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Vegetablesー2ー
絶体絶命 3
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「じゃあ仕方ないっか。でも腹立つからこの前の千章の写真、環たちにでも見せよっかなぁ」
「写真なんか撮ってないだろ!?」
「そんな、せっかく千章の艶姿なんだからちゃんと撮ったわよ」
美晴は最高に偉そうな態度でポケットから一枚差し出してきた。一体いつ撮ったのか、そこにはストレートロングのカツラ、ジーンズにピンクのチュニックを着て、なぜかニッコリ笑っている俺が写っている。
そして写真を手に硬直する俺に「他のも見る?」とかほざきやがった。一体何枚あるんだよ。――ってかいつ撮ったんだよ。
「智あたりが見たら、いい反応してくれそうよねぇ?」
そういって悪魔のような顔でこっちを見た。環にはもうばれてるし、あいつは俺の女装をネタに遊ぶことはないだろうが、智と拓はやばい。おもしろがって何されるか……。特に智にはこの間の件でちょっとした借りができている。
「会費タダにするからさ。タダ酒飲みに行くと思って――ね?」
「……うっかりばれたりしても知らねぇからな! あと先に写真のデータ渡せ!」
「や~ん、千章ありがとう!」
むかつく……。わなわな震える俺を無視して、美晴はさっそく自分の部屋から服一式を持ってきた。すでに準備していたということは、どんな手を使ってでも連れて行く気だったってことなんだろう。
コイツ、いつか絶対しめる!
なんで女の服はこうもひらひらしてるんだろう。久しぶりの感触に早くもげんなりした。
一応配慮したつもりなのだろうボトムはジーンズで、とりあえず俺はホッとしたが(スカートとか出てきたらどうしようかと……)トップスはレースのついた桜色のニットキャミ(しかもご丁寧にパット付き!)に、ハイウェストのカーディガンと女度が高いものだった。しかも……。
――美晴に化粧までされた俺って……。
鏡に映る自分に落ち込む暇もなく、美晴に「遅れるから早く!」と車に乗せられた。
待ち合わせは駅前にある居酒屋「つぼや」で七時なんだという。一次会で帰っていい約束だから、せいぜい二時間。
――気が重い。
「写真なんか撮ってないだろ!?」
「そんな、せっかく千章の艶姿なんだからちゃんと撮ったわよ」
美晴は最高に偉そうな態度でポケットから一枚差し出してきた。一体いつ撮ったのか、そこにはストレートロングのカツラ、ジーンズにピンクのチュニックを着て、なぜかニッコリ笑っている俺が写っている。
そして写真を手に硬直する俺に「他のも見る?」とかほざきやがった。一体何枚あるんだよ。――ってかいつ撮ったんだよ。
「智あたりが見たら、いい反応してくれそうよねぇ?」
そういって悪魔のような顔でこっちを見た。環にはもうばれてるし、あいつは俺の女装をネタに遊ぶことはないだろうが、智と拓はやばい。おもしろがって何されるか……。特に智にはこの間の件でちょっとした借りができている。
「会費タダにするからさ。タダ酒飲みに行くと思って――ね?」
「……うっかりばれたりしても知らねぇからな! あと先に写真のデータ渡せ!」
「や~ん、千章ありがとう!」
むかつく……。わなわな震える俺を無視して、美晴はさっそく自分の部屋から服一式を持ってきた。すでに準備していたということは、どんな手を使ってでも連れて行く気だったってことなんだろう。
コイツ、いつか絶対しめる!
なんで女の服はこうもひらひらしてるんだろう。久しぶりの感触に早くもげんなりした。
一応配慮したつもりなのだろうボトムはジーンズで、とりあえず俺はホッとしたが(スカートとか出てきたらどうしようかと……)トップスはレースのついた桜色のニットキャミ(しかもご丁寧にパット付き!)に、ハイウェストのカーディガンと女度が高いものだった。しかも……。
――美晴に化粧までされた俺って……。
鏡に映る自分に落ち込む暇もなく、美晴に「遅れるから早く!」と車に乗せられた。
待ち合わせは駅前にある居酒屋「つぼや」で七時なんだという。一次会で帰っていい約束だから、せいぜい二時間。
――気が重い。
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