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第25章 大奮闘
第193話 避難拠点づくり2~計画説明~
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数日後······。「レックス君!」本部の通路を歩いていたら団長に呼び止められ、「先日、君が提案した避難拠点建設の件なんだけど······」「ああ、例の」そういえば提案してたっけ。
「関係各所の関係者全員が、満場一致で賛同してくれたよ!」「ま、満場一致!?」「ああ!」流石に全員が賛同してくれるとは思っても見なかったので、本当に驚いていた。
「それで今からシュピーゲル達の調査結果の報告も兼ねてお城で会合を行うんだが、発案者の君も同席してもらいたいんだ」(まぁ、当然そういう流れになるよなぁ)と思いつつ「分かりました」と受け入れ、団長と共にお城へ向かった。
お城に着いてすぐに会合を行う部屋に向かい「バーシバルとレックス、只今到着致しました!」と部屋の前で伝え「おう。入ってくれ」グレン王子の返答があったので部屋に入った。
「失礼します」「失礼しま······す」当然グレン王子はもちろん、その他にも各所の責任者なども参加しているだろうと思い腹を括ってきたつもりでいたが、入ってすぐに何と国王様までいる事に気付いて一瞬動揺してしまったが、すぐ平静さを取り戻して用意されていた席に着席した。
「さて、全員集まったところでバーシバル。取り敢えずお前から今回の一件の概要と現状を説明してくれ」「分かりました」
グレン王子に指名され、バーシバル団長は僕から聞いた内容を元に概要を改めて全員に説明し、そしてシュピーゲル隊長からの報告を全員に説明した。
シュピーゲル隊長からの報告によれば、南東部の平原地帯は全体的に平坦な地形であちらこちらに森が点在しているが、そこも開拓して建物を建設出来る場所を増やせば、少なくとも数百軒の民家を建てられるであろうとの事だった。
「「数百軒!?」」流石にその報告を聞いて僕も含め参加者全員が驚いた。
「そうか。よく分かった。その上でだが、レックス」「は、はい」「今回このような提案を何故思い付けたのかね?」とグレン王子は僕に質問してきた。
(やっぱり聞いてきたか。しかもグレン王子が)と心で思った。
実はお城へ向かっている最中に団長から満場一致と言ったが、最初から全員が賛同してくれたわけではなく、説得してようやく賛同してくれた人もいるため、恐らく会合の最中に誰かが君の考えや意見、もしくは考えるに至った理由を聞いてくるだろうから考えておいてくれたまえと言われていたのだ。
そういう経緯もあり、また元からしっかりとした理由があったため質問されてもすぐに答えられた。
「それは、任務で前々から各地の町や村を見回っているのですが、そこの人達の状況や気持ちが変化してきたと実感し、そして今の王都内の状況をよく見かけているからです」「どういう事だ?」
「以前は魔物に襲われて仕方なく王都に避難して来た人達ばかりでしたが、最近は王都の診療所ではどんな怪我も治してもらえるといった噂や、エルフ族からの援助が王都に届けられているといった噂話などが各地に広まり、それで自主的に王都へ避難しようと向かう人達が増えだしております。そしてそれに合わせて当然王都内に人が押し寄せて来ているため、避難場所として割り当てられた場所などが溢れ返る可能性があるのではと思っておりました」「確かにレックス殿の仰った通り、このまま人が押し寄せてくればもう受け入れられる場所も無くなってしまうでしょう」と担当責任者が言葉を挟んだ。
「ですので、王都以外で避難して来た人達が生活出来れば良いのではないかと思っていたなか、マリア様に任務の報告をしに行った際に壁に掛けられていた領土内の地図を見た時、今回の一件を思い付いた次第です」と説明した。
「そういう事だったか」「はい」僕の説明を聞いた上でグレン王子は納得したような顔をし、「聞いての通りだが皆の者、改めて聞く、必要も無いかもしれないが今回の騎士団からの提案に反対や異を唱える者はいるか?」と聞いたが当然誰もいなかった。
恐らくグレン王子が納得したから反対出来ないというわけではなく、僕の口から直接理由を聞きその上で全員が納得してくれたのだろうという雰囲気であった。
「決まりだな。では南東部への避難拠点の建設を行う事とする! その際だが、騎士団が主体となって計画を進めてくれ」「分かりました」
「こちらも協力は惜しまないからな。必要な事は何でも言い付けてきてくれ」「ありがとうございます」(す、凄い)「ではこれでお開きとする」グレン王子の合図で僕達を始め多くの人が部屋を出ていき、残ったのはグレン王子と国王様だけとなった。
「まさか彼がこれ程の事を思い付こうとはな」「全くです。本当に不思議な男ですよあいつは。海人族だけでなくエルフ族の王とも親しい間柄のようですし」「そうなのか!?」
「ええ。先日参りましたエルフ族の使者に公式な謁見を終えた後、何故こちらの状況を知る事が出来たのか伺ったところ、彼がエルフの王に説明したからだと教えてくれました」「そうか。だとすれば、本当に不思議な男だな」
「しかしそれ故に」「ん?」「アイツには相応しい男なのではありませんか? 父上」「······そうかもしれぬな。あの娘の怪我の事を除いても、本当に娘達の活動の支えになってくれておるし、今回の事に限らずこの国のために色々と尽力してくれておるようだからなぁ」「ええ」ここにきてジェシーの兄と父親の2人もレックスとジェシーとの関係を改めて認めたのであった。
お城を出た僕達は本部に戻り、シュピーゲル隊長と改めて今後の事を話し合った。
「そうか。我々が主体となって進めれる事となったか」「ああ。レックス君の誠心誠意な気持ちとお前の調査結果のお陰でな」「フッ。礼には及ばん」「でも本当に数百軒もの民家を建てられるんですか?」「ああ可能だ。一般的な民家の大きさであれば、五百軒位までなら建てられるよ」「五百軒!?」流石に驚くしかなかった。
「よほど広大な土地何だな?」「ああ。本当に広い所だったよ」「との事だがレックス君。君の中でもう具体的な考えは決めてあるのかね?」
団長から尋ねられたので、「あ、はい。まず民家なんですが、全ての家を5、6人の家族が十分生活出来るだけの大きさに統一して建ててもらおうと考えております」「全ての家を?」「どうしてだね? 1人きりの者や2、3人の者達もいるだろ?」
「だからです!」「「え?」」「あくまで今回建設するのは"一時的に避難"をする所です。なので各自の事情に合わせていては避難などが手遅れになってしまうかもしれません」「「た、確かに」」
「ですので、恐らく一番多い人数となるであろう5、6人家族を想定し、その人達が十分に生活出来るように建てれば、当然それより少ない家族や人もそれ以上に余裕で生活出来るんですから、問題はないでしょう」「ああ。そうだな」
「それに統一した家であれば、1枚だけ設計図を作ればすぐに建てていけるでしょうし」「「あっ!」」「そうか! 確かにそうすれば早くしかも何軒も同時に建てられるな!」「そこまで考えての事だったのか」
「あと、後々各自の故郷に戻って町や村を復興させる際、今回建設するのに使った物を利用すればすぐ取り掛かれるでしょうし、その時本当に5、6人の家族用であればそのまま使用し、それより少ない家族にはそこで大きさを合わせれば恐らく改めて物を調達する必要はあまりなくなるでしょうし」「「······」」今のレックスの話を聞いて流石に2人とも開いた口が塞がらなかった。
「レ、レックス君。そ、そこまで考えてたのかい?」「はい。団長達が動きだしてから色々。特に自分の故郷の村での生活を振り返ってどうだったのか考えたところ、人数が多い家族でも5人ぐらいだったはずですから、その人数を基準としたんです」
「······パーシバル」「ああ。決まりだな」「え?」「レックス君」「は、はい」「只今をもって特別任務を解任し、避難拠点建設担当の任務に就いてもらう」「あ······了解しました!」
こうして僕が言い出した避難拠点建設の計画は動き出したのだった······。
「関係各所の関係者全員が、満場一致で賛同してくれたよ!」「ま、満場一致!?」「ああ!」流石に全員が賛同してくれるとは思っても見なかったので、本当に驚いていた。
「それで今からシュピーゲル達の調査結果の報告も兼ねてお城で会合を行うんだが、発案者の君も同席してもらいたいんだ」(まぁ、当然そういう流れになるよなぁ)と思いつつ「分かりました」と受け入れ、団長と共にお城へ向かった。
お城に着いてすぐに会合を行う部屋に向かい「バーシバルとレックス、只今到着致しました!」と部屋の前で伝え「おう。入ってくれ」グレン王子の返答があったので部屋に入った。
「失礼します」「失礼しま······す」当然グレン王子はもちろん、その他にも各所の責任者なども参加しているだろうと思い腹を括ってきたつもりでいたが、入ってすぐに何と国王様までいる事に気付いて一瞬動揺してしまったが、すぐ平静さを取り戻して用意されていた席に着席した。
「さて、全員集まったところでバーシバル。取り敢えずお前から今回の一件の概要と現状を説明してくれ」「分かりました」
グレン王子に指名され、バーシバル団長は僕から聞いた内容を元に概要を改めて全員に説明し、そしてシュピーゲル隊長からの報告を全員に説明した。
シュピーゲル隊長からの報告によれば、南東部の平原地帯は全体的に平坦な地形であちらこちらに森が点在しているが、そこも開拓して建物を建設出来る場所を増やせば、少なくとも数百軒の民家を建てられるであろうとの事だった。
「「数百軒!?」」流石にその報告を聞いて僕も含め参加者全員が驚いた。
「そうか。よく分かった。その上でだが、レックス」「は、はい」「今回このような提案を何故思い付けたのかね?」とグレン王子は僕に質問してきた。
(やっぱり聞いてきたか。しかもグレン王子が)と心で思った。
実はお城へ向かっている最中に団長から満場一致と言ったが、最初から全員が賛同してくれたわけではなく、説得してようやく賛同してくれた人もいるため、恐らく会合の最中に誰かが君の考えや意見、もしくは考えるに至った理由を聞いてくるだろうから考えておいてくれたまえと言われていたのだ。
そういう経緯もあり、また元からしっかりとした理由があったため質問されてもすぐに答えられた。
「それは、任務で前々から各地の町や村を見回っているのですが、そこの人達の状況や気持ちが変化してきたと実感し、そして今の王都内の状況をよく見かけているからです」「どういう事だ?」
「以前は魔物に襲われて仕方なく王都に避難して来た人達ばかりでしたが、最近は王都の診療所ではどんな怪我も治してもらえるといった噂や、エルフ族からの援助が王都に届けられているといった噂話などが各地に広まり、それで自主的に王都へ避難しようと向かう人達が増えだしております。そしてそれに合わせて当然王都内に人が押し寄せて来ているため、避難場所として割り当てられた場所などが溢れ返る可能性があるのではと思っておりました」「確かにレックス殿の仰った通り、このまま人が押し寄せてくればもう受け入れられる場所も無くなってしまうでしょう」と担当責任者が言葉を挟んだ。
「ですので、王都以外で避難して来た人達が生活出来れば良いのではないかと思っていたなか、マリア様に任務の報告をしに行った際に壁に掛けられていた領土内の地図を見た時、今回の一件を思い付いた次第です」と説明した。
「そういう事だったか」「はい」僕の説明を聞いた上でグレン王子は納得したような顔をし、「聞いての通りだが皆の者、改めて聞く、必要も無いかもしれないが今回の騎士団からの提案に反対や異を唱える者はいるか?」と聞いたが当然誰もいなかった。
恐らくグレン王子が納得したから反対出来ないというわけではなく、僕の口から直接理由を聞きその上で全員が納得してくれたのだろうという雰囲気であった。
「決まりだな。では南東部への避難拠点の建設を行う事とする! その際だが、騎士団が主体となって計画を進めてくれ」「分かりました」
「こちらも協力は惜しまないからな。必要な事は何でも言い付けてきてくれ」「ありがとうございます」(す、凄い)「ではこれでお開きとする」グレン王子の合図で僕達を始め多くの人が部屋を出ていき、残ったのはグレン王子と国王様だけとなった。
「まさか彼がこれ程の事を思い付こうとはな」「全くです。本当に不思議な男ですよあいつは。海人族だけでなくエルフ族の王とも親しい間柄のようですし」「そうなのか!?」
「ええ。先日参りましたエルフ族の使者に公式な謁見を終えた後、何故こちらの状況を知る事が出来たのか伺ったところ、彼がエルフの王に説明したからだと教えてくれました」「そうか。だとすれば、本当に不思議な男だな」
「しかしそれ故に」「ん?」「アイツには相応しい男なのではありませんか? 父上」「······そうかもしれぬな。あの娘の怪我の事を除いても、本当に娘達の活動の支えになってくれておるし、今回の事に限らずこの国のために色々と尽力してくれておるようだからなぁ」「ええ」ここにきてジェシーの兄と父親の2人もレックスとジェシーとの関係を改めて認めたのであった。
お城を出た僕達は本部に戻り、シュピーゲル隊長と改めて今後の事を話し合った。
「そうか。我々が主体となって進めれる事となったか」「ああ。レックス君の誠心誠意な気持ちとお前の調査結果のお陰でな」「フッ。礼には及ばん」「でも本当に数百軒もの民家を建てられるんですか?」「ああ可能だ。一般的な民家の大きさであれば、五百軒位までなら建てられるよ」「五百軒!?」流石に驚くしかなかった。
「よほど広大な土地何だな?」「ああ。本当に広い所だったよ」「との事だがレックス君。君の中でもう具体的な考えは決めてあるのかね?」
団長から尋ねられたので、「あ、はい。まず民家なんですが、全ての家を5、6人の家族が十分生活出来るだけの大きさに統一して建ててもらおうと考えております」「全ての家を?」「どうしてだね? 1人きりの者や2、3人の者達もいるだろ?」
「だからです!」「「え?」」「あくまで今回建設するのは"一時的に避難"をする所です。なので各自の事情に合わせていては避難などが手遅れになってしまうかもしれません」「「た、確かに」」
「ですので、恐らく一番多い人数となるであろう5、6人家族を想定し、その人達が十分に生活出来るように建てれば、当然それより少ない家族や人もそれ以上に余裕で生活出来るんですから、問題はないでしょう」「ああ。そうだな」
「それに統一した家であれば、1枚だけ設計図を作ればすぐに建てていけるでしょうし」「「あっ!」」「そうか! 確かにそうすれば早くしかも何軒も同時に建てられるな!」「そこまで考えての事だったのか」
「あと、後々各自の故郷に戻って町や村を復興させる際、今回建設するのに使った物を利用すればすぐ取り掛かれるでしょうし、その時本当に5、6人の家族用であればそのまま使用し、それより少ない家族にはそこで大きさを合わせれば恐らく改めて物を調達する必要はあまりなくなるでしょうし」「「······」」今のレックスの話を聞いて流石に2人とも開いた口が塞がらなかった。
「レ、レックス君。そ、そこまで考えてたのかい?」「はい。団長達が動きだしてから色々。特に自分の故郷の村での生活を振り返ってどうだったのか考えたところ、人数が多い家族でも5人ぐらいだったはずですから、その人数を基準としたんです」
「······パーシバル」「ああ。決まりだな」「え?」「レックス君」「は、はい」「只今をもって特別任務を解任し、避難拠点建設担当の任務に就いてもらう」「あ······了解しました!」
こうして僕が言い出した避難拠点建設の計画は動き出したのだった······。
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