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レイヴァンズクロフトの山荘の解体に立ち会った私は、ジョニーの宿屋で食事を摂りそのまま帰路につく予定だった。
けれど……
「レディ・ウィンダムをお客さんがお待ちです」
「?」
二階の部屋に通される。
扉を開けるとオーウェンが待っていた。さっぱりと髪を切り、司祭ではなく貴族のような格好で寛いでいる。
「やあ、エスター。お疲れ様」
「ごきげんようオーウェン。いらっしゃるなんて知らなかった」
「本当ならあなたと一緒に立ち会いたかったが、ここまでで三日も雨に降られ遅れたんだ。川を渡れなくて」
遥か彼方の教皇庁から来るとなれば、そういうこともある。
「もしかして御手紙くださった?」
「いや。勝手に来たんだ」
「そう」
その髪型も素敵、などと言ってもいいものだろうか。
相手がクリスなら軽口のひとつくらい挟むけれど、相手は教皇庁から来た元公爵令息の現司祭で……とそこまで考えて気づく。
私に会いに来たのだ。
「その髪型も素敵」
「ありがとう」
オーウェンは嬉しそうに笑うと優雅な身の熟しで椅子から立ち上がり、私の方へと体を向けた。
「ここにお泊りになるの?それとも、急いで教会へ向かわれる?」
何か言い知れぬ期待めいたものが胸の内に生まれていた。
悪戯っぽさとは違う小さな光がオーウェンの碧い瞳に輝いた。
「それはこれからの私たちによる」
「私たち?」
私も笑みが零れてしまう。
互いに表情を探りながら笑みを深めていく私たちが、一つの同じ道へと足を踏み出そうとしている予感に胸が高鳴った。
「司祭は辞めたんだ」
「そうなの」
「不真面目だと思う?」
「いいえ。神様の風に運ばれたのでしょう」
少年時代に過酷な悲劇を生き延びたオーウェンは、失いかけた命を守られ、深く傷ついた心を慰められ、人格を養われ、真摯に生きた。彼は背き失うわけではない。
「聖職者を辞める者の理由の多くは、結婚だ」
「ええ。神様が祝福する、最も尊い契約ね」
「そう。……結婚したい人に出会ったんだ。人生を共に歩み、守りたいと思う人に」
熱くなる頬と高鳴る胸を自覚しながらも、私は自重する。
もう恋に溺れる少女ではなく、私だけの道に責任と誇りを持っている。
「私は、自分の中で愛が凍り付く体験をしました。私の愛は、冷めた。それが偽りの愛であったからなのか、本来の私が愛情を持てない人間だからなのか、考えました」
「うん」
親身に頷かれるとくすぐったくなる。
「今わかっていることは、凍り付いた心にも再び愛の火が灯るということです。ただ私にはそれが真実かどうか、自信がないのです。私は見誤りましたから」
「これが真実の愛か、一緒に確かめないか?」
彼の言葉は深く私を貫いた。
一緒に、確かめてくれると言う……
「オーウェン……」
「エスター。あなたと同じ体験をした。私も、二度と愛する者、守るべき者など欲しくはないと心底思っていた。だがあなたが私の凍てついた心に灯り、溶かした。あなたと生きる為の新しい命が生まれたんだ。あなたを愛する男として生き、死にたい」
オーウェンの傍にいたい。
彼と生きたい。
その思いが堰を切ったように溢れ出し、熱い濁流となって全身を駆け巡る。
今すぐ彼を抱きしめたい。でもそれは彼を支えたいからではない。支えたい気持ちを内包する熱い想いが私を駆り立てる。
「……」
私も、と伝えたいのに声が出なかった。
見つめ合い、オーウェンの瞳に熱が篭る。私と同じ熱が。
「愛している」
短い距離を歩み寄り、オーウェンが私の前で跪く。緊張する私の手を掬い上げる。いつからか大きな手には天鵞絨の小箱が用意されていた。
「結婚してください」
「……っ」
涙が込み上げる。
歓喜は私を震わせ、一筋の涙とともにたった一つの真実を突き付けた。
オーウェンに出会うために生まれてきたのだと。
「はい……謹んで、お受けします……!」
「ありがとう」
今まで生きてきて最も重厚で感動的な感謝の言葉を受けながら、私は自らの手を、指を、彼に委ねる。美しい指輪が私の細い薬指で輝いた。
「愛してるの、オーウェン……!」
「ああ、わかっていた」
熱い呟きを洩らし立ち上がると、オーウェンは私を抱きしめ熱い眼差しで頬を撫でる。
「だからあなたもきっとわかる」
囁きの後、熱い唇が重なった。
命を分け合うような甘い口づけに私は感極まりながらも酔い痴れる。甘く、優しく、熱く、労わるように、私たちは確かめた。
「……わかったわ」
短い息継ぎの瞬間に伝えると、彼はくすりと笑い短い口づけで一つの区切りを示した。そしてただ愛しむように抱きかかえ、私は私で彼の胸に頭を預けて甘える。すると今度は大切そうに頭を撫でて髪に口づけを落としてくれる。
彼の想いが伝わってくる。
だから、私の想いも伝わっている。
「一つ、安心してもらえることがある」
「?」
何一つ不安を感じてなどいない私はオーウェンの胸の中で微笑んだ。
オーウェンが穏やかに声を出すと、私が心地よく身を委ねる彼の胸が柔らかく震える。とても心地よい安らぎが私を包み込んでいく。
「陛下は私に公爵位を下さった。前段階としての名誉叙爵だから領地は持たないが、あなたの夫として、申し分なく貴族の義務は果たせるよ」
「まあ……!」
彼は元々カヴァナー公爵令息であり、恐らくはだからこそ若くして司祭の身分を与えられていたのだろうけれど、それでも彼の復帰として最上の執成しがあったのは喜ばしいことだった。
「おめでとう、オーウェン。あなたならきっと……」
素晴らしい宮廷人になる?
私は自分の頭があまり冷静に動いていないと気づいた。そんな私を見てオーウェンがくすりと笑う。
「エスター。あなたのウィンダムは、ウィンダム公爵領になるんだよ」
「……」
陞爵。
それは私の人生において全く予定していない、望むのも烏滸がましい名誉だった。本来であれば公爵家の人々など王家に次ぐ雲の上の人々なのだから。
「で、でも、ウィンダムは賑やかな宿場町を持つ長閑な土地で……」
「だから名誉叙爵だ。安心して。私はあなたの善き支えになりたいと願っている。あなたから、あなたのウィンダムを奪いもしなければ、変化を無理強いするようなことはないよ」
「でも、責任が……」
「大丈夫。名誉叙爵だ」
私の動揺を落ち着かせる為にオーウェンは私の体を抱きしめたまま左右に揺れ、ポンポンと優しく背中を叩いてあやす。
「……」
かつて私は身分違いの恋をした。
今もそうだったのだと、初めて気づいた。
けれど……
「レディ・ウィンダムをお客さんがお待ちです」
「?」
二階の部屋に通される。
扉を開けるとオーウェンが待っていた。さっぱりと髪を切り、司祭ではなく貴族のような格好で寛いでいる。
「やあ、エスター。お疲れ様」
「ごきげんようオーウェン。いらっしゃるなんて知らなかった」
「本当ならあなたと一緒に立ち会いたかったが、ここまでで三日も雨に降られ遅れたんだ。川を渡れなくて」
遥か彼方の教皇庁から来るとなれば、そういうこともある。
「もしかして御手紙くださった?」
「いや。勝手に来たんだ」
「そう」
その髪型も素敵、などと言ってもいいものだろうか。
相手がクリスなら軽口のひとつくらい挟むけれど、相手は教皇庁から来た元公爵令息の現司祭で……とそこまで考えて気づく。
私に会いに来たのだ。
「その髪型も素敵」
「ありがとう」
オーウェンは嬉しそうに笑うと優雅な身の熟しで椅子から立ち上がり、私の方へと体を向けた。
「ここにお泊りになるの?それとも、急いで教会へ向かわれる?」
何か言い知れぬ期待めいたものが胸の内に生まれていた。
悪戯っぽさとは違う小さな光がオーウェンの碧い瞳に輝いた。
「それはこれからの私たちによる」
「私たち?」
私も笑みが零れてしまう。
互いに表情を探りながら笑みを深めていく私たちが、一つの同じ道へと足を踏み出そうとしている予感に胸が高鳴った。
「司祭は辞めたんだ」
「そうなの」
「不真面目だと思う?」
「いいえ。神様の風に運ばれたのでしょう」
少年時代に過酷な悲劇を生き延びたオーウェンは、失いかけた命を守られ、深く傷ついた心を慰められ、人格を養われ、真摯に生きた。彼は背き失うわけではない。
「聖職者を辞める者の理由の多くは、結婚だ」
「ええ。神様が祝福する、最も尊い契約ね」
「そう。……結婚したい人に出会ったんだ。人生を共に歩み、守りたいと思う人に」
熱くなる頬と高鳴る胸を自覚しながらも、私は自重する。
もう恋に溺れる少女ではなく、私だけの道に責任と誇りを持っている。
「私は、自分の中で愛が凍り付く体験をしました。私の愛は、冷めた。それが偽りの愛であったからなのか、本来の私が愛情を持てない人間だからなのか、考えました」
「うん」
親身に頷かれるとくすぐったくなる。
「今わかっていることは、凍り付いた心にも再び愛の火が灯るということです。ただ私にはそれが真実かどうか、自信がないのです。私は見誤りましたから」
「これが真実の愛か、一緒に確かめないか?」
彼の言葉は深く私を貫いた。
一緒に、確かめてくれると言う……
「オーウェン……」
「エスター。あなたと同じ体験をした。私も、二度と愛する者、守るべき者など欲しくはないと心底思っていた。だがあなたが私の凍てついた心に灯り、溶かした。あなたと生きる為の新しい命が生まれたんだ。あなたを愛する男として生き、死にたい」
オーウェンの傍にいたい。
彼と生きたい。
その思いが堰を切ったように溢れ出し、熱い濁流となって全身を駆け巡る。
今すぐ彼を抱きしめたい。でもそれは彼を支えたいからではない。支えたい気持ちを内包する熱い想いが私を駆り立てる。
「……」
私も、と伝えたいのに声が出なかった。
見つめ合い、オーウェンの瞳に熱が篭る。私と同じ熱が。
「愛している」
短い距離を歩み寄り、オーウェンが私の前で跪く。緊張する私の手を掬い上げる。いつからか大きな手には天鵞絨の小箱が用意されていた。
「結婚してください」
「……っ」
涙が込み上げる。
歓喜は私を震わせ、一筋の涙とともにたった一つの真実を突き付けた。
オーウェンに出会うために生まれてきたのだと。
「はい……謹んで、お受けします……!」
「ありがとう」
今まで生きてきて最も重厚で感動的な感謝の言葉を受けながら、私は自らの手を、指を、彼に委ねる。美しい指輪が私の細い薬指で輝いた。
「愛してるの、オーウェン……!」
「ああ、わかっていた」
熱い呟きを洩らし立ち上がると、オーウェンは私を抱きしめ熱い眼差しで頬を撫でる。
「だからあなたもきっとわかる」
囁きの後、熱い唇が重なった。
命を分け合うような甘い口づけに私は感極まりながらも酔い痴れる。甘く、優しく、熱く、労わるように、私たちは確かめた。
「……わかったわ」
短い息継ぎの瞬間に伝えると、彼はくすりと笑い短い口づけで一つの区切りを示した。そしてただ愛しむように抱きかかえ、私は私で彼の胸に頭を預けて甘える。すると今度は大切そうに頭を撫でて髪に口づけを落としてくれる。
彼の想いが伝わってくる。
だから、私の想いも伝わっている。
「一つ、安心してもらえることがある」
「?」
何一つ不安を感じてなどいない私はオーウェンの胸の中で微笑んだ。
オーウェンが穏やかに声を出すと、私が心地よく身を委ねる彼の胸が柔らかく震える。とても心地よい安らぎが私を包み込んでいく。
「陛下は私に公爵位を下さった。前段階としての名誉叙爵だから領地は持たないが、あなたの夫として、申し分なく貴族の義務は果たせるよ」
「まあ……!」
彼は元々カヴァナー公爵令息であり、恐らくはだからこそ若くして司祭の身分を与えられていたのだろうけれど、それでも彼の復帰として最上の執成しがあったのは喜ばしいことだった。
「おめでとう、オーウェン。あなたならきっと……」
素晴らしい宮廷人になる?
私は自分の頭があまり冷静に動いていないと気づいた。そんな私を見てオーウェンがくすりと笑う。
「エスター。あなたのウィンダムは、ウィンダム公爵領になるんだよ」
「……」
陞爵。
それは私の人生において全く予定していない、望むのも烏滸がましい名誉だった。本来であれば公爵家の人々など王家に次ぐ雲の上の人々なのだから。
「で、でも、ウィンダムは賑やかな宿場町を持つ長閑な土地で……」
「だから名誉叙爵だ。安心して。私はあなたの善き支えになりたいと願っている。あなたから、あなたのウィンダムを奪いもしなければ、変化を無理強いするようなことはないよ」
「でも、責任が……」
「大丈夫。名誉叙爵だ」
私の動揺を落ち着かせる為にオーウェンは私の体を抱きしめたまま左右に揺れ、ポンポンと優しく背中を叩いてあやす。
「……」
かつて私は身分違いの恋をした。
今もそうだったのだと、初めて気づいた。
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