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碓氷鏡夜
職業は高校の教師で、3-Cの担任、担当教科は数学。
30歳、兄弟なしの一人っ子。
神経質で、変なところに潔癖。
自分に厳しく他人に厳しいだけでなく、自分でも呆れるほどプライドが高い。
学校でも関わりたくないであろう人物の上位に君臨していることから、親しい生徒や親しい職場の人間はいない。
そんな俺を、本当は快楽に貪欲で、浅ましく男を欲しているなんて誰が思うのだろうか。
朝と夜の温度差に、己の目が眩みそうな程興奮しているのは事実で
他人には絶対にバレてはいけないと思っているのも事実。
ただ自分が、いつか職場の人間に「変態」だとバレてしまった時、俺の高揚感は頂点へ上り詰めることは想像しただけでも明らかだった。
「じゃあ帰るから」
ベッドの上で煙草を吸う東條に別れを告げ、ドアノブに手を掛ける。
「鏡夜、待って」
「なに...?23時には寝なきゃいけないんだけど」
「俺たちこんなに相性いいんだよ。週一の身体の関係で終わらせたくない」
嫌な予感がする。
普段はキリリとした東條の顔が悲しそうに歪み、ベッドから降りた彼の手が俺の腰を抱き寄せた。
「つまり?」
「俺と恋人同士になって欲しい」
ああ、やっぱりーーー。
「...東條さん、最初に伝えただろ?お互い割り切った関係で遊ぶだけ、俺は特定の人は作らない主義だって」
腰を掴む手に指を絡め、東條の頬に指を滑らせる。
「これでもあんたは特別なんだよ?基本どんな男でも1回ヤったら連絡先消してるし、どれだけお金積まれても2度と抱かせてやらないのに...」
「っ、鏡夜...!やっぱり俺...」
「だーめ、キスはしない約束。...あ、はは...さっき出したばっかりなのにもう大きくなってる...」
頬から首、胸、腹と指を滑らせバスローブ越しでも分かる程、大きくなったソレに指を這わせた。
「あ...きょう、や...」
「オナニーしてるとこ動画で送って。そしたら来週はもっとサービスしてあげる。じゃあ...おやすみ、東條さん」
トン、と男の身体を突き放し部屋の扉を閉める。
...不完全燃焼だ。
もう2、3回は出しておきたかったが平日は時間的にも厳しい。
不完全燃焼とは言え、身体の相性がいいから今日のセックスも気持ちよかった...やはり東條は切れない。
スマホのカレンダーを開き、来週の金曜日に印を付ける。
次はここにしよう。
金曜日なら時間も気にせず、土曜の昼くらいまでセックス出来るから好都合。
気怠い身体で車に乗り込み自宅へ走らせると、23時になる前にベッドへ倒れ込んだ。
その数時間後。
6時ピッタリにアラームが鳴り、布団の中で唸る。
「...頭痛てぇ...」
低血圧のせいで朝は弱い。
ズキズキと痛む頭を抑えながら、忘れないうちにサイドテーブルに置かれた眼鏡をかける。
ベッドメイキングをした後、洗顔と歯磨き。
6時30分に朝食、7時からニュースを見ながら身支度を整え、7時50分には家を出る。
今日も時間配分に狂いはない。
空いた時間でスマホを見れば、俺が寝ている間に東條から例の動画が送られてきていた。
無意識に口角を上げ、再生ボタンを押す。
『は、ぁ...あっ...見えてる...?』
「...」
バスローブの合間から勃ちあがる東條自身を、ゆるゆると擦る動画に釘付けになっては唇を舐めた。
だらしなく溢れたカウパーに、戦慄く腹筋がなんともいやらしい。
『あ、あ...イく、鏡夜...きょうや...ーー!』
勢いよく飛び出た少量の精液が東條の腹を汚したのを最後に、動画は暗転した。
「来週の金曜日、19時30分に昨日のホテルで...と」
後ろが甘く疼くのを感じながら東條に連絡をいれると、直ぐに既読がついた。
職業は高校の教師で、3-Cの担任、担当教科は数学。
30歳、兄弟なしの一人っ子。
神経質で、変なところに潔癖。
自分に厳しく他人に厳しいだけでなく、自分でも呆れるほどプライドが高い。
学校でも関わりたくないであろう人物の上位に君臨していることから、親しい生徒や親しい職場の人間はいない。
そんな俺を、本当は快楽に貪欲で、浅ましく男を欲しているなんて誰が思うのだろうか。
朝と夜の温度差に、己の目が眩みそうな程興奮しているのは事実で
他人には絶対にバレてはいけないと思っているのも事実。
ただ自分が、いつか職場の人間に「変態」だとバレてしまった時、俺の高揚感は頂点へ上り詰めることは想像しただけでも明らかだった。
「じゃあ帰るから」
ベッドの上で煙草を吸う東條に別れを告げ、ドアノブに手を掛ける。
「鏡夜、待って」
「なに...?23時には寝なきゃいけないんだけど」
「俺たちこんなに相性いいんだよ。週一の身体の関係で終わらせたくない」
嫌な予感がする。
普段はキリリとした東條の顔が悲しそうに歪み、ベッドから降りた彼の手が俺の腰を抱き寄せた。
「つまり?」
「俺と恋人同士になって欲しい」
ああ、やっぱりーーー。
「...東條さん、最初に伝えただろ?お互い割り切った関係で遊ぶだけ、俺は特定の人は作らない主義だって」
腰を掴む手に指を絡め、東條の頬に指を滑らせる。
「これでもあんたは特別なんだよ?基本どんな男でも1回ヤったら連絡先消してるし、どれだけお金積まれても2度と抱かせてやらないのに...」
「っ、鏡夜...!やっぱり俺...」
「だーめ、キスはしない約束。...あ、はは...さっき出したばっかりなのにもう大きくなってる...」
頬から首、胸、腹と指を滑らせバスローブ越しでも分かる程、大きくなったソレに指を這わせた。
「あ...きょう、や...」
「オナニーしてるとこ動画で送って。そしたら来週はもっとサービスしてあげる。じゃあ...おやすみ、東條さん」
トン、と男の身体を突き放し部屋の扉を閉める。
...不完全燃焼だ。
もう2、3回は出しておきたかったが平日は時間的にも厳しい。
不完全燃焼とは言え、身体の相性がいいから今日のセックスも気持ちよかった...やはり東條は切れない。
スマホのカレンダーを開き、来週の金曜日に印を付ける。
次はここにしよう。
金曜日なら時間も気にせず、土曜の昼くらいまでセックス出来るから好都合。
気怠い身体で車に乗り込み自宅へ走らせると、23時になる前にベッドへ倒れ込んだ。
その数時間後。
6時ピッタリにアラームが鳴り、布団の中で唸る。
「...頭痛てぇ...」
低血圧のせいで朝は弱い。
ズキズキと痛む頭を抑えながら、忘れないうちにサイドテーブルに置かれた眼鏡をかける。
ベッドメイキングをした後、洗顔と歯磨き。
6時30分に朝食、7時からニュースを見ながら身支度を整え、7時50分には家を出る。
今日も時間配分に狂いはない。
空いた時間でスマホを見れば、俺が寝ている間に東條から例の動画が送られてきていた。
無意識に口角を上げ、再生ボタンを押す。
『は、ぁ...あっ...見えてる...?』
「...」
バスローブの合間から勃ちあがる東條自身を、ゆるゆると擦る動画に釘付けになっては唇を舐めた。
だらしなく溢れたカウパーに、戦慄く腹筋がなんともいやらしい。
『あ、あ...イく、鏡夜...きょうや...ーー!』
勢いよく飛び出た少量の精液が東條の腹を汚したのを最後に、動画は暗転した。
「来週の金曜日、19時30分に昨日のホテルで...と」
後ろが甘く疼くのを感じながら東條に連絡をいれると、直ぐに既読がついた。
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