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作品2 嫌われ者
①
しおりを挟む何時だったか、誰かが言っていた。
「嫌う方が悪いのは言うまでも無いが、嫌われる方にも原因が有るんじゃないか?」と。
ならば、俺の場合はどうなんだ?
生まれた時からと言っても過言ではない。
物心がついた時には既に嫌われ者だったのだ。
そんな俺の何処に原因が有ったのだと?
なのに、何時も言われる。
「生まれた来た事自体が駄目。」
「生きている事が駄目。」
生まれて来た事、生きている事、自分の存在全てが否定され、嫌悪され、拒絶される。
だから、人目につかない様にコソコソとしていろと?
生きていく上でそんな事は無理だと分かっていて…。
嫌われているのは分かっているから、なるべく見つからない様に行動しているのに…。
だが、不幸にも出会してしまう時もある。
その時の相手の、嫌悪感を隠そうともしない、まるで敵にでも出会ったかの様な憎悪に満ちた眼。
その上、同じような嫌われ者だと思っていた奴からまで、「お前ほど嫌われていない」と言われ、下に見られ、酷い扱いを受ける。
自分の存在全てが否定され、嫌悪され、拒絶されているからと言って、こんな目に合わなければいけないとでも?
暴力を振るわれたり、殺されたりしなければならないのか?
俺達は暗闇の中を直走った。
見つからないように家路を急ぐ。
だが、運悪く出会してしまった。
そして、相手は攻撃態勢に入る。
不味い!ヤバい!
俺は動けなかった。
そんな俺とは違って、友は捨て身の特攻をかけた。
しかし、凶器の前では無力である。一撃で殺られてしまった。
そして、俺も最終兵器の前ではなす術がなかった。
…ああ。もう、目の前が…、
暗くなって…。
― 殺虫剤噴霧された
“Goki”の最後の呟き ―
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