぉ、見てる見てる♪
 苦労して作った物に興味を持ってもらえるのって、なんか、妙に気持ちの良いもんがあるよね。
 実はこれ……家に着いてすぐ、しなしなに柔らかくなってしまった茎の下半分をかなり千切って整えていた所、それを見付けたお母さんが、ジャムの空き瓶で見栄え良くけてくれたのだ。
 これがまた、こぢんまりおさまってて丸可愛い。
 ガラス瓶との相性も良かった。 側面から見える猫じゃらしの結び目が、個人的にはかなりの好ポイントだったりする。

「ああ、ただいま……これは?」

 わざわざ足を運んだ妻に対するには、実に素っ気ないと思われる返事。 しかし今のお母さんにとって、自分より花瓶に目を奪われているその姿は、何よりの誉め言葉だった。
 靴も脱がずに見入ってる点もポイントが高い。

「それねぇ~、どうしたと思う?♪」
「……珍しいな、お前が勿体振もったいぶるなんて」

 目を丸くしたお父さんがようやくこっちに顔を向ける。
 確かにね。 ついでに言うと、上体を傾けて隣から顔をうかが仕草しぐさや、そのウキウキした明るい表情も、なんとも少女っぽくて可愛らしい。
 これがギャップ萌えってやつか。
 しかし、普段から真面目なしっかり者が突然こんな風に甘えると、余程良いことがあったか、酒に酔っているようにしか見えないな。
 もちろん、アルコール臭なんて微塵もしてない。

「そう? 何でだろうね♪」

 あざとく、ニヤニヤと楽しそうにすっとぼける。
 その様子にお父さんも「そうだな……」と口元を緩ませ、私へと視線を下ろした。

「可愛く出来てるよ。 今度はパパとも一緒に遊ぼうな」

 大きな手が小さな頭をワシャワシャ撫で回す。 すんなりと言い当てられ、私は「んっ」とそれに頷いた。
 さすがお父さん、娘の事を良く分かってる♪ ……と尊敬しかけたけれど、少し考えれば、こんなお粗末で小さな束をお母さんが作ったり、買ったりする理由が無いので一目瞭然だった。
 危ない危ない、ちょろ過ぎかよ私。
 多少聞き慣れてきたからって、まだまだ油断なんて出来そうにないな。

「それだけぇ?」
「……」

 クイズ番組で出演者より先に正解したお茶の間のごときドヤ顔を浮かべていたお父さんが、まさかのおかわりに「ん? ……ん~」と花瓶相手ににらめっこしながら言葉を探す。

「そうだな……さわやかで甘ったるくならない香りだから、空気が柔らかい。 あと、玄関が色づいたかな。 全体的に控えめなのも、雰囲気を損ねずに清涼感や女の子らしさを彷彿ほうふつとさせてくれるから、しっくり来てると思う。 娘の作品だって言えば、皆のいい顔も見られそうだ」

 一発で当てられなかったのを気にしてか、次々と思い付くままの評価ポイントが並び立つ。 『どこか変わったと思わない?』に応える彼氏みたいな調子で。
 ちょいちょいお父さんや、そんな褒め方じゃ肝心の娘には伝わらんだろうに。
 特殊な授業を受けている私だからこそギリギリなのであって、これがフローラちゃんなら、間違いなく置いていかれた長文だっただろう。
 動揺を隠しきれていないのが私でも察せられた。 まぁ、即興で使える引き出しの多さは、コミュ障として素直に羨ましいけどさ。
 横目でお父さんが顔色をうかがう。 つられて私も視線を向けると、それまで静かに口を閉ざしていたお母さんは、より一層愉しげに「それもあるけどぉ……」と傾けていた姿勢を正した。

「実はそれ、全部この子が自分で作ったのよ。 立って歩いて、フローラちゃんを支えながら2人だけでね。 私はそれをそのまま縛って、ビンに挿して、玄関に飾っただけ。 どう? 凄くない?♪」
「……えっあっ、そう言うことかっ!」

 ようやっと趣旨しゅしを理解したらしく、目を丸く見開き花瓶へと振り返る。 そこには1つたなくも瞭然りょうぜんたる成長の証が、玄関を色鮮やかに飾っていた。
 これが親にとって、どれほど喜ばしいサプライズかなんて、想像にかたくない。
 お父さんがグッと顔を寄せる。

「凄っ!! ぅわっ、これエメルナだけで作ったのか!? 余分な葉や根っこが無いのも、ケーキみたいな香りも!?」
「うん、そうよ♪ 凄いでしょ?♪」
「凄すぎるだろ! 凄すぎてもう一段階手前だと思ってたよ! こんなん分かるかぁ!!」

 想定以上の驚きと喜びで変なテンションへ火が点いたお父さんに、その顔をずっと見たかったお母さんが「ね~♪」と満足げな笑みで相槌を打つ。
 はたから見ててもなんともまぁ有頂天な2人だか、そんな仲睦なかむつまじい両親の熱気に当てられ、私の顔もどんどん熱くなっていた。
 気持ちは理解出来る、けど自己評価イマイチな素人作品をここまで親バカ加点されるなんて……もはや一種の羞恥プレイだろ、これ。

(止めて! 恥ずかしいから!)

 叫んで逃げ出す事すらままならず、強引に話をさえぎる事すら叶わない。
 しかもだ、よりにもよってここで騒がないでほしかった。 ご近所に広まっちゃったらどうしてくれる。
 とてもじゃないが、我が家の玄関が防音完備とは思えない。
 せめて、クーテルさん宅にだけは知られたくないんですが……
 フニフニと、暖かいほっぺで頬擦りされる。

「双子ちゃんに教えてもらったんだよね~♪」

 どうやら一息ついたらしく、話題が逸れそうでホッとする。 にしてもお母さんの中では、姉妹が花束の作り方を教えてくれた事になっていたのか。 
 まぁ、しょっぱなから別行動だったもんね。

「双子? あぁ、2歳んところのか」
「そうそう、ミテルちゃんとキーテルちゃん。 2人も結構上手だったよ。 嗅がせてもらったけど、ミテルちゃんはあれ、アロマ関係に進むべきだね。 是非とも旅館の従業員に引き入れないと!」

 既に思惑があるらしく、その興奮気味の瞳は心なしかキラキラと輝いて見えた。
 ま~た仕事の話しに流れてるよ。 ……楽しそうだから良いんだけどさ。
 職場復帰したら、倒れるまで夢中に働いちゃいそうで心配なんだよねぇ。

「あっごめん! すぐ夕飯の用意するから、シャワーしといて」

 いきなり早口できびすを返したお母さんに、「ぁあ、おう」と思い出したように靴を脱ぎ始める。

「とぉぉ~っとと! エメルナも一緒にお願い!」

 グワッとUターンし、私は中腰で止まったお父さんに手渡された。

「ちょっ、まっ! オレまだ靴……「着替え用意してあるから!」

 タタタタタッ……パタパタパタパタ……。 
 有無をも言わせぬ勢いで私を押し付け、途中、スリッパに履きなおしながら、お母さんは台所へと行ってしまった。
 奇妙な体勢で置いてきぼりをくらう2人。 いつもより視点が低く、地に足着かない感じがソワソワする。

「あー……ちょっと待っててくれな」

 と廊下に下ろされ、お父さんが靴を脱ぐ間、私は座ってそれを眺めていた。

 お母さんもそうだったが、どうやら我が家では『手を使わずにかかとで引っ掻ける』という雑な脱ぎ方はしないようだ。 そしてちゃんと、綺麗に端へ揃えている。
 前世の私とは正反対だ。 娘として、今からでも習慣付けといた方が良さそうだな。
 朱色のスリッパを履き、お父さんが私の頭を撫でる。

「お待たせ。 偉いなぁエメルナは、走り回ったりせずにきちんと待てて。 じゃ、行くか」

 両脇に手が入り、軽く持ち上げられる。 左腕に座るようにして密着すると、少しだが、運動部の部室っぽい汗臭さが服からしてきた。
 私とお母さんが家にいる間、ずっと仕事してるんだよなぁ……と改めて実感する。

(いつも仕事、お疲れ様)

 そうして2人で風呂場へ向かう道中。 不意にまた、頭を撫でられた。

「いつの間にやら、出来る事いっぱい増えてたんだなぁ……。 凄いぞエメルナ♪」

 * *

「ホントすっごい馬鹿だよなぁ、私って!」

 シャワー前のくだりがフラッシュバックし、今更ながらに頭を抱えて身悶みもだえる。
 現在私達は、記憶の底から引っ張り出した保育園時代の体育ホールにて、座禅ざぜんを行いつつ、魔力操作の授業に集中していた。
 なぜ保育園時代をチョイスしたのかと言うと、まだまだ魔法初心者だかららしい。

「どうかした?」

 壇上だんじょうに腰掛け、ちょっと見えそうな足の組み方をしているお姉ちゃんへ顔を上げる。
 まぁ、体操服なんですけどね。

「いやさぁ、また馬鹿やらかしたんだよなぁって気が付いて……」

 言葉にしたことで、改めて気がズ~ンと重く沈んだ。
 分かってる。 変に意識して気色悪がられるくらいなら、なるべく素の方が個性として誤魔化せそうって。
 でも限度を忘れて楽しんじゃうのは論外だと思う。
 何がイマイチだ。 お世辞にも、数ヶ月前まで1人でご飯も食べられなかった幼児の手並みじゃない!
 しかも基準にしていたフローラちゃんのを見て安心するとか、能天気極めてんのか。
 あぁ~~頭ん中がムズムズする! 何でこう私ってばいつもいつも……

 パンッパンッ!

 室内に響き渡る破裂音。 ハッと顔を上げると、両足をプラプラしながら、合わせた両手で可愛いポーズをとるお姉ちゃんと目が会った。

「はい、反省はここまで。 それとももう、感知出来てた?」

 優しくさとされ、思考がループしていた事にやっと気付く。

「あぅ……ごめん。 頑張って集中します」

 これ以上考えちゃ駄目になる。 今はとりあえず切り換えよう! 切り換えよう!
 何もかもを明日の自分に丸投げし、まぶたを下ろして、再度意識を集中させる。

 魔力感知には大きく分けて2種類がある。 今やってるのは、自分以外の魔力を知覚する『近距離感知』の方だ。

「……あった」

 前方約1メートル、お姉ちゃんの左隣で小さな魔素溜まりが渦巻いている。

 こうして気配を感じ取れるようになるまで、すっかり1年もの時が経過してしまった。 
 この魔力感知、アニメで見ていた印象より遥かに難しい……。 そもそも『干渉領域』と『魔力保有量』で全てが決まるので、限界値をLvアップさせる為、ひたすら感知→吸収→操縦(結晶化)の行程を繰り返さなければ鍛えられない。
 永遠と初期のステージでLv2相手に経験値貯金してる地味キツさだった。

 現在、1~2cmだった干渉限界は半径1m前後までに広がり、最大保有量も相当増した。
 おかげで認識できた渦巻く気配に、次は自分の魔力を細く伸ばしていく。
 ゆっくり、途切れないよう、慎重に。
 そして渦に届いた瞬間、魔素は川を流れるようにして私へと逆流してきた。

「わわっ!」

 勢いにビビり中間で水路を断つ。 しかし、指向性を得た流れはそのまま渦の勢いに押され、途切れた場所から全ての魔素を放出させた。
 私の周囲に、蒸気みたいな魔素が漂う。

「あ~あ……」

 やっちゃったよ……と思ったけど。

「あれ?」

 なんか、この量、私の許容超えてない?
 試しに集中してみる。 けど、そんなん未熟な私にはまだ分からなかった。
 仕方ないので、いつもの方法で吸収しよう。
 血流のように全身を巡っている魔素を一旦、体の中心へと集め、他を0にする。 それと同時に、スポンジが水を吸い上げるイメージを応用し、周囲の魔素が全身に染み入るよう吸収していった。
 毛細管現象ってやつだ。
 回路に流すより遅いし、歩き回る必要があるけど、急激な濃度変化は何か怖いので、これくらいが体に優しそうな気がする。

「ま、ギリギリ及第点きゅうだいてんかな」

 その様子を眺めていたお姉ちゃんが呟く。

「適切とまではいかなかったけど、直感で行動出来た点は、さすがアニメ好きね。 本来ならここで悶え苦しんで、濃い魔素溜まりは危険なんだよって反省会するつもりだったのに」
「何その悪魔的発想」

 心なしか楽しそうな微笑みが、冗談半分だとあんに語る。
 つまり、もう半分は本気だったって訳で。 うちのお姉ちゃんって意外と脳筋? 体で覚えるどころか、心の傷として刻まれそうなんですが。
 てか聞かされてないのに反省とはこれ如何いかに。

 どうせ口では勝てないので、ジト目に全ての不満を込めてみる。
 しかし、まるで効果は無かった……

「さっ、全部吸収しきったら言ってね。 次に進むから」
「えっ、これ全部? 多くない?」

 未熟とは言え、1年3ヶ月の経験は伊達だてじゃない。
 それにさっき、悶えるだとか苦しむだとか言ってたような……

「そう。 だから今日の授業は、ちょっと予定を変更して、このまま『魔力制御』に進むね。 今までと同じく、コツを掴むまで地道の繰り返しになるから、自主練のメニューも2つ追加されるよ。 やったねエメルナちゃん♪」
「え? 何で2つも?」

 流れ的に『魔力制御』ってのは仕方ないけど。
 お姉ちゃんがあざとくピースする。

「もちろん、さっきのアドリブみたいな『即時対応力』よ。 見た感じ得意そうだから、これからもたま~に致死性のドッキリを仕掛けてみようかな」

 えげつないパワーワードが私を襲う。
 私は考えるより先に、即時対応的に土下座していた。
 

「勘弁してください」
 
 * * *

「んっ……んんぅ……?」

 体感にして半日分の授業を終え、アニメで見た温泉で汗を流し、星空の草原に布団を敷いて寝るというアホなレア体験を満喫した後、私は充足じゅうそくな睡眠と共に夢から覚めた。
 というのに、喉が渇いて体が熱い……。 ダルいまんまだし、パジャマが湿っぽくペタペタする。

(あ、ヤバい……)
「……ケホッ」

 これが、私が異世界に転生して、初めて経験する風邪となった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

【TS転生勇者のやり直し】『イデアの黙示録』~魔王を倒せなかったので2度目の人生はすべての選択肢を「逆」に生きて絶対に勇者にはなりません!~

夕姫
ファンタジー
【絶対に『勇者』にならないし、もう『魔王』とは戦わないんだから!】 かつて世界を救うために立ち上がった1人の男。名前はエルク=レヴェントン。勇者だ。  エルクは世界で唯一勇者の試練を乗り越え、レベルも最大の100。つまり人類史上最強の存在だったが魔王の力は強大だった。どうせ死ぬのなら最後に一矢報いてやりたい。その思いから最難関のダンジョンの遺物のアイテムを使う。  すると目の前にいた魔王は消え、そこには1人の女神が。 「ようこそいらっしゃいました私は女神リディアです」  女神リディアの話しなら『もう一度人生をやり直す』ことが出来ると言う。  そんなエルクは思う。『魔王を倒して世界を平和にする』ことがこんなに辛いなら、次の人生はすべての選択肢を逆に生き、このバッドエンドのフラグをすべて回避して人生を楽しむ。もう魔王とは戦いたくない!と  そしてエルクに最初の選択肢が告げられる…… 「性別を選んでください」  と。  しかしこの転生にはある秘密があって……  この物語は『魔王と戦う』『勇者になる』フラグをへし折りながら第2の人生を生き抜く転生ストーリーです。

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

見習いサキュバス学院の転入生【R18】

悠々天使
恋愛
【R18】ただただ主人公が性的に襲われるだけの小説【R18】 21話以降かなりシナリオ重視になっていきます。 《以下本文抜粋》第14話。体育館裏の花蜜 「ほら、早く脱いで!」 渋々、膝のところで引っかかっているスラックスを脱ぎ、ワイシャツのボタンを外す。 外で裸になったのは、いつぶりだろう。 園児くらいの頃に、家庭用の簡易プールで泳いだ時くらいかもしれない。 その時と違うのは、身体が一人前の大人に成長していることと、目の前の美少女の股間を見て勃起していることだ。 風が素肌に当たるが、陽の光も同時に浴びているので、ちょうど良い気温だった。 とても良い気持ちだ。 「セイシくん、何だか気持ち良さそうね。そんな情け無い格好してるのに」 「そうだね、素肌に直接風が当たって良い感じなんだ」 「へぇー、そうなんだ。じゃあ私もなろっかな」 「え? ちょ、それはまずいよ」 ゆかが半脱げのブラウスを脱ぎ、産まれたままの姿になる。 これは、ヘアヌード。 「へ? 何でまずいの? ここまでくれば、何にも着なくても一緒でしょ、うーんしょ、ハイ! 素っ裸、完成っ」 ゆかの裸。白い肌に、揺れる黒髪のボブヘアー。 陽の光で身体の曲線が強調され、まるで天使のようだった。 ゆかが、大きく伸びをする。 「ふぅーっ、すっごい開放感。これ、体育館裏じゃなかったら、絶対不可能な体験よね」 「う、うん、そうだね」 「だねー!いぇーい」 素っ裸で芝生の上を小走りして一回りする美少女。 「ねぇねぇ、芝生の上で、ブリッジするから、見てて」 「え? ブリッジって、体育の時間にやってる、寝転がって足と手でやる、あのブリッジ?」 「そうそう、風と太陽が最高だから」 すごく楽しそうなゆか。 僕は彼女の正面に立つと、たわわな胸に目を奪われる。 「ふふっ、そんなにびんびんのカッチカッチにしちゃって、じゃあ、ゆか様の、華麗なるブリッジをお見せしますよ! はいっ」 ゆかは、立ったままで、ゆっくりガニ股になり、膝を曲げながら、地面に両手を着けて、腰を高く突き出す。 【説明文】 ※趣味全開の作品。若干Mの方むけの内容。主人公はノーマル。 両親の都合により、なぜか聖天使女学院へ転入することになった玉元精史(たまもとせいし)は、のちにその学院がただの学校ではなく、普段は世に隠れている見習いサキュバスたちが集められた特殊な学校だということを知る。 注)見習いサキュバス(正式:未成熟な淫魔)とは、普通家庭で唐突に産まれ、自分がサキュバスと知らないまま育った子が多く、自分は通常の人間だと思っている。 入学する理由は、あまりにも性欲が強すぎるため、カウンセラーに相談した結果、この学院を紹介されるというケースが主である。

召喚された陰キャの物作りチート異世界ライフ〜家に代々伝わる言葉を入力したら、大量にギフトが届いたんですけど?!〜

橘 はさ美
ファンタジー
田中 遥斗 (タナカハルト) 17歳。 とある高校2年生だ。 俺はいつもクラスの陽キャ共に虐げられる生活を送っていた。「購買の限定パン買ってこい」だの、「出世払いで返すから金貸せ」だの、もう沢山だッ! ――しかしある日、小休憩の時間にいきなり赤い魔法陣のようなものがクラスを襲った。 クラス中がパニックになる中、俺だけは目を輝かせていた。 遂に来たッ!異世界転移!これでこんなカス生活とはおさらばだぁぁぁぁあッ!! ――目が覚め、顔を上げるとそこは中世ヨーロッパのような王宮の中であった。 奥には王様が王座に座り、左右には家臣が仕える。 ―乳房の大きい女性が口を開いた。 「あなた達は、我々が召喚しました。この世界は魔王の作り出す魔物でピンチなのです」 そして突然、”スキル水晶”なるものに手を触れさせられる。陽キャ共は強力なスキルを手に入れ、ガッツポーズをする。 ⋯次はいよいよ俺だ⋯ッ! そして空間に映し出される、ステータスとスキル。そのスキルは――”造形”。土属性の物の形を変えるスキルだ。 「お、お前、”造形”とか⋯粘土こねるだけじゃねーか!www」 クラス中で笑いが巻き起こり、俺は赤面。 王様たちも、ため息をついている。 ⋯⋯ねぇ、俺の最強異世界生活はどこ行ったの??

【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】 《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》  天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。  キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。  一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。  キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。  辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。  辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。  国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。  リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。 ※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作    

真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子
ファンタジー
お腹が直ぐに空く女子高生、狩人喰は修学旅行の帰り道事故に合い死んでしまう。 そう、良くある異世界召喚に巻き込まれたのだ! 他のクラスメイトが生前のまま異世界に召喚されていく中、喰だけはコンプレックスを打開すべく人間を辞めて巨人に転生!? 自称創造神の爺を口車に乗せて、新しく造ってもらったスキル鑑定は超便利!? 転生先の両親祖父は優しいけど、巨人はやっぱり脳筋だった! 家族や村の人達と仲良く暮らしてたのに、喰はある日とんでもない事に巻き込まれる! 口数は少ないけど、心の中はマシンガントークなJKの日常系コメディの大食い冒険物語り! 食べて食べて食べまくる! 野菜だろうが、果物だろうが、魔物だろうが何だって食べる喰。 だって、直ぐにお腹空くから仕方ない。 食べて食べて、強く大きい巨人になるのだ! ※筆者の妄想からこの作品は成り立っているので、読まれる方によっては不快に思われるかもしれません。 ※筆者の本業の状況により、執筆の更新遅延や更新中止になる可能性がございます。 ※主人公は多少価値観がズレているので、残酷な描写や不快になる描写がある恐れが有ります。 それでも良いよ、と言って下さる方。 どうか、気長にお付き合い頂けたら幸いです。

前世で眼が見えなかった俺が異世界転生したら・・・

y@siron
ファンタジー
俺の眼が・・・見える! てってれてーてってれてーてててててー! やっほー!みんなのこころのいやしアヴェルくんだよ〜♪ 一応神やってます!( *¯ ꒳¯*)どやぁ この小説の主人公は神崎 悠斗くん 前世では色々可哀想な人生を歩んでね… まぁ色々あってボクの管理する世界で第二の人生を楽しんでもらうんだ〜♪ 前世で会得した神崎流の技術、眼が見えない事により研ぎ澄まされた感覚、これらを駆使して異世界で力を開眼させる 久しぶりに眼が見える事で新たな世界を楽しみながら冒険者として歩んでいく 色んな困難を乗り越えて日々成長していく王道?異世界ファンタジー 友情、熱血、愛はあるかわかりません! ボクはそこそこ活躍する予定〜ノシ

処理中です...