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二人で散歩……母と修羅場⑩

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「金を出せと言ってるだろうがぁ!」

私目掛けて、部屋から持ってきた
教科書、ノート、プリントを
私に投げつけた。

痛いよりも、屈辱感。
私の全てを否定し、プライドも
ズタズタにする。毒母。

怒りがふつふつと沸き上がる。
泣きすぎて目があまり開かない。
でも、おもいっきり睨み付けた。

「い、や、だ━━━!」

声が泣きすぎて掠れていても
張り裂けんばかりに、叫んだ。

鬼婆は、私の叫びが癪に触ったのか、私の頭を両手で何度も叩く。

「ヴあ━━━━━━━━!余計な知恵付けやがって!!」
訳のわからない金切り声を上げ、発した。

知恵って?
それが、とても引っ掛かる。

「やめないか!」

さすがに、おじじが助け船を出してきた。

「自分が子供にしてることが、おかしいとは、思わないのか!?」

と、更に母に追い討ちをかける。

母が私を打つのをやめた。
終わるかと思った。
でもそれは、間違いだった。

鬼は、ベッドにいるおじじのそばに行く。
鬼婆のまま。

「あんたが、あれに余計な知恵付けたから、いうことまったく聞かなくなった」       

と指を差し、非難を浴びさせている。
それに対して、眉間に深い皺を寄せた。

「知恵?なんだそれは?」

「はっ!?あんたが、娘の金取るなというから、お年玉も今年は、取られなかったわ!
なんでも、おじじが、おじじが、って、あんたが余計な知恵付けたせいで!」

知恵を付けたと繰り返す鬼婆。

その意味が徐々にわかり始めた。
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