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⑥ 歴史あるハンバーグ

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「うーん、もう少し焼いた方が好きだけどなぁ」
「水斗君、給食のハンバーグにケチつけないの!」
「だってさ! せっかくテリヤキソースが合ってるのに、食感が微妙なんだもん!」
「水斗君のお家のハンバーグに比べたらそうかもしれないけど、調理師さんに失礼でしょ!」
「わかったよ! ごめんなさい!」

 給食の時間、何やら水斗君の席がうるさい。
 珠子先生と言い合いになっている。
 水斗君、たまに給食にケチつけちゃうんだよなぁ。
 まあ、自分の方が上手く作れるっていう自信があるからだと思うけど、珠子先生が大変そうだ。

「水斗のやつ、ハンバーグに厳しいからなぁ」

 同じ班のデン太君がその様子を見ながら説明してくれる。
 へぇー、そうなんだ……ハンバーグが好きなのかな?

「デン太君、水斗君ってハンバーグが好きなの?」
「まあな。水斗んちのレストランは、ハンバーグが人気なんだ」
「なるほど。だからあんなにうるさいんだ」
「まあ、料理にうるさいのはいつものことだろ」

 それは言えてる。
 デン太君に座布団を一枚あげたくなる。
 っていうか、水斗君のお店、一度も行ったことがないなぁ。
 確か、『ひばな』って名前だった気がする。

「あ……そこに行けば、水斗君の除霊ご飯の謎を知れるかもしれない?」

 思わず、心の声をもらしてしまった。
 すかさずデン太君が「何か言ったか?」とつっこんでくる。

「い、いや! 何でもない!」

 デン太君だけならまだしも、他にも班のみんながいる。
 何も言っていないとアピールしてから、早食いみたく給食をかきこむ。
 全然このハンバーグ、美味しいけどな。
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