Vegetables

Vegetablesー３ー

決戦 ２

「じゃあさ、さとちゃん、ついでにぼくらも宣言しとこうよ」

　拓が急に思いついたかのように立ちあがった。智が慌てて静止しようとするが、もちろん間に合うはずもない。

「あのねぇ、ぼくらもこの前から付き合ってま～す」

　俺は思わずウーロン茶を吹きそうになって慌てて手でおさえた。環はビールにむせて必死で呼吸を整えている。そして、智はカウンターに突っ伏して頭を抱えていた。

　智……おまえに同情する――俺は心の中でそっと手を合わせた。

「――ってことはだ。めでたく四人とも恋人ができたってことだな」

　環が必死で平静を保とうと発言する――って、えぇ！？

「環っ、おまえ何言って……っ！！」

「あ……っ、悪い！　千章！！」

　環が慌てて頭を下げる。俺は何も言えずに呆然としてしまった。

「え？　あきちゃんも彼女いるのー？」

「千章、まじで？　だからこの前合コン断ったのかよ」

「で？」

　智と拓がテンポよく畳み掛けてくる。このカップル、気ぃ合いすぎだろ――。

「ま、まぁ……そのうち、な……」

　俺の顔は最高に引きつっていたと思う。

「そりゃないって、千章ぃ」

「ぼくらの仲で秘密なんてヒドイじゃん」

　だれか助けて――。