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第4章 王都

第24話 再会2

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 兄ちゃん達と別れて少しして養成学校に到着した。僕が着いた時には何人か並んでいたのでその最後尾に並び、僕の番になって手続きとお金を納め宿屋の紹介状をもらってその場を離れた。

 宿屋に向かう途中エルフの里であったロースが並んでいるのを見掛け「やぁロース」「あぁレックス、久しぶり。もう手続き終わったんだ」「うん。じゃあね」「うん」とやりとりをしてその場を離れた。

 指定された宿屋ではある女の子が自分に充てられた部屋の窓からずっと外を見続け、誰かを待っていた。そして目的の彼が来たのを見掛けると一目散に部屋を出て外へ向かった。

 その"彼"である僕は指定された宿屋を見つけたところだった。

(ここか)と思いながら先ほど兄ちゃんの言ったーーアリスを見掛けても驚くなよ。村にいた時と大分変わっているからーーを思い返していた。

 分かってるよ兄ちゃん。だって前世ではずっと一緒に過ごしていたから、おその時とあんまり変わりはしてないだろうから。

 と思っていたら前方から「レックス!!」と呼ぶ声が聞こえたので前を見たら、そこにはやはり前世と同じ金髪で胸よりもさらに下にまで髪が伸びて村にいた頃の顔の面影が残っているアリスが立っていた。

「アリス」と僕が答えると「レックスーーーッ!」と言いながら僕に抱き付いてきた。

「良かった。やっとまた会えた!」と言いつつ興奮してたので「取り敢えず、一旦落ち着こう」と言って落ち着かせた。

 アリスも「そ、そうだね」と冷静さを取り戻した。

 そして「ホントに兄ちゃんの言った通り村にいた時と見違えたね」と言うと「アッシュお兄ちゃんにもう会ったの?」と尋ねてきた。

「うん。彼女も見て4人で夕ご飯をここで食べようって言ってた」「あ、メリッサさんにも会ったんだ。うん分かった。じゃあ早く手続き済ませてそれまで色々話をしましょ!」と言いながら僕の手を引っ張って宿屋の中に導いた。

 宿屋の受付で手続きをして部屋に入り、荷物を置いて部屋でアリスとそれぞれの事を話し合った。

 そして時間になったので下の食堂に行ったらもう兄ちゃんとメリッサさんがいたのでそこに向かった。食事をしながらそれぞれの事を紹介しあった。

 まず兄ちゃんは僕が村を出てすぐに王都へ向かって試験を受け、入学してからはどれもこれも優秀な成績を収め周りから注目の的になり、それでいつの間にかあの取り巻きAとBが近寄って来たとのこと。

 次にメリッサさんはどうやらこの王都内にある貴族の家のうち、4大貴族と呼ばれている家の1つであるローテン家出身の人で、兄ちゃんとはメリッサさんが絡まれていたところを兄ちゃん(ら)に助けてもらい、それから徐々に仲良くなって彼女になったとのこと。

 そしてアリスは僕らが村を出た後、両親に養成学校への入学を必死に頼み込んだ末了承してもらい、その後は僕から聞いていた事もあって親の手伝いをして知識を付けたり、ベアーやベアーズに協力してもらって体力を付けていたとのこと。

 最後に僕がハウル様の下での修行の事や、エルフの里に赴いて頼まれ事をハウル様と解決したり、ヨートス様の息子のロースと仲良くなった事を話した。そうした話をし合って解散した。


「ふぅ、お腹いっぱい」「だな」あの後僕の部屋に兄ちゃんが付いて来てベットに腰掛けたところだ。

「しかしようやくお前達もここまで来たんだな」「うん。まずは明日の入学試験次第だけどね」「あぁ。前世では入学試験はどうだったんだ?」「ま、前は······Eで合格でした」

「Eィ!?」「うん。午前中の実技の方が終わった時点でもDで、午後の筆記が終わったところでEでギリギリ合格したんだ」と明日の試験の前世の結果を兄ちゃんに伝えた。この辺の詳細はまた後ほど。

 それを聞いて「······大丈夫、なのか?」「多分。体力も確実に前より付いているから午前中はともかく、やっぱり今回も問題は午後だと······」と言った後僕の肩に兄ちゃんが手を乗せ「まぁ本当に頑張れよ」と言った。

「うん。だけど、今日一番驚いたのは兄ちゃんに彼女が出来てた事だよ。前はいなかったんだから」

 そう、前世では兄ちゃんは学校の成績は今回同様良かったが村での事もあって彼女や友人と呼べる人は作らず、いつも僕やアリスと接しているか1人でいたんだから。

「多分それは、お前のお陰かもしれないな」「えっ?」兄ちゃんから思いがけない事を言われて驚いた。

「ベアーズを助けようとした時や俺達をオークから逃がそうとした時、本当に不安に感じてた時に偶然とはいえお前は俺を助けてくれただろ?」

 言われてみれば、両方とも絶対そうしなければならないわけでもなかったが、何とか出来る確証があったので助けたのは事実だった。

「それでメリッサが男達に絡まれていた時の雰囲気がベアーを初めて見た時やオークを見て震えていた時の自分の事を思い出して、助けてやらないとと思って助けたまでだったんだ。その後授業なんかでメリッサ達のクラスともよく一緒に授業を行う事があってグループやペアをよく組む事になり、徐々に距離が縮んでいったんだよ」「そうだったんだ」

 ここにきてまたあの頃の行動が影響していようとは思わなかった。

「んじゃ俺も帰るわ。おやすみ」「うん。おやすみ」と言って兄ちゃんは帰った。

 さぁ、まずは明日の入学試験だ! そう思って僕は眠った。
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