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第25章 大奮闘

第194話 避難拠点づくり3〜ドワーフの王国へ~

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 団長より特別任務から避難拠点建設担当の任務に就くように命じられ、僕以外のメンバーとして他に諜報支援部隊から取り敢えず2、3人選出すると言われた。

 そして先ほどの民家の構想だと約三百から四百軒程は建てられるだろうとシュピーゲル隊長から伝えられ、それに合わせて診療所や食堂なども建てる方向で決まった。

 
 後日シュピーゲル隊長に呼ばれて部屋に行った時に他のメンバーを紹介され、1人は諜報支援部隊の副隊長のヒューズさんで僕達の隊長となるとも紹介された。

 そしてもう一人は······何とマーシュだった。どうやら少し前の小隊編成変更に伴ってヒューズさんと同じ小隊となり、一番気が合った事からヒューズさんからの要望でと教えてもらった。

 何はともあれこの3人で進める事となった。もちろん何かあったり他へ必要な要望があれば団長らが相談に乗ってくれたり動いてくれるとの事だ。

 
「というわけでこの3人で動く事となったんで宜しくなレックス君、マーシュ」「「はい!」」「さて、取り敢えず我々のすべき事は、建物を建てるための各種材料の調達だな」「材料?」「そうだ。家にしろ診療所やら食堂兼倉庫にしろ、何かを建てるためには土台用の土砂や石材、柱や壁用の木材、後は窓などに使うためのガラス、他にもワラやらレンガなど色々な材料を用意しないといけないだろ?」

「確かにそうですね」「実際調達するにあたっては隊長や団長らが協力してくれる事になっているが、何を利用するのかや、それをどこから調達するのかを考えるのが今のところの我々の一番の任務だ」ヒューズ隊長の話を聞いて確かにそうだなと思った。


「ではまず何から調達しますか?」「そうだな。草木系の材料はヒト族の領土内から調達するのが手っ取り早くたくさん入手出来るだろうから後に回すとして、後のうち早く欲しいものとしたら······土石類だな」「土石類」「土石類となりますと······やはりドワーフ族に頼むのが一番手っ取り早いのではありませんか?」「その通りだな、マーシュ」

 というわけでまずは土砂やら石材などを調達するにあたりドワーフ族へ頼み込む事に決め、早速その事を団長に報告して協力を仰いだ。

「なるほど、確かに彼らに頼むのが一番だな。分かった。グレン王子にドワーフ王への書状を書いてもらうように依頼し、そのままドワーフの王国へ向かうとしよう」「「分かりました!」」

 というわけで僕達3人は団長と共にまずはお城に向かい団長がグレン王子から書状を戴きに赴き、その後ドワーフ族の王国へウッディらに乗って向かった。

 
 暫く馬を走らせた後に道が細くなり、周りが岩壁ばかりの光景になってきた時、目の前の道が開けたところで先頭を走っていた団長が馬を止めたので僕達もつられて馬を止め、「着いたよ」と団長が仰ったので僕達は前方を見たら大きな穴の谷底部分に都市が形成されているのを見て驚き、「あそこがドワーフ族の王国だよ」と団長に教えてもらった。

 早速馬をその場に残して王国入口まで向かい、入口の門番に「我々はサンドリア王国騎士団の者です。グレン王子よりこちらのドワーフ王への書状を預かって参りました」と伝え、門番の1人が王の元へ伝えに向かい、暫くして戻って来たところで入国が許可され団長の後についてお城へ向かった。

 お城に着いてそのまま守衛の1人に王の間へ案内され、中に入ってドワーフ王の近くまで進んだ。

「おぉ、久しぶりだなパーシバル殿」「お久しぶりです。アンドレア王」とドワーフ族の国王であるアンドレア王とパーシバル団長は挨拶を交わした。

「会うのはそっちの養成学校の卒業式以来か?」「ええ、そうですね」「んで、今回はそんな大人数で何しに来たんだ?」

「まずはこちらのグレン王子からの書状をお読み下さい」と兵士の1人に手紙を渡してアンドレア王に渡されて読みだした。

「っ! まさか、魔物達によってこのような事態に······」「ええ。それで避難拠点建設のために必要となる土石類を分けて頂きたくお願いに参った次第です」「事情は分かった。こちらもそれぐらいなら協力は惜しまんよ」と仰って頂けて僕達は全員安堵した。

「エルリックを呼んでこい!」「はっ!」兵士の1人がエルリックという人を呼びに行っている間、「······ところでパーシバル、後ろの2人は今年入団した奴らか?」「ええ、そうですが?」

「なら、2人のうちのどっちかがひょっとしてレックスって奴か?」(えっ?)突然アンドレア王から僕の名前が呼ばれて驚いた。

「ええ。彼がレックスですが、何故アンドレア王が彼の事を?」「フンッ! 卒業式が始まる前にお前とエルフのフィンラルが話していたのが聞こえただけだ!」

「······あっ! あの時の!」「それでお前達が話題にするぐらいだからな。どんな奴か機会があれば俺もお目にかかりたいと思っていただけだ」「そういう事でしたか」とパーシバル団長は受け答えしていたが、一体フィンラル様と何を話してたんだろうと僕が疑問に思っているとエルリックという人が現れた。

「オジキ。呼んだか?」「おう来たか、エルリック」「お久しぶりです。エルリック王子」(え、王子!?)

「ん? ああパーシバル殿! 本当にお久しぶりです。今日はどうしたんだ?」「エルリック、この者達を採石場まで案内してやってくれ。理由などは行きながらパーシバル殿から聞くがいい」「分かっただ。それじゃあ付いて来てくれ」「それでは失礼します」僕達はエルリック王子の後に付いて行った。
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