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第10章 学校生活3
第54話 閑話ー雪かきー
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休暇前試験も無事終わって夏季より1週間短い冬季休暇が始まった。流石に1週間なので僕らは村に戻らず寄宿舎に残り、お姉ちゃんは実家に戻る事になった。
ある日部屋でベアーズとくつろいでいたらハウル様が突然部屋を訪れた。
そして今まで見た事のない真剣な顔で「レックスよ。儂からたっての頼みがある!」「な、何でしょうか? ハウル様」「それは······儂の家の前の雪かきをしてくれぬか?」と聞かれ僕は転けた。
「ゆ、雪かきぃ?」「今年はなぜか相当雪が降り積もってしまってのぉ。家に入るに入れなくなってしまったのじゃ」「ま、まぁ良いですけど」そう答えて兄ちゃんも誘って2人 (とベアーズも)でハウル様の家の前に飛んだ。その直後、物凄く後悔する事になるとも知らないで······。
「······」ハウル様の家の前に着いた直後、僕達は言葉を失った。辺り一面雪だらけで家の影が全く見当たら無かったからだ。
「ハ、ハウル様。お家ってどの辺りでしたっけ?」僕が聞いたら「この辺りじゃ」とお答えになられた。
いつまでも呆然としているわけにもいかなかったので、僕達は持ってきたスコップで雪かきを始めた。ベアーズも協力してくれて······。
大分雪かきを行ったが一向に家が見えてこず、「これ今日中に終わるか?」と兄ちゃんがぼやくほどだった。
「だけど、昔はよく村でやってたよね? 雪かき」「あぁ、そうだったなぁ。オヤジ達に寒い中強引にさせられて······」「ハハハ、そうだったね。でも、終わった後に母さん達が作ってくれた暖かい料理のお陰で疲れも吹き飛んでたなぁ」「そうだったな」
そこまで言って僕は雪かきの動きを止め「今はまた同じ事をしたいと思えば出来るんだよね?」「レックス?」兄ちゃんは一瞬不思議がったが、すぐに僕が言ったことを理解して「······そうだな」と答えた。そう、今の人生では······。
そうしてまた雪かきを再開させようやく家と思しきものの姿が見えてきた。そこからは必死に掘り進み、家のドアが見えるようになった。
「「や、やったぁーー!!」」と2人で喜んだ。周りの雪かきをした雪の量を見て達成感を改めて感じられた。
そしてドアを開け「ハウル様、終わりましたー」と中に入ったら、「お疲れ様!」「「えっ?」」なぜかアリスがいてそう声をかけてきた。しかも隣にはさっきまで僕達と一緒に雪かきをしていたはずのベアーズもいて······。
「ア、アリス!?」「何でいるの? しかもベアーズまで」
僕達が疑問に思っていると、「ホッホッホ。それはのぉ、今回は儂から村に帰れないでいるお主らへの労いのために招待しようと考えたからじゃよ」
「「しょ、招待??」」「うむそうじゃ。しかしただ招待するというのも味気ないと思ってのぉ。たまたま本当に家の前に少々雪が積もっておったから、お主らには雪かきでもしてもらおうと考えたんじゃ」「その間に私とハウル様で料理の準備をしていたのよ」「そ、そうだったのね」
確かに家に入れなくなったと言っておきながら、ハウル様の姿はいつの間にかいなくなっていたなぁ。
「ったく、そりゃないぜハウル様」「本当ですよ」「もう良いではないか。ほれ、料理が冷めてしまうぞ」「ほら、2人とも早く食べましょ!」アリスに促されて僕らは座って用意された料理を食べだしたのであった。
食べている間この1年で起こった色々な思い出話に花を咲かせて······。
ある日部屋でベアーズとくつろいでいたらハウル様が突然部屋を訪れた。
そして今まで見た事のない真剣な顔で「レックスよ。儂からたっての頼みがある!」「な、何でしょうか? ハウル様」「それは······儂の家の前の雪かきをしてくれぬか?」と聞かれ僕は転けた。
「ゆ、雪かきぃ?」「今年はなぜか相当雪が降り積もってしまってのぉ。家に入るに入れなくなってしまったのじゃ」「ま、まぁ良いですけど」そう答えて兄ちゃんも誘って2人 (とベアーズも)でハウル様の家の前に飛んだ。その直後、物凄く後悔する事になるとも知らないで······。
「······」ハウル様の家の前に着いた直後、僕達は言葉を失った。辺り一面雪だらけで家の影が全く見当たら無かったからだ。
「ハ、ハウル様。お家ってどの辺りでしたっけ?」僕が聞いたら「この辺りじゃ」とお答えになられた。
いつまでも呆然としているわけにもいかなかったので、僕達は持ってきたスコップで雪かきを始めた。ベアーズも協力してくれて······。
大分雪かきを行ったが一向に家が見えてこず、「これ今日中に終わるか?」と兄ちゃんがぼやくほどだった。
「だけど、昔はよく村でやってたよね? 雪かき」「あぁ、そうだったなぁ。オヤジ達に寒い中強引にさせられて······」「ハハハ、そうだったね。でも、終わった後に母さん達が作ってくれた暖かい料理のお陰で疲れも吹き飛んでたなぁ」「そうだったな」
そこまで言って僕は雪かきの動きを止め「今はまた同じ事をしたいと思えば出来るんだよね?」「レックス?」兄ちゃんは一瞬不思議がったが、すぐに僕が言ったことを理解して「······そうだな」と答えた。そう、今の人生では······。
そうしてまた雪かきを再開させようやく家と思しきものの姿が見えてきた。そこからは必死に掘り進み、家のドアが見えるようになった。
「「や、やったぁーー!!」」と2人で喜んだ。周りの雪かきをした雪の量を見て達成感を改めて感じられた。
そしてドアを開け「ハウル様、終わりましたー」と中に入ったら、「お疲れ様!」「「えっ?」」なぜかアリスがいてそう声をかけてきた。しかも隣にはさっきまで僕達と一緒に雪かきをしていたはずのベアーズもいて······。
「ア、アリス!?」「何でいるの? しかもベアーズまで」
僕達が疑問に思っていると、「ホッホッホ。それはのぉ、今回は儂から村に帰れないでいるお主らへの労いのために招待しようと考えたからじゃよ」
「「しょ、招待??」」「うむそうじゃ。しかしただ招待するというのも味気ないと思ってのぉ。たまたま本当に家の前に少々雪が積もっておったから、お主らには雪かきでもしてもらおうと考えたんじゃ」「その間に私とハウル様で料理の準備をしていたのよ」「そ、そうだったのね」
確かに家に入れなくなったと言っておきながら、ハウル様の姿はいつの間にかいなくなっていたなぁ。
「ったく、そりゃないぜハウル様」「本当ですよ」「もう良いではないか。ほれ、料理が冷めてしまうぞ」「ほら、2人とも早く食べましょ!」アリスに促されて僕らは座って用意された料理を食べだしたのであった。
食べている間この1年で起こった色々な思い出話に花を咲かせて······。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
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