秘めやかな色欲

おもち

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「は...っ、きょうや...鏡夜...」

奥を小突く彼は、顔を歪めながら俺の名前を何度も呼んだ。

その声はあまりにも優しくて甘い。

「気持ち...、っん...腰止まんね...」

彼の感じている声が鼓膜を震わせる度、身体がゾクゾクとして堪らなくなる。

なにより今日の彼は、酷く優しかった。

挿入する時も、大丈夫?痛くない?とまるで処女を抱く時の様に気遣った。

少し強引にされる方が燃える

酷くされたいと言う被虐心すら持ち合わせているのに。

「鏡夜...、大好きだよ...」

なんだこれ

優しく、大切に扱われると下腹部が激しく疼いた。

ベッドシーツに強く爪を立てる程度のもどかしい腰使いは、下腹部に蓄えられたマグマをふつふつと煮え滾らせる。


「...ふっ、...ぁあ、んっ♡つばきしゃ、...ゆっくりなの♡や、だ...ッ♡」

「...ごめん、でも今日は...すぐイっちゃいそうだから...っ」

ギュッと上から抱き締めながら腰を揺らす彼は、耳元で呼吸を繰り返す。

「はぁっ、あ♡ぁ...♡んぅ、う゛...♡」

ゆっくりでも、内壁を押し広げる質量の大きさに涙が溢れた。

「腰、溶けそ...、こんなのもたないよ...」

熱っぽい声に、深々と突き刺さった自身。

彼の自身はいつもより大きく膨張し、俺の内壁の肉はそんな彼を離すまいとしっかり絡み付いている。

気持ちいい...頭、おかしくなる。

「ぁ、♡も...どかし...ぃっおかしく、っ...♡なる...♡」

ぱちゅ   ぱちゅ、とゆっくり抜き差しされると同時にか細い声が漏れた。

「...おかしくなっちゃうの...?鏡夜のおま〇ことろとろなのに、オレのち〇ぽに必死にしゃぶり付いて精子オネダリしてるもんね...♡」

「っ、...♡」

「精子欲しい...?ほんと、孕ませてやりたい...」

彼の吐息や声が耳に触れるだけで身体がゾクゾクと震えて、アナルを締め付けた。

「は、早く...♡精子ちょうだ、ぃ♡」

自分の右手で乳首をクリクリと弄り、左手で自分自身を扱く。

その姿は、自分が淫乱なのだと自ら公言している様だった。

身体を起こした黒田は、自分の下で淫らに快楽を求める俺を見てニヤリと口角を吊り上げる。

「はぁ、...かわいい...大好き、...そんなえろい姿見せられたらイっちゃうよ...」

「んんっ...キスしながら♡ぁ、イきた...♡」

「キスされながらハメられるの好きなんだ...?」

彼の長い前髪の隙間から微かに覗く瞳は熱く燃えたぎっている。

「口開けて...」

ペロリと唇を舐め、そのまま深く口付けられれば自身の先端から勢い良く精子が飛び出た。

「ふ、ぅ...んん゛...っ♡」

背中を仰け反らせ、彼の腹筋に自身を擦り付けながら吐き出された精子はお互いの腹を無遠慮に汚す。

「っ、...は...」

胎内に出された精子の熱さにぶるりと身体を震わせても尚、彼とのキスは止められなかった。

「んっ、ゃ...ぅん♡」

ずちゅっ  ぬち、ぬち゛ゅっ

「ふ、んんっ♡...んっ♡...ん゛っ♡」

出した直後にも関わらず、再び出し挿入れを再開した彼の屈強さに、蕩ける頭で驚く。

舌を絡ませ、軽く吸い上げ、貪るような口付けに目眩がした。

「ぁ、...っ♡ぅ、...ふ...♡」

「ん、...」

優しく手を握ってきた彼の行動に、瞑っていた目を開けて横目で見やると、繋がれた指の隙間から見え隠れする指輪の存在に、小さく胸を高鳴らせる。

これで本当に、俺は椿さんのモノになったんだ...。

「...は...、ぁ...激しくしていい...?」

ようやく唇が離れ、銀色の糸が唇の合間で切れると、彼は俺の脚を肩に担ぎ上げる。

ずちゅっ!

「んああ゛...っ♡」

「今日は夫婦として迎える初めての夜だから...まだ寝かせてあげられない...」

足首を掴み、俺の足の裏に舌を這わせた彼が目をギラつかせながら笑ったのを見て、尻奥が切なく疼いた。

「鏡夜はオレのモノなんだから、好きにしていいんだよね...?」
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