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第15章 成長
第87話 ベアーズ2~ピエールとの頼み事~
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オリバーとの騒動から数日後の午後、カタッ! 久しぶりにベアーズはスペースを抜け出した。
そしてそのまま校舎の方へ走って行った。校舎へ入り真っ直ぐ頼み事の掲示板に向かい、そこに掲示されていた内の1枚をパクッ! ビリッ! と咥えて破り、そのまま校舎を出た。
今日レックスは実技の授業で学校外に遠征に行っていたので、授業の終了時間になってもすぐには迎えに来なかった。そのためベアーズはある場所を目指して走って行った。
目指していた場所には、何時ものように鉱石分布録を見ていたピエールがいた。そこにベアーズが近寄り、ピエールも気付いて「ベアーズ、どうしたの? レックスさんは?」と話し掛けた。
するとベアーズが何かの紙を咥えているのに気付き、それを差し出すようにしてきたので取って見てみたら「これ······頼み事の依頼書」その紙には"宝石彫刻師、洞窟のクリスタル納品、500G、できるだけ早く"と書かれていた。
「ひょっとして、これを僕に受けろって?」レックスとオリバーの一件から全ての頼み事は学年、クラス関係なく誰でも受けられるようになった。
「でも······」ピエールが躊躇っていたら、ベアーズがピエールのズボンの裾をクイッ! クイッ! と引っ張った。
「わっ! 分かったよ、ベアーズ」そうしてピエールはベアーズと共に事務所へ向かった。
事務所に着いて「あのぉ、この頼み事を······」先程の依頼書を事務員に渡した。
「はい」と受け取ったが、彼が1年生と分かっていたので事務員は一瞬躊躇った。
しかし隣にベアーズがいるのに気付き、ベアーズがかなりやる気になっていたので(そういうこと)と理解して受領した。
その依頼書をピエール返したらベアーズが先に走り出してピエールがそれを追って行ったのを見て(やっぱり)と事務員は思った······。
その後ピエール達は依頼主の宝石彫刻師の下を訪れ、「あの、養成学校に依頼した頼み事のことで伺ったのですが······」「あぁ、これね。でも······」続けて何かを言おうとした時、ピエールの隣にベアーズがいたのに気付いた。
「ん? ベアーズ、ひょっとしてお前も付いて行くんか?」と聞かれたのでベアーズは首を縦に振った。
「なら大丈夫か」と納得したので、宝石彫刻師は洞窟のクリスタルをそこそこの大きさの物を2、3個取ってきてくれと頼んだ。
それからピエールは寄宿舎に戻って部屋に鉱石分布録を置き、武器の小剣を持って洞窟に向かった。
洞窟に入って少し進み、最初の分かれ道に着いた所で「えーっと、クリスタルの部屋は······」と迷っていたら、ベアーズが突然「ガァーーーッ!」大きく吠えた。
ピエールは驚いて暫く固まっていた。するとある道の奥から「キィーーーッ!」と叫び声が聞こえたと思ったら、1匹のヴァンパイアバットの子供が近寄って来た。
「あ、あれって······」授業でヴァンパイアバットの事は教えてもらっていたので、武器を構えようとしたら、ベアーズがそのヴァンパイアバットと話しだした。
それを見て(ひょっとして、ベアーズやレックスさんの知り合い?)と思って暫く2匹を見ていた。
少ししてヴァンパイアバットが来た道とは別の道の奥に飛んで行き、ベアーズもピエールの方を振り向いてヴァンパイアバットを追った。
それを見てピエールも2匹を追おうとして「あ、待ってよぉ」と叫んだ。
2匹はどんどん奥に進み、暫くしたら何故かまだ明かりが整備されてない道があり、そこを進もうとしていたので、「ベアーズ。ここ、入って大丈夫なの?」とピエールが聞いたが、ベアーズは進むよう促したのでピエールは付いて行った。
暗い道はそれほど長くなく、すぐに前方の明かりが見えたのでピエールはそこに向かった。
するとその部屋に入った途端「う、うわぁ!!」驚きの声を上げた。
何とその部屋にもクリスタルが、かなり大量にしかも強烈な輝きを放って存在していた。ピエールはしばらく無言でそのクリスタルを見ていた。
そしてベアーズに、「ひょっとして、ここってまだ誰も知られてないんじゃ?」と聞いたら、ベアーズは首を縦に振った。
「やっぱり」とピエールは答え、それから「······他の人には黙っていようか」と言ったら、ベアーズは「ガァ!」と叫び、ヴァンパイアバットも「キィー!」と叫んだ。
そしてピエールはその部屋のクリスタルを3個 (うち1個はベアーズが口にくわえて)持ち出して宝石彫刻師に渡した。
宝石彫刻師はいつものクリスタルより輝きが良いことに驚いていたが、依頼達成ということでピエールに報酬を渡した。
宝石店を出たところで、「僕1人だけで頼み事を終わらせられたなんて······」と感動していたら、ベアーズがピエールの······持っていた報酬の袋をじっと見ていた。
それにピエールが気付き「これが欲しいの?」と尋ねたら首を縦に振った。
「良いよ」と報酬をベアーズに渡したら、それを咥えた途端ベアーズは一目散にどこかへ走り去った。
あまりの速さにピエールは追えなかったが、 (きっと用事が終わったら自分でレックスさんの所に帰るだろう)と思って自身も1人で寄宿舎に帰った。
後日、レックスとメリッサが図書委員の担当日にピエールは今回の一件を伝え (クリスタルの部屋の事は伏せて)、2人から大いに誉められたのであった······。
そしてそのまま校舎の方へ走って行った。校舎へ入り真っ直ぐ頼み事の掲示板に向かい、そこに掲示されていた内の1枚をパクッ! ビリッ! と咥えて破り、そのまま校舎を出た。
今日レックスは実技の授業で学校外に遠征に行っていたので、授業の終了時間になってもすぐには迎えに来なかった。そのためベアーズはある場所を目指して走って行った。
目指していた場所には、何時ものように鉱石分布録を見ていたピエールがいた。そこにベアーズが近寄り、ピエールも気付いて「ベアーズ、どうしたの? レックスさんは?」と話し掛けた。
するとベアーズが何かの紙を咥えているのに気付き、それを差し出すようにしてきたので取って見てみたら「これ······頼み事の依頼書」その紙には"宝石彫刻師、洞窟のクリスタル納品、500G、できるだけ早く"と書かれていた。
「ひょっとして、これを僕に受けろって?」レックスとオリバーの一件から全ての頼み事は学年、クラス関係なく誰でも受けられるようになった。
「でも······」ピエールが躊躇っていたら、ベアーズがピエールのズボンの裾をクイッ! クイッ! と引っ張った。
「わっ! 分かったよ、ベアーズ」そうしてピエールはベアーズと共に事務所へ向かった。
事務所に着いて「あのぉ、この頼み事を······」先程の依頼書を事務員に渡した。
「はい」と受け取ったが、彼が1年生と分かっていたので事務員は一瞬躊躇った。
しかし隣にベアーズがいるのに気付き、ベアーズがかなりやる気になっていたので(そういうこと)と理解して受領した。
その依頼書をピエール返したらベアーズが先に走り出してピエールがそれを追って行ったのを見て(やっぱり)と事務員は思った······。
その後ピエール達は依頼主の宝石彫刻師の下を訪れ、「あの、養成学校に依頼した頼み事のことで伺ったのですが······」「あぁ、これね。でも······」続けて何かを言おうとした時、ピエールの隣にベアーズがいたのに気付いた。
「ん? ベアーズ、ひょっとしてお前も付いて行くんか?」と聞かれたのでベアーズは首を縦に振った。
「なら大丈夫か」と納得したので、宝石彫刻師は洞窟のクリスタルをそこそこの大きさの物を2、3個取ってきてくれと頼んだ。
それからピエールは寄宿舎に戻って部屋に鉱石分布録を置き、武器の小剣を持って洞窟に向かった。
洞窟に入って少し進み、最初の分かれ道に着いた所で「えーっと、クリスタルの部屋は······」と迷っていたら、ベアーズが突然「ガァーーーッ!」大きく吠えた。
ピエールは驚いて暫く固まっていた。するとある道の奥から「キィーーーッ!」と叫び声が聞こえたと思ったら、1匹のヴァンパイアバットの子供が近寄って来た。
「あ、あれって······」授業でヴァンパイアバットの事は教えてもらっていたので、武器を構えようとしたら、ベアーズがそのヴァンパイアバットと話しだした。
それを見て(ひょっとして、ベアーズやレックスさんの知り合い?)と思って暫く2匹を見ていた。
少ししてヴァンパイアバットが来た道とは別の道の奥に飛んで行き、ベアーズもピエールの方を振り向いてヴァンパイアバットを追った。
それを見てピエールも2匹を追おうとして「あ、待ってよぉ」と叫んだ。
2匹はどんどん奥に進み、暫くしたら何故かまだ明かりが整備されてない道があり、そこを進もうとしていたので、「ベアーズ。ここ、入って大丈夫なの?」とピエールが聞いたが、ベアーズは進むよう促したのでピエールは付いて行った。
暗い道はそれほど長くなく、すぐに前方の明かりが見えたのでピエールはそこに向かった。
するとその部屋に入った途端「う、うわぁ!!」驚きの声を上げた。
何とその部屋にもクリスタルが、かなり大量にしかも強烈な輝きを放って存在していた。ピエールはしばらく無言でそのクリスタルを見ていた。
そしてベアーズに、「ひょっとして、ここってまだ誰も知られてないんじゃ?」と聞いたら、ベアーズは首を縦に振った。
「やっぱり」とピエールは答え、それから「······他の人には黙っていようか」と言ったら、ベアーズは「ガァ!」と叫び、ヴァンパイアバットも「キィー!」と叫んだ。
そしてピエールはその部屋のクリスタルを3個 (うち1個はベアーズが口にくわえて)持ち出して宝石彫刻師に渡した。
宝石彫刻師はいつものクリスタルより輝きが良いことに驚いていたが、依頼達成ということでピエールに報酬を渡した。
宝石店を出たところで、「僕1人だけで頼み事を終わらせられたなんて······」と感動していたら、ベアーズがピエールの······持っていた報酬の袋をじっと見ていた。
それにピエールが気付き「これが欲しいの?」と尋ねたら首を縦に振った。
「良いよ」と報酬をベアーズに渡したら、それを咥えた途端ベアーズは一目散にどこかへ走り去った。
あまりの速さにピエールは追えなかったが、 (きっと用事が終わったら自分でレックスさんの所に帰るだろう)と思って自身も1人で寄宿舎に帰った。
後日、レックスとメリッサが図書委員の担当日にピエールは今回の一件を伝え (クリスタルの部屋の事は伏せて)、2人から大いに誉められたのであった······。
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