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第11章 進級
第58話 学年末試験2
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翌朝、身支度を整えて待ち合わせ場所の校庭広場に向かった。
まだ誰も来てはおらず後から兄ちゃん、お姉ちゃんとアリスが来て揃ったところで白い羽でエルフの里に飛び、そのまま砂漠に出た。
「それで、兄ちゃん達はどうやって蜃気楼の泉を探すの?」と僕が聞くと、「コイツを使うんだ」と言ってネズミを見せてくれた。
「カワイイ!」「コイツは?」「授業の課程で捕獲してそのままペットにしたネズミだよ。普段は他の生徒のペットとかと一緒に学校で管理してもらってるんだ」「えっ、そうなの?」それは初耳だった。
「あぁ。とは言え学校も流石にクマを飼育した事はないだろうから、ベアーズは特別な対応をしたんだろう」「あぁ、そうかもね」などと話してとりあえず僕達は兄ちゃん達の蜃気楼の泉探しに付いて行った(サソリが出て来なければしょうがないから)。
暫く歩いたが蜃気楼の泉はもちろんサソリもまだ遭遇出来ていなかった。
「流石にすぐには見つからねぇか」「うん。僕も前はベアーズに協力してもらって3日ぐらいかかったから」「やっぱりそれぐらいかかるか。まぁ気長に探すしかねぇか」「そうね」「それにしても、やっぱり暑いね」「大丈夫? アリスちゃん」「うん。お姉ちゃん」などと会話をしながら歩いていた。
兄ちゃんのネズミも闇雲にとはいえず何かに向かって歩いては止まり、また歩き出すを続けていた。
その時少し離れた場所で大きな動く物体を見つけ、よくよく目を凝らして見てみたら······「いた!」サソリだった。
「まず1匹目!」と叫びながら僕はサソリに向かって飛び出していた。
「あ、おいレックス! ったくしょうがねぇな。メリッサ、ちょっと持っててくれ」「うん分かった。気をつけてね」「ああ」メリッサにネズミを預けた後アッシュもレックスの後に付いてサソリに向かい、2人で協力して戦った末に倒して無事1個目のサソリの針を手に入れた。
「やっと1個目ゲット!」「やったな」「うん!」「にしてもすげぇ戦い方だったなお前」「そうかな。······そういえば、僕が普通に戦っているところを兄ちゃんが見るのダークエルフとの戦い以来じゃない?」「そういや、そうだな」
あれから色々あったからすごいと思うのも当然か。前回のモーラボアとの時僕はただ怯ませるためにブーメランを投げただけだったし······。
(それに)2人の所に戻りながらふと思い、「この4人で学校の外で大きな活動するのも初めてだね」「あぁ。そうだな」
「兄ちゃんとはダークエルフとの一件、お姉ちゃんとは命の石の一件、アリスとは授業の合同授業でよく一緒になった事はあったけど······」「確かに。しかもお前とああして戦う事が出来たんだから、貴重な体験かもな」「うん。かもしれないね」と会話しながら戻った。
一方、僕達がサソリと戦っている頃アリスとメリッサは······。
「······なんか羨ましぃな」「羨ましい?」「うん。子供の頃からレックスとお兄ちゃんああして2人で旅をしたり狩りをしたり、今も魔物を相手にしてるんだから」
「確かに羨ましく思うのも仕方ないかもしれないわね」「うん。けど」「けど?」「本当ならこんな思いも出来なかったんだよね」「えっ?」そこまで言ってアリスは寂しい目になって2人を見つめていた。
「あの合同授業の時、死んじゃってるはずなんだから」「っ! アリスちゃん······」そう言ってメリッサはアリスに近付き体を抱き寄せた。
「今回の事も自然の冷水が必要で洞窟とかの地底湖の水などって聞いた時、あの洞窟にもあったのを思い出したんだけど、その時ロックサイとの事も思い出しちゃって······」そこまで言ったところでアリスの体が震えだしたので、メリッサは震えを抑えるために後ろからアリスを抱き締めた。
「レックスに伝えたら洞窟に行こうって言うのが分かってたけど、そしたら、どんどんあの時の事を、鮮明に思い出す事になって。き、きっと、どんどん震えが止まらなくなるかもって、思ったら、言い出せなくなって······」と聞いたところでメリッサは自分の胸にアリスの顔をうずめさせ、「もういいのよ、それ以上言わなくて」と優しく言いながらアリスの頭を撫でた。
「けど、そう思った直後に食堂でお姉ちゃんに言われた事も思い出して」「えっ?」
「ほら、レックスが逃げるように食堂を出て行った後に『大事な人が死ぬかもって分かってても誰にも言えなかったレックス君が、1番苦しい思いでい続けた』って」「うん。確かに言ったわね」
「それに、本当にレックスも一度死んでるはずなんだから私よりも本当は辛い経験をしているはずなんだって思いだしたら、勇気が出てきて伝える事が出来たの」「そうなんだ」
「だから、レックスと一緒ならきっと大丈夫なんだって思うようにしたの。だって······」「だって?」
そこまで言ってメリッサから体を離して2人が戻ってくる姿を見ながら、「レックス本当は私達より少し年上の13歳、ううん今の人生で10年生きてるから23歳のはずなんだから」「······それも、そっか」と言って2人で笑い出したところでレックスとアッシュが帰って来た。
「ん、どうした? 2人で笑い合って」アッシュ兄ちゃんが聞いたら、「「何でもなーい」」と同時に答えたのだった。
結局その日はもう蜃気楼の泉もサソリも発見出来なかったのでエルフの里から学校へ戻り、また明日探す事にしたのだった。
まだ誰も来てはおらず後から兄ちゃん、お姉ちゃんとアリスが来て揃ったところで白い羽でエルフの里に飛び、そのまま砂漠に出た。
「それで、兄ちゃん達はどうやって蜃気楼の泉を探すの?」と僕が聞くと、「コイツを使うんだ」と言ってネズミを見せてくれた。
「カワイイ!」「コイツは?」「授業の課程で捕獲してそのままペットにしたネズミだよ。普段は他の生徒のペットとかと一緒に学校で管理してもらってるんだ」「えっ、そうなの?」それは初耳だった。
「あぁ。とは言え学校も流石にクマを飼育した事はないだろうから、ベアーズは特別な対応をしたんだろう」「あぁ、そうかもね」などと話してとりあえず僕達は兄ちゃん達の蜃気楼の泉探しに付いて行った(サソリが出て来なければしょうがないから)。
暫く歩いたが蜃気楼の泉はもちろんサソリもまだ遭遇出来ていなかった。
「流石にすぐには見つからねぇか」「うん。僕も前はベアーズに協力してもらって3日ぐらいかかったから」「やっぱりそれぐらいかかるか。まぁ気長に探すしかねぇか」「そうね」「それにしても、やっぱり暑いね」「大丈夫? アリスちゃん」「うん。お姉ちゃん」などと会話をしながら歩いていた。
兄ちゃんのネズミも闇雲にとはいえず何かに向かって歩いては止まり、また歩き出すを続けていた。
その時少し離れた場所で大きな動く物体を見つけ、よくよく目を凝らして見てみたら······「いた!」サソリだった。
「まず1匹目!」と叫びながら僕はサソリに向かって飛び出していた。
「あ、おいレックス! ったくしょうがねぇな。メリッサ、ちょっと持っててくれ」「うん分かった。気をつけてね」「ああ」メリッサにネズミを預けた後アッシュもレックスの後に付いてサソリに向かい、2人で協力して戦った末に倒して無事1個目のサソリの針を手に入れた。
「やっと1個目ゲット!」「やったな」「うん!」「にしてもすげぇ戦い方だったなお前」「そうかな。······そういえば、僕が普通に戦っているところを兄ちゃんが見るのダークエルフとの戦い以来じゃない?」「そういや、そうだな」
あれから色々あったからすごいと思うのも当然か。前回のモーラボアとの時僕はただ怯ませるためにブーメランを投げただけだったし······。
(それに)2人の所に戻りながらふと思い、「この4人で学校の外で大きな活動するのも初めてだね」「あぁ。そうだな」
「兄ちゃんとはダークエルフとの一件、お姉ちゃんとは命の石の一件、アリスとは授業の合同授業でよく一緒になった事はあったけど······」「確かに。しかもお前とああして戦う事が出来たんだから、貴重な体験かもな」「うん。かもしれないね」と会話しながら戻った。
一方、僕達がサソリと戦っている頃アリスとメリッサは······。
「······なんか羨ましぃな」「羨ましい?」「うん。子供の頃からレックスとお兄ちゃんああして2人で旅をしたり狩りをしたり、今も魔物を相手にしてるんだから」
「確かに羨ましく思うのも仕方ないかもしれないわね」「うん。けど」「けど?」「本当ならこんな思いも出来なかったんだよね」「えっ?」そこまで言ってアリスは寂しい目になって2人を見つめていた。
「あの合同授業の時、死んじゃってるはずなんだから」「っ! アリスちゃん······」そう言ってメリッサはアリスに近付き体を抱き寄せた。
「今回の事も自然の冷水が必要で洞窟とかの地底湖の水などって聞いた時、あの洞窟にもあったのを思い出したんだけど、その時ロックサイとの事も思い出しちゃって······」そこまで言ったところでアリスの体が震えだしたので、メリッサは震えを抑えるために後ろからアリスを抱き締めた。
「レックスに伝えたら洞窟に行こうって言うのが分かってたけど、そしたら、どんどんあの時の事を、鮮明に思い出す事になって。き、きっと、どんどん震えが止まらなくなるかもって、思ったら、言い出せなくなって······」と聞いたところでメリッサは自分の胸にアリスの顔をうずめさせ、「もういいのよ、それ以上言わなくて」と優しく言いながらアリスの頭を撫でた。
「けど、そう思った直後に食堂でお姉ちゃんに言われた事も思い出して」「えっ?」
「ほら、レックスが逃げるように食堂を出て行った後に『大事な人が死ぬかもって分かってても誰にも言えなかったレックス君が、1番苦しい思いでい続けた』って」「うん。確かに言ったわね」
「それに、本当にレックスも一度死んでるはずなんだから私よりも本当は辛い経験をしているはずなんだって思いだしたら、勇気が出てきて伝える事が出来たの」「そうなんだ」
「だから、レックスと一緒ならきっと大丈夫なんだって思うようにしたの。だって······」「だって?」
そこまで言ってメリッサから体を離して2人が戻ってくる姿を見ながら、「レックス本当は私達より少し年上の13歳、ううん今の人生で10年生きてるから23歳のはずなんだから」「······それも、そっか」と言って2人で笑い出したところでレックスとアッシュが帰って来た。
「ん、どうした? 2人で笑い合って」アッシュ兄ちゃんが聞いたら、「「何でもなーい」」と同時に答えたのだった。
結局その日はもう蜃気楼の泉もサソリも発見出来なかったのでエルフの里から学校へ戻り、また明日探す事にしたのだった。
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