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2年生での出来事
第49話 ギルドの、クエスト?
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洞窟でロックくん達と会ってから何日か過ぎた日の夜。レックスが「ベアーズ。明日兄ちゃんやお姉ちゃん、マールに兄ちゃんのクラスメイトの人達。それからハウル様とマリンタウンに行く事になったから」と伝えてきて、(え······アッシュにメリッサ。マールにハウルのおっちゃん。あと他にも何人かと!?)余りの人数の多さに驚いた。
「実は兄ちゃんが校長先生からギルドに届いたクエスト、ギルドクエストって呼ばれている頼み事のようなものを行うように頼まれたんだ」
(ギルド、クエスト?)レックスからそんな言葉を聞き、初めて聞いた言葉だったので最初は何の事だろうと思ったけど、ギルドって言葉は前に教えてもらったし、クエストは頼み事のようなものって今教えてもらったから、(つまり、ギルドって所に届いた頼み事をしに行くんだ)と理解し、(分かった!)と言わんばかりに大きく頷いたのだった。
それを見てレックスも「ありがとう」(えへへへへ)と言いながらボクの頭を撫でてくれた。
次の日。ボクもレックスもそこそこ早く起きたので、さっと身じたくをしてアッシュ達との待ち合わせの場所に向かった。
場所に着いたけど······やっぱりまだ誰もいなかった。暫くそこで待っていたら、「レックスーっ! ベアーズー!」「あ、兄ちゃん!」(やっほー! アッシュー)アッシュがやって来て、ボク達に声をかけてきた。
「ホントにお前ら朝は早いよなぁ」「ははは、まぁね」(えへへ)なんて会話をしていたら、「「アッシュさーん!」」(ん?)「おお、フレッドー! ボブー!」レックスやアッシュと似た感じのヒトが2人アッシュと叫びながらこちらにやって来た。アッシュがそのヒト達の名前を叫んでいたから、(レックスがアッシュのクラスメイトって言ってたヒト達かぁ)と理解した。
そのすぐ後にも「アッシュ」って言いながら、レックス達とは全く違った感じのヒトがやって来た。
「よぉ、シーラン」ってアッシュが言ったから、(このヒトも、アッシュのクラスメイト?)と思った。するとそのシーランってヒトが近くに来たところで、「レックス、紹介するよ。俺達のクラスメイトの海人族でシーランって言うんだ」「初めまして、シーランだ」「レックスです。初めまして」とレックスとシーランが挨拶を交わした。
そのすぐ後に「レックスーーっ!」(あ)「あ、マールー!」マールがレックスと叫びながらこちらに向かって来た。
「遅くなってごめん」「ううん、大丈夫だよ。あ、兄ちゃん紹介するね。僕のクラスメイトのマールだよ」とレックスがマールの事をアッシュに話したら、「初めまして、マールと言います」「アッシュだ。今回はよろしくね」「あ、はい。こちらこそ」と2人は挨拶を交わした。
その後「あと来てないのは、メリッサとハウル様か」「みたいだね」アッシュとレックスが来てないヒトを確認し、ボクも(うん。後来てないのは······)と思った直後、すぐ近くの茂みを見ながら(メリッサだけ)と思った。
そのボク達の近くでは、「お前も今回は参加するのか? マール」「あ、シーランさん。はい、昨日レックスから話を聞きまして」「確かに、俺達の街の近くでの事だからなぁ」「はい」マールとシーランってヒトが話をしていた。
その時、「みんなー! お待たせー」(あ)「おっ、来た来······あれ?」「あれ?」メリッサ······と、なぜかアリスが一緒に向かって来た。
「遅くなってごめんなさい、アッシュ」「いや、良いんだが、何でアリスもいるんだ?」「今朝出てくる時にたまたま会っちゃって、話をしたら私も行くって言われたから、治療をすることになったら人手は多い方が良いと思って」「そう言う事か。まぁ確かにそうかもな」「ありがとう、お兄ちゃん!」とアッシュも納得したのだった。
(それじゃあ後は······)と思いさっきの茂みの方を見ようとした時、「どうやら全員集まったようじゃな」(出て来た)「「ハウル様!!」」茂みの方から今来たようにハウルのおっちゃんが現れた(ホントはアッシュが来る前からいたけどね)。
「はい。全員集まりました」「うむ。それじゃあ行くとするか」「「「はい!」」」とみんなが返事をしてハウルのおっちゃんによってボク達はマリンタウンへ飛んだ。
マリンタウンに着くと「「おぉー!」」「ここが、マリンタウン」「素敵」アッシュやアリスなど初めてマリンタウンに来たらしいヒト達が街の様子を見て驚いていた。
「ほれ、お城はこっちじゃ」「あ、はい」ハウルのおっちゃんに促され、アッシュを先頭にボク達はお城に向かった。
お城の前に着いたところで、「さて、これからどうするんじゃ、アッシュ?」「とりあえず、依頼主の守備隊長の所へ俺とハウル様とレックスで話を聞きに行きましょう」「そうじゃな」「皆はその間ここで待っててくれ」「分かりました」「分かった」とアッシュがみんなに伝えた。
するとメリッサが「ねぇアッシュ。その間ポピー王子様の所に行ってても良いかしら?」と尋ねると、「ポピー王子様?」「おぉ、そうじゃな。久しぶりに顔を見せてやった方が良いかもな」とハウルのおっちゃんが言った事もあり、「分かったよ」「ありがとう」アッシュが許し、「ねぇお姉ちゃん。私も行っても良い?」「うん!」「やったぁ!」アリスもメリッサについて行く事となった。
それで、「じゃあアリス。ベアーズも預かってて」「分かった」ということでボクもアリスやメリッサとポピーって王子の所に行く事となった。
お城の中に入って少ししてからレックス達と別れ、ボク達はお城のヒトに案内されてポピー王子のいる所に連れて行ってもらった。
少し歩いたところで大きな扉の前に着き、その扉が開けられたら中に何人かのヒトがいた。
すると突然「ピィーーーッ!」(うわっ!)ものすごいかん高い声が聞こえてきた。
そのすぐ後「ポピー王子!」とメリッサが叫んだので、奥の方に目をやるとアリスやメリッサと似た感じのヒトが抱えているボクより少し体の大きさが小さな子が手をバタつかせているのを見て、(あの子がポピー王子かぁ)と理解した。
そのポピー王子にメリッサが近付くと、それまで王子を抱えていたヒトが王子を離して王子がメリッサに抱き付いた。
「久しぶり」「ピィーッ!」メリッサが優しく話しかけたら王子は再びかん高い声で返した。
「その子が、ポピー王子様?」とアリスが聞くと、「うん、そうよ。ポピー王子、この子はレックス君の幼馴染みでアリスって言うの」「初めまして、ポピー王子。アリスです」「ピィーッ」メリッサがそれぞれを紹介し、お互いが挨拶を交わした。
「それと」(ん?)そう言ってメリッサは視線をボクに向けた。
「この子はレックス君と一緒に暮らしている子グマのベアーズって言うの」と紹介されたので、ペコッ(初めまして)と言わんばかりにおじぎをした。
すると王子の方も「ピィー」と笑顔でそう叫んで挨拶をしてくれたみたいだけど······(何て言ったんだろう?)王子の言ったことはレックス達やロック君のようには理解出来なかった。
それはともかくボク達はレックス達が来るまでその部屋で王子らと過ごした。
暫くして「お待たせ」(あっ、来た)部屋の入り口の方からレックスの声が聞こえた。
「もう終わったの?」「ああ。その子が?」「ええ、ポピー王子よ」メリッサが初めて王子を見たアッシュに紹介した。
「初めましてポピー王子。アッシュって言います」「ピィーッ」アッシュと王子が挨拶を交わした。
「それじゃあ行くとするか」「あ、はい」ハウルのおっちゃんがそう言うとメリッサがさっきまで王子を抱いていたヒト(きっと王子の母ちゃんだろう)に返し、みんなで部屋を出た。
お城の外に向かいながら今回の事と、これからの事がアッシュやハウルのおっちゃんから話があった。
少し前から街の近くの砂浜って所にブラックスコーピオンっていう魔物が住み着き、街を襲ってくるのではと心配してお城のヒトがソイツらを倒すことを王都のギルドに頼んだみたい。
それで、これからはまずメリッサとアリスにマールの家で待っててもらうようにし、それから残りのヒトと、一緒に来た守備隊長っていうおっちゃんとで砂浜に行き、ブラックスコーピオンの相手をするということにしたみたい。
その話がちょうど終わったところでお城の外に出て、外にいたみんなにもその話がされた。
それからみんなでマールの家に行き、「お父さん、お母さん、ただいま!」「「マール!」」マールが父ちゃんと母ちゃんに挨拶をした後みんなの事を紹介した。
そしてマールからさっきの話の事を聞かされ、2人とも話を受け入れてくれたのでメリッサとアリスはマールの家に残ることとなった。
「気を付けてね、アッシュ」「ああ。行ってくるよ」「頑張ってね、みんな」「うん!」(おおー!)メリッサとアリスに見送られてボク達は砂浜に向かった。
マールの家でメリッサやアリスと別れ、守備隊長のおっちゃんの案内で砂浜にやって来た。
すると「あそこです」守備隊長のおっちゃんが示した方を見たら、何体かの似た姿をした生き物がいて、(あれが、ブラックスコーピオン?)とボクが思っていると「······確かに、8匹いるな」アッシュがブラックスコーピオンの数を数えていた。
そして、「レックス。念のために2、3匹分の弱点を探ってみてくれ」「分かった」アッシュがレックスに何かを頼んだ。
(弱点? 探る??)ボクがアッシュとレックスの会話の内容を不思議がってたらレックスが目を閉じてじっとしだした(何やってるんだろう?)。
少しして「兄ちゃん、やっぱり皆以前に遭遇した奴と同じ背中と尻尾との境目辺りが弱点みたい」とアッシュに伝えた(ええっ!?)。
それを聞いてアッシュは「そうか、分かった。それじゃあ作戦を伝える」とみんなに話し出した。
アッシュの作戦は、まず8匹を4匹ずつなるべく距離を取って引き離す事とし、今の場所から遠くに引き離した方をアッシュとフレッドにボブにシーランってヒトが相手をし、今の場所に残したもう一方をレックスとマール、そしてハウルのおっちゃんと守備隊長のおっちゃんが相手をする事となった(ボクはもちろんレックス達の方)。
そしてそれぞれ最初の1、2匹を倒すまでは4人で集中して1匹を攻撃し、残り2匹になったら随時分散して攻撃を行うようにと伝えられた。
アッシュからの説明を聞いて全員が理解したところで早速アッシュ達が飛び出し、うまく4匹のブラックスコーピオン達を遠くに追いやった。
それから「よし、儂らも行くぞ!」「「はい!」」「ガア!(おう!)」ハウルのおっちゃんの合図でボク達も飛び出した。
ボク達が向かって来たことに残ったブラックスコーピオン達も気付き、一斉にこちらへ向かって来た。
そこでまずハウルのおっちゃんが手に持っていた物をブラックスコーピオン達に向けた。すると突然3匹のブラックスコーピオン達が動かなくなったのだ。
(えっ、何で!?)ボクと守備隊長のおっちゃんが目の前の光景に驚いているうちにレックスとマールが動けるブラックスコーピオンに襲いかかったので、ボク達も続いた。
そのブラックスコーピオンに近付いたところでマールと守備隊長のおっちゃんがブラックスコーピオンの注意を引き付けるような動きをしだしたので、ボクも「ガア! ガア!(こっちだ! こっち!)」ブラックスコーピオンの注意を引いた。
その隙にレックスがブラックスコーピオンの背後に回り込み······ピョン、グサッ! 背中に飛び乗ってすぐさまレックスがさっき言っていた所を攻撃した。
するとそのブラックスコーピオンは直後に全く動かなくなった。その光景を見て「「やったぁ!!」」レックス達はみんなして喜んだ。
「良し! 次だ!」「うん!」「はい!」レックスの掛け声にマールと守備隊長のおっちゃんが答え、別のブラックスコーピオンに向かいだした。
それを見て(よーし、ボクも!)とレックス達に続こうとした。その時、「(ベアーズ、ベアーズよ)」(えっ!?)突然どこからか声が聞こえてきたのだ。
「だ、誰?」「(儂じゃよ、ベアーズ)」「わし?」誰かと尋ねたらわしと答えられ、誰なのか思い出そうとした。
そしてようやく、「っ! もしかして、しろいおっちゃん?」「(そうじゃよ)」(あぁ!!)声の正体に気付いた。
「実は兄ちゃんが校長先生からギルドに届いたクエスト、ギルドクエストって呼ばれている頼み事のようなものを行うように頼まれたんだ」
(ギルド、クエスト?)レックスからそんな言葉を聞き、初めて聞いた言葉だったので最初は何の事だろうと思ったけど、ギルドって言葉は前に教えてもらったし、クエストは頼み事のようなものって今教えてもらったから、(つまり、ギルドって所に届いた頼み事をしに行くんだ)と理解し、(分かった!)と言わんばかりに大きく頷いたのだった。
それを見てレックスも「ありがとう」(えへへへへ)と言いながらボクの頭を撫でてくれた。
次の日。ボクもレックスもそこそこ早く起きたので、さっと身じたくをしてアッシュ達との待ち合わせの場所に向かった。
場所に着いたけど······やっぱりまだ誰もいなかった。暫くそこで待っていたら、「レックスーっ! ベアーズー!」「あ、兄ちゃん!」(やっほー! アッシュー)アッシュがやって来て、ボク達に声をかけてきた。
「ホントにお前ら朝は早いよなぁ」「ははは、まぁね」(えへへ)なんて会話をしていたら、「「アッシュさーん!」」(ん?)「おお、フレッドー! ボブー!」レックスやアッシュと似た感じのヒトが2人アッシュと叫びながらこちらにやって来た。アッシュがそのヒト達の名前を叫んでいたから、(レックスがアッシュのクラスメイトって言ってたヒト達かぁ)と理解した。
そのすぐ後にも「アッシュ」って言いながら、レックス達とは全く違った感じのヒトがやって来た。
「よぉ、シーラン」ってアッシュが言ったから、(このヒトも、アッシュのクラスメイト?)と思った。するとそのシーランってヒトが近くに来たところで、「レックス、紹介するよ。俺達のクラスメイトの海人族でシーランって言うんだ」「初めまして、シーランだ」「レックスです。初めまして」とレックスとシーランが挨拶を交わした。
そのすぐ後に「レックスーーっ!」(あ)「あ、マールー!」マールがレックスと叫びながらこちらに向かって来た。
「遅くなってごめん」「ううん、大丈夫だよ。あ、兄ちゃん紹介するね。僕のクラスメイトのマールだよ」とレックスがマールの事をアッシュに話したら、「初めまして、マールと言います」「アッシュだ。今回はよろしくね」「あ、はい。こちらこそ」と2人は挨拶を交わした。
その後「あと来てないのは、メリッサとハウル様か」「みたいだね」アッシュとレックスが来てないヒトを確認し、ボクも(うん。後来てないのは······)と思った直後、すぐ近くの茂みを見ながら(メリッサだけ)と思った。
そのボク達の近くでは、「お前も今回は参加するのか? マール」「あ、シーランさん。はい、昨日レックスから話を聞きまして」「確かに、俺達の街の近くでの事だからなぁ」「はい」マールとシーランってヒトが話をしていた。
その時、「みんなー! お待たせー」(あ)「おっ、来た来······あれ?」「あれ?」メリッサ······と、なぜかアリスが一緒に向かって来た。
「遅くなってごめんなさい、アッシュ」「いや、良いんだが、何でアリスもいるんだ?」「今朝出てくる時にたまたま会っちゃって、話をしたら私も行くって言われたから、治療をすることになったら人手は多い方が良いと思って」「そう言う事か。まぁ確かにそうかもな」「ありがとう、お兄ちゃん!」とアッシュも納得したのだった。
(それじゃあ後は······)と思いさっきの茂みの方を見ようとした時、「どうやら全員集まったようじゃな」(出て来た)「「ハウル様!!」」茂みの方から今来たようにハウルのおっちゃんが現れた(ホントはアッシュが来る前からいたけどね)。
「はい。全員集まりました」「うむ。それじゃあ行くとするか」「「「はい!」」」とみんなが返事をしてハウルのおっちゃんによってボク達はマリンタウンへ飛んだ。
マリンタウンに着くと「「おぉー!」」「ここが、マリンタウン」「素敵」アッシュやアリスなど初めてマリンタウンに来たらしいヒト達が街の様子を見て驚いていた。
「ほれ、お城はこっちじゃ」「あ、はい」ハウルのおっちゃんに促され、アッシュを先頭にボク達はお城に向かった。
お城の前に着いたところで、「さて、これからどうするんじゃ、アッシュ?」「とりあえず、依頼主の守備隊長の所へ俺とハウル様とレックスで話を聞きに行きましょう」「そうじゃな」「皆はその間ここで待っててくれ」「分かりました」「分かった」とアッシュがみんなに伝えた。
するとメリッサが「ねぇアッシュ。その間ポピー王子様の所に行ってても良いかしら?」と尋ねると、「ポピー王子様?」「おぉ、そうじゃな。久しぶりに顔を見せてやった方が良いかもな」とハウルのおっちゃんが言った事もあり、「分かったよ」「ありがとう」アッシュが許し、「ねぇお姉ちゃん。私も行っても良い?」「うん!」「やったぁ!」アリスもメリッサについて行く事となった。
それで、「じゃあアリス。ベアーズも預かってて」「分かった」ということでボクもアリスやメリッサとポピーって王子の所に行く事となった。
お城の中に入って少ししてからレックス達と別れ、ボク達はお城のヒトに案内されてポピー王子のいる所に連れて行ってもらった。
少し歩いたところで大きな扉の前に着き、その扉が開けられたら中に何人かのヒトがいた。
すると突然「ピィーーーッ!」(うわっ!)ものすごいかん高い声が聞こえてきた。
そのすぐ後「ポピー王子!」とメリッサが叫んだので、奥の方に目をやるとアリスやメリッサと似た感じのヒトが抱えているボクより少し体の大きさが小さな子が手をバタつかせているのを見て、(あの子がポピー王子かぁ)と理解した。
そのポピー王子にメリッサが近付くと、それまで王子を抱えていたヒトが王子を離して王子がメリッサに抱き付いた。
「久しぶり」「ピィーッ!」メリッサが優しく話しかけたら王子は再びかん高い声で返した。
「その子が、ポピー王子様?」とアリスが聞くと、「うん、そうよ。ポピー王子、この子はレックス君の幼馴染みでアリスって言うの」「初めまして、ポピー王子。アリスです」「ピィーッ」メリッサがそれぞれを紹介し、お互いが挨拶を交わした。
「それと」(ん?)そう言ってメリッサは視線をボクに向けた。
「この子はレックス君と一緒に暮らしている子グマのベアーズって言うの」と紹介されたので、ペコッ(初めまして)と言わんばかりにおじぎをした。
すると王子の方も「ピィー」と笑顔でそう叫んで挨拶をしてくれたみたいだけど······(何て言ったんだろう?)王子の言ったことはレックス達やロック君のようには理解出来なかった。
それはともかくボク達はレックス達が来るまでその部屋で王子らと過ごした。
暫くして「お待たせ」(あっ、来た)部屋の入り口の方からレックスの声が聞こえた。
「もう終わったの?」「ああ。その子が?」「ええ、ポピー王子よ」メリッサが初めて王子を見たアッシュに紹介した。
「初めましてポピー王子。アッシュって言います」「ピィーッ」アッシュと王子が挨拶を交わした。
「それじゃあ行くとするか」「あ、はい」ハウルのおっちゃんがそう言うとメリッサがさっきまで王子を抱いていたヒト(きっと王子の母ちゃんだろう)に返し、みんなで部屋を出た。
お城の外に向かいながら今回の事と、これからの事がアッシュやハウルのおっちゃんから話があった。
少し前から街の近くの砂浜って所にブラックスコーピオンっていう魔物が住み着き、街を襲ってくるのではと心配してお城のヒトがソイツらを倒すことを王都のギルドに頼んだみたい。
それで、これからはまずメリッサとアリスにマールの家で待っててもらうようにし、それから残りのヒトと、一緒に来た守備隊長っていうおっちゃんとで砂浜に行き、ブラックスコーピオンの相手をするということにしたみたい。
その話がちょうど終わったところでお城の外に出て、外にいたみんなにもその話がされた。
それからみんなでマールの家に行き、「お父さん、お母さん、ただいま!」「「マール!」」マールが父ちゃんと母ちゃんに挨拶をした後みんなの事を紹介した。
そしてマールからさっきの話の事を聞かされ、2人とも話を受け入れてくれたのでメリッサとアリスはマールの家に残ることとなった。
「気を付けてね、アッシュ」「ああ。行ってくるよ」「頑張ってね、みんな」「うん!」(おおー!)メリッサとアリスに見送られてボク達は砂浜に向かった。
マールの家でメリッサやアリスと別れ、守備隊長のおっちゃんの案内で砂浜にやって来た。
すると「あそこです」守備隊長のおっちゃんが示した方を見たら、何体かの似た姿をした生き物がいて、(あれが、ブラックスコーピオン?)とボクが思っていると「······確かに、8匹いるな」アッシュがブラックスコーピオンの数を数えていた。
そして、「レックス。念のために2、3匹分の弱点を探ってみてくれ」「分かった」アッシュがレックスに何かを頼んだ。
(弱点? 探る??)ボクがアッシュとレックスの会話の内容を不思議がってたらレックスが目を閉じてじっとしだした(何やってるんだろう?)。
少しして「兄ちゃん、やっぱり皆以前に遭遇した奴と同じ背中と尻尾との境目辺りが弱点みたい」とアッシュに伝えた(ええっ!?)。
それを聞いてアッシュは「そうか、分かった。それじゃあ作戦を伝える」とみんなに話し出した。
アッシュの作戦は、まず8匹を4匹ずつなるべく距離を取って引き離す事とし、今の場所から遠くに引き離した方をアッシュとフレッドにボブにシーランってヒトが相手をし、今の場所に残したもう一方をレックスとマール、そしてハウルのおっちゃんと守備隊長のおっちゃんが相手をする事となった(ボクはもちろんレックス達の方)。
そしてそれぞれ最初の1、2匹を倒すまでは4人で集中して1匹を攻撃し、残り2匹になったら随時分散して攻撃を行うようにと伝えられた。
アッシュからの説明を聞いて全員が理解したところで早速アッシュ達が飛び出し、うまく4匹のブラックスコーピオン達を遠くに追いやった。
それから「よし、儂らも行くぞ!」「「はい!」」「ガア!(おう!)」ハウルのおっちゃんの合図でボク達も飛び出した。
ボク達が向かって来たことに残ったブラックスコーピオン達も気付き、一斉にこちらへ向かって来た。
そこでまずハウルのおっちゃんが手に持っていた物をブラックスコーピオン達に向けた。すると突然3匹のブラックスコーピオン達が動かなくなったのだ。
(えっ、何で!?)ボクと守備隊長のおっちゃんが目の前の光景に驚いているうちにレックスとマールが動けるブラックスコーピオンに襲いかかったので、ボク達も続いた。
そのブラックスコーピオンに近付いたところでマールと守備隊長のおっちゃんがブラックスコーピオンの注意を引き付けるような動きをしだしたので、ボクも「ガア! ガア!(こっちだ! こっち!)」ブラックスコーピオンの注意を引いた。
その隙にレックスがブラックスコーピオンの背後に回り込み······ピョン、グサッ! 背中に飛び乗ってすぐさまレックスがさっき言っていた所を攻撃した。
するとそのブラックスコーピオンは直後に全く動かなくなった。その光景を見て「「やったぁ!!」」レックス達はみんなして喜んだ。
「良し! 次だ!」「うん!」「はい!」レックスの掛け声にマールと守備隊長のおっちゃんが答え、別のブラックスコーピオンに向かいだした。
それを見て(よーし、ボクも!)とレックス達に続こうとした。その時、「(ベアーズ、ベアーズよ)」(えっ!?)突然どこからか声が聞こえてきたのだ。
「だ、誰?」「(儂じゃよ、ベアーズ)」「わし?」誰かと尋ねたらわしと答えられ、誰なのか思い出そうとした。
そしてようやく、「っ! もしかして、しろいおっちゃん?」「(そうじゃよ)」(あぁ!!)声の正体に気付いた。
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