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⑧ 最強タッグ解散?

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「……そうか。ヒビコがそんなこと言うなんて、はじめてだな」

 お父さんはちょっと困っているみたいだった。
 確かに、転校をしたくないなんて言ったの、はじめてかもしれない。
 私はただただ強く、お父さんの方を見ていた。

「すまないヒビコ。転校したくない気持ちが強いのはわかるが、こればっかりはしょうがないんだ」
「そんな……」
「でも、前の街に戻れるんだぞ? 知らない街に行くよりはいいだろう?」
「関西って、また梅賀に戻るってことなのね」

 そうか……関西の会社に戻るって、梅賀に戻るってことだったんだ。
 お父さんの言うように、慣れた街ではあるけど……それでも、水斗君たちと離れたくない。
 私はそれでも、良い顔はしなかった。

「一か月後には引っ越すからな。ヒビコも準備しておくんだぞ」

 お父さんはそう言って雑誌を閉じた。
 テーブルの上にはお母さん手作りの夜ご飯が置かれている。
 願い通り、ハッシュドビーフが作られていたけど、その味はハッキリと感じることはできなかった。
 それほど、すぐに転校するということがショックで大きかったんだ。

 夜、目をつぶっても眠ることができない。
 頭の中で、ずっと転校のことを考えてしまっていた。
 そして何より……水斗君。
 せっかく水斗君とタッグを組んで、成仏できなくて困っている浮遊霊を助けることができるのに。
 もうそれが叶わなくなるなんて……悲しいよ。

 明日水斗君に言わないと。
 水斗君、きっと怒るだろうなぁ。
 せっかくおじいちゃんの守護霊を成仏させて、自分の除霊ご飯に自信がついたのに。

 こんなに早く、タッグを解散してしまうなんて。
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