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第17章 ダークエルフの復讐
第106話 援軍
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ハウルと叫びながら指令部に走って来た人物がようやく海人族の者であると指令部の全員が認識出来たところで、「ハウル殿、遅くなってしまいました」息を切らしながらその人物は言った。
「いや、来てくれただけで感謝する! それで?」「はいっ! 国王様の命により、城の兵士ならびに街の有志で亜人領の川より上陸し、先頭部隊が今頃奴らの最後列とぶつかったところと思われます!」「そうか!」海人族の人からの説明を受けてハウルは満足気に言った。
そしてジルコニーやフィンラルに「ここは頼んじゃぞ! 儂はこの事をアッシュらに伝えてくる」と言い、ジルコニーが「分かった!」と答えてハウルは海人族と消えた。
残ったフィンラルは「い、いつの間に海人族に援軍を頼んでたんだ?」とジルコニーに尋ねたら、「数日前にな。彼らに顔が効く奴がいるのはお前も知ってるだろう」「っ!」とジルコニーは答え、フィンラルも誰のことなのかすぐに察した。
また、彼らの知らない所でもう1組の援軍も動き出していた······。
海人族が自分達の軍勢を襲い出したのを見てルーチェは「な、なぜ海人族が我々を攻撃しているんだ?」と疑問を漏らした。その時「た、大変です!」部下の1人が指令部に飛び込んで来た。
「今度は何だ!」ルーチェが声を荒げて聞くと、「わ、我が軍の者が次々と突然倒れ出しております!」「何だと!?」報せを聞いてルーチェは叫んだ。
「グワァーッ!」その部下の言う通り、誰かに攻撃されているわけでもないのにダークエルフらは次々と叫び声を上げながら倒れていった。
敵側はその様子に怯えきっているため、倒れた者らから何かが飛び立って行った事には誰も気付いていないのだった······。
その頃アッシュらは救援に向かった者の抜けた穴を埋めながら攻撃を続けていた。
そこへ「アッシュ!」の声と共にハウルと先ほどの海人族の人がアッシュらの近くに現れた。
「ハウル様! っ! その人は!?」「アッシュ、反対側から海人族からの援軍が攻撃を仕掛け出してくれた。今こそ攻勢をかける時じゃ!」「う、海人族が!?」ハウル様の報せを聞いて僕が驚いていた。
それを聞いた兄ちゃんは「皆、聞いての通りだ! この機を逃さず、一気に畳み掛けるぞ!」「「お、おぉーーっ!!」」「この事を魔法科とギルドの人達にもすぐに伝達するんだ!」「了解!」兄ちゃんの指示を聞き、その場にいた全員の士気が上がった。
また兄ちゃんの指示通り魔法科やギルドの人達にも海人族の援軍が来た事が伝えられ、一気に全体的に士気が上がったのだった。
その時「うわぁー!」ダークエルフ軍の中から悲鳴が聞こえたかと思ったら、急に倒れ出す者が現れ出した。
それを兄ちゃんや僕達は海人族の攻撃だと思い、「俺達も海人族の人達に続くぞ!」「おぉーー!!」と攻撃を再び始めた。
しかし海人族の人は「······変ですぞ、ハウル殿」「変とは?」「我々の軍はつい先ほど敵の最後列とぶつかったばかりのはずです。まだこの辺りに到着するのは早すぎるかと思われます」「確かに。ではあれは一体?」ハウル様はつい先ほど倒れたダークエルフを見つめていたら、その体から何かコウモリのような生き物が飛び立つ光景を見た。
(あれは?)とハウルが思っていたら、別の似たコウモリがハウルの肩に止まり、「キィ! キィ!」と語りかけ出した。
たまたまその光景を見掛けた僕がハウル様に近付いて「ハウル様、そいつは?」と聞くと、「キィ!」そのコウモリが喋り終えると「何と!?」と驚き、直後コウモリはハウル様の肩から離れて飛んでいった。
それから「レックス。どうやらベアーズがクリスタルの洞窟のヴァンパイアバット達に応援を頼んでおったようじゃ」「べ、ベアーズが!?」「うむ」(あ、あいつめぇ)と思いながらクリスタルの洞窟の方を見つめた。
そのベアーズはというと、クリスタルの洞窟の入口にて戦場と化している方角の空を見続けていた。
そこへ背後から2つの大きな影が近寄り、ベアーズもそちらをチラリと見て「ガウ!」と叫んだ後、再び戦場の方を見た。
一方、救護所周辺でも大きな動きが起ころうとしていた。
外では何処から来るか分からない敵の攻撃に怯えながら武力科の生徒が警戒し、テントの中では治療などを行いながらも時たま聞こえてくる外からの悲鳴などにほとんどの者が怯えきってしまっていた。
そんな中で唯一気丈に振る舞って治療を続けているメリッサと、そのメリッサに頼まれて怯えながら手伝っているアリスとマーシュがそれぞれ奮闘していた。
その時、「ギャー!」生徒の声ではない叫び声が聞こえたかと思った直後、「救援に来たぞー!」聞き慣れたバーミリアン先生の声が聞こえたことで、テントの中の全員が安堵したのだった。
そのバーミリアン先生が「2、3人ずつで茂みに沿って並び、奥を捜索しつつ敵を見つけ次第掃討していくんだ!」「分かりました!」と言って武力科の生徒は言われた通りに捜索し、ダークエルフ達を見つけ次第随時倒していったのだった。
そんな時、1人のダークエルフが今まで見た事のない先が氷のように凍った矢をバーミリアン先生に向けて放った······。しかしバーミリアン先生はそれを察知してヒョイッと避けれたのだった。
ところがその矢がすぐ後ろのテントの幕を突き破って中まで入り込んでしまい、バーミリアン先生も「しまった!」と言って矢の後を追うようにテントに入った。
その矢は真っ直ぐたまたま矢の進行方向上で治療を続けていたアリス目掛けて飛んでいたが、当のアリス事態はまだ気付いていなかった。
そしてバーミリアン先生がテントに入るや「危ない!」と叫んでようやくアリスも矢の存在に気付いたが、矢はすぐ傍まで近付いていた。
その直後、誰かがアリスと矢の間に割って入って矢を代わりに腕で受けてくれたのだった。
しかし、「ぐっ!」身代わりに受けてくれた人物であるマーシュが直後に床に倒れたのを見て「イ、イヤァーー!!」アリスの悲痛な叫びが周囲にこだましたのだった······。
「いや、来てくれただけで感謝する! それで?」「はいっ! 国王様の命により、城の兵士ならびに街の有志で亜人領の川より上陸し、先頭部隊が今頃奴らの最後列とぶつかったところと思われます!」「そうか!」海人族の人からの説明を受けてハウルは満足気に言った。
そしてジルコニーやフィンラルに「ここは頼んじゃぞ! 儂はこの事をアッシュらに伝えてくる」と言い、ジルコニーが「分かった!」と答えてハウルは海人族と消えた。
残ったフィンラルは「い、いつの間に海人族に援軍を頼んでたんだ?」とジルコニーに尋ねたら、「数日前にな。彼らに顔が効く奴がいるのはお前も知ってるだろう」「っ!」とジルコニーは答え、フィンラルも誰のことなのかすぐに察した。
また、彼らの知らない所でもう1組の援軍も動き出していた······。
海人族が自分達の軍勢を襲い出したのを見てルーチェは「な、なぜ海人族が我々を攻撃しているんだ?」と疑問を漏らした。その時「た、大変です!」部下の1人が指令部に飛び込んで来た。
「今度は何だ!」ルーチェが声を荒げて聞くと、「わ、我が軍の者が次々と突然倒れ出しております!」「何だと!?」報せを聞いてルーチェは叫んだ。
「グワァーッ!」その部下の言う通り、誰かに攻撃されているわけでもないのにダークエルフらは次々と叫び声を上げながら倒れていった。
敵側はその様子に怯えきっているため、倒れた者らから何かが飛び立って行った事には誰も気付いていないのだった······。
その頃アッシュらは救援に向かった者の抜けた穴を埋めながら攻撃を続けていた。
そこへ「アッシュ!」の声と共にハウルと先ほどの海人族の人がアッシュらの近くに現れた。
「ハウル様! っ! その人は!?」「アッシュ、反対側から海人族からの援軍が攻撃を仕掛け出してくれた。今こそ攻勢をかける時じゃ!」「う、海人族が!?」ハウル様の報せを聞いて僕が驚いていた。
それを聞いた兄ちゃんは「皆、聞いての通りだ! この機を逃さず、一気に畳み掛けるぞ!」「「お、おぉーーっ!!」」「この事を魔法科とギルドの人達にもすぐに伝達するんだ!」「了解!」兄ちゃんの指示を聞き、その場にいた全員の士気が上がった。
また兄ちゃんの指示通り魔法科やギルドの人達にも海人族の援軍が来た事が伝えられ、一気に全体的に士気が上がったのだった。
その時「うわぁー!」ダークエルフ軍の中から悲鳴が聞こえたかと思ったら、急に倒れ出す者が現れ出した。
それを兄ちゃんや僕達は海人族の攻撃だと思い、「俺達も海人族の人達に続くぞ!」「おぉーー!!」と攻撃を再び始めた。
しかし海人族の人は「······変ですぞ、ハウル殿」「変とは?」「我々の軍はつい先ほど敵の最後列とぶつかったばかりのはずです。まだこの辺りに到着するのは早すぎるかと思われます」「確かに。ではあれは一体?」ハウル様はつい先ほど倒れたダークエルフを見つめていたら、その体から何かコウモリのような生き物が飛び立つ光景を見た。
(あれは?)とハウルが思っていたら、別の似たコウモリがハウルの肩に止まり、「キィ! キィ!」と語りかけ出した。
たまたまその光景を見掛けた僕がハウル様に近付いて「ハウル様、そいつは?」と聞くと、「キィ!」そのコウモリが喋り終えると「何と!?」と驚き、直後コウモリはハウル様の肩から離れて飛んでいった。
それから「レックス。どうやらベアーズがクリスタルの洞窟のヴァンパイアバット達に応援を頼んでおったようじゃ」「べ、ベアーズが!?」「うむ」(あ、あいつめぇ)と思いながらクリスタルの洞窟の方を見つめた。
そのベアーズはというと、クリスタルの洞窟の入口にて戦場と化している方角の空を見続けていた。
そこへ背後から2つの大きな影が近寄り、ベアーズもそちらをチラリと見て「ガウ!」と叫んだ後、再び戦場の方を見た。
一方、救護所周辺でも大きな動きが起ころうとしていた。
外では何処から来るか分からない敵の攻撃に怯えながら武力科の生徒が警戒し、テントの中では治療などを行いながらも時たま聞こえてくる外からの悲鳴などにほとんどの者が怯えきってしまっていた。
そんな中で唯一気丈に振る舞って治療を続けているメリッサと、そのメリッサに頼まれて怯えながら手伝っているアリスとマーシュがそれぞれ奮闘していた。
その時、「ギャー!」生徒の声ではない叫び声が聞こえたかと思った直後、「救援に来たぞー!」聞き慣れたバーミリアン先生の声が聞こえたことで、テントの中の全員が安堵したのだった。
そのバーミリアン先生が「2、3人ずつで茂みに沿って並び、奥を捜索しつつ敵を見つけ次第掃討していくんだ!」「分かりました!」と言って武力科の生徒は言われた通りに捜索し、ダークエルフ達を見つけ次第随時倒していったのだった。
そんな時、1人のダークエルフが今まで見た事のない先が氷のように凍った矢をバーミリアン先生に向けて放った······。しかしバーミリアン先生はそれを察知してヒョイッと避けれたのだった。
ところがその矢がすぐ後ろのテントの幕を突き破って中まで入り込んでしまい、バーミリアン先生も「しまった!」と言って矢の後を追うようにテントに入った。
その矢は真っ直ぐたまたま矢の進行方向上で治療を続けていたアリス目掛けて飛んでいたが、当のアリス事態はまだ気付いていなかった。
そしてバーミリアン先生がテントに入るや「危ない!」と叫んでようやくアリスも矢の存在に気付いたが、矢はすぐ傍まで近付いていた。
その直後、誰かがアリスと矢の間に割って入って矢を代わりに腕で受けてくれたのだった。
しかし、「ぐっ!」身代わりに受けてくれた人物であるマーシュが直後に床に倒れたのを見て「イ、イヤァーー!!」アリスの悲痛な叫びが周囲にこだましたのだった······。
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