除霊ご飯を召し上がれ。

⑤ つかのまティータイム

②

「それで、ヒビコさん。ヒビコさんはどうして浮遊霊が見えるようになったの？」

　ひと段落した後に、菜乃ちゃんが聞いてくる。
　そっか、私が浮遊霊を見えるようになったワケは、まだ言ってなかったっけ。

「あ、うん……夢でね、水かけ地蔵さんの浮遊霊が私に語りかけてきたの……」

　例の、水かけ地蔵さんの話をする。
　前の学校帰りに、よく神社に寄っていたこと。
　転校前に、お供えをしたこと。
　そして夢のこと。
　もちろん、水斗君の除霊ご飯が、成仏のカギになることも。
　珠子先生に話したことを、そのまま菜乃ちゃんにも話した。

「へぇー……不思議な夢ね。それ以来、浮遊霊が見えるようになったんだ？」
「そうなの……その水かけ地蔵さんの浮遊霊が、私に助けを求めてきてるんじゃないかって」
「そうねぇ。ヒビコさんの力で、早く成仏させてあげないと……」

　そうだ。
　菜乃ちゃんが言うように、早くあの水かけ地蔵さんの浮遊霊を救ってあげないといけない。
　菜乃ちゃんのおかげで、やる気が出てきた。
　でも、どうすれば水かけ地蔵さんの浮遊霊は見つかるのか……。

「っていうかさ、ヒビコが前に住んでた街って、どこなんだ？」

　紅茶をすすりながらまったりと話を聞いていた水斗君が、話に入ってくる。
　あ、そっか……まだ私が前に住んでいた街のこと、言ってなかったっけ。

「あ、うーんとね、関西の梅賀ってところ」