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しおりを挟む「はぁ...熱い」
テスト期間とテストの返却が終わり、疲れをとるべく、もっこもこの泡が水面に浮かんだバスタイムを満喫していた。
浴室まで持ち込んだ冷たいミネラルウォーターを飲み干してから、濡れた前髪を掻き上げる。
「逆上せそう...」
かれこれ1時間以上入浴しているからだろう。
バスタブから出ただけで頭がクラクラする。
バスタオルで身体を軽く拭いてから、水々しい肌の上にボディークリームを滑らせる。
太腿や二の腕をマッサージしていると、バスルームにクリームの甘い香りが広がった。
こんなに自分は魅力的なのに、キスすらしないとか...黒田の野郎目腐ってんじゃねぇの...。
根に持つ性格だから、未だに抱いてくれなかったことに対して怒っている。
これが石井みたいな女だったら...、黒田は我慢出来なかったくせに...。
適当に下着をあさり、ボクサーパンツを手に取る。
「誰に見せるわけでもない、これでいいか」
どうせエロい下着穿いてても、襲ってくれるわけじゃねぇし。
黒のボクサーパンツに脚を通せば、そのままドライヤーで髪を乾かした。
お風呂は大好きだが、髪を乾かす工程が1番嫌いだ。
なんと言っても面倒くさい。
黒田なら髪の毛を乾かしてくれるうえに、ヘッドマッサージから肩もみまでしてくれる。
至れり尽くせりのあの状況に、俺はとても満足で
......
いや、待て。
なんでさっきから黒田のことばっかり考えてんのキモ過ぎだろ。
全ての思考が黒田に結びつくとか病気か?
自問自答を繰り返しながらリビングに戻り、パジャマを身に纏う。
22時30分
そのままベッドに潜り込んだ。
身体がポカポカしているからよく眠れそうだ。
胸元に猫のぬいぐるみを抱き寄せ、アラームをかけた。
その瞬間
~♪
新着のメッセージを知らせる音がスマホから鳴り大層驚く。
マッチングアプリの通知?
「なんだよ...人がせっかく寝ようとしてるのに...ん?」
久しぶりの字面にまた驚く。
絢斗
もう飽きられてんのかと思っていたが...まだ脈アリ?
オレ以外の男と会ったりご飯に行ったり、セックスするのはダメだよって言われてるけど、連絡のやり取りについては何も言われていない。
見るだけ、見るだけ...
ーーーーーーーーーーーーーーー
▼絢斗
返信遅れてごめんなさい。
夜さんと会いたいから頑張って仕事片付けたんだけど、今週の金曜日会えないかな。
※添付ファイル
ーーーーーーーーーーーーーーー
お、お誘いだ...!!
しかも写真が添付されてる。
恐る恐る添付ファイルをタップすれば、液晶には自分のTシャツを首まで捲りあげ、肉体美を露にした絢斗の写真が写し出された。
「わ......えっろ...」
無意識に喉をゴクリと鳴らし、液晶越しに腹筋を撫でる。
普通にめちゃくちゃ抱かれたい...!
ーーーーーーーーーーーーーーー
▼夜
今週の金曜日か...。
会えなかった場合、次はいつになる?
絢斗の身体、えっちでカッコイイ
俺のこと食べて欲しいな
ーーーーーーーーーーーーーーー
絢斗にメッセージを送信し、目を瞑る。
こちとら欲求不満。
寝る前にあんな身体を見せられたら興奮してしまう。
案の定、瞼の裏にはハッキリと彼の身体が焼き付いており、下半身に熱が溜まって行く一方だ。
~♪
「返信早...」
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