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⑦ はじまりのナポリタン
⑫
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そ、そうなんだ……。
だから、水かけ地蔵さんの浮遊霊が夢に出た時も、成仏したそうな顔をしていたんだ。
「じいちゃん大丈夫だよ! 父さんと、ちゃんとこの店の味を守っていくから!」
水斗君は空中に浮いたおじいちゃんの体に向かって叫んだ。
おじいちゃんも優しく笑って「任せたぞ」と言う。
『オイラはまだ消えたくねぇんだ! 離せ!』
小太りの浮遊霊も水斗君のお父さんの中から出てくる。
二人の霊が抜けたお父さんは、机に顔をつけてグッタリしていた。
おじいちゃんが「お前も一緒に消えるんだ」と言って、小太りのおじさんの腕をつかんでいた。
「水斗、最後にひとつだけいいか」
最後にひとつだけ? おじいちゃんの顔から笑顔が消えている。
何を言われるんだろう……思わず私も耳をすました。
「どうしたの、じいちゃん?」
「水斗、お前に教えたのは、ただの料理の作り方じゃない。全ての人の心を包み込む料理だ」
「……包み込む料理?」
「それは人間だけじゃなく、ワシらにも伝わる」
水斗君は、自分の手を見つめている。
その手に、浮遊霊や守護霊までにも美味しさを伝える力があるってことか。
「一人でも多くの人を、救ってあげてくれ……」
おじいちゃんと、あばれている小太りのおじさんが消えていく。
水斗君はおじいちゃんを見ながら、涙を浮かべていた。
なるほど……水斗君の除霊ご飯の謎がわかった。
水斗君が浮遊霊を除霊できて、成仏までできるご飯が作れたのは、おじいちゃんのおかげなんだ。
完全にしっくりきた。
パッと前を見ると、お父さんはしばらく眠ったままだった。
二人に憑依されたら、相当疲れるよね。
水斗君は自分の手にグッと力を入れながら、「ありがとう、じいちゃん」と声にした。
だから、水かけ地蔵さんの浮遊霊が夢に出た時も、成仏したそうな顔をしていたんだ。
「じいちゃん大丈夫だよ! 父さんと、ちゃんとこの店の味を守っていくから!」
水斗君は空中に浮いたおじいちゃんの体に向かって叫んだ。
おじいちゃんも優しく笑って「任せたぞ」と言う。
『オイラはまだ消えたくねぇんだ! 離せ!』
小太りの浮遊霊も水斗君のお父さんの中から出てくる。
二人の霊が抜けたお父さんは、机に顔をつけてグッタリしていた。
おじいちゃんが「お前も一緒に消えるんだ」と言って、小太りのおじさんの腕をつかんでいた。
「水斗、最後にひとつだけいいか」
最後にひとつだけ? おじいちゃんの顔から笑顔が消えている。
何を言われるんだろう……思わず私も耳をすました。
「どうしたの、じいちゃん?」
「水斗、お前に教えたのは、ただの料理の作り方じゃない。全ての人の心を包み込む料理だ」
「……包み込む料理?」
「それは人間だけじゃなく、ワシらにも伝わる」
水斗君は、自分の手を見つめている。
その手に、浮遊霊や守護霊までにも美味しさを伝える力があるってことか。
「一人でも多くの人を、救ってあげてくれ……」
おじいちゃんと、あばれている小太りのおじさんが消えていく。
水斗君はおじいちゃんを見ながら、涙を浮かべていた。
なるほど……水斗君の除霊ご飯の謎がわかった。
水斗君が浮遊霊を除霊できて、成仏までできるご飯が作れたのは、おじいちゃんのおかげなんだ。
完全にしっくりきた。
パッと前を見ると、お父さんはしばらく眠ったままだった。
二人に憑依されたら、相当疲れるよね。
水斗君は自分の手にグッと力を入れながら、「ありがとう、じいちゃん」と声にした。
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